ASUSが10.1インチのデタッチャブル2 in 1「TransBook T101HA」を発売しました。「T101HA」という製品は以前から存在しています。またTransBook T10〇シリーズというのは、Atom搭載のWindowsマシンとしては「最高のパッケージングである」と評価したとしても、ウインタブの古参読者の皆さんの中で異論を唱える人は少ないであろうと思います。要するに「Atomの名機」です。
今回発売されたT101HAは、正直「全然変わり映えしない」です。従来のT101HAとほとんど変わりません。なので、従来機を知っている人にとってははなはだ新鮮味のない製品ではありますが、従来機のことをよく知らない、という人にはぜひこの機会に「こういうのがあるんだ」ということを知ってもらいたいと強く思います。
1.スペック
開発終了となって久しいAtomですが、ここにきてAtom搭載のノートPCやデタッチャブル2 in 1がちらほら発売されているのがうれしいところです。開発終了ということもあり、搭載されるCPU、「Atom Z8350」というのは全く新しさを感じません。でも後継モデルがないので、これは仕方ないです。10.1インチサイズって、Gemini Lake世代のCeleronは載せられないんですかね?
RAMは4GB、ストレージは64GBです。CPU性能から見てRAM4GBというのは妥当なものだと思いますし、ストレージの64GBというのも、決して余裕があるとは言えないものの、半年に一回のペースで降ってくるWindows 10の大型アップデート(ストレージの空き容量が8GB程度必要です)の際にも十分対応できるくらいの容量です(ただし、不要なアプリやデータを削除したり、クラウドに逃がすといった工夫は必要になります)。
ディスプレイは10.1インチで解像度は1,280 × 800ですから、それほど高解像とは言えませんが、実用性を損なうようなものではなく、大きな不満を感じることもないだろうと思います。また、ASUSはディスプレイ形式について開示はしていませんが、「視野角178度」という説明がありますので、IPS相当のものが使われていると思います。デタッチャブル2 in 1(ディスプレイを分離してタブレットとして使えるという意味です)なので、ディスプレイはタッチパネルになっています。
入出力ポートはノートPCとして見た場合「ミニマム」クラスです。フルサイズ(Type-A)USB2.0が1つとmicroUSBが1つで、microUSBは充電ポートも兼ねます。そのほかにはmicroHDMIとオーディオジャック、そしてmicroSDスロットがあります。USBの規格は2.0のみで3.0はありませんし、ポート類もmicro規格が中心ではありますが、最低限の水準はクリアしていると思います。
バッテリー稼働時間は長めです。メーカー公称値は実際の稼働時間よりも長めに表示されることが多いので、常に13時間持つとは思えませんが、話半分としてもそこそこの稼働時間にはなると考えていいでしょう。
そして、「ビッグニュース!」と言っていいと思います。この製品には「モバイルバッテリー」が付属します。モバイルバッテリーの型番は「ASUS ZenPower 10050C QC 3.0」、つまり、単独の製品として販売されているものです(ASUS Storeの価格は税込み8,618円)。容量は10,050mAh、出力用にUSB Type-A × 2とType-C × 1を備える、「これ欲しい」と思えるようなものです。
話を本体に戻します。サイズのほう、従来モデルとぴったり一致します。タブレット単体で580 g、キーボード込みで1,080 gですから、10.1インチタブレットとしてみるとやや重く、ノートPCとして見ると持ち歩きに快適な軽量マシンであると言えますね。
2.筐体
この製品はディスプレイ面がタブレットとして使えますが、この記事ではキーボードを接続した状態の画像を使って説明します。ディスプレイ面を見るとベゼル幅はかなり太目になっています。これは「ディスプレイ面が本体(CPUなどの主要パーツがすべてディスプレイ側にある)」ということもあり、やむを得ないと思います。ただ、2018年のPCのデザインとしてはちょっと残念な感じがしないでもないです。
天板です。左右にスピーカー穴があります。この位置にスピーカーがあるというのもデタッチャブル2 in 1らしいですね。筐体素材はアルミです。
それと、付属するモバイルバッテリーも写っています。
この記事では主に筐体色が「ピンクゴールド」の画像を掲載していますが、この製品には他に「グレーシアグレー」「ミントグリーン」という筐体色もあります。学生さんとか女性ユーザーにも使いやすい製品だと思いますので、こういう元気のいい色がラインナップされているのは素晴らしいと思います。
ディスプレイが分離する構造で、しかも「逆向き」に接続することもできるので、この画像のように「スタンドモード(画像左)」「テントモード(画像右)」といった形態にして使うこともできます。ゲームをしたり動画を観たりする場合には便利です。
キーボードは「87キー日本語キーボード」です。10.1インチという小さなサイズなので、キーピッチは小さめ(狭い)ですが、私は10.1インチサイズ用のキーボードをしばらく使っていた経験があり、その経験に照らすと「慣れれば十分快適に使える」と思っています。キーストロークは1.5 mmありますし、タッチパッドはジェスチャ対応しますので、思った以上に使えるキーボードといえるかもしれません。
側面と入出力ポートです。この製品はディスプレイ面が本体なので、キーボード側にポートはありません。上のほうにも書きましたが、ポートの数はミニマムながら、必要最低限の数と種類は備わっていると思います。
3.価格など
ASUS TransBook T101HA(2018)はASUS Storeで販売中で、12月16日現在の価格は44,500円(税込み48,060円)です。ご存知の人も多いかもしれませんが、TransBookシリーズは微妙にスペックの異なるバリエーションモデルが非常に多く存在し、Amazonや家電量販店などで販売されています。そのため、単に価格だけを比較するのではなく、特にRAMやストレージ容量をしっかり確認してから購入することをおすすめします。
Atom Z8350を搭載するタブレットやノートPCは、ウインタブでこれまで数えきれないくらいレビューしてきています。確かにPC用のCPUとしてパワフルとは言い難いものがありますが、Webブラウジングとか動画視聴とか、あるいはExcelでの表作成、Wordでの文書作成などであれば楽々こなせるくらいの実力はあります(ただし、ExcelやWordでの作業は「程度問題」というのはあります)。例えば学生さんが講義のノートをとるとか、レポートを提出するとか、そのくらいの使い方であれば十分実用的だと思います。ただオンラインゲームやブラウザゲームには向きません。
また、すでにデスクトップPCやスタンダードノートなどを持っている人のセカンドマシンとしても向きます。比較的ライトな使い方をするのであればしっかり期待に応えてくれるんじゃないでしょうか。
コメント
昔は欲しかったけど今見ると正直酷いね。
ベゼルの太さ、キーボードの重さ、スペック、全部酷いね。値段もけして安くないし。
こんにちは。実売価格はも少し安くなるとは思いますけどね。Atom機が手元にたくさんあるのでアレですけど、いまでも買いたくなっちゃいます。
10インチへのgemini lake搭載はドスパラとlenovoがやっているので無理ではなさそう。でも多分バッテリーの大型化とかで重くなるかも…
私もt100ha使ってたし、フルHD化とかデジタイザーとか変化を期待したけど、ヘンに悪い方とかへ変わりすぎるよりはいいのかも。元々悪い製品じゃないし。
ちなみに私のt100ha(今は親が使用)は充電ができなくなりました。純正品ケーブルがダメになってるのでそれが原因か本体の問題か…
日本語入力さん、こんにちは。そう言えばraytrekの新型がそうでした。これ往年の人気ナンバーワン機種でしたよね!
Transbook T100シリーズ使っていますが、良くも悪くも、ビジネス寄りの端末ですね。
ヒンジの太さは、キーボードサイズに余裕があるって事でもあるので、タブレットよりもキーボードを付けて使う方が多いなら、こっちの方がいいです。なら、11インチにすればって声が聞こえそうだけど、ビジネス向けにはOffice mobileが使えるかどうかは死活問題なので、10.1インチに納めないといけない。なので、10.1インチでヒンジ太いってのは、実は重要な個性だったりします。
もちろん、ヒンジ付きで、膝の上など不安定な場所でも利用可能。
そして、処理能力より電池もち。Transbookは、公称値とまでは行かないものの、8時間くらいはもつ。
解像度の低さは、確かに弱点。ビジネスユースなら、まあ、許せるかな。仕事内容にもよりますが。
細かいけれど重要なとこで、Transbook T100シリーズから変わったのは、本体にフルサイズUSBポートがついたこと、microSDカードが出っ張らずに刺さるようになったこと(この点はT100シリーズは設計ミスと言われても言い逃れできないレベル)。これもビジネスユースに嬉しい。
ちょうど先日あった実話→映像投影するのにSurface持ってきてケーブル持ってこなかったやつがいて、HDMIケーブルならmini含めてそこら中にあるので、結局、私のTransbookにデータ移して全部こっちでやった。汎用性万歳。
ただ、現在でこの構成だと、30,000円台にはして欲しいですね。これは、そのうち実売価格は下がるかな。ZenPowerはめっちゃ欲しいけど、ニッチなモバイルバッテリーなので、無くてもいいし、一緒に買うならセット価格でお安くしますよってのだと嬉しいですね。
目新しいものはないので、所有欲は満たされないかもしれないけれど、堅実に使えることは保証できますよ。Transbookは、ウインタブを読んで面白そうと思って、初めて買ったタブレットでしたが、現在も仕事でバリバリ活躍してます。長文失礼しました。
間違えました。ヒンジ→ベゼル、です。
natsukiさん、そういえばnatsukiさんはT100オーナーでしたね。ちなみに私はAspire Switchでした(いまは長女が使用。そろそろへたってきました)。いまでもライトユーザーには最適な製品だと思いますね。うちの長女は大学生活Aspire Switchで済ませてましたしw
同シリーズが続いているのは嬉しい限り。
でもTransBook T100Chi(HAシリーズとほぼ同じヒンジシステムでWUXGA-IPS液晶、デジタイザ裏対応、バッテリーベンチ10時間超え、実売最安値3万円)を知っちゃうと おいそれと食指が伸びません…。
せめてTransBook T304UA-7100くらいな仕様・価格帯製品(デジタイザ対応 WUXGA液晶 6万円台)、もう出ないんですかね?
こんにちは、おお、思い出した、Chiシリーズもありました!デザインが凄くいいんだけど、入出力ポートがすごくプアでしたね、あれ。6万円台くらいだとSurface Goに追随する製品が出てきそうな気も…。
うーん、着脱式なのはいいけれど、今使ってるE203MAと比較するとどうしても見劣りするなぁ……という気持ちですね。物は悪くはないと思うのですが……
あと、今回の大型アップデート今朝やりましたが、E203MAのストレージ20GB近く(30.3→11.8に減少)持っていかれたので、空き容量には更に注意、って所ですかね
こんにちは。E203MAも使いやすそうなパッケージングですもんね。逆にE203MAお使いならこの製品のよさもわかっておられるのでは?
ものは良いですが,今の時代にはもう,見劣り感がすごいですね・・・
こんにちは。たぶんそれ「Atom」というところでかなり損をしているような気がします。これがGemini Lakeだったらイメージ変わったかも。
T100シリーズは名機といえば名機かも知れませんが、そもそも10.1インチでは他に有力対抗馬となるモデルがほとんどなかったですからね。ネットブック時代にはEeePCとAspire Oneの戦いがありましたが…。
T100HA、T101HAは不具合の多いモデルとしても有名です。有名なところではキーボードが突然認識しなくなる問題、また音量を最小にしても爆音になってしまうなど…。初代T100HAが発売されて3年以上経ちましたが、まだ直っていません。
こんにちは。いまはおっしゃる通りの状況かもしれないですね。私はacer Aspire Switch 10というのを購入しまして、しばらくメイン機にしてましたw いまでも上の子が使ってますよ。さすがにAtom 3735Fなんで、そろそろへたってきた感がありますけど。