
HPの2-in-1 PC「OmniBook X Flip 14-kc(AMD)」の実機レビューです。大人気であったHPの上位モデル、Envy x360 14の後継機で、CPUにAMD Ryzen AI 400シリーズ (Gorgon Point)を搭載するCopilot+ PCです。ヒンジが360度回転するコンバーチブル2-in-1で、発色がよくペン入力にも対応する有機ELディスプレイを搭載しており、ビジネスやクリエイティブワーク、各種エンターテイメントと、多彩な使い方ができる製品です。
なお、この製品のIntel版「OmniBook X Flip 14-kb(インテル)」についてもウインタブで実機レビューしていますので、こちらもあわせてご覧ください。
HP OmniBook X Flip 14-kb(インテル)レビュー - ビジネスからクリエイティブワークまでこなせるオールラウンドな2-in-1 Copilot+ PC
このレビューは日本HPより機材の貸し出しを受け実施しています。
・CPUにRyzen AI 400シリーズを搭載するCopilot+ PC
・高精細で発色のよい有機ELディスプレイ
・タブレットモードなどが使える2-in-1筐体
ここはイマイチ
・重量約1.4 kgと、やや重い
【広告】【提供:株式会社日本HP】
目次
1. スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home |
| CPU | AMD Ryzen AI 5 435 Ryzen AI 7 450 |
| RAM | 16GB (LPDDR5x-8000 MT/s) 32GB (LPDDR5x-8533 MT/s) ※オンボード (増設/換装不可) |
| ストレージ | 512GB / 1TB SSD (PCIe Gen4 NVMe M.2) |
| ディスプレイ | 14インチOLED (1,920×1,200)タッチ 14インチOLED (2,880✕1,800)タッチ, 120Hz |
| 無線通信 | Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0 |
| ポート類 | USB Type-C (40Gbps、映像/PD対応)×2 USB Type-A (10Gbps)×2 HDMI 2.1、オーディオジャック |
| カメラ | Webカメラ (5MP) 顔認証対応 |
| バッテリー | 動画再生 最大24時間 |
| サイズ | 313 × 218 × 14.4 mm |
| 重量 | 1.40 kg |
バリエーションモデル
・スタンダード:Ryzen AI 5/16GB/512GB/1,920×1,200
・パフォーマンス:Ryzen AI 7/32GB/1TB/2,880×1,800
※左からCPU/RAM/SSD/ディスプレイ解像度
※レビュー機はパフォーマンスモデルです
2. 外観と使用感
ACアダプター

ACアダプターです。65W出力ながら非常にコンパクトで、プラグ部分を折りたたむことができます (この画像はプラグを折りたたんだ状態です)。ケーブル込みの実測重量も158 gと軽量でした。
天板と底面

天板です。外装は金属製です。HPは環境に配慮したメーカーで、この製品も「 (筐体に)20%のリサイクルアルミニウムと30%のリサイクルプラスチックを採用」と説明されています。
筐体色は「ディープエスプレッソ」という「茶色」のみが設定されています。ノートPCの筐体色としてはかなり珍しい色ですね。ちなみにIntel版は「ミッドナイトブルー」という「濃紺」です。

底面です (手脂がついていて見苦しいですね。すみません)。中央に通気口があり、左右にスピーカーグリルもあります。
側面

前面です。ポート類・ボタン類はありません。中央に小さなレバーのようなものがありますが、これはWebカメラの物理シャッター (レンズ部分をふさぐためのもの)です。

背面です。こちらには通気口があり、やはりポート類・ボタン類はありません。2-in-1筐体なので、ヒンジが大きいですね。

左側面です。画像左からUSB Type-A (転送速度10Gbps、USB 3.2 Gen 2規格です)、HDMI、USB Type-C (転送速度40Gbps、USB4規格です)、イヤホンジャックがあります。なお、USB Type-Cポートは映像出力とUSB PDにも対応しています。

右側面です。USB Type-C (40Gbps、USB4)とUSB Type-A (10Gbps)があります。本機には合計で4つのUSBポートがあり、それぞれの側面にType-AとType-Cが1つずつ振り分けられていますので、使い勝手はいいです。
キーボード

キーボードです。キーピッチは手採寸で約19mmと「標準的なサイズ」で、狭苦しさはありません 。キーストロークはノートPCとして標準的な深さだと思います。キートップのサイズが大きく、キーとキーの隙間がほとんどない形状でタイピングはしやすいです。タイピング音も静かで、「静音キーボード」と言っていいと思います。
また、配列も素直な部類だと思います。強いて言えばEnterキーがちょっと細めですが、私が試用した限り使いにくさは感じられませんでした。

タッチパッドは一般的なノートPCよりも大きめで、ディスプレイ輝度や音量を調整できるジェスチャコントロール機能も備えています。
ディスプレイ

OmniBook X Flip 14-kcのディスプレイは全て有機ELで、Ryzen AI 5モデルが1,920×1,200解像度で95%DCI-P3の色域に対応、Ryzen AI 7モデルが2.8K (2,880×1,800)解像度で100%DCI-P3の色域、リフレッシュレート120Hzです。レビュー機はRyzen AI 7モデルなので2.8K解像度のほうをチェックしました。
発色品質は素晴らしいです。有機ELディスプレイは「色味が濃く、黒がしっかり黒い」のが特徴ですが、本機を手持ちのPCモニター (99%sRGB、IPS液晶)と比較した際も「原色の色が濃い」と感じられました。また、2.8K解像度のディスプレイはリフレッシュレートも最大120Hzなので、画面のスクロールなども滑らかに感じられると思います (すみません、私は視力が悪く、年齢も高いため、個人としては120Hzの恩恵をしっかり実感できていません)。
なお、今回のレビューでは対象外となりますが、このディスプレイはペン入力が可能です。ペンは別売りで「HP 700 リチャージブルマルチペン」というものが対応します。ちょっと脱線しますが、このペンはかなり優秀で、4,096段階の筆圧検知とWacom AES 2.0、MPP 2.0、USI 1.0 の各プロトコルに対応します。ペンの価格は6,930円です (本体とセット購入する場合)。
筐体モード

タブレットモード

テントモード

スタンドモード
コンバーチブル2-in-1筐体なので、タブレットモード、テントモード、スタンドモードにして使うこともできます。上にも書きましたが、この製品は高品質なペン入力ができますので、タブレットモードにすれば本格的なイラスト制作もできそうです。
スピーカー/カメラ/マイク

Poly Studio (クリックで拡大します)
オーディオ関連ではHPが2022年に買収した音声・映像コミュニケーション機器ブランド、Polyの技術が使われており、HP設定アプリ内で「poly studio」という機能があります。ここでマイクのAIノイズ除去やスピーカーの音質調整 (イコライザー等)ができます。
スピーカーは薄型ノートPCとしては高水準な音質です。クリアな音質でこもった感じが全くありません。低音はやや弱めではありますが、高く評価できます。
Webカメラは5MPと高画質です。また、Copilot+ PCなのでWindowsの設定項目に「Windowsスタジオエフェクト」があり、自動フレーミング、アイコンタクト、背景ぼかしが使えます。
3. 性能テスト
ベンチマークテスト
ベンチマークテストの実施にあたり、付属のACアダプターを使ってレビュー機を電源に接続し、Windowsの電源設定を「最適なパフォーマンス」に、HP設定アプリのパフォーマンスコントロールを「パフォーマンス」にしました。

クリックで拡大します
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PCMarkのスコアです。ビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。ウインタブが最も重視しているテストです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra X7 358H:9,813
Core Ultra 7 356H:9,283
Core Ultra 7 355:8,254
Core Ultra 9 185H:8,099
Ryzen AI 9 365:7,896
Ryzen AI 7 350:7,791
Ryzen AI 9 HX 370:7,511
Core Ultra 7 258V:7,527
Ryzen 7 8845HS:7,446
Ryzen 9 8945HS:7,110
Ryzen 9 PRO 6950H:6,987
Ryzen 7 8840U:6,949
Ryzen 7 PRO 6850H:6,858
Core Ultra 7 155H:6,849
Ryzen AI 5 340:6,767
Ryzen 5 8645HS:6,708
Core 7 150U:6,700
Core i9-13900H:6,542
Core Ultra 5 135H:6,485
Core Ultra 7 255U:6,404
Core Ultra 7 155U:6,392
Core Ultra 5 125U:6,376
Core i9-13900HK:6,344
Core Ultra 5 225U:6,334
Ryzen 5 7535U:6,021
過去データで太字になっているCore Ultra 7 356Hは先日レビューしたIntel版のOmniBook X Flip 14-kcのスコアです。また、もう一つ太字になっているRyzen AI 7 350は本機が搭載するRyzen AI 7 450の前身 (1世代前)の型番です。
PCMarkのスコアについてはIntel版に差をつけられた、と感じられる一方、前世代のRyzenよりも着実に伸びているとも感じられます。Intel版との差ですが、Essentials、Productivity、Digital Content Creationの3項目でまんべんなく数%~10%程度の差になっており、どの要素が特に劣っているとか優れている、と言う感じではありませんでした。
とはいえ、レビュー機のスコアはPCMarkが想定する利用シーンでは全く不満を感じない水準である、と言っていいでしょう。実際、日常の利用でIntel版と明確な差を体感することは「まずない」と思います。

グラフィック性能を測定する3DMarkのスコアです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra X7 358H:7,679、14,022、48,013
Core Ultra 7 258V:4,397、8,611、35,677
Core Ultra 9 185H:4,143、8,223、31,710
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Ryzen AI 9 365:3,895、8,885、34,303
Ryzen AI 9 HX 370:3,800、8,026、31,138
Core Ultra 5 135H:3,454、7,235、24,791
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Core Ultra 7 356H:3,384、6,302、29,775
Ryzen 7 8845HS:3,330、7,908、29,873
Ryzen 9 8945HS:3,282、7,893、31,591
Ryzen AI 7 350:3,268、6,991、28,542
Core Ultra 7 355:3,224、6,391、29,902
Ryzen 7 8840U:2,943、7,206、27,471
Ryzen 5 8645HS:2,437、6,253、24,401
Core Ultra 7 255U:2,430、4,916、20,096
Core Ultra 5 225U:2,372、4,897、20,396
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Ryzen AI 5 340:2,123、5,159、22,941
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core 7 150U:1,512、4,138、14,563
Core i5-1334U:1,386、3,672、13,157
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア
3DMarkのスコアはIntel版 (Core Ultra 7 356H)とは「痛み分け」、前世代のRyzen AI 7 350とは「測定のブレ」レベルの差となりました。要するにIntel版とも前世代のRyzenとも体感差が出るようなことはないでしょう。

CPU性能を測定するCINEBENCHです。
CINEBENCH 2024の過去データ (一部抜粋):
Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100:147、1,622
Core Ultra 9 275HX:132、2,094
Core Ultra X7 358H:124、881
Core i7-14700:122、1,177
Core Ultra 7 258V:121、676
Core Ultra 7 356H:119、859
Core i9-13900HK:117、827
Core i9-13900H:117、687
Core i7-14650HX:115、1,244
Core Ultra 7 355:115、552
Ryzen AI 9 HX 375:114、1,144
Ryzen AI 7 350:114、878
Core Ultra 9 185H:111、910
Ryzen AI 9 HX 370:110、942
Ryzen AI 9 365:109、1,008
Snapdragon X Elite:108、1,038
Snapdragon X Plus X1P-42-100:108、754
Core Ultra 7 155H:105、964
Core Ultra 7 155U:101、533
Core Ultra 7 255U:101、516
Core Ultra 5 225U:98、482
Core Ultra 5 125U:95、533
Core Ultra 5 125H:95、516
※左からシングルコア、マルチコアのスコア
CINEBENCH 2026のスコア
Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100:618、6,689
Core Ultra X7 358H:512、3,548
Core Ultra 7 356H:491、3,456
Core Ultra 7 355:469、2,190
※左からシングルスレッド、マルチスレッドのスコア
シングルコア (シングルスレッド)、マルチコア (マルチスレッド)とも高いスコアですが、Intel版 (Core Ultra 7 356H)よりもやや低めのスコアとなりました。

SSDの読み書き速度を測定するCrystalDiskMarkのスコアです。このスコアだけ見れば文句なしに高速ですが、Intel版はPCIe Gen 5規格のSSDを搭載しているため、それよりは低速です (本機はPCIe Gen 4規格)。
バッテリー駆動時間
Windowsの電源設定を「最適な電力効率」に、HP設定アプリのパフォーマンスコントロールを「省電力機能」に、キーボードバックライトをオン (最も輝度の低い設定)、ディスプレイ輝度を70%に、音量を30%にして下記の作業をしました。
画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を約38分
ブラウザー上でYouTube動画の視聴を約25分
ブラウザー上でテキスト入力を約17分
上記トータルで約80分使用し、その間のバッテリー消費は12%でした。単純計算だと1時間あたり約9%、バッテリー駆動時間は11時間強となります。ちなみにIntel版のOmniBook X Flip 14-kbでは1時間あたり約8%のバッテリー消費、バッテリー駆動時間は12時間半弱、と評価しました。
これだけ見ればIntel版のほうが優秀に感じられますが、実機レビューでのテスト時間は短く、また単に「画像加工」とか「動画視聴」と言っても全く同じ動作をしているわけではないので、一概に「どちらのバッテリー持ちがいい」と決めつけることはできません。
しかし、本機 (AMD版)にせよIntel版にせよ、数年前なら考えられなかったくらいにバッテリー持ちが良好です。これなら外出先で終日バッテリー駆動で作業ができると思います。
4. レビューまとめ
HP OmniBook X Flip 14-kc(AMD)はHPオンラインストア (HP Directplus)で販売中です。人気のモデルなので各種セール対象になることが多く、価格が変動しますが、2026年7月14日現在の価格は204,600円からです。また、レビュー機の構成「パフォーマンスモデル:Ryzen AI 7/32GB/1TB/2,880×1,800」だと297,000円です。直近の価格は下のボタンから確認してください。
また、ウインタブ読者は通常よりも安く買える読者クーポンが利用できます。このクーポンは大きなセール (買い替え応援セールや週末限定セールなど)とは併用できないなどの制約がありますが、HP製品を購入される際には試してみてください。詳細はこちらです。
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性能・筐体デザイン・筐体品質とも非常に高水準な製品です。Copilot+ PCの要件を満たすRyzen AI 400シリーズの基本性能は高く、高精細・高発色の有機ELディスプレイはビジネス利用でもプライベート利用でも高い満足感が得られます。
なお、「Intel版とAMD版、どっちがいいのよ?」という点ですが、両者の実機を試した者として正直に書くと「わかりません」。両社の筐体は全く同じ、ディスプレイの仕様も全く同じ、RAM/SSD容量も同じで、異なるのは「CPUの型番、SSDの規格 (Intel版のほうが高速)、筐体色」で、CPU性能についてウインタブのテストベースでは「Intel版のほうがわずかに上だが、おそらく体感差はない」ですし、SSDの速度についても「一般的なビジネス利用やエンターテイメント利用では体感差はない」と思われます。
筐体色は「お好みで」としか言えません (個人的にはAMD版の「ディープエスプレッソ」のほうが個性的と感じられるので好きです)。あとはセールの際の価格設定に差が出ることがあり、ウインタブの印象としては「AMD版のほうが割安に感じられるケースが多い」です。
AMD版とIntel版、どちらを選ばれるにせよ、「間違いない製品」ではあると思います。
5. 関連リンク
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2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
▶ サイト紹介・ウインタブについて





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