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Wizardry外伝 五つの試練 - 愛され続けた至高のRPG、Steam版が早期アクセス開始

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こんにちは、natsukiです。以前にもご紹介した、永遠に楽しめる3DダンジョンRPG「ウィザードリィ外伝 五つの試練」のSteam版早期アクセスが12月17日よりリリースされました。Windows XP用に発売されてから15年、決してメジャーなソフトではありませんが、ユーザーにも開発側にも深く愛され続けた名タイトルであり、個人的な思い入れも非常に深い作品です。それがこのたび、様々な紆余曲折を経て、Steamでの販売開始にこぎ着けました。内容としては、「Wizardry」というタイトルですべてを察する人には言わずもがなですが、古き良きハックスラッシュ系3Dダンジョンゲームです。難易度は高く、シナリオにもよるものの、適当にプレイしているとまず詰みます。メモを取りつつ、常に最良の選択肢を考えながらそれでも運によってどうしようもないときもある、「やり応えのある」ゲームとなっています。

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そしてこの「五つの試練」の最大の特徴は、「本来は」ユーザーが自由にシナリオを作って公開できるところにあります。旧Windows XP版で公開済みのユーザーシナリオは実に100本を越え、なんと、それらは基本的に、今回発売されたSteam版でもプレイ可能となっています。しかし、今回のリリースは不完全な「早期アクセスゲーム」としてのもので、記事執筆現在、まだ、Steam版での新たなシナリオを作成する「シナリオエディター」は付属しません。2022年中の提供を目指して開発中となっています。また当然、「早期アクセスゲーム」であるため、その他にもなにかと不完全な部分があります。この点はあらかじめご承知おきください。

1.「Wizardry外伝 五つの試練」とは、どんなゲームか?

「古典的な」3Dダンジョン

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ゲーム内容は、いわゆる3Dダンジョンゲームです。ゲームシステムは、古典的というかなんというか、非常にシンプル。おおむね、スーパーファミコンの「Wizardry Ⅴ」や「Wizardry 外伝Ⅳ」と同様のものです。だが、それがいい。複雑なゲームシステムがなくても、このくらいシンプルな方が、純粋なハックアンドスラッシュの楽しみや、テキストによる世界観の描写、頭を悩ませる迷宮のギミックに集中できるってもんです。一方で、回復のための宿屋の仕組みが独特だったり、レベルが足りないとモンスターの正体も分からなかったり、アイテムは基本的に入手段階では正体が分からず「鑑定」が必要であったり、そのアイテムの入手も、多くの場合「罠のかかった宝箱を解錠する必要がある」など、「探索」を盛り上げる独特な要素もたくさんあります。ちなみに、これらの要素の多くは、スーファミどころか、1981年のオリジナル版からのもの。「個性」じゃなくって、コンピューターRPGゲームそのもの「原点」なんです!!
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初めて「Wizardry」に触れるので基本的なシステムを知りたいという方や、マニアゆえの「設定項目が気になる」という方は、下記の公式簡易マニュアルページをご覧ください。はい、ご安心ください、「迷宮画像はワイヤーフレーム」とか、呪文を唱える時は「呪文名をタイピングしないと唱えられない(タイプミスすると発動しない)」、といった設定も、も・ち・ろ・ん、可能です。

冒険者必読!『ウィザードリィ外伝 五つの試練』簡易マニュアル:Game*Sprak

「やりごたえのある」ゲームです

「上級者向けゲームです」というのは、Windows XP版で箱に堂々と警告されていた文句です。新しいキャッチコピーは「この冒険には、保証なんてなにもない」らしいですね。

単純な戦闘や迷宮ギミックの難易度は、シナリオにもよりますが、基本的に高いものです。多くの場合、レベルが2~3程度になるまでは数回戦闘したら回復のために町に戻る、くらいの慎重さは求められるでしょう。さらに、罠や敵の特殊攻撃には、簡単に全滅につながったり取り返しのつかない影響を与えるものが「豊富に」用意されているので、いくらキャラクターが強くなっても、常にじっくり考えながら冒険を進める必要があります。「テレポートで壁の中に突っ込むとキャラクターの回収すらできずに詰む」というのは有名ですね(シナリオ設定によってこの要素を封印することもできるが、それはシナリオ作者にゆだねられる)。死亡したキャラクターは、もちろん復活手段はあるものの、運が悪ければ永久にロストします。こういった要素は、いずれも注意深く行動すれば遭遇率は下げられるものながら、どうやっても運は絡みます。この辺のプレイ感覚は、「風来のシレン」シリーズなどのローグライクゲームに通じるものがあるかもしれません。「1歩1歩の緊張感」をぜひ味わってください。

また、3Dダンジョンの醍醐味、マッピングについて。オートマッピング機能はありますが(これもシナリオ設定やフロアによって禁止もできる)、イベントを細かく記録したりなんて親切機能はありません。イベントやギミックなどを解き進めるためにも、方眼紙へのマッピングかそれに類するツールを使うことを推奨します。余談ですが、BOOXシリーズのノート機能は相性最高! ともかく、自分でマッピングして迷宮の全貌を暴いていく、これこそ3Dダンジョンの醍醐味です。

と、ちょっと脅しましたが、要は「ゲームをすることの手間」そのものを存分に楽しむゲームだということです。

公式シナリオ5本に、ユーザーシナリオが約100本!

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ボリュームはたっぷり。まず「五つの試練」のタイトル通り、デフォルトで5つのシナリオがプレイ可能です。
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さらに、旧Windows XP版で、2021年3月までに作成されたユーザーシナリオも基本的にプレイ可能。その数は、先述の通り約100本にも及びます。「Wizardry」といえば、もともとコアなファンが多いゲームですが、そういった猛者たちが、15年間、腕によりをかけて作ったシナリオがぎっしりあるわけです。これだけのボリュームを誇るゲームは、他に類を見ないでしょう。なお、それぞれのシナリオは完全に独立しているため、キャラクターやアイテム等の共有はできません。キャラクターについて、シナリオを超えて使用する「転生」というシステムがいちおうあるものの、ステータスやアイテムを持ち越せないなど制限が非常に厳しく、有利どころか、一種の縛りプレイ的な要素となっています。

キャラクターのグラフィックのカスタマイズも可能

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「五つの試練」の魅力は、シナリオだけに止まらないカスタマイズ性にもあります。Steam版では、キャラクター画像に大幅なカスタマイズが可能で、アイコンだけでなく、立ち絵や、宝箱解錠時、状態異常に対応した画像まで、ユーザーが好きな画像を登録することが可能です。要するに、ダメージを受けると服が破れて……なんてことが、自作で可能ということです。

なお、旧Windows XP版では、公式、非公式も合わせると、呪文名にBGMや効果音などすら変更可能でしたが、これは当然、Steam版では事情が異なります。とはいっても、早速、一部有志によって様々な情報の書き換え方法がチャレンジされまくっていて、ぶっちゃけできちゃうんですけど、もちろんこういうことの情報収集や実行は自己責任で。

2.不完全な「早期アクセス」でのリリースです

重要な注意事項として、この「Wizardry外伝 五つの試練 Steam版」は、まだ「早期アクセス」でのリリースです。つまり、現時点ではゲーム自体が不完全で、本来備えるべき重要な機能が実装されていなかったり、ある程度のバグが残っている状態です。以下、特に重要な点について説明しておきます。

シナリオを作成できる「シナリオエディタ」が付属しない

最大の不完全な点は、冒頭に触れたように、現時点では、ユーザーが自由にシナリオを作成できる「シナリオエディタ」が付属しないということです。つまり、まだ新しくシナリオを作成することはできません。シナリオエディタの提供は2022年中という事になっていますが、それ以上の具体的なタイムスケジュールは示されていません。

旧Windows XP版で作成されたユーザーシナリオについて、バグが多い

旧Windows XP版で作成されたユーザーシナリオは、基本的にプレイすることができます。が、バグが多いのも事実です。これは、旧版で、各ユーザーが相当フリーダムにシナリオを作り、ものによってはシステムの穴を付くような設定を行っていること、その旧版でのシナリオエディタも一度大幅な仕様変更が行われていること、そもそもシナリオ数が膨大すぎることなどから、Steam版への移植にあたってある程度バグが出てしまうのはやむを得ないと思われます。一方で、メーカーによるバグフィックスは、リリース以降も精力的にに行われています。

実はこの紹介記事も、本当ならリリース後すぐに投稿したかったんですが、ちょっと触れてみてバグの多さに、その段階では時期尚早かなと思って様子見をしていた経緯があります。現在のところ、リリースから約2週間経ち、この間に手ぐすね引いて待ち構えていたコアなユーザーたちが(私もその一人です)早速圧倒的なマンパワーを発揮して(笑)バグ報告を送り付けまくり、メーカー側も文字通り夜を徹したバグフィックスを進めてきました。とりあえず、現段階でおおむねプレイに支障がない状態にはなっていると思います。もちろん、なにしろシナリオの量が膨大なため、まだバグは残っているとは思いますが、見つけたら掲示板に報告しましょう。

なお、旧版のユーザーシナリオ作成者向けについては、旧版サイトにてSteam版用のシナリオ情報変更ツールが配布されています。これにより、既存の自分が作成したシナリオに、Steam版で表示されるシナリオ解説のメッセージや難易度情報などを追加設定することができます。また、いちおう、シナリオの内容も修正できるようです。ただ、この更新ツールを含むユーザーシナリオ周りは、まだ何かと不安定なので、内容の更新までやってしまうのは、もうちょっと様子見した方がいいように感じています。

……いや実際、自分の作成したシナリオで、この更新ツールを使ったことに起因するらしきバグが出たもので。該当バグについては、すでに対応修正がなされています。

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「戦闘の監獄」「慈悲の不在」もダウンロードコンテンツとして実装されるかも?

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同じ開発元による、「五つの試練」の前作にあたる作品「戦闘の監獄」と、その追加シナリオだった「慈悲の不在」も、ダウンロードコンテンツとして実装が検討されているとのことです(公式Twitterより)。「戦闘の監獄」は、造り自体はオーソドックスながら、「アイテムの特殊効果がランダム」という面白いシステムがあり、アイテムコレクター魂をくすぐりまくる作品です。原神の聖遺物厳選と似たようなものというと、通じる人には通じる。「慈悲の不在」は、比較的短編ながら、ギミックといいモンスターといいテキストといい、独特の雰囲気でハイレベルにまとまった掌編です。いずれも傑作といってよいシナリオなので、これは期待が高まります。

3.現段階で「Wizardry外伝 五つの試練 Steam版」を楽しむ

公式の5本のシナリオは問題なくプレイ可能

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先にバグがうんぬんというようなことを書きましたが、それはユーザーシナリオの話で、公式の5本のシナリオは問題ありません。まずは、この5本を楽しみましょう。なお、完璧が要求される公式のものだけに厳しい評価も散見されますが、個人的には、この5本も十分に楽しめました。ただし、それは私自身が「Wizardryに苦労を求めるプレーヤー」だからというのは自覚しています。すでに書いたように、決してヌルゲーではありません。また、「気づかなければ詰む」要素もあります。私なんかは、「いや、それがいいんでしょ?万人にクリアできるゲームなんか求めてないぜ!」(拙作も「すべての要素」をクリアすることは非常に困難な作りにしてあります)って思っちゃうんですけどね……。いちおう、以下のような点は覚悟の上で望むとよいかと思います。

手書きなり専用ツールなりでのメモは必須。
所見殺しのギミックや敵が存在する。
キーアイテム入手は、敵のランダムドロップや商店の初期在庫など、システム上のあらゆる可能性を考える必要がある。

以下、公式シナリオの個人的な感想です。シナリオ選びの参考にしてください。
「旅人の財産」:デフォルトで選択されているシナリオです。ボリュームは大きめ。一部ギミックに意地の悪いものがありますが、個人的には「それでこそWizardry」とむしろ満足でした。もっとも、すでにWizardryシリーズをプレイしたことがあるコアな層を前提に作ってあるとも言えます。全体のバランス自体は、Wizardryらしい慎重さを求める難易度ながらよくまとまっていて、慣れればリセットなしプレイは十分可能。世界観も、とっつきやすい伝統的な中世ヨーロッパモチーフです。特に、自分でユーザーシナリオを作ることまで考えると、ベースとしてお手本にできるでしょう。Wiz経験者なら、ちょうどよい難易度なので、まずはここから。3Dダンジョンに慣れていない人は、ある程度覚悟して臨むと「高難易度ゲーム」としての手ごたえを満喫できるかと思います。

「満月王の子供たち」:ボリュームは小さめ。謎解き重視のシナリオです。やはり中世ヨーロッパモチーフの世界観ながら、テキストの雰囲気や迷宮ギミックが非常に凝っていて、細かくメモを取りながら迷宮を探索してくことが求められます。戦闘バランスは、低レベルと性能を抑えたアイテムをやりくりしなくてはならず、かなりストイック。個人的には、5本の公式シナリオの中でもっともお気に入りです。謎解きを楽しみたい人向け。

「欠けた大地」:ボリュームは大きめ。他のシナリオと比べてクリアレベルが非常に高い、いわゆる「インフレシナリオ」です。Wizardryのシステムでインフレを楽しませるには様々な調整が非常に難しく、あえて言えば実験的なシナリオでもあります。他の4本に比べてバランス面で非常にクセが強いので、はじめにプレイするのはおすすめできません。五つの試練のシステムでのインフレシナリオ第1号のため、率直に言って調整がかなり大味なのは否みがたいですが、なんやかんやいってもインフレのバランス以外は「ある程度意地悪にまとまっている」ので、個人的には楽しめたし、自分のシナリオ作成の参考にもなったシナリオです。

「ガルヴァンの酢漬け男」:ボリュームは小さめ。やたらと食材にこだわった、面白世界観のシナリオです。戦闘バランスはやや緩めで、3Dダンジョン初心者にもとっつきやすいでしょう。ただし、初見殺しあり。そのくらいの覚悟は要ります。比較的手軽に楽しめる、コンパクトにまとまったシナリオです。

「灼熱の車輪」:ボリュームは小さめ。こちらは、ヘヴィメタルな世界観の短編シナリオです。なにしろ、BGMもこのシナリオだけ独自。サイバーパンク好きなら、是非。世界観はとがりまくっていながら、戦闘バランスは5本のうちでもっとも丸く、迷宮ギミックもシンプルなので、五つの試練のシステムに慣れるために最初にやるシナリオとしてもお勧めです。

ユーザーシナリオの情報は、旧版のサイトで調べよう

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約100本ものあまりにもたくさんのユーザーシナリオ、一体どれをやればいいの?とは、皆さん疑問に思うでしょう。記事執筆現在、先述のように、旧版ユーザシナリオ作成者向けにシナリオ紹介のためのツールが配布されてはいるものの、まだまだ紹介情報が記入されているシナリオはごく一部です。またもちろん、これら紹介情報を追加するかはユーザーシナリオの作者次第なので、過去のすべてのユーザーシナリオ作者が対応してくれるわけではないでしょう。とりあえず、現段階でユーザーシナリオを探す場合は、旧Windows XP版のサイトの「新着シナリオ一覧」に書かれている情報を参照するのが、もっともよいと思います。

Wizardry外伝~五つの試練~:旧版公式サイト

個人的なおすすめユーザーシナリオ

nokky
旧版の紹介記事と重なりますが、せっかくなので、個人的におすすめなユーザーシナリオをいくつか挙げておきます。もちろん、どのユーザーシナリオも、それぞれに各製作者の思い入れがぎっしり詰まっていて優劣はつけがたいものばかりです。これはあくまで、私の個人的な嗜好によるものとなります。

次の2作品は、ストーリーと世界観が非常に印象深く残ったシナリオです。いずれも、迷宮ギミックや戦闘難易度も高めで、マップ数はそれほど多くないにもかかわらず攻略に高い集中力を要求する、密度の高いシナリオとなっています。規模としては、おおむね公式の「旅人の財産」くらい。製作者の創作力が存分に発揮された、ユーザーシナリオの面目躍如ともいえる作品です。

「ノッキーの井戸」:近未来SFと見せかけて、衝撃的なストーリー展開を見せるシナリオです。絶対にネタバレを見ないでやってほしい、というやつですね。ストーリーのみならず、テキスト表現、アイテム、モンスター、迷宮ギミック、これらを総合した構成力が素晴らしすぎる。Wizardryという素材に、こんな調理法があるのかと刮目させてくれます。

「もつれっ宮」:不思議の国のアリスの世界観で構成されたシナリオです。Wizardryのシステムと、ルイスキャロルの奇妙で不穏な表現が最高にマッチする。旧版ユーザシナリオコンテストの優勝作品でもあります。

次の作者の方々は、比較的多作ですが、どのシナリオもハイレベルでやりごたえがあります。

松友健氏:比較的難易度低めの掌編を多く作っている方です。テキスト表現が抜群にうまく、シナリオそれぞれに世界観の個性がはっきりしていて、短編小説のように楽しめます。いずれも手軽にプレイできるので、はじめてプレイするユーザーシナリオとしても、おすすめです。作者のサイト「駄人間生誕」で、ご自身のシナリオの詳細な解説を行っているので、そちらを見るとさらに楽しめます。面白いシナリオってのは、ゲーム上に表現されていない膨大な設定があってこそという好例ですね。
Mr.L-ed氏:五つの試練のシステムを研究し尽くして、シナリオを作成している方です。どのシナリオも、迷宮ギミック、アイテム、戦闘などの調整が秀逸で、ハック&スラッシュの満足感を存分に堪能できます。ストーリーやテキスト表現も、シナリオごとにしっかり個性が主張されていて楽しい。独自システムの作成にも挑戦していて、これがまた、無茶なシナリオエディタの使い方をしているはずなのに、とてもバランスよくできていて驚嘆。オーソドックスなシステムに飽きが来た時にも、お勧めです。
sugsyu氏:こちらの方も、主に迷宮ギミックの面で、五つの試練のシステムをうまく利用した発想の勝利ともいえる作品を多数作成しています。気づかなければ詰むけれど、気づいた時にはなるほどとうならされる、そんな手ごたえのあるシナリオを求めるなら是非。ちなみに、この作者の「Time Spiral」という作品は、なんと、セーブデータを手動でぶっこ抜いて「過去」と「未来」の二つのシナリオを行き来するというとんでもなく面白いシナリオなんですが、さすがに、システムの仕様の都合上Steam版ではプレイできなくなってしまいました。うーん、残念!

次の2作品は、大長編かつ、独自の世界観かつ、あらゆる面で高難易度に調整されている、特にやりごたえのあるシナリオです。ある程度五つの試練に慣れたところで、もっと難しいものを!とか、徹底してやりこみたい!という猛者の方々におすすめです。

「大王の後継者」:今さらですが、私が作った、やりたいことを全部詰め込んだ自己満足のシナリオです。設定を知り尽くしている作者がプレイしてギリギリノーリセットで行けるかどうかという極悪なバランスと、「満月王の子供たち」や「Wizardry Ⅳ」に影響を受けた難関パズルで、理不尽への限界を攻めました。舞台は、おおむね紀元前4世紀のヘレニズム世界をベースにしていて、アイテムやモンスターも伝統的な中世ヨーロッパ物をはずしています。「クリアさせる気はないが、先に進むことによる達成感は味わえるようにしたい」と考えて作ったシナリオなので、我こそはと思わん方の挑戦をお待ちしております。

「後漢異伝 ~妖怪三国志~」:「ノッキーの井戸」と同じ作者のシナリオです。なんと、三国志をベースにしたダークファンタジー。三国志の名場面や史実の時代背景をふまえた、凄惨ながら「読ませる」ストーリー展開がともかく圧倒的。三国志というすでにしゃぶりつくされた題材を使って、ここまでオリジナルなものを再構成する手腕には、ただただ脱帽です。ストーリーの理解だけでなく、戦闘バランスやアイテムの独自要素など、ともかく頭を使う、そして「苦労してゲームを進めるという快楽」を味わえるシナリオです。

4.「Wizardry外伝 五つの試練 Steam版」の価格など

「Wizardry外伝 五つの試練 Steam版」は、1月6日までのスペシャルプロモーション価格が2,682円となっています。これは、早期アクセス版とはいえ、ボリュームを考えれば十分お買い得といえるでしょう。もちろん私も即買いして、久しぶりの迷宮世界に飛び込んでいます。何よりゲームとして、間違いなく、私が人生で出会った中で最高峰のゲームのひとつです。

一方で、まだ早期アクセスであり、紹介してきたように不完全な部分があるということはご注意ください。それでも、3Dダンジョンゲームに興味があるなら、迷わず購入をおすすめします。そもそもが、ユーザーが育てていく性格のゲームです。完全版のリリースに向けて、暖かく応援していきましょう。

5.関連リンク

Wizardry外伝 五つの試練:Steam
Wizardry外伝 五つの試練:公式サイト

Wizardry外伝~五つの試練~:旧版公式サイト
冒険者必読!『ウィザードリィ外伝 五つの試練』簡易マニュアル:Game*Sprak
『ウィザードリィ外伝 五つの試練』公式:公式Twitter

Wizardry外伝 ~五つの試練~@Wiki:有志によるWiki
一生遊べる3DダンジョンRPG「ウィザードリィ外伝 ~五つの試練~」- ひたすら無限の迷宮世界に籠もってみるのはいかが?:旧版のウインタブ紹介記事

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コメント

  1. 匿名 より:

    natsukiさん、「永遠の守護者」をまた遊ばせて頂いています。
    以前のバージョンからずっと、宝箱の設定にミスがあるようで、謎の「?ガラクタ」が出現することがあります。
    せっかくの機会ですので、このミスの修正や、細部の更新などはお願いできないでしょうか……。

    • natsuki より:

      プレイしていただきありがとうございます。
      データを確認してみます。
      シナリオの再アップロードがらみで一度問題が発生しているため、万が一重ねて不具合が発生した場合のことを考えて、公式が動き始める4日以降に対応したいと思います。

      ちなみに、このガラクタ発生は、かなり前にご指摘を受けて対応したつもりだったのですが、修正が見当外れだったようですね……。もし分かればで構いませんので、「ガラクタを入手したモンスター」「ガラクタを入手したフロア」「レアアイテムの入手率を上げるアイテムを持っていたかどうか」などの情報があれば助かります。

      なお、このコメントへのへの返信も含めて、拙作のシナリオについての感想やバグ報告などは、Steamの五つの試練の掲示板のほうに書き込んでいただければと思います。「シナリオ感想掲示板」というカテゴリがあるので、そちらを使ってください。よろしくお願いいたします。

  2. Mr.l-ed より:

    こちらにコメントを書くべきではないとは分かっているのですが、steam掲示板や旧五つの試練の掲示板に書き込んでもお気づきでないようなので、断腸の思いで書き込みをさせていただきます。

    「大王の後継者」を再プレイしているのですが、幾つか報告したい内容がございまして……何卒、感想掲示板等にお目を通していただけたら幸いです。

    • natsuki より:

      こんばんは。掲示板、把握しておりますのでご安心ください。
      単純にこのところ、仕事上の出張や緊急の対応に加えて、メインマシンを修理に出していることもあって、ご指摘の検証と修正にちょっと取りかかれないでおります。そのうち、となりますが、修正するつもりではおりますので、お待ちください。

      • Mr.l-ed より:

        お忙しい中、ご返信ありがとうございます。把握しておられるなら一安心です。
        折悪しく御多忙な上に身動きの取れない状況で、このような報告をしてしまい大変恐縮ではありますが、リアルに支障のない範囲でご対応いただければ、と思います。こちらもプレイが佳境に差しかかった所ですし、気長に待たせていただきます。