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HUAWEI nova 9の実機レビュー - HUAWEIのミッドハイモデル。筐体の質感もカメラの性能も満足度が高いだけにGoogle関連サービスが利用できないのが残念

Huawei nova 9 実機レビュー
こんにちは、かのあゆです。Twitterのフォロワーさんより2021年11月にグローバルモデルが発売したHUAWEIの「nova 9」を安価に譲っていただいたので実機レビューをします。novaシリーズはかつて日本国内でも販売されていましたが、現在は制裁の影響もあり、正規販売されていません。

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Google関連のサービスが搭載されていないため、どうしても日本国内で使うには厳しくなってしまったHUAWEI製スマートフォンですが…相変わらず完成度の高い一台に仕上がっています。

ここがおすすめ
・性能が高いSnapdragon 778G
・リフレッシュレート120Hz表示に対応するAMOLEDディスプレイ
・フラッグシップレベルのカメラ性能
ここがイマイチ
・5Gネットワークの利用が不可能
・Google関連のサービスに非対応
・HUAWEI AppGalleryで欲しいと思えるアプリが配信されていない
販売サイトはこちら
HUAWEI nova9:EXPANSYS JAPAN

1.HUAWEI nova 9 スペック

スペック表

   HUAWEI nova 9(グローバル版)
OS EMUI 12(Android 11ベース)※GMS非搭載
CPU Qualcomm Snapdragon 778G 4G
RAM 8GB
ストレージ 128GB/256GB
ディスプレイ 6.57インチ(2,340 x 1,080)120Hz
LTEバンド FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28/66
TD-LTE:B34/38/39/40/41
SIM nanoSIM × 2
ネットワーク 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.2
入出力 USB Type-C
カメラ イン38MP/アウト50MP + 8MP + 2MP + 2MP
バッテリー 4,300 mAh
サイズ 160 x 73.7 x 7.77 mm
重量 175 g

バリエーションモデル

・8GB/128GB
・8GB/256GB(今回のレビュー機)

コメント

OSはAndroid 11ベースのEMUI 12です。中国市場で販売されているnova 9には日本国内でも「HUAWEI Watch 3」や「HUAWEI Band 7」といったウェアラブルデバイスやタブレット「MatePad 11」で採用されているHarmony OS 2.0が搭載されていますが、グローバルモデルでは従来のEMUIが採用されています。ただし制裁の影響によりGoogle関連のアプリが一切搭載されていないこともあり、Harmony OS 2.0との差異は正直わかりづらくなっています。

CPUはSnapdragon 778Gです。昨年実機レビューをしたXiaomiのMi 11 Lite 5Gで採用されていたSnapdragon 780Gのマイナーチェンジ版となる型番で、性能としては3年前のフラッグシップモデルに搭載されていたSnapdragon 855に近いものになっています。以前はHUAWEIの関連企業であるHiSiliconのKirinシリーズが採用されていましたが、自社製チップの製造が実質行えなくなってしまった現在ではQualcommのSnapdragonが採用されています。ただし、本来Snapdragon 778Gは5Gネットワークをサポートしていますが、制裁の影響によりnova 9に搭載されているものに関しては4Gのみサポートされています。RAMは8GB、内蔵ストレージは128GB/256GBという構成で、MicroSD/HUAWEI NMカードによるストレージ拡張は対応しません。

ディスプレイは6.57インチサイズで、解像度はFHD+(2,340 × 1,080)です。パネルは高品質なAMOLED(有機EL)を採用しており、リフレッシュレートは120Hz表示に対応しています。タッチサンプリングレートは300Hzです。

カメラはイン32MP、アウト50MP(メイン) + 8MP(超広角) + 2MP(深度) + 2MP(マクロ)という構成です。Leica監修ではないものの、日本国内でもかつては高い評価を受けていたHUAWEIらしく、アウトカメラはフラッグシップモデルのP30 ProやP40 Proでも採用されていたRYYBセンサーが採用しています。インカメラも32MPと高画素です。

ワイヤレスネットワークは802.11a/b/g/n/ac/axとBluetooth 5.2に対応します。前述の通り5Gネットワークには対応していませんが、4Gネットワークに関しては国内主要4大キャリアの回線もフルサポートしています。ただしVoLTEに関しては残念ながら利用することはできませんでした。

バッテリー容量は4,300 mAhで、66W出力の急速充電に対応します。

2.HUAWEI nova 9 筐体と使用感

付属品(ケースは非純正)
付属品はマニュアルなどのペーパー類(日本語表記なし)、USB-A to Cケーブル、66W出力対応ACアダプター、ケースです。本来SIMピンも付属していますが、今回譲ってもらったnova 9では欠品となっているほか、海外端末を販売しているEXPANSYS JAPANの製品ページを確認したところ、ケースは同梱されているのですが「Flexible Clear Case」という表記があるため、おそらく一緒に譲ってもらったケースはサードパーティ製のものと思われます。

前面
前面です。日本国内で販売されたモデルは「nova 5T」が最後になりますが、そちらと比較するとパンチホールの位置が左から中央に移動したほか、フラッグシップモデルのP30シリーズでも見られたエッジディスプレイが採用されています。先日レビューしたPOCO F4と比較するとパンチホールのサイズは大きめです。ディスプレイ埋め込み式の指紋認証センサーが搭載されており、既にTPU製液晶保護フィルムが装着済みの状態になっていましたがスムーズに認証を行うことができました。

背面
背面です。HUAWEI端末はミッドレンジモデルからハイエンドモデルに至るまで、質感の高い筐体デザインが魅力の一つとなっていましたが、nova 9でもしっかり継承されています。位置づけとしてはミッドハイモデルなのですが、光の当て方によって色合いが変わる加工も含めフラッグシップモデルと比較しても決して劣ることがない、美しいデザインです。今回譲っていただいたnova 9の筐体色は「スターリーブルー」ですがほかに「クラッシュグリーン」と「ブラック」も用意されています。

左側面
左側面には何もありません。

右側面
右側面には電源ボタン、ボリュームボタンがあります。

上部
上部にはマイクが配置されています。

下部
SIMトレイ
下部にはSIMトレイ、USB-Cポート、モノラルスピーカーが配置されています。デュアルSIMモデルなのでSIMトレイは2枚差しに対応していますが、MicroSDカードやHUAWEI独自規格のNM Cardには対応していません(NM Cardに関しては元々マイナーだったこともあり、対応していたとしてももはや日本だと入手するのも厳しそうですが…)。

システム

Harmony OS 2.0との差異が正直わかりづらい

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インストールされているOSはAndroid 11ベースのEMUI 12です。日本国内で正規販売されていた頃のHUAWEI端末に採用されていたEMUIと使い勝手は変わらないのですが、Google Play Storeはもちろんのこと、Google MapsやYouTube、Google PhotoなどのGoogle純正アプリも一切インストールされていません。ただし、HUAWEI P30など、制裁の影響を受ける前に販売されていた端末に関してはEMUI 12にアップデートしても引き続きGoogle関連のアプリが利用可能です。

プリインストールアプリはEMUI純正アプリのみで、プリインストールされているように見えるアプリはあとからHUAWEI App Galleryからダウンロードする仕様になっています

Huawei AppGallary

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現在のHUAWEIスマートフォンではGoogle Mobile Serviceが組み込まれていない代わりにHUAWEI Mobile Serviceが組み込まれていてます。独自ストアアプリ「AppGallery」が搭載されており、そちらからAndroidアプリをダウンロードします。一応Office MobileやEdgeなどのMicrosoft製アプリやゲームロフトのAsphalt 9などは公式で配布されていますが、日本国内でも普及しているLINEに関しては既にApp Galleryから撤退済みになっており(一応こちらのページより入手は可能です)、Twitter純正クライアントも配布されていないなど、やはりGoogle Play Storeで配布されているアプリと比較してしまうとラインナップ的にはいまいち…という印象を受けます。なお、「原神」はAppGalleryでは現状配信されていませんでした。

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AppGalleryでは「Petal検索」も組み込まれているので、AppGalleryで配布されていないアプリはそこから検索してダウンロードできますが、公式配布されているものではなくいわゆる「野良APK」なのでセキュリティ的に不安が残るほか(配布サイトによっては悪意のあるマルウェアが組み込まれている等改ざんされている場合があります)、インストールしてもGoogle関連のサービスに依存しているアプリだと正常に動作しないなど、メイン端末として使用するには正直、かなり厳しい状況です。

ストレージ情報

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リセット直後のストレージ情報です。OSで使用している容量は約20GB程度で、ユーザーが使用できる領域は約230GB程度となります。メインで使用しているXiaomi 12 Proも256GBモデルで、アプリを大量にインストールしていることもあり現在では残り容量が13GBと心ともない状態になってしまっているのですが、nova 9の場合ストアでダウンロードできるアプリやゲームがかなり限定されてくる関係で256GBモデルでも多すぎるかな…というのが感想です。

システム情報

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現時点で最新のファームウェアを適用した状態でのシステム情報です。システム情報のUIも制裁前のものとあまり大きく変わってはいませんが、Androidバージョンの表記が隠されているなど若干変化は見られます。セキュリティパッチはきちんと配信されており、最新のファームウェアでは「2022年5月1日」のものが適用されています。

ディスプレイ

高リフレッシュレート表示に対応

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Nova 9では6.57インチサイズのFHD+(2,340 × 1,080) AMOLEDディスプレイを採用しています。HDR10+やP3色域をサポートしており、リフレッシュレートも120Hz表示に対応するなど他社スマートフォンと比較してもディスプレイ性能に力を入れている印象を受けます。

解像度を動的に変更することも可能

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リフレッシュレート表示は状況によって60Hzと120Hzに切り替えてくれる「ダイナミック」モードに対応しているため、スムーズなスクロールを実現しつつバッテリー消費を抑えることも可能になっています。実際に画像や動画を表示してみましたが、有機ELならではの美しい表示となっておりディスプレイ性能は満足できるものになっています。解像度をHD+(1,520 × 720)に落としたり、使用状況に応じて動的に調整して消費電力を節約することも可能です。なお、DRM Infoで確認したところ、Widevineのレベルは「L1」でした。

スピーカー

Huawei Histenに対応
スピーカーはモノラル出力のものが搭載されています。他社スマートフォンだとミッドレンジモデルでもステレオスピーカーを搭載するものが増えているので、この点に関しては若干不満が残るものの、音質自体はクリアで音楽や動画を作業中に流したり、ゲームを楽しむ分には十分な性能です。

変換コネクターが必要となりますが、有線ヘッドフォンを接続すればHUAWEI製スマートフォンではおなじみの「Histenサウンド効果」も使用可能です。ワイヤレスイヤホンではLDAC接続も利用できるので、本格的に音楽を楽しむのであれば有線、またはワイヤレスイヤホンと組み合わせると良いでしょう。

カメラ

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カメラアプリは標準的なUIが採用されています。HUAWEI P30 LiteなどではARを活用した「3D QMoji」モードが搭載されていましたが、残念ながら現在のHUAWEIスマートフォンでは利用できなくなってしまったようです・・・

カメラサンプル1

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カメラサンプル2

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カメラサンプル3

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カメラサンプル4

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残念ながら先日正式にコラボレーションが終了したことが発表されてしまったものの、HUAWEI製スマートフォンと言えばLeicaと提携するなど昔からカメラ性能に力を入れてきたことも有名です。nova 9ではLeicaとの提携は行われていないものの、フラッグシップモデルのHUAWEI P30 ProやP40 Proでも採用されていたRYYBセンサーを採用しています。ミッドハイモデルのnova 9でこの使用のカメラを搭載していること自体が驚きです・・・

画質に関しては手持ちのXiaomi 12 Pro、サブ機として運用しているiPhone 12 mini、Galaxy S20、一緒に持ち出していたPOCO X4 GTPOCO F4と比較しても劣っていると言うことはなく、相変わらず夜景でもノイズを抑えた美しい写真を撮影できています。久々にHUAWEI製スマートフォンを使用しましたが、この性能であればメインカメラとしても十分活躍できると思いました。

3.HUAWEI nova 9 性能テスト

AnTuTu Benchmark

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参考:
Xiaomi 12 Pro(Snapdragon 8 Gen 1):971,423
ASUS ROG Phone 5s(Snapdragon 888+):846,862
POCO X4 GT(Dimensity 8100):798,752
ASUS Zenfone 8(Snapdragon 888):785,280
POCO F4(Snapdragon 870):658,456
Galaxy S20 SC-52A(Snapdragon 865):655,707
Mi 11T(Dimensity 1200 Ultra):582,178
Xiaomi Pad 5(Snapdragon 860):566,309
realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Xperia 1 SOV43(Snapdragon 855):511,163
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 780):500,573
Oneplus Nord CE 2 5G(Dimensity 900):430,049
Redmi Note 11 Pro + 5G(Dimensity 920):427,053
Samsung Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):414,302
OnePlus Nord CE 5G(Snapdragon 750):384,505
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
POCO M4 Pro 5G(Dimensity 810):349,498
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
AGM Glory G1S(Snapdragon 480):340,864
AGM Glory Pro(Snapdragon 480):340,772
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
Redmi Note 11 Pro(Helio G96):336,280
POCO M4 Pro 4G(Helio G96):311,030
Redmi Note 11S(Helio G96):307,755
realme narzo 50(Helio G96):287,043
Redmi Note 11(Snapdragon 680):277,105
Blackview A95(MediaTek Helio P70):227,817
DOOGEE S98(Helio G96):277,159
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
Samsung Galaxy Note FE(Exynos 8890):177,984
Blackview BV6600 Pro(Helio P35):102,808
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AGM H3(Helio P22):84,184
BlackView A55S(Helio A22):78,630
geanee ADP-503G(MT6737M):46,316

Google Play Storeでは配布を終了してしまったAnTuTu Benchmarkですが、HUAWEI AppGalleryでは現在でも配布中です。Snapdragon 778G搭載機は既に「realme GT Master Edition」を実機レビュー済みですが、nova 9は残念ながらそのスコアには届いていません。とはいえ昨年大ヒットしたXiaomiのMi 11 Lite 5Gや3年前のハイエンドスマートフォンに搭載されていたSnapdragon 855とほぼ同等の性能を備えています。

GPU性能はPOCO X4 GTに搭載されているSnapdragon 870よりも控えめなため、最重量3Dゲームを最高画質でプレイするのは厳しくなってきていますが、標準画質であれば十分対応できるでしょう。ただし入手できるゲームタイトルが限定されてくるのが難点ですが…

4.HUAWEI nova 9 レビューまとめ

HUAWEI nova 9は現在EXPANSYS JAPANにて75,590円で販売中です。HUAWEI製スマートフォンは2021年に発売したP40シリーズが最後になっており、公式サイトではかろうじて項目が残されているもののファーウェイ公式オンラインショップでは既に販売が終了しており、実質国内でのスマートフォン販売から撤退してしまった状況となっています。今回実機レビューを行ったnova 9も残念ながら国内では正規販売されていません。

かのあゆ自身制裁の影響を受けた後のHUAWEI端末の使い勝手に関してはいろいろと調べていたこともあり、あえて購入してこなかったのですが、今回安価に入手できる機会があったので実際に使ってみたところ、やはりGoogleサービスに依存している日本国内ではメイン端末として使用するのはかなり厳しいというのが正直な感想です。

HUAWEIの公式アプリストアであるAppGalleryで必要なアプリが配信されていないケースが多く、野良サイト経由で導入しても結局Google関連のサービスが搭載されていない関係で正常に利用することができないものが多いので、この機種をメイン端末として使っていたらかなりストレスがたまっていたと思います。Google関連のアプリを導入する方法はなくはないのですが、何度か対策が取られており、導入できてもプッシュ通知が利用できないなど制限がかかるので快適に利用できるかと言われれば正直微妙です。

ただ端末の完成度自体は「いつものHUAWEI」クオリティで、筐体デザインからディスプレイ、カメラ性能に至るまで満足度が高いものになっているので、本当にGoogleアプリさえ搭載されていれば…と残念な気持ちになってしまいます。この端末に関しては今後カメラフォンとして運用していく予定です。

5.関連リンク

HUAWEI nova 9:HUAWEI Global
HUAWEI nova 9 DUAL SIM:Expansys Japan

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コメント

  1. 匿名 より:

    HUAWEIのスマホはもういい。どれだけレビューしてもアプリストアがあれじゃ売れないよ。昔と比べて安くてそこそこ使えるスマホ増えてきているし。