HPがプレミアムクラスのコンバーチブル2 in 1「ENVY x360 13」と「ENVY x360 15」をリニューアルしました。この2機種は「黒いENVY」といいますか、ブラックの筐体にAMD Ryzenを搭載する高性能マシンです。この記事ではまず、13.3インチサイズの「ENVY x360 13」についてご紹介します。また、6月19日にHP本社にて製品の説明会が開催され、ウインタブも参加させていただきましたので、それも合わせてご報告します。
1.スペック
一見すると従来モデルから全然変わっていないように思われますが、新しいENVY x360 13は筐体も新しくなっていますし、スペックも「単にCPUの世代を新しくした」だけではありません。
CPUは第2世代のRyzen 3/Ryzen 5/Ryzen 7です。従来モデルでは第1世代のRyzen 3-2300U / Ryzen 5 2500Uが搭載されていましたが、ニューモデルになってRyzen 7も選べるようになりました。また、RAMに関しても従来モデルに設定のあった4GBというのが廃止され、8GB/16GBに絞られています。ニューモデルのラインナップは下記のとおりです。
ベーシック:Ryzen 3/RAM8GB/256GB SSD
スタンダード:Ryzen 5/RAM8GB/256GB SSD
スタンダード:Ryzen 5/RAM8GB/512GB SSD
パフォーマンス:Ryzen 7/RAM16GB/512GB SSD
ウインタブでは以前、従来モデルのRyzen 3搭載機を実機レビューしていますが、Ryzen 3はオンラインゲームのベンチマークスコアが非常に高くて、その高性能ぶりに驚いた記憶があります。なので、個人的には「RAM8GBなのであればRyzen 3モデルでも十分では?」と感じます。
また、説明会でHPのご担当者に「Ryzenは発熱を危惧する人が少なくありません。第2世代になって発熱の問題は解消されたのですか?」と質問してみました。ご回答は「第1世代のRyzenに関しても、後日BIOSがアップデートされ、発熱の問題はほとんど解消されたと思います。新しいENVY x360に関しては発熱の問題は気にしていただかなくても大丈夫だと思います」というものでした。ちなみにウインタブが従来モデルのENVY x360 13を実機レビューしたのは発売からかなりの期間が経過したあとで、BIOSのアップデートがなされていたせいかもしれませんが発熱に関しては特に気になりませんでした。
ディスプレイは13.3インチのIPS液晶、FHD解像度で、コンバーチブル2 in 1なのでタッチ対応します。また、HPの「Spectre アクティブペン」「Spectre アクティブペン2」のいずれも使え、1,024段階の筆圧対応ペン入力が可能です(アクティブペン2のほうは傾き検知にも対応します。なお、ペンは別売りです)。
入出力ポートの構成は従来モデルから変わりません。USBが合計で3つありますので、周辺機器の接続で困ることは少ないでしょう。また、Type-Cに関してはおそらく映像出力にも対応するものと思われます。
サイズのほう、実は結構変わっています。
ニューモデル: 306 × 212 × 14.5-16 mm / 1.28 kg
従来モデル: 306 × 215 × 15-16 mm / 1.31 kg
え?全然変わってないって?いやまあ、そうかも知れないんですけど、もともとENVY x360 13は13.3インチのコンバーチブル2 in 1としては非常にコンパクトなので、これでもかなり頑張ったほうらしいんですよ。
特に奥行きに関しては「3 mm」小さくなってますよね?この3 mmはディスプレイ面の上部ベゼルを細くするのに使われていて(ちょっとおかしな表現ですね…)、従来モデルよりも一段とナローベゼルになっています。それと、これは賛否があるかもしれないんですけど、上部ベゼルが細くなったことにより、カメラがIR(赤外線、Windows Helloの顔認証用)ではなくなりました。つまり、従来モデルは顔認証ができていたのにニューモデルでは顔認証ができず、代わりに指紋センサーが取り付けられました。
この辺のところはさらに面白い話がありますので、筐体説明のところで…。
2.筐体
上の画像がニューモデル、下の画像が従来モデルです。上部ベゼルが細くなっているのがわかるでしょうか?私はわかりませんw ただ、元画像の縮率が違っているので余計にわかりにくいんですけど、実機を並べてみるとその違いは割とはっきりわかります。
ニューモデルの筐体色は「ナイトフォールブラック」です。ちなみに従来モデルは「ダークアッシュブラック」なので、おそらく微妙に違う色なんだろうと思いますが、私が実機を見た限り(説明会では新旧モデルがどちらも展示されていました)、違いはわかりませんでした…。私の視力が悪いせいかと思います。
側面と入出力ポートの配置です。ここで、「プライバシースイッチ」というのがありますよね?HPいわく、実はこの部分が大きな改善点だということなんです。要するにカメラの機能を無効化するためのものです。この機能はLenovoなどでもよく使われていますが、「PCが乗っ取られてカメラを勝手に操作されるリスク」に備えたもの、と理解していました。でもそれだけではなく「カメラがあると、なんとなく覗かれているような気がして落ち着かない」という人が実は結構多いらしく、そういう人のニーズにも考慮したんだそうです。個人的には全く機にしていなかったんですけど、HP社内にはそういう人が多いとのことです。皆さんはどうですか?
キーボードです。この画像は説明会で私が撮影したもので、あまりきれいに写っていないです。すみません…。
展示機は英語配列のみでしたが、日本仕様は「バックライト付き日本語キーボード、キーピッチは縦19.0mm・横18.0mm、キーストロークは1.0~1.3mm」となります。説明によればバックライトの輝度は2段階に調整ができるとのことでした。あと、パームレストの右側に新設の指紋センサーがあります。
おまけです。この製品はENVY X360 13ですが、「Wood Series」と呼ばれるものです。
パームレスト部分に「本物のウッド」をあしらったモデルで、昨年発売された本革PC「Spectre Folio 13」と同じ特性というか流れの製品です。ただこれ、日本発売は未定ということなので、実際に発売されるかどうかはわかりません。私も実機を触ってみましたが、「木製のタッチパッド」というのが不思議な感じでした(もちろんちゃんと動作します)
3.価格など
HP ENVY x360 13-ar0000はHP Directplusで販売中で、6月20日現在の価格は89,800円(税込み96,984円)から、となっています。スペックのところで説明したとおり、この製品は最低価格のものでもRyzen3/RAM8GB/256GB SSDという構成になりますので、スペックが足りないということもなく、ビジネスマシンとしてもプライベートなエンターテイメント用としても十分に使えると思います。試していませんが、Ryzen 7ならちょっとしたオンラインゲームくらいはプレイできそうですよね。
この製品は今年下半期のHPの主力モデルになるんでしょう。セールに期待…、いやそんなこと言ってたらいつになったら買えるかわかんないですね。夏のボーナスで購入するPCの有力候補かと思います。
コメント
Ryzen 7に搭載されてるVega 10 はmx150に近いレベルの性能なので軽めのオンラインゲームに対応出来そうで良いですね。後はパームレスト部分に木が使われているタイプが日本で出てくれると喜ばしいのですが・・・
見習いプログラマーさん、こんにちは。木は「リアルに木」なんで手触りはすごく良かったです。日本で発売されるとした場合、価格は少し上がっちゃいそうですね。