以前Xiaomi Mi Playの機種紹介を致しましたが、今回実機を触ってレビューが可能な運びとなりましたので改めてこの機種に注目をしたいと思います。この端末は技適が通っていないため国内で通信ができず、「推測」での話がやや多くなってしまうかと思いますが、この点はご容赦ください。
ただ、本当に良い端末だと思います。価格を抜きにしても操作感等で逐一面白さを感じます。絶対性能ではほかの機種に譲る面も多いと思いますが、ゲームとかしない限り、こういった端末が個人的には最適解の一つな気もするんですよね…。
なお、今回レビューするこの端末は中国の通販サイト「Banggood」に提供頂きました。Banggoodにはこの場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございます。
1.スペック
この点はすでに以前の紹介記事で記載しています。改めて振り返りましょう。
RAM4GBは必要十分です。実際に動作でひっかかりはありません。ストレージが64GBですがmicroSD対応ですので実質問題なしですね。OSはスペック表だとMIUI9ですが、10にアップデートされていました。内部的にはAndroid8.1がベースのようです。Androidセキュリティパッチレベルは2019/5/1でした。
充電器は中国仕様でしたが変換プラグをBanggood側で添付してくれているようです。もちろん普通のUSB充電器で充電できるので、問題ないですよ!
カメラはデュアルレンズ。個人的には初です初。AIカメラであることを売りにしていますね。後述しますが、十分に使えるカメラだな、と感じる出来栄えでした。
2.筐体
箱が可愛いんですよね。ロゴがカラフル。
箱の裏面と側面も紹介しておきますね。Globalバージョンなのでその旨が記載されています(ちなみにGlobalバージョンでないとGoogle playに対応しておらず、日本語ロケールも入っていませんので、日本語化にも苦労します)。中国出張で使う、とかならこの機種の非Globalバージョンはメリットもあるのですが、そうでないなら購入するべきは間違いなくGlobalバージョン一択です。
箱を開けてみたらこんな感じ。付属品も合わせてご確認ください。
個人的にうれしかったのは上記2枚目の画像で袋に包まれている保護カバーでした。
この保護カバー、柔らかい素材(TPUだと思います)でできています。使用感にこれといった特徴は無い代わり、不満もなく普通に使えます。ガラステーブルなんかにちょっと吸着してくれるので落下防止にもなりますし、カメラの出っ張りもいい具合にフラットにしてくれます。
こういった表記がこっそり入っていたりという何気ない「純正お洒落感」がちょっと心をくすぐるんですよね(ちなみにUSB端子にささっているのはマグネット充電ケーブルです。脱線するので細かい紹介はしませんが便利です)。
いよいよ本体の登場です。両面にシールが貼ってありますね。背面はXiaomiのロゴを挟んで上下に2枚貼ってありますが、下のシールは剥がすような想定がなされていないような気がします。実際剥がすための「耳」もついていません。頑張れば剥がせるのかもしれませんが、怖くて結局このシールはそのままにしています。
それにしてもこの色!この色ですよ!はい。テンション上がってます。個人的にXiaomiって赤のイメージが強かったんですが、Mi Playは写真で見た時点でこのパープルとブルーの組み合わせが美しい「neptune blue」がやっぱ綺麗だよなーと思ってました。この美しさを伝えたいがあまりアニメーションgifを用意しましたのでちょっと見て欲しいです。
ちなみにグラデーションそのものは塗装ですので光の加減で揺らめいたりはしません。ただ波打つ反射が本当に綺麗です。光沢感も強く、質感としては全く不満なし。
ちなみにカバーをつけるとこんな感じ。ギラギラ感が抑えられるのでこれはこれでいいかなと。
大きさはこんな感じです。男性の手であれば十分使いこなせるサイズですね。
右側面です。ボリュームと電源ボタンがあります。ちなみに指紋認証と電源ボタンは別扱いながら、指紋認証は画面がスリープ中でも反応し、勝手に画面がONになるので注意が必要です。
続いて左側面。SIMトレイがある位で特に他は何もありませんね。
上側面。イヤホン端子があります。カメラの出っ張り具合も分かるでしょうか。
下側面(少しぼやけていますね。申し訳ありません)。MicroUSB端子とスピーカー用の穴が配されています。ちなみにステレオのように見えますが、実際はモノラルです。端末の画面を見た時に右側のスピーカー用の穴からのみ音が出ます。
背面も一応改めて。指紋認証用のセンサーが中央にあります。クリック感等はありません。にしてもやっぱ綺麗だよなあ…。
どうしても色合いが伝わり辛いので、色々模索してみたのですが、これが実機に一番近いかなと思います。ただ反射の美しさはこれでも表現しきれていないです。
画面ONで正面を。ベゼルは「こんなもん」でしょう。価格的には致し方ないと思います。ただ占有率は高いですし画質も必要十分です。画面占有率も結構あるなーという印象。ノッチもいざ使ってみると違和感はありませんね。
3.システム
電源ONをした時のシンプルな起動画面。当たり前ですが違和感とかは全然ないですねー。
何となく、かの国のプロダクトって触ったことが無い人にはちょっとしたフォントの差異とか、こういう起動画面の印象とかで「あっ…。」ってなりがちだと勝手に思っていますが、そういう印象は微塵もないです。洗練されているんですよね。
そしてMIUIです。初体験です。知識としてはどういうものか把握していたつもりでしたが、なるほどこれは林檎感が…。いやまあ、その「林檎」を何も持っていないので比較したら案外違うのかもしれないけど。
ちなみにハイエンドと違い、いわゆる「ライブ壁紙」がデフォルトではありません(natsukiさんがMi9をレビューしていましたが、そちらは恐らくライブ壁紙がデフォルト)。
ただ一部のアイコンがアプリ終了時等にアニメーションするところなどは共通。こういうディテールにこだわりを感じられるところ、そこがこの端末が良いと思える点に直結しているように思うんです。
ちなみに一般的なandroid端末だとドロワー(アプリ一覧画面)がありますが、MIUI10はそうではないようです。基本的にホーム画面に全てが集約されていきます。もちろんウィジェットも使用は可能です。
フォルダを開くとこんな感じ。
アプリ一覧。何気なくリフレッシュ系の機能が付いています。ちなみにこれ、使用すると広告が出る仕様みたいです(確認はできていませんが)。
ホーム画面を左にスクロールするとナビゲーション画面が。MIUIでなくても同様の端末は多いと思いますが、細かい部分で違いはありますね…。個人的には多用する機能なので、デフォルトの方がうれしいかな。
ちなみにオプションにも独自機能が満載ですし、細かい使い勝手にも配慮があるな、と感じます。代表的な部分のみ紹介しますね。
まずはディスプレイ設定より。起動系のオプションとしてはダブルタップ起動と持ち上げてスリープ解除が用意されています。電池持ち等に大きな影響はないのですが、指紋認証を活用するなら前者はあまりいらないかも。割とスリープ解除も頻発するので、使用しない限りはデフォルトのまま両方OFFがいいかもしれません。
コントラストと色の設定も可能です。割と色温度の高い初期設定ではあるので、人によっては目が痛いと感じたりするかもしれません。そういう時にも調整が効くのはありがたいように思います。
それとありがたかったのが「全画面表示」の設定でした。ノッチが気になる人は画像のように「ノッチを隠す」と設定すればノッチのある上部に黒い帯を表示させ、ノッチの印象を弱めることができます。また、「ミラーボタン」機能をOFFにすると、
画像のように、「戻る」と「アプリ一覧」のボタンを入れ替えることができます。個人的には「戻る」は左にある印象が強かったので、これが切り替えられるのは利便性に直結します。…これandroid標準機能にならないのかなあ。
私は使わないでしょうけど、「セカンド・スペース」機能なるものも搭載。サンドボックス的なものなのかなあと思いつつ。人に端末触られる時にはいいかも。
「追加設定」内にはクイックボール機能なるものもあります。いわゆるランチャー機能と言えばよいでしょうか(アプリ設定のボタン等を呼び出せます)。スクリーンショットを撮る時には隠れてくれるので機能の説明がしにくいのですが、常に丸いボタンがオーバーレイ表示され、押下することでいくつかの機能が使える、というものです(オーバーレイ表示させる対象のアプリは選択可能です)。
ボタンやジェスチャー操作で幾つかの機能を呼び出せるように設定も可能です。カメラボタン等はないですし、スクリーンショットも簡単に撮れるので使い始めると恐らく便利だろうなと思います。
ヘッドフォンとオーディオエフェクトでも細かい設定が可能です。一応Xiaomiのイヤホンをお持ちであれば、Miサウンドエンハンサーを使用することで最適な音質に設定することができます。ただ、Xiaomi以外のイヤホンだとどの設定もあまりマッチしないように思うので、結局は好み次第なのかなと。
ちなみに容量です。スクリーンショットなどを撮っている中なので多少差異は出ているかと思いますが、おおよそ54GB位は空いていますね。
なお、デフォルトのアプリはASUSなど他社大手SIMフリー端末と同様、ちょっと多めな印象です。ただ国内キャリア端末に比べれば随分マシですし、そこそこ使えるアプリが揃っています。
4.使用感
ディスプレイ
機種紹介時、フルHD+ながら少し気がかりな点がある旨の記載をしていました(動画再生時、フルHDはドットバイドットで再生できるのか、という点)。この点ですが、恐らく問題ない、ということを確認しました。スクリーンショットでFHD動画を再生している画面をキャプチャーしましたが、動画再生範囲はFHDの解像度と合致していました。
値段を考えれば不満の無い画質だと思いますし、精彩さ、色の表現などもハイエンド機種には僅かに及ばないものの、ミドルエンド位の機種であれば十分に渡り合える、あるいは凌駕する性能を持っていると思います。
僅かに不満があるとすれば、ノッチ付近で僅かな照度落ちがある点くらいでしょうか。この照度の不均一性については初見で少し「ん?」となったのは事実です。
ただ、そもそもノッチ付近で画質を追い求めるような使い方は想定できないので、大きな問題にはならないと思います。
カメラ
正直カメラのレビューは不得手な点もありますが、それでも予想よりずっと良かったように思っています。
それぞれHDRなしとHDRありで撮影しています。1万円台の端末とは思えない出来だと思うのですが、いかがでしょうか。特にHDRをONにしておくと、コントラストがきれいに調整されているのが見て取れます。骨の部分は少し質感が伝えきれていないようにも思いますが、それを除けばおおよそ不満はありませんし、色も大きな偏りなく撮影できているのが分かります。
ただ細かい不満を上げるなら、HDRをONにしていない時にはやや白潰れが発生しています。上記の写真も前者がHDRなし、後者がHDRありなのですが、この窓、実は白い横線が入っています。HDRありの方だと、曇った空と線を綺麗に分けて描写できていますが、HDRなしだとそれができていません。少し逆光気味で意地悪な構図なのですが、明るい環境ならなるべくHDRありの方が良いように思います。
曇天続きなので薄暗い夜景が撮りにくい…。ということで薄暗いバーでテストしてます。この写真も前者がHDRなし、後者がHDRありですが、薄暗いところでも結構明るく写真が撮れてしまうのは少し驚きました。もっと暗い環境だったんです。ただノイズは少し出てしまっていますね。
HDRありだと今度は全てが白浮きしてしまっているのが気になります。暗いところについてはHDRなしの方がきれいに撮れるかもしれません。
なお、AIカメラを売りにしているようでしたが、特に使用上何か特徴的なことはありません。何気なく機能してくれている、ということなんだろう…とは思います。恐らく。
また、遠方をぼかしてくれるポートレート機能もついています。会社で使っている時計(汚い…。)を撮影しましたが、接写でもこんな感じに背面はぼかしてくれます。
また、インカメラも面白いです。
顔を晒すのはちょっと嫌なので、箱に頑張ってもらいましょう。こんな感じで、反転させて写すかどうか切り替えたりできますし、当然のように美顔効果もついています。
なお、この美顔効果ですが…。全ての項目をフルで設定したら骨格から変わります。あまりにも強烈だったので、ちょっと笑ってしまいました。
カメラの設定はほかにも細々変えることができます。
タイムラプス撮影やスローモーション撮影なども出来るのが面白いです。アマチュアバンドのMV作成位であれば自分で出来ちゃうかもしれませんね。
性能テスト
Antutuでテストをしてみましたがこんな感じです。
性能としてはミドルレンジ相当と言えますし、CPU上妥当な数値だとも思います。ゲーム向きとは言えませんがライトなものであれば実行も可能でしょう。
音質
すみません。一応触れておきたいと思います。技適の関係でbluetoothもテストをしていませんが、有線で音楽を聴く限り、価格を踏まえればかなり音質面も優秀でした。実際がどうであれ、聴いていて音質を恣意的に調整したような不愉快な違和感がありません。ゲインもミドルレンジ帯としては稼げています(どマイナーな言い方になりますが、ER-4Sを鳴らすにはあと1歩欲しいけど、他のイヤホンだとフルボリュームを使うことはないかなと)。
専用DACを積んだスマホ等と比べるのは酷だとは思いますが、そうでない中では優秀と言っていいと思います。
…こういうのを定量的に見せられる何かを準備しておきますねー。
5.液晶保護フィルムについて
今回、PDA工房さんの傷修復フィルムを使用しました。
割と硬質なフィルムでした。前面と背面のセットでしたが、前面はかなりピッタリ、背面は端末のデザイン上テーブル等に接触する場所のみ保護が可能な大きさのフィルムです。
この端末、背面は意外と傷が付く印象もあったのでフィルムがあると本当に助かります…。
軽く鍵でスクラッチ傷を付けてみたのですが、掠る程度の軽微なものは一瞬傷が入ったことは確認できるものの瞬く間に無かったことになります。
(悔しくて)端に思いっきり(カッターで薄紙を切るくらいの手ごたえはありました)傷を入れたらそれはさすがに残りましたが、「フィルム越しでも端末に傷が入ったかも!」と思うレベルの傷でなければ基本消えてしまうみたいです。ちなみにこの傷、端末には影響してませんでした。良かった。
鋭利なものと一緒に鞄に入れたりしない方がいい、ということは変わりなさそうですが、万が一入れてしまった時にかなり違いが出るような気がします。
6.まとめ
7/20現在、Banggoodでは109.39ドル(12,480円)で販売されています(クーポンコード「BGEMP」を使ってください)。正直、使用をしてみてメイン端末を変えようかと思ってしまうほど不満がなく、ああ、しかし技適ないんだった…と思い直す、そんな端末でした。
目立った不具合なども特に聞きませんし、使用していて嬉しくなってしまうUIや各種機能はさすがの一言でした。これ、本当にこの価格でいいの…?と思わざるを得ません。これ、逆に技適ついて国内に入っていたらとんでもない脅威だなと感じる、そんな機種です。
コメント
いつも楽しみに記事見てます。
2009年からずっと使ってましたのでスマホの低価格化には驚いてます。
端末多すぎて迷ってたんですが、購入候補の1つとなりました。ありがとうございます。
ひつじさんと意見は異なりますが
2016年に購入したiPhoneSEとの比較では性能面での優位が見られず
メイン端末にできそうにない、と感じました。
SEとPlayを並べて動かした場合、同一アプリでもPlay側は起動速度が若干遅く
WEBブラウザのスクロールでもカクつきが見られました。
極端に遅い、というわけではないのですが、少し気になるところです。
スクロール速度だけでもiPhoneに近づけたい、と
開発者モード(?)にてGPU処理を強制するモードを選択したのですが
元のGPU性能が弱いので(ベンチマーク値ではiPhoneSEの1/3くらい)効果はありませんでした。
カメラのスペックも両者ともに同一ですが、Playは4K撮影に非対応でした。
これもGPU性能の低さ故、かもしれません。
このカメラアプリはiPhoneの完全コピーで笑ってしまったのですが
最後のページにマニュアル撮影機能がある点は評価できます。
ピント合わせに難儀しましたが、長時間露光で夜景がとれます。
一方、Playのほうが画面のサイズ解像度ともに大きく、
それでいて色味やバッテリーの持ち具合に問題がなかったのは
よい点と言えますし(iPhoneSEからの乗り換えなので大画面の扱いに難儀しましたが)
筐体の質感も、iPhoneの物まね(特にブラックモデル)とはいえ、上質です。
この値段で真似られるだけでも驚きです。
指紋認証機能の実用性はiPhoneよりも上、と感じました。
センサーの精度では両者に大きな差はなかったのですが
iPhoneはセンサー表面に指紋の跡が残りやすいデザインなので、
まめに拭き取らないと、精度が悪化するのです。
TPUケースが付属する点も、アップル製品では見られない良い気配りと感じました。
(iPhone4の時代は諸事情でケースをもらえたようですが)
ケースの色も本体色に合わせているようで、私が購入したブラックモデルには暗色の透明TPUケースが入っていました。
ただ、透明のTPUケースは黄ばみやすいのが悩み所です。
日本のAmazonでも対応ケースを扱っていたので、私はそちらを使用しています。
iPhoneSEや6S、同世代のAndroid高級機からの乗り換えは要注意ですが
1~2世代古いiPhone5Sや6シリーズからであれば、性能面で不満を感じない、と思われます。
本体画像見た瞬間「戻るが右側か…候補じゃないな」と思ったものの記事を読んだら入れ替えもデフォルトでできるとは
ホント標準で欲しい機能ですわ