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ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL ー 10.1インチ、RAM4GBにストレージ64GBのプレーンなタブレット(実機レビュー)

ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はタブレットユーザー期待の新製品「Diginnos DG-D10IW3SL」の実機レビューとなります。この製品は全くのニューモデルではなく、10.1インチサイズのDiginnosタブレット「DG-D10IW3S」の機能強化版です。変更点は多くはなく、最も歓迎されるのが「ストレージ容量の拡大」です。もともとDG-D10IW3Sは低価格なAtom機としては充実したスペックだったので、今回のリニューアルによって「またひとつ弱点が解消された」ことになります。発売と同時にドスパラ公式サイト内で「最も売れているタブレット(5月26日現在)」に躍り出た注目製品なんですよね!

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1.スペック

ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL

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最初にスペック表を確認します。CPUはCherryTrail世代のAtom Z8350で、低価格帯のタブレットでは一般的なものになります。RAMは4GB、そして今回のリニューアルの目玉であるストレージが64GB、ディスプレイ解像度が1,920 × 1,200と、Atomタブレットとしては死角がなくなりました。読者のみなさんの中には「CPUがZ8550とかZ8750だったらよかったのに」という感想も出てくると思います。ただ、(私はメカには素人なんですけど)CPUの換装というのはそれほど簡単なものではなく、システム基板などにも影響してくると思うので、もしZ8750なんかを搭載したら大歓迎!という気持ちはありますが、完全な新設計にしない限りすごく価格が上昇してしまうだろうと思います。私の推測ですけどね。

また、パソコンの反応速度というか、快適性はCPUに大きく依存するのは事実ですが、RAMやストレージなどそれ以外の主要パーツによっても変化するので、個人的には「タブレットとしてもノートPCとしても」使えて、さらに価格を抑えた製品ということであれば、DG-D10IW3SLのスペックはいいバランスだと思います。

それ以外のスペックで注目すべき変更点がもうひとつ。バッテリー稼働時間が7.5時間から8.5時間に伸びました。この製品はもともとバッテリー容量を公開していないため、何が要因かを特定できませんが、結果として「1時間長く使える」というのはストレージの増量のように目立ちませんが非常にありがたい改善といえます。

この新製品が、ということではありませんが、Wi-Fiはa/ac規格に対応しますし、本体にフルサイズのUSB 3.0ポートとmicroUSBポートを備えているなど、細かい部分のスペックも優れています。

2.筺体

ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL 同梱物
同梱物です。比較的少なめですね。タブレット本体のほか、ACアダプター、主に電源用のフルサイズUSB(オス)- microUSB(オス)のケーブル、「はじめにお読み下さい」の冊子(取説)、筺体各部の名称が記載された一枚ものが入っていました。

ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL
いやあ、レビュアーの私にしてみるとこの筺体はすっかりおなじみでして、特に新鮮な感じはしないんですけど、読者のみなさんには関係ない話なんで、もちろん真面目に書きます。Diginnosタブレットの8.9インチと10.1インチは外観がよく似ていて、やや角ばったデザインとなっています。画像を見ればわかると思いますが、特にベゼル幅が顕著に細いとかもなく、割と普通に見えます。Windowsボタンはセンサータイプで、横持ち時の下中央になります。

ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL 左側面
左側面です。この面にはポート類はなく、スピーカーが2個ついています。スピーカーはステレオですが、特に横持ち時には配置がよくありませんね。

ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL 上面
上面には電源ボタンと音量ボタンがあります。ごくオーソドックスな配置ですね。

ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL ボタン
ボタン類はこんな感じです。読者からいただくコメントに「ちょっとグラグラする」という感想をいただいたことはありますが、個人的には非常にしっかりした作りになっていると思います。操作は「確実にきまる」という感じですね。

ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL 右側面
ポート類は右側面に集中配置されます。画像左からmicroSDスロット、オーディオジャック、microUSB、miniHDMI、USB 3.0ポートです。特に本体側にフルサイズのUSBポートがついているのは便利で、使用時もUSBメモリースティックやキーボードの接続に使ってました。

ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL 底面
今回のレビュー対象にはなっていませんが、この製品には物理接続のキーボードが別売り、もしくは本体とのセット販売で用意されます。そのため、底面にはキーボード接続用のコネクターがついています。

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ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL 背面
背面です。Diginnosらしさが一番感じられるのがこのアングルだと思います。筺体素材はアルミ合金で、なんとなくGALLERIA(ドスパラが販売するゲーミングPCブランドです)の雰囲気を感じるのは私だけでしょうか。やや無骨な角ばったデザインで、個人的には大好きです。

3.使用感

ウインタブではDiginnosタブレットを何度もレビューしていますが、いったんその経験をクリアして、プレーンな気持ちで「10.1インチのWindows タブレット」として使ってみました。キーボードが試用対象ではなかったので、本当にタブレットとして使っています。

ディスプレイ

メーカーではこの製品に「IPS」という表現を使っていませんが、「実質IPS」でしょうね。非常にキレイで視野角も広いです。また、1,920 × 1,200の解像度に関してはアイコン表示などを多少拡大して使う設定になっているので(もちろん自分で設定変更できます)、タッチ操作も非常にしやすいです。ディスプレイの反応もよく、スムーズにスクロールができました。この製品は標準で液晶保護フィルムを貼っていますが、より快適な操作感を得るのであれば、サードパーティ製の保護フィルムに貼り替えるのもいいでしょう。あと、EdgeでMSNのニュースをぼーっと見ているときに、若干タッチ感度が良すぎるかな、と感じた場面もありました。まあ、シャキッと使えば大丈夫なんですけどね。

システムの挙動

今回はタブレットとして使う時間がほとんどだったので、RAM4GB、ストレージ64GBの恩恵というのはあまり感じませんでした。ただし、タッチ操作で完結するようなWebブラウジング、ゲームアプリ、動画視聴などは全て快適にこなすことができました。比較的軽めの作業であればCPUの非力さを感じることもありません。システムの挙動は安定しています。まあね、激安な中華タブじゃあるまいし、当たり前なんですけどね。

サイズ感

以前8インチサイズのタブレットを盛んに使っていて、現在は7.5インチサイズの中華タブを持ち歩いている身としては、やはり少し大きくて重いですね。大きいというのは画面が見やすいということも意味するので、必ずしも悪くはありませんが、やはり少し重いというのはあります。なので、長時間使う際はテーブルの上に置いたり、膝の上に置いたりして使うことになります。ただこれはDiginnosタブレットが、ということではなく、10インチクラスのタブレット全般に言えることです。

スピーカー

一応ステレオなんですけど、左側面に接近して配置されているので、ステレオの恩恵はほどんど感じられません。また、音楽鑑賞に使えるような品質でもないので、完全に実用品と割り切るべきでしょう。音楽用には、タブレットとして使う場合はイヤフォンを、キーボード接続してノートPC形態で使用するなら外部スピーカーの接続が必要だと思います。

バッテリー

ディスプレイ輝度100%の状態で「WebブラウジングをしながらバックグラウンドでYouTubeの音楽を流す(30分)」「ドラクエベンチのダウンロード、インストールと実行(30分)」をやって、バッテリー消費は28%でした。これだと4時間持たないことになりますが、今回は作業内容が若干ハードだった気がするので、ディスプレイ輝度を落とし、Webブラウジングに専念するか動画を見るのに専念するか、という感じならもっと消費を抑えることができると思います。実際に(細かいデータはないですが)、おとなしくWebのニュースを見るくらいの使い方をしていたら、結構減りが遅いと感じました。バッテリーの消費については使い方によって大きく変化しますが、タブレットとして節電を意識して常識的に使えば公称値に近いところまでは行くと思います。

4.性能テスト

いつものように「ドラゴンクエスト X ベンチマークテスト」をやってみました。

ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL ドラクエベンチ
参考:
GPD WIN(Atom X7-Z8700): 2,829
ドスパラ Altair VH-AD3(Celeron N3450): 2,652
ドスパラ Diginnos DG-CANPC(Atom X7-Z8700): 2,618
Beelink BT7(Atom X7-Z8700): 2,488
Teclast TBook 16 Power(Atom X7-Z8700): 2,463
ドスパラ Altair VH-AD2(Celeron N3150): 2,381
VOYO VBook V3(Pentium N4200): 2,369
KINGJIM PORTABOOK XMC10(Atom X7-Z8700): 2,304
Chuwi Hi 13(Celeron N3450): 2,288
Teclast X22 Air(Celeron J3160): 2,257
マウス m-Book C(Celeron N3450): 2,075
Jumper EZBook Air(Atom X5-Z8300): 1,929
ドスパラ Diginnos Stick DG-STK4S(Atom x5-Z8500): 1,871
VOYO VBook A1(Celeron N3450): 1,867
Onda Xiaoma 41(Celeron N3450): 1,842
Chuwi LapBook 14.1(Celeron N3450): 1,835
ドスパラ raytrektab DG-D08IWP(Atom Z8350): 1,747
Jumper EZpad mini 3(Atom x5-Z8300): 1,717
MINIX NEO Z83-4(Atom x5-Z8300): 1,683
YEPO 737S(Atom x5-Z8300): 1,631
Chuwi Hi 10 Plus(Atom x5-Z8300): 1,628
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3(Atom x5-Z8300): 1,570
GOLE 1(Atom x5-Z8300): 1,556
Jumper EZBook 3(Celeron N3350): 1,540
Jumper EZPad 6((Atom x5-Z8300): 1,536
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2SL(Atom x5-Z8350): 1,509
GOLE 1 Plus(Atom Z8350): 1,492
K8 Mini PC(Atom x5-Z8300): 1,462

Atom Z8350機としてはまずまずのスコアだと思います。Z8350だと1,500点前後、というのが普通なので、それよりは少しいい、というレベルですね。ただ、ドラクエを遊ぶには力不足です。また、この製品の魅力である「RAM4GB、ストレージ64GB」という点もドラクエベンチのスコアにはあまり関係しないので、やはりこの製品はベンチマークテストではなく、実際の利用シーンでスペックの余裕を体感する、という性質の製品だと思います。

5.まとめ

Diginnos DG-D10IW3SLはドスパラ公式サイトで販売中で、価格は本体のみが税込み32,184円、専用キーボードつきのものが34,344円となっています(ともに5月24日現在)。

今回の試用ではキーボードなし、タブレット単体での使用感を試しました。この場合は新製品のセールスポイントであるストレージ増量の強化、またDiginnosタブレットのメリットであるRAM4GBの真価を十分に体感することはできなかったと思います。RAM4GBは「パソコンとしてマルチタスクで使う場合」、ストレージ64GBは「自己所有でしかるべき期間継続使用する場合」に恩恵を感じるものですよね。

ストレージに関して個人的な意見を言うと、「32GBでも十分使えるが、空き容量には気を使う。64GBあればある程度無頓着に使える」となります。もちろん64GBあれば十分ということではないですが、たまにダウンロードフォルダを掃除してやるくらいでよく、アプリのアンインストールとかはめったにやる必要がなくなるので、利便性はかなり向上すると思います。それと、軽量化しているとはいえ、年に2回程度発生するWindows 10の大型アップデートの際に、しかるべき空き容量(直近だと8GB)が必要になりますので、「空きを作る」ための苦労を考えると64GBあったほうが安心というかずっとラクです。

またRAM容量に関しては、ブラウザのタブを大量に開くときなどに不足感を感じることが多く、実際それはしばしば遭遇することでもあるので、4GBあることの恩恵は特にノートPC形態で使う際に感じる場面が多いだろうと思います。

あと、キーボードに関しては5月26日現在ドスパラでセール価格になっており、それを利用して安く購入するのもいいと思いますし、スペックのしっかりした製品なので、あえて自分の気に入った、少し高価なものを別途購入するというのでもいいと思います。テキスト入力の機会が多い人などはキーボードにこだわる価値はあるでしょう。この製品はそう考えてもいいくらいの実力はあります。

Diginnosタブレット全般に言えることですが、筺体が非常にしっかりしていますし、今回のリニューアルに関してもユーザーの声をしっかり反映した結果であると思います。あえてキーボードを別売りにしているというのもこのメーカーらしいと言えるかもしれません。この製品の対抗馬って、ありそうでないんですよね。

6.関連リンク

Diginnos DG-D10IW3SL

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コメント

  1. szx wind より:

    >CPUの換装というのはそれほど簡単なものではない
    おっしゃる通りです。ご存知だと思いますが、
    z8350 socket UTFCBGA592
    z8500 or z8700 socket UTFCBGA1380
    明らかにピン数が違います。
    メモリ帯域幅 z8300 /12.8 GB/s z8500/17.1 GB/s
    明らかに別物ですね。
    インテルがWindowsタブレットを広めたくてz3735F/z3735Gをシンセンのメーカーを集めてカンファレンスをしていたのが懐かしいです。
    androidタブレットからそれ程苦労なくWindowsタブレットへ移行できたのもカンファレンスのおかげだと思っております。
    話がそれました。
    乱暴な表現だと z3735G/z8300 とz3735F/z8500or z8700みたいな分け方でしょうか。