1月26日にXiaomiから「Redmi Note 11シリーズ」が発表されました。今回ウインタブでも2機種「Redmi Note 11S」と「Redmi Note 11」をレビュー用に送っていただいています。まずは2機種のうちの上位モデル「Redmi Note 11S」からレビューしたいと思います。購入しやすい価格のモデルでありながらディスプレイに有機ELを、アウトカメラに108MPの高画素センサーを採用している点が最大の特徴となります。
なお、レビュー機はAliExpress内のXiaomi Mi Storeからの提供品となります。Xiaomi Mi Storeにはこの場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。
最新のMIUI 13をプリインストール
リフレッシュレート90Hz表示のAMOLED(有機EL)ディスプレイ
108MPのアウトカメラを搭載
ここがいまいち
アウトカメラの「出っ張り」は少し気になるかも
スピーカーの音圧は少し不満
暗所での撮影はイマイチ
販売サイトはこちら
Redmi Note 11S:Xiaomi Mi Store(AliExpress)
この製品のほか、下位モデルとなる「Redmi Note 11」についても実機レビューをしていますので、こちらもあわせてご覧ください。
Xiaomi Redmi Note 11の実機レビュー - AMOLEDディスプレイと50MPカメラを搭載、Redmi Note 11シリーズのスタンダードモデル
目次
1.Redmi Note 11S スペック
スペック表
Redmi Note 11S | |
OS | MIUI 13(Android 11ベース) |
CPU | MediaTek Helio G96 |
RAM | 6GB/8GB |
ストレージ | 64GB/128GB |
ディスプレイ | 6.43インチAMOLED(2,400 x 1,080)90Hz |
LTEバンド |
FDD-LTE:1/2/3/4/5/7/8/20/28 TD-LTE:38/40/41 |
SIM | nanoSIM × 2 |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C、MicroSDカードリーダー、イヤホンジャック |
カメラ | イン16MP/アウト108MP+8MP+2MP+2MP |
バッテリー | 5,000 mAh |
サイズ | 159.87 x 73.87 x 8.09 mm |
重量 | 179 g |
バリエーションモデル
・6GB/64GB
・6GB/128GB
・8GB/128GB(レビュー機の構成)
※左からRAM/ストレージ
コメント
Redmi Note 11Sは4Gスマホです(5Gには対応しません)。先に紹介記事を掲載したRedmi Note 11 Pro(4Gモデル)とシステム構成が似ていますが、ディスプレイサイズがひと回り小さく(11 Proは6.67インチ)、取り回ししやすいサイズ感となっています。
OSはMIUI 13です。中国市場で販売がスタートしているXiaomi 12シリーズではAndroid 12ベースとなっていますが、MIUIに関しては必ずAndroid OSのバージョンと一致しているわけではないため、Redmi Note 11シリーズではAndroid 11ベースとなっています(近い将来OSアップデートが提供されるものと思われます)。
先に販売されている中国向けモデルではGoogle関連のアプリが初期搭載されておらず、日本語ロケールも用意されていませんが、今回発表されているグローバル版では当然どちらも搭載されています。
CPUはMediaTek Helio G96です。昨年実機レビューを行ったiiiF150 R2022に搭載されていたMediaTek Helio G95のマイナーチェンジ版となりますが、搭載GPUはARM Mali-G76 MC4からARM Mali-G57 MC2に変更されているため、3D性能は若干低下しています。Antutu Benchmark v9でのベンチマークスコアは約30万点で、「原神」に関しても設定を変更すれば十分プレイできる性能です。RAMは6GB/8GB、内蔵ストレージは64GB/128GBという構成で、MicroSDカードによるストレージ拡張にも対応しています。
ディスプレイは6.43インチサイズで、解像度はFHD+(2,400 × 1,080)です。パネルはAMOLED(有機EL)を採用しており、ディスプレイオフの状態でも通知などを確認できる「Always On Display」も利用可能です。リフレッシュレートは最大90Hz表示に対応しています。
カメラはイン16MP、アウト108MP(標準) + 8MP(広角) + 2MP(マクロ) + 2MP(深度測定)という構成です。日本国内でも販売されているRedmi Note 10 ProやXiaomi 11T/11T Proでも採用されている「ISOSELL HM2」をイメージセンサーに採用しています。
ワイヤレスネットワークは802.11a/b/g/n/acとBluetooth 5.0に対応します。モバイルネットワークはVoLTEも利用可能です。
バッテリー容量は5,000 mAhです。付属する33W出力のACアダプター経由での急速充電のほか、USB PD(18W出力)による急速充電にも対応しています。
2.Redmi Note 11S 筐体と使用感
最初にお断りしておきます。レビュー機は開封済みだったため、同梱物が一部市販品と異なっていると思われます。ペーパー類に「クイックスタートガイド」「セーフティインフォメーション」がありましたが、本来はこの2つに加えて「保証書」が入るはずです。
その他、SIMピン、USB-C to Cケーブル、33W出力に対応するACアダプター、クリアケースが入っていました。レビュー機にはEUプラグのACアダプターが付属していましたが、日本からの購入の場合、変換プラグが付属すると思います(付属しない場合でも、100均などでアダプターが購入できます)。
クリアケースはUSB-Cポートカバーがついたしっかりとした作りのものなので、別途サードパーティ製のケースを購入する必要はなさそうです。マニュアル、セーフティインフォメーションに日本語表記はありませんでした。
前面です。前モデルのRedmi Note 10シリーズと同じく「ドットディスプレイ(パンチホールノッチ)」が採用されています。なお初期液晶保護フィルムも貼り付けられていましたが、レビュー機は完全な新品状態ではなく、少しフィルムに汚れが見られましたので、剥がした状態で撮影しています。
背面です。先に登場している中国モデルからカメラバンプのデザインが変更されています。Redmi Note 11Sでは108MPのカメラを採用していることもあり、レンズは出っ張っています。
なお、Redmi Note 11Sには「グラファイト・グレー」「トワイライト・ブルー」「パールホワイト」の3色がありますが、レビュー機は「グラファイト・グレー」でした。
左側面にはSIMトレイがあります。SIMトレイはトリプルスロット仕様となっており、2枚差しの状態でもMicroSDカードによるストレージ拡張を行えます。
右側面にはボリュームボタン、指紋認証センサーを内蔵する電源ボタンがあります。
上部にはスピーカー、赤外線センサー、マイク、3.5 mmイヤホンジャック。
下部にはマイク、USB-Cポート、スピーカーが配置されています。
筐体はエッジ部分が角ばっており、従来のRedmiシリーズとは少し雰囲気が変わりました。また、6.43インチで厚さ約8 mm、重量179 gというのは、小さめのスマホがお好みの方には魅力的だと思います。
システム
2022年発売モデルということで、上でご説明した通り、Redmi Note 11シリーズでは最新バージョンとなるMIUI 13が初期搭載されています。ただし最新のAndroid 12ではなく、前バージョンのAndroid 11がベースとなっています。
アプリではMIUI標準システムアプリ、Google関連アプリのほか、「Netflix」「TikTok」「PUBG Mobile Gift Box」「Spotify」「WPS Office」がプリインストールされています。
POCO M4 Pro 5Gに搭載されているMIUI 12.5 for POCOやMi 11 Lite 5Gでは用意されていなかった「トラブル時の対処や報告」が追加されています。これはよくあるトラブルへの対処法が記載されているほか、Xiaomiへ不具合を報告することも可能です。今回レビューしているRedmi Note 11Sはグローバルモデルですが、サポートへの連絡先はXiaomi Japanのものになっていました。
工場出荷時のストレージ情報です。システムで使用している容量は12.80GBとなっており、空き容量は105.7GBとかなり余裕があります。
工場出荷時のMIUIのバージョンは「13.0.1」です。Android セキュリティパッチは「2021年12月1日」のものが適用済みとなっています。
ディスプレイ
POCO M4 Pro 5GではIPS液晶が採用されていましたが、Redmi Note 11Sでは高品質なAMOLED(有機EL)ディスプレイが採用されています。これに伴い画面オフの状態でも通知を確認できる「Always On Display」にも対応しました。
上位モデルのRedmi Note 11 Proだとリフレッシュレート120Hz表示に対応しますが、Redmi Note 11Sでは90Hz表示にとどまります。ただ60Hz表示と比較するとやはり画面スクロール時の「ヌルヌル感」は違います。
このディスプレイは「DCI-P3の色域と1,000nitの明るさ」になっていますので、画面の発色もきれいで、動画などのコンテンツも美しい画質で楽しむことができました。WideVineは「L1」に対応しています。
スピーカー
スピーカーはステレオ出力のものが搭載されています。音質に関してはPOCO M4 Pro 5Gと似たような傾向で、消して「悪くは」ないのですがクアッドスピーカーを採用しているXiaomi Pad 5と比較すると音圧が少し物足りないかな・・・と感じました。
カメラ
標準カメラアプリのUIはPOCO M4 Pro 5Gに搭載されているものと同様で、「108MP撮影モード」「夜景モード」「ドキュメントモード」などの機能がそろっています。
今回のRedmi Note 11シリーズではカメラ性能の高さを推しているようで、Redmi Note 11SではXiaomi 11T、Xiaomi 11T Proでも採用されているSamsung製108MPイメージセンサー「HM2」が採用されています。50MPのカメラを搭載しているPOCO M4 Pro 5Gも写真の画質はかなり満足度が高いものでしたが、Redmi Note 11Sでは輪郭がさらにくっきりしている印象です。ただ暗所での撮影に関しては「夜景モード」を使用しても暗めで、この点に関しては少し残念に感じました。
ファイルサイズが大きくなってしまうため、TwitterなどのSNSでの共有には向いていませんが108MP撮影モードも用意されています。Xiaomi 11T同様超広角撮影はできませんが、2倍ズームでの撮影にも対応しています。
3.Redmi Note 11S 性能テスト
参考:
ASUS ROG Phone 5s(Snapdragon 888+):846,862
ASUS Zenfone 8(Snapdragon 888):785,280
Mi 11T(Dimensity 1200 Ultra):582,178
Xiaomi Pad 5(Snapdragon 860):566,309
Realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Xperia 1 SOV43(Snapdragon 855):511,163
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 780):500,573
Samsung Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):414,302
OnePlus Nord CE 5G(Snapdragon 750):384,505
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
POCO M4 Pro 5G(Dimensity 810):349,498
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
Samsung Galaxy Note FE(Exynos 8890):177,984
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AGM H3(Helio P22):84,184
BlackView A55S(Helio A22):78,630
geanee ADP-503G(MT6737M):46,316
Redmi Note 11SではMediaTek Helio G96が搭載されています。ウインタブでこのCPUを搭載している端末をレビューするのは初めてですね。型番だけ見るとiiiF150 R2022に搭載されていたMediaTek Helio G95のアップグレード版・・・のように見えるのですが、実はGPUの性能が落とされています。
Helio G95ではARM Mali-G76 MC4が採用されていましたが、Helio G96ではARM Mali-G57 MC2に変更されており、AnTuTu BenchmarkでのGPUのスコアも若干低めのスコアを計測しています。ただおそらく原神クラスのゲームタイトルを最高画質で楽しむためにこの端末を選択する方はいないでしょうし、通常タスクに関してはストレスを感じることはありませんでした。
4.Redmi Note 11S レビューまとめ
Redmi Note 11Sは1月28日より発売開始となり、価格は249ドル(29,073円)からとなっていますが、AliExpress内Xiaomi Mi Storeでは1月28日17時(日本時間)よりワールドプレミア(セール)を開催し、6GB/64GBモデルが229ドル(26,738円)、6GB/128GBモデルが279ドル(32,576円)、8GB/128GBモデルが299ドル(34,911円)で購入可能です(為替レートは変更される可能性があります)。なお、セール期間は1月30日16時59分まで、となっています。
今回のレビュー機Redmi Note 11S、およびRedmi Note 11に関しても1月26日に開催されたグローバルモデルの発表イベントでRakutenが取り扱いキャリアとして案内されており、国内投入される可能性は高くなっています。
Redmi Noteシリーズはその完成度の高さから日本国内でも人気があるシリーズですが、今回も満足度の高い一台に仕上がっている印象です。搭載されているMediaTek Helio G96はハイエンドCPUではないものの、ストレスなく快適に使える性能を備えており、「AnTuTuのスコアが100万点計測するSnapdragon 8 Gen 1を搭載する端末じゃないと満足できない!」というガジェクラの方や「原神を最高画質で快適にプレイしたい!」というゲーマーでもない限りRedmi Note 11Sでも満足できると思います。
暗所での撮影は若干苦手という印象は受けたものの、Xiaomi端末らしくきれいに撮れるカメラも健在です。購入しやすい価格帯に抑えられていることもあり、今回も良ミッドレンジモデルとしておすすめできる一台に仕上がっています。
5.関連リンク
Redmi Note 11S:Xiaomi Mi Store(AliExpress)
コメント
スペックのRAM欄
「6GB/128GB」になってますよー
>>匿名さん
修正いたしました!ご指摘ありがとうございます!
10proと同じイメージセンサーか。
SAMSUNG製は色が派手過ぎると言うか嘘臭過ぎて使い物にならなかった。
9sのような、程よく華やかで程よく忠実な発色の方が好ましい。
上記2機種とも所持しているが、9s的な発色で画素数が100800なら即購入しただろう。