中国メーカーのALLDOCUBEが14インチモバイルノート「GT Book」を発売します。中国メーカーが積極的に手掛けているCeleron搭載機で、最新のJasper Lake世代を搭載しています。価格次第ではありますが、CPUが新型番ということもあり、かなり期待できそうな製品です。
1.GT Book スペック
スペック表
ALLDOCUBE GT Book |
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OS | Windows 10(Home版と推定) |
CPU | Intel Celeron N5100 |
外部GPU | なし |
RAM | 12GB |
ストレージ | 256GB SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14.1インチIPS(1,920 x 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB Type-C、USB 3.0 、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(1MP) |
バッテリー | 7.6V/5,000 mAh |
サイズ | 323 x 207 x 17 mm |
重量 | 1.35 kg |
コメント
中国メーカーのWindows PCはスペックが少し古いかわりに価格が安い、というパターンが多いのですが、このGT Bookは全般に新しいスペックになっています。
CPUはJasper LakeのCeleron N5100です。ウインタブではまだ実機レビューをしたことがないCPUですし、搭載PCもまだ非常に少ないので、Webでベンチマークスコアを調べてみました。
まずはウインタブがよく参照させてもらっているPassmarkのスコアです。んー、現在一般的に使われているGemini Lake世代のCeleron N4100とほぼ同じスコアですね。もちろん妥当なスコアなんでしょうけど、ちょっと釈然としないです。
CPU MonkeyにCINEBENCH R20のスコアが掲載されていました。これを見ると確かにCPU性能は上がっているようです。実際のところ「どのくらい性能が上がっているのか」というのははっきりとはわかりませんが、早く実機を試してみたいなあ、とは思います。
RAMは12GBと、CPU性能から見て十分な容量になっています。また、ストレージは256GB SSDですが、
底面にM.2 スロットがあるのが確認できました。このスロットには初期搭載の256GB SSDは入っていると思いますので、「増設」ではなく「換装」になると思いますが、より大容量のストレージを搭載可能です。
ディスプレイは14.1インチのIPS液晶、FHD解像度です。ALLDOCUBE製品は直近でタブレットのiPlay 40を実機レビューしていますが、ディスプレイ品質は高かったです。なので、この製品の発色性能にも期待できそうに思います。
通信まわりではWi-Fi 6に対応しますし、Bluetoothも5.1規格と新しいものが採用されています。中国メーカーのCeleron機でWi-Fi6対応というのはまだ珍しいです。
サイズについて、14インチモバイルノートの「MSI Summit B14 A11」と比較してみましょう。
GT Book:323 x 207 x 17 mm / 1.35 kg
Summit B14:319 × 219 × 15.9-16.9 mm / 1.3-1.36 kg
ノートPCとしての「格」がまるっきり違うんですけど、その割にGT Bookは健闘していますね。中華ノートの場合、重量が少し重くなりがちですが、14インチで1.35 kgなら、まあOKでしょう。
2.GT Book 筐体
すみません、メーカーサイトから画像を引用しているのですが、背景がちょっとうるさくて見にくいです。
中国メーカー品の場合、筐体画像を盛る(ベゼルが細く見えるように画像加工している)ケースがあります。しかし、この製品は筐体サイズから考えて、全く盛られていないか、盛られていたとしてもごく僅かだろうと思います。上下左右ともベゼル幅がかなり細く、スタイリッシュに見えます。
画像がわかりにくいので気づかなかったかもしれませんが、上部ベゼルにWebカメラは確認できませんでした。これはキーボードの画像ですが、ヒンジの中央付近にWebカメラがあるのがわかります。ちょっと前にプチ流行した「下から見上げる」タイプのWebカメラです。これね、あんまり映りが良くないんですよね。正確には画質が悪いわけではなくて、アングルが悪くてイケメンに映らないんです。
キーボードはバックライト付きでキートップは大型サイズ、おそらくキーピッチにも十分な余裕があると思います。
側面と入出力ポートの配置です。ここには写っていませんが、左側面の前よりに3.5mmイヤホンジャックも装備しています。しかし、これは高く評価することはできないですね。ポートの絶対数が足りませんし、HDMIポートもありません。一応USB Type-Cポートが映像出力に対応しますので、外部モニターへの出力は可能です。また、USB Type-CポートはUSB PD充電にも対応しています。
最後に天板です。この画像はメーカーの紹介動画からキャプチャしたものですが、GT Bookは素材と筐体色にバリエーションがあるようです。メーカーサイトのスペック表にこんな記載がありました。
A shell-metallic gray sandblasted
B shell-plastic black material sun pattern
C shell-plastic gray material sun pattern
D shell-metallic gray sandblasted
AとDは全く同じものにしか見えないですねw 一応金属筐体とプラスティック筐体があり、筐体色はブラックとグレーがあります。また、sandblastedというのはいわゆる梨地加工、sun patternというのは…、わかりません。サンドブラストの反対で「つるつる」という意味でしょうか?
読者の方よりコメントがあり、「Aは液晶の天板面、Bは液晶面、Cはシステム側のキーボード面、Dは底面と呼ぶことがある」とのことでした。ここに記載しているA, B, C, Dもそれにならった部位の素材説明と思われます(詳細はコメント欄をご確認ください)
3.GT Book 筐体
ALLDOCUBE GT Bookは6月10日現在、ALLDOCUBEの公式サイトに製品紹介ページがありますが、まだ販売がスタートしていません。この記事を書く際にBanggoodに「発売予定はあるのですか?価格はいくらですか?」と聞いてみたら「発売します。価格はまだ決まっていません」とのことでした。
現状価格がわからないのでいいとも悪いとも言えないのですが、現在の中華ノートの相場(Celeron N4100搭載機で300ドルから300ドル台後半くらいまで)くらいであれば、かなり魅力的なのではないかと思います。
4.関連リンク
GT Book:ALLDOCUBE公式サイト(日本語)
※一応日本語サイトですが、説明はほぼ英語です。
コメント
こんにちわ。いつも拝読させていただいております。
記事中で’素材と筐体色にバリエーションがあるようです。’とされていますが、
笠原一輝さんの記事中で’ノートPCの業界的な呼び方で、液晶の天板面をA面、液晶面をB面、システム側のキーボード面をC面、底面をD面と呼んでいる、’とあるので、
それぞれの面の素材と色のことなのではないかと思われます。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/686995.html
ありがとうございます。その知識はありませんでした。勉強になりました。記事にその旨追記しておきました。