ASUSが15.6インチのハイエンドノート「ZenBook Pro Duo UX581GV」の国内発売を発表しました。この製品、おそらく読者の皆さんも写真くらいは見たことがあるんじゃないでしょうか?一度見たら忘れられない、「2画面ノート」です。ウインタブでもこの5月に開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2019の会場で実機に触れた経験があります。COMPUTEXでは15.6インチ版のほか、14インチ版も展示されていましたが、今回国内で発売されるのは15.6インチ版のみです。
1.スペック
ゲーミングノートを別とすれば、この製品のスペックはまさにハイエンドです。ZenBook Pro Duo UX581GVには2つのバリエーションモデルがあり、OSのバージョンとCPU、ストレージ容量が異なります。
UX581GV-9980:Windows 10 Pro/Core i9-9980HK/1TB SSD
UX581GV-9750:Windows 10 Home/Core i7-9750H/512GB SSD
上位モデルとなる「9980」のほうはCPUにオーバクロック可能なCore i9を搭載しています。GPUはGeForce RTX2060、RAMは32GBですから、下位モデルの「9750」であっても、ゲーミングノートとして見た場合でも中上位クラスのスペックと言えるでしょう。
この製品の最大の特徴はディスプレイです。普通の位置(ちょっとおかしい表現ですね、すみません)にあるほうは15.6インチ有機ELで解像度は4K、キーボード面にあるほうは14インチで解像度は3,840 × 1,100と変則的なものになっています。キーボード面にあるディスプレイはサイズ(奥行き)に制約があり、メインディスプレイとシームレスに使えるように横幅を揃えた、ということだと思います。
これは「ゲーミングストリーマー」の利用イメージです。ASUSによれば、この製品は「あらゆるクリエイティブワークに」という提案がなされていて、「フォトグラファー」「プログラマー」「ビデオエディター」「音楽制作」「3Dアニメーター」などの利用シーンを製品説明ページで例示しています。
キーボード面にあるディスプレイは「SCREENPAD PLUS」という名称になっていて、タッチ対応するほか、ユーザーの設定により様々な表示方法が可能です。SCREENPAD PLUSのディスプレイ形式については不明ですが、ウインタブがCOMPUTEX会場で確認した実機はTN液晶だと思われました(国内仕様もTNかどうかはわかりません)。
また、この製品はメインディスプレイもタッチ対応し、1,024段階の筆圧に対応するASUS Penも付属します。
通信回りでは「Wi-Fi 6」に対応していますので、高速なネットワーク接続が可能です。ただこれ、対応する通信環境がないと意味ないですけどね。入出力ポートは高規格ながら、数はそれほど多いほうではありません。このあたり、当然のように有線LANポートを備え、映像出力専用ポートも3つくらい備えるゲーミングノートには見劣りします。
サイズは15.6インチノートとしてはややコンパクトな部類となります。横幅が360 mmを切っていますし、奥行きも(小さくはないですが)2画面を備えるノートPCとしては悪くないと思います。重量はやや重いほうですが、これはまあ、理由がはっきりしているので仕方ないかなと思います。
2.筐体
正面から見たところ。「異様な外観」だと思いますが、冒頭にも書いたとおり「一度見たら忘れられない」ものでもあると思います。気の利いたコメントも浮かびません…。
天板です。ASUSの上位モデルには定番と言える「スピンメタル加工」が施されています。筐体素材はアルミ合金、筐体色は「セレスティアルブルー」(ASUSによれば「他にはないカラー」とのこと)、エッジ部分は鏡面仕上げのダイヤモンドカット加工、となっています。
この製品、大柄と言うか「ずっしりしている」わけですが、ヒンジは「エルゴリフトヒンジ(ヒンジ開口時に筐体の後部がせり上がり、キーボード面に適度な角度がつく構造)」を採用しています。また、画像にパームレストが写っていますが、これも標準で付属します。あと、繰り返しになりますが、ASUS Penも付属します。
なぜパームレストが付属するのか、というと、この製品の本体側にはパームレストがないからですね。キーボードは「90キー日本語キーボード」で、バックライトはRGBのイルミネーション対応となります。それと、この製品はテンキー部分がタッチパッドを兼ねます。この画像ではテンキーが表示されていますが、ボタンではなくセンサータイプですね。補助的にテンキーを使う場合だと大丈夫だと思いますが、経理業務などでテンキー入力を大量にこなすような場合はちょっと使いにくいと思います。
それと、普段左手でタッチパッドを操作している人にはこの配置は厳しいかもしれません。まあ、マウスを使えばいいだけなんですけどね。あと、ディスプレイもタッチパネルですし。
側面画像です。思ったよりもゴツい印象です。大きな通気口が目立ち、やはりポート類は少々足りない気がします。
3.価格など
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GVは8月23日の発売予定で、ASUS Storeではすでに予約注文を受け付けています。価格はCore i9搭載のUX581GV-9980が466,500円(税込み503,820円)、Core i7搭載のUX581GV-9750が361,500円(税込み390,420円)です。
えー、やっぱ安くはないですね…。しかし、下位モデルの9750のほうでも十分にハイスペックマシンと言えますし、セールスポイントである「2画面」はもちろん、筐体構造に差がありませんので、個人的には下位モデルのほうでも不満はないかな、と思います。ただ、キーボード面にあるSCREENPAD PLUSの配置に慣れ、有効に活用できるようになるまで、人間様のほうがちょっと苦労しそうな気もします。
4.関連リンク(ASUS Store)
ZenBook Pro Duo UX581GV:ASUS 公式サイト 製品紹介
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(UX581GV-9750):ASUS Store
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(UX581GV-9980):ASUS Store