こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。ウインタブではこれまで何度もデュアルブートOSを搭載した中華タブをレビューしたことがあり、そのうちの何機種かにはRemix OSがインストールされていました。Remix OSはAndroidをベースにしていて、マウスとキーボードでの操作がしやすいように、言い換えるとWindowsのような操作性を持たせたOSで、内部的には「ほぼAndroidそのもの」です。
Remix OSを開発しているのは中国・北京に本拠を置くJide Technologyという会社です。Remix OSそのものは無償で、Windows PCにインストールすることができます。私は自分でもRemix OSをインストールしたことがありますし、中華タブにインストールされているRemix OSを試用したこともあります。個人的には(アプリさえあれば)かなり快適にデスクトップ環境で使うことができるAndroid OSだと思っています。
しかし、Remix OSはあくまでもPCにインストールして使うものであって、スマホで使うことはできません。ARM系のCPUに対応しないからです。また、スマホの小さい画面だと素のAndroidよりもずっと操作性が悪くなるはずです。個人的にはRemix OSをもう少しじっくり使いたいとも思うのですが、そういえばRemix搭載の中華タブはすべて読者レビューなどに出してしまい、手元に一台も残っていないんですよね。
それはさておき、Jideは新たなRemix OSを開発中とのことです。「Remix OS for Mobile」という名称で、要するにスマホで使えるRemixです。そして、これがまたすごいんですよね!
まずはこの動画をご覧ください。
「Continuumじゃん!」そう、Windows 10 Mobileの目玉機能であるContinuum(対応するWindows スマホに外部ディスプレイを接続すると、PC版のWindowsにそっくりな画面レイアウトになり、マウスやキーボードを使って、あたかもPCを操作しているかのように使える。ただし、PC版のWindowsとは異なり、内部的にはあくまでもWindows 10 Mobile)にそっくりです!この機能を「Remix Singularity」といいます。
実はこの件、海外のニュースサイト「THE VERGE」に掲載されており、該当の記事ではJideの幹部にインタビューもしていました。
Jideによれば、Remix OS for Mobileはスマホ上では「素のAndroid(stock Android)に可能な限り近い操作性」で、外部ディスプレイに接続するとデスクトップ環境(つまり、私達が知っているRemix OS)になる、とのこと。
そして、TVアプリを使えば大画面でテレビを視聴できるようです。
しかし、THE VERGEの論調はかなり冷ややかで「だってこの取り組みは今まで何度も、いろんな会社が挑戦してきて、ことごとく失敗してるじゃん。正確に言うとWindows 10 MobileのContinuumはまだ挑戦中だけどさあ」そして「だいたいね、パワーが不足しているスマホでPCなみの操作性が確保できるわけないじゃん。あと、使えるアプリも少ないし」という感じです。
これに対し、Jideは「コスト」と「Androidのエコシステム」が強みになる、と主張します。つまり、「今後5年間でざっくり50億人の人間がインターネットを使うようになる(will be coming online)。そして彼らがまず手にするのはスマートフォンだ。手頃な価格のスマートフォンと言えばAndroidだろう。そして、彼らがRemix OS for Mobileを使えば、PC環境が欲しいと思ったときにいつでもPC環境を手に入れることができる。Remixは無料でインストールできるし、PCがいらないので、コスト削減効果は非常に高い。」という発想で、彼らにとってはスマホがメインのデバイスとなり、オフィスなどでは大型のディスプレイとキーボードに「そのメインデバイス」を接続して使うのだ、ということを提唱しています。
THE VERGEはこうも言います。「先進国のユーザーはそもそもこの手の機能はいらないんだよね。だって、もともとスマホもPCも、どっちも持ってるし、クラウドにデータを置いてて簡単にシェアできるんだから。パワーが十分でないスマホでChromeのタブをたくさん開く必要なんてないでしょ」と。確かにその通りでしょう。Continuumにしても、モバイルノートPCを持ってるんなら必要ないといえばないですもん。
この他にもTHE VERGEは「このOSをプリインストールしてくれるスマホメーカーは確保できるのか」とか「RemixはデフォルトでGoogle関連サービスがないじゃないか(しかしこれは間違いです。少なくともウインタブの試用機にはGoogle関連サービスは入っていたので、中国版ではない、グローバル版のRemixにはGoogle関連サービスはちゃんとあるはずです)」とかの指摘をしていて、どうも批判的なんですよね。
THE VERGEの見解はわかります。また、自分(自社)のサイトで意見を書くこと自体は悪いことではないです。というか、そのくらいでないとサイトは面白くなりませんから。しかし、私はRemixを試用したことがありますし、Android環境でContinuumと同じことができる、ということについて純粋に興味がわきます。是非試してみたいと思いますね。また、Jideって、中国ではそんなに力のない会社だとも思えません。だって、ChuwiとかOndaとか、Remixをプリインストールしたタブレットメーカーって、あったでしょ?スマホメーカーでもVerneeとかはこういう話に乗ってくるかもしれませんよね。
Remix OS for Mobileは2017年後半にリリースされる予定です。おそらくリリース直後のバージョンだとスマホにかなり高い性能を要求してくるだろうと思います。なので、ZUK Z2とかUMI ZとかVernee Apolloとか、ハイスペックな中華スマホなんかを検証用に用意して待ち構える必要がありそうです。ウインタブでは当然レビューしますよ。楽しそうだから。でもROMはかのあゆさんが焼くんだろうと思いますw
引用元サイト
Jide’s new OS is like an Android version of Windows 10’s Continuum:THE VERGE
Remix OS for Mobile:Jide Technology
コメント
androidx86の開発者がJideを退社したうえ、x86プロジェクトのモチベーションが上がらないって発言してましたが……どうなることやら
自社端末の売上やライセンス料が欲しいんでしょうからandroid-x86ベースのforPCやPlayerは宣伝に過ぎないんでしょうね
とはいえメーカーがライセンス料を払ってまでこれを搭載するか?と言われると微妙な感じがしますよね〜
Jideを介す分アップデートが遅くなるでしょうし、そもそもContinuum自体が要る?って感じですし…
カスタムROMとしてリリースしてくれるなら大歓迎なんですが
Jideのサイトよく見たら仮想化がどうたらこうたらって書いてありますね
どっちにしろ自分には使う機会はなさそうですが、TVモードは使いそうですね
期待はしたいけど難しいだろうな
どういうニュアンスでこういうことを語っているのかわかりませんが、発展途上国でスマホとスマホ以上のものを必要としてる人がこいつを導入することは…ないと思う。
個人用ならスマホで事足りるし、PCが必要ならPC買う。
なんというか、TVBOXとかが普及している国ならではの考え方なのかな?
無料で使えるLinuxのディストリぐらいのポジションが一番美味しいと思うんですがねえ。
スマホがあればスティックPCみたいなものになるなら興味ある人かなりいると思うけど
PC持ってなくてスマホ持ってる人がPCっぽいことが出来るをコンセプトにしてるからwintab読者からすればそんな中途半端なものいらないってなるだろうね。Continuumも出たときは皆興味あったけど結局中途半端で使えないって印象だし。
公式サイト見るとwindowsとのデュアルブートも可能っぽい?
VDIってのがよくわかりませんが
ttp://www.miipc.com/
たまたま、こんなのを見つけたんですがAndroid搭載デスクトップの一種ですかね?