こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は読者の「ひつじ」さんによる超小型Androidスマホ「Atom」の実機レビューです。製品画像やスクリーンショットを多く使い、わかりやすい内容に仕上げていただきました。では、ひつじさん、よろしくお願いします!
0.はじめに
2.5インチの小型スマホ「Jelly Pro」はご存じでしょうか。発売当時、手の出しやすい価格とその小さいながらも必要十分なスペックが一部のガジェット好きの間では話題となっていました。
このJelly Proを販売しているUnihertz社が新たに発売した(といっても2018年末ですが)小型スマホが「Atom」です。Jelly Proと同じ2.5インチながら防水・防塵性能を備え、更にスペックも強化されていることから、メインでの利用にも耐えうる設計になっていると思います。
ちなみに私はXperiaRayみたいな小型ガジェットを探し求めてこいつに出会った、という感じです。
握るとこんな感じ。すごく小さいんです。
外箱などは画像のようになかなかの高級感でした。付属品は本体以外にUSBケーブル、USB充電器(日本仕様)、SIMトレイ用のイジェクトピン、説明書、今回諸事情があり写せていませんが本体にはビニールがかかっていました。また液晶保護フィルムとストラップがついていました。
1.スペック
スペックを見る限り、ミドルレンジスマホ相当ですが、microSDとおサイフケータイ非対応であること以外死角がないんです。特にこの大きさで防水防塵なのは替えがなかなか効かないレベルでありがたい要素です。
※画面解像度は画面自体が小さい以上致し方ないと思います。
当然ですが、googlePlayに対応しています。またGPS等も特に問題ありません(細かいところで言うとロシア版GPSである「GLONASS」にも対応してます)。日本語表示もほぼ完ぺきですし技適もOK。APNも標準で多数登録されています。日本を意識して作られた端末であるとよくわかります。
ちなみにJellyProと使い勝手上で大きく違いそうな点はバッテリー(Jelly Proは950mAh)、microSDの対応可否、NFCの有無、指紋認証でしょうか。
RAMは十分な量を確保しています。ディスプレイ解像度の低さもあり、3GBでも十分動作しそうなスペックですが、4GBと少し多めの設計になっています。メモリは多いに越したことがないですから、素直に喜べる箇所です。
ROMの64GBはmicroSD非対応であることを考えると音楽や動画を入れる人には少し不足気味かもしれません。
NFCは一部でFelica対応と明記があるため恐らくハード的には日本で一般的な仕様(TYPE-F)ではないかと想定は出来るのですが、おサイフケータイ等が非対応であるため、そのメリットは活かせていないという状態です。
ホームボタンと兼用の指紋認証の認識精度は上々。Xperia XZ Premiumを普段使用していますが認証の成功度はAtomの方が上だと思います。
ディスプレイは視野角等に問題はありませんし、解像度由来の粗さは感じるものの必要最低限の画質は確保できている印象です。
2.デザイン
本体正面には画面以外にAndroidではおなじみの3ボタンが存在します。ホームボタンは指紋認証ボタンを兼ねています(ちなみに静電式のタッチセンサーです)。受話部等の付近にチタンっぽいパーツがついていますが、これが結構格好良いです。また、ガラスもベゼルが飛び出していて目立ちませんが、実は2.5D仕上げになっておりエッジが大変美しく反射します。
右側にはUSB type-Cと電源ボタンがありますが、目立つのが赤いボタン。これは押すだけで予め設定しておいたアプリを立ち上げることができるボタンです。初期状態ではトランシーバーのようなアプリ(zello)が起動可能です。
左側にはSIMトレイとボリューム、上部分にイヤホンジャック、下部分にストラップホールがあります。また、4つ角も含め外周部はラバー仕立てです。
裏面は樹脂感満載ながら、メッシュ調のデザインは滑り止めを兼ねているようです。またメーカーロゴが印刷でないところも好感。トータルとしては質感も比較的高く仕上がっています。
3.使用感
システム
すでに使用中の端末なので一部アイコン等は異なりますが…。基本的にはandroidの素のままといった感じですが、ホーム画面は小さな画面に合わせて多少改良されています(アイコン数等)。
使い勝手自体は特に奇抜なところはありませんし、androidに慣れているユーザーであれば特に違和感もないと思います。
一方、プリインストールアプリは少ないながら特徴的なものがあります。例えば先ほど挙げたzelloだけでなく万歩計アプリやGPSロガーと思われるトラックリターンアプリ、コンパスや分度器機能を有したツールボックスアプリ、緊急速報メール、FMラジオなどを搭載しています。ツールボックスアプリは使い勝手がそこそこ良いですね。
こんな感じでちょっと使えそうなツール類がまとめて入っています。どれも直観的に操作出来てありがたいです。
また、画質向上機能として「Mira Vision」を搭載していたり、地味ながら物理キーの左右反転に対応していたりといった細かい部分にも気が使われています。androidセキュリティパッチレベルは2018/10/5でした。
Antutuのスコアは以下の通りです。ちょっと前のミドルレンジスマホとほぼ同等、といったところでしょうか。
また、4G対応のSIMを2枚同時に扱えるDSDVはまだまだ珍しいと思います。
カメラ
3枚ほどですが撮影をしてみました。結論から言うと、白飛びがやや目立ったり色が薄かったりと、あまり画質が良いとは言えないレベルです。オートフォーカスは1秒前後で合わせてくれるなど、挙動自体にストレスは感じません。
どちらかと言えばメモ用途的な使い方を想定したカメラなのでしょう。ただ別のカメラアプリを用意すると比較的「使える」写真は撮れたりします。標準アプリも決して面白みがないわけではなくて、タイムラプス写真が取れる等の特徴があります。また、ISOなどを操作できるモードもあったりするので使いこなせればもう少し良いものが撮れる気もします。
音質
これもそこまで良いとは言えないものです。単純なボリュームは稼げるのですが解像度があまり高くなく、やや籠った音質です。ただこの端末の大きさであれば、サブスクリプション型の音楽アプリの使用を想定して運用するといった使い方はうってつけだと思います。
また、androidのバージョンが高いからなのか、LDACにも標準対応。apt-Xは動作チェックは出来ていませんが開発者オプションから選択は可能でした。bluetoothの高音質イヤホンを用意すれば音質面の不満はないはずです。
電池持ち
So-netの0SIMでデータのみの通信をし、満充電から12時間ほど持ち歩いて残り30%程度でした。ハードに使わなければ仕事の行き帰りなどでも「ギリギリ」使用できる範囲だと思います。
4.まとめ
トータルとしてうまくまとまった機種だと思わせる点が多々あります。その上で「超小型」という特徴を身にまとっている端末ですから、実売3万近い金額も致し方ないと思わせる部分はあります。
所有欲を満たす端末であるのは確かです。大きさと絶妙な分厚さから来るグリップ感や、小さいながらチープではない筐体、意外となんでも出来てしまうバランスの良いスペックはおもちゃとしてはもちろん、メインスマホとしても使用に耐えうると言えます。ただ、文字入力だけは何ともし難いのも事実。
そこを容認できる小型スマホ好きな方々には是非一度手に取っていただきたい端末です。
5.関連リンク
Unihertz Atom:Amazon Unihertzストア
※6月15日現在の価格は税込み29,399円です
コメント
大元の方のクラウドファウンディングで入手しましたが、
良いですね、少しもっさりしますがゲームのサブ垢機と化しています。
文字入力がしにくい点・画面と解像度が小さく一部アプリの表示がずれる点を除けば不満はないです。