ここのところ、個人的に中国のミニPCがすっかりお気に入りになってしまいました。このジャンルをまともに取り上げているサイトはウインタブくらいなのではないか、と思いますし、記事を掲載しても読者のみなさんの反応はあまりよろしくない、ということも承知しておりますが、「気に入っちゃったんでしかたない」ということでご容赦ください…。
とはいえ、今回紹介する「Beelink S2」こそは読者に好感を持っていただけるのではないか、と期待しております。CPUにGemini Lake世代のPentium/Celeronを搭載するなどスペックが比較的新しく、そして高く、それでいて中華らしく安価です。また、BeelinkというメーカーはタブレットやノートPCを手がけていないため、日本での知名度が低いのですが、ミニPCやAndroidのTV Boxを数多く作っていますし、筐体のデザインも洗練されているんですよね。
1.スペック
この製品は2つのバリエーションがあります。「Pentium N5000/RAM8GB/128GB SSD」と「Celeron N4100/RAM4GB/64GB eMMC」です。ともにCPUはGemini Lake世代で、N5000はApollo Lake世代のPentium N4200の後継、N4100はCeleron N3450の後継と思われます。Passmarkが公表しているベンチマークスコアを確認してみましょう。
Pentium Silver N5000: 2,807
Celeron N4100: データなし
Pentium N4200: 2,030
Celeron N3450: 1,828
Core i3-7100U: 3,832
※5月26日現在のPassmark公表値、数値が大きいほうが高性能
残念ながらN4100のデータはありません。一方N5000は前身と思われるN4200よりも38%ほどスコアがアップしています。先日Celeron N4000(Gemini Lake)をN3350(Apollo Lake)のスコアと比較した際、やはり35%ほどスコアがアップしていましたので、Passmarkのスコアに関して言えば「Apollo Lake → Gemini Lakeで35%程度スコアアップ」と考えていいのではないか、と思います。ということで、N4100のスコアは2,500前後になると予想します。
Passmarkという単一のベンチマークスコアでCPU性能のすべてを語ることはできませんが、それでもGemini Lake世代の処理性能にはかなり期待できそうです。ただし、参考に掲載したCore i3-7100Uのスコアを見ればわかる通り、Core iプロセッサーにはまだ及ばない水準なので、過度の期待はできないですけどね。
先に書きますと、5月26日現在、Pentiumモデルは299.99ドル(33,786円)、Celeronモデルは199.99ドル(22,523円)で、いつもだと下位モデルの方をおすすめしがちなウインタブですが、この製品に関してはPentiumモデルに強い魅力を感じます。CPU性能だけでなく、RAMは8GBありますし、ストレージも128GB SSDとなりますので、中華のミニPCとしてはかなりパワフルだと思います。
あと、最近の中華ミニPCのお約束とも言える、「DIYによるストレージ増設」にも対応します。2.5インチのドライブベイ(SATA)がついていますので、対応するサイズのSSD、HDDが簡単に増設できます。それと、「M.2 Port」という記載もありましたが、筐体内部の画像がなく、geekbuyingの製品ページでも詳しい説明がありませんでしたので、現時点では2.5インチドライブベイのみ装備、ということにさせてください。
筐体サイズはミニPCとしては若干大きめです。私が継続使用しているVORKE V1 Plusと比較してみます。
Beelink S2: 160 × 134 × 32 mm / 337 g
VORKE V1 Plus: 153.4 × 153.4 × 38 mm / 390 g
「別に大きくないじゃないか!」と言われてしまいそうですが、VORKEがそもそもちょっと大きめなんですよw ただ、私はデスクにVORKEを置いて、毎日使っていますが、このくらいのサイズだと「場所を取っている」という感覚はありません。また、後述しますが、この製品にはVESAマウンターも付属していますので、ディスプレイの裏側に設置してしまえばもはやサイズは気になりません。
2.筐体
「ありがち」な筐体です。おそらくプラスティック素材の黒い弁当箱みたいな形状ですね。ロゴマークはなかなかいいデザインだと思いますが、このアングルからだと特に個性は感じません。
この製品は前後の側面に入出力ポートやボタン類が装備され、左右の側面には通気口のみがあります。
前面にはBeelinkのトレードマークである、赤い電源ボタンがあります。いやね、大した話じゃないんですけど、私これがカッコいいと思うんですよね。また、USB 3.0 × 2、USB Type-C、そしてmicroSDスロットがあります。あと、画像の左端に小さな穴がありますが、
これ、マイクです。なので、Cortanaさんが使えます。しかし、デスクトップ環境でCortanaを使っている人ってたくさんいるんですかね?私は全然使ってません。
背面です。こちらには有線LANポート、オーディオジャック、USB 2.0 × 2、HDMI × 2があります。HDMIとD-subがついているミニPCは珍しくありませんが、HDMIが2つついているミニPCは初めて見ました。もちろん2つのディスプレイに映像出力が可能です。
上のほうにも書きましたが、この製品はディスプレイの背面に装着するためのマウンターが付属します。ミニPCを使う場合、このマウンターはあったほうが絶対に便利です。仮に当面使わないとして、どこかにしまっておいてもそんなに邪魔になりませんしね。
3.価格など
Beelink S2は中国の通販サイト「geekbuying」でプレオーダーを受け付けており、5月26日現在の価格は上に書いたとおりPentiumモデルが299.99ドル(33,786円)、Celeronモデルが199.99ドル(22,523円)です。CPUにGemini Lakeを搭載しているので、競合製品との価格を単純に比較することはできませんが、仮にApollo Lakeを搭載しているとしたら、Celeronモデルのスペックだと150ドル~200ドルくらいになると思います。
個人的にはぜひPentiumモデルを使ってみたいと思います。Pentiumモデルでもオンラインゲームをしたり動画編集をしたり、といった高負荷の作業は難しいと思いますが、CPU性能が通常のCeleronよりも高いことは間違いないと思いますし、8GBのRAMや128GBのSSDと、高速で容量に余裕のある構成になっていますので、かなり快適に動作すると思います。ブラウザゲームくらいなら行けるかもしれないですね。
また、ミニPCはジャンルとしてはデスクトップPCの範疇に入りますが、1TBとかのHDDを増設して使っても面白そうですよね!
4.関連リンク
Beelink S2:geekbuying
コメント
本体形状的にはbeelinkの角張った感じ好きだなあ。
小型なのは良いけど、絵描きなどにやるには性能が不足しておりますね。
ミニPCに関する記事、私は好きです。中華スマホとかよりも気になります。
今回のは、ゲームをやらないならいいですよね。RAM8GBはメインとして使うなら個人的には譲れないラインですけど、これはそれもクリアしていますし。実機レビューが読みたいです。
モニタの背中にくっつけて一体型PCにするといいな。
マイク内蔵は個人的にはうれしい。
eMMCを無しにしてSSD256位を搭載してくれたらそのままメイン機になりそ