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Blackview A96 レビュー - 質感の高い筐体にちょうどいい性能。誰にでもおすすめできる完成度の高いミッドレンジスマートフォン

Blackview A96の実機レビュー
Blackview A96の実機レビューです。2022年2月に「A95」をレビューしましたが、このA96は筐体の質感からCPU、RAM、ストレージ、ディスプレイ等ハードウェア面まですべて「別物」といっていい製品です。

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近年ビルドクオリティが向上している印象が強いBlackviewですが、A96はガジェットマニアではない方にもおすすめできる、完成度の高い一台に仕上がっています。

なお、今回のレビューはBlackviewよりレビュー機をサンプル提供していただき、実施しています。

ここがおすすめ
・メインスマホとしても活躍できる高い性能
・質感の高い筐体
・リフレッシュレート120Hz表示に対応するディスプレイ
・夜景もきれいに撮影できるカメラ
ここがイマイチ
・iPhoneを意識したデザインは好みが分かれるかも
・Harman/Kanrdonチューニングを活かせていないモノラルスピーカー
販売サイトはこちら
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1.Blackview A96 スペック

スペック表

  Blackview A96
OS DokeOS 3.1(Android 13ベース)
CPU MediaTek Helio G99
RAM 8GB/12GB(拡張機能により最大16GB/24GB)
ストレージ 256GB
ディスプレイ 6.5インチIPS(2,400 × 1,080)120Hz
バンド FDD:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18
19/20/25/26/28A/28B/30/66
TDD :B38/B40/B41
SIM形式 Nano SIM × 2
ネットワーク 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth
入出力 USB Type-C
カメラ イン16MP/アウト48MP + 8MP + 2MP
バッテリー 4,380 mAh
サイズ 161.8 × 74.2 × 8.6 mm
重量 193.9 g

コメント

OSはAndroid 13ベースのDoke OS 3.1です。まもなくAndroid 14が正式リリースされる見込みとなっていて、BlackviewがA96を含め既存の端末にアップデートを配信するかどうかは不明ですが、Android 13との差異が少なく全体的にマイナーアップデートといっていい内容になっているので特に気になることはありません。

8月に実機レビュー済みのA200 Proではより新しい「Doke OS 4.0」がプリインストールされていましたが、XiaomiのMIUIに近いUIに一新したシステム情報画面など一部を除いて大きな機能差はない印象です。ディスプレイ端をスワイプすることで呼び出せる「スマートメニュー」やゲーム支援機能「ゲームモード」もあります(後述します)。

CPUはMediaTek Helio G99です。今年になって特に中国メーカーのスマートフォン・タブレットではよく採用されるようになりました。5Gネットワークはサポートしていませんが、ほとんどの場面でストレスを感じることはありません。近年ハイエンド端末に搭載されているCPUはオーバースペック気味になっているので、「最新ゲームを最高画質で楽しみたい」というガチなゲーマーさんでもない限りはHelio G99くらいの性能がちょうどいいのではないでしょうか。ただし、5G対応でないと…という人は無理でしょうけど。

RAMは8GB/12GB、内蔵ストレージは256GBです。拡張メモリ機能により、8GBモデルは最大16GB、12GBモデルの場合は24GBまでRAM容量を拡張できます。

モバイルネットワークは国内4大キャリアの主要LTEバンドをカバーしています。技適もあり、ドコモ、auのSIMを挿入してみたところ、VoLTEも問題なく利用できることを確認しました(それ以外のキャリアは未確認です)。

バッテリー容量は4,380 mAhです。

2.Blackview A96 筐体と使用感

Blackview A96 付属品
付属品はACアダプター(海外仕様)、USB-C to Aケーブル、マニュアル(日本語表記あり)、ガラスフィルム、TPUケース、SIMピンです。日本から購入する場合は国内向けのACアダプターが付属するか、変換プラグが同梱されると思われます。

ケースはよくあるクリアタイプではなく、黄ばみや小傷が目立ちにくい黒色のものが付属しています。作りもしっかりしているのでサードパーティ製ケースを追加購入する必要はなさそうです。

Blackview A96 前面
前面です。前モデルに相当するA95ではティアドロップ型のノッチデザインでしたが、A96ではパンチホールノッチに変更されています。左右ベゼルも狭くなっていて同価格帯の他社スマートフォンと比較しても見た目は劣っていません。

Blackview A96 背面
背面はiPhoneを意識した…というより、ほぼ「そのまま」と言っていいデザインです。標準ケースを装着して使うと余計それっぽく見えてしまいます。

この辺はA95から変わっていないのですが、アウトカメラはダミーではなく、ちゃんとトリプルレンズ仕様になっています。今回レビューしているのは「オブティシアン・ブラック」ですがXperiaでよく見られるフロストガラス調の加工が施されていて手触りも良く、所有欲を十分満たしてくれます。見た目は好みが分かれそうですが個人的には悪くないと思います。

Blackview A96 左側面
左側面はなにもありません。

Blackview A96 右側面
右側面は電源キー(指紋認証センサー内蔵)、ボリュームキーがあります。

Blackview A96 上面
上部にはなにもありません。

Blackview A96 下部
Blackview A96 SIMトレイ
下部にはSIMスロット、USB-Cポート、スピーカーがあります。

システム

Blackview A96 ホーム画面とプリインストールアプリ

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ホーム画面です。UIは素のAndroid OSからそこまで大きく変わっていませんが、ホームランチャーはよく見られる「Launcher 3」ではなく独自のものが搭載されています。

プリインストールアプリはAndroidシステム標準アプリ、Google標準アプリ、Doke OS独自アプリ(マルチテックメモ、引越アシスタント等)、TGBgameよりリリースされているパズルゲーム「Candy Puzzle」ゲーム配信サービス「FunGameCenter」、動画配信アプリ「FanGuess」が含まれています

一応コンテンツの再生は可能

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「FanGuess」は一応日本でも無料(広告有り)で配信されている動画コンテンツをストリーミング再生できます。しかし、すべて吹き替え・字幕が用意されていないので英語力がないと楽しめないかもしれません。

スマートパネル

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初期状態では有効化されていませんでしたが、A200 Proと同じくGalaxyの「エッジパネル」やXperiaの「サイドセンス」によく似た「スマートウィンドウ」もあります。利用できるパネルはアプリランチャーだけでなく、天気予報を表示するものも用意されています。現状これ以上追加することはできないようなので、今後サードパーティのパネルも追加できるように改善されれば使い方の幅も広がるのではないかな…と思います。

カスタムアイコン

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テーマ機能も用意されています。Android 12からサポートされたアプリアイコンのカスタイズ機能もありますが、使用できるテーマはプリセットされている「Ethreal」と「Streamer」の2種類のみとなっているのは寂しく感じられました。

付加機能

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タフネス系スマホを多数手がけてきたBlackviewらしく、手袋をはめた状態でもタッチ操作を行える「グローブモード」やスピーカーに詰まった埃や細かいゴミを掃除できる「スピーカークリーニング」機能もあります。

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バッテリー管理機能

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バッテリー管理機能も優れていて、夜間は80%で充電をストップし、使い出すタイミングに合わせてフル充電を開始する「スマート充電保護」や充電できる容量を70%から90%まで制限することによってバッテリーを長持ちさせる「カスタム充電モード」が利用できます。

メモリ拡張

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ストレージをRAM領域に割り当てることでRAM容量を拡張できる「メモリ拡張」機能により、8GBモデルの場合は最大16GB、12GBモデルの場合は24GBまで領域を拡張できます。

ただしA96の場合下位構成でも十分すぎる容量なのでストレージ領域をより多く確保したいのであれば無効化してしまっても問題ありません。

ストレージ情報

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リセット直後のストレージ情報です。OS等のシステムファイルが使用している領域で1.6GB、プリインストールされているアプリで13GB使用済みとなっていて、空き容量は約241GB確保されています。MicroSDカードによるストレージ拡張はありませんが、Google Photoといったクラウドストレージに写真を保存している方や、ストリーミング配信サービスで音楽を楽しんでいる方であれば容量不足で困るケースは少ないかと思われます。

システム情報

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工場出荷時にインストールされているファームウェア(A96_EEA_G1200_V1.0_01_20230818V13)のシステム情報です。Androidセキュリティパッチは2023年8月5日のものが適用済みです

ディスプレイ

リフレッシュレート設定

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ディスプレイは6.5インチサイズで、解像度はFHD+(2,400 × 1,080)です。パネルはA200 Proに採用されていたOLED(有機EL)ではなくIPS液晶です。

黒色の美しさはOLEDのほうが優れていますが、A96のIPS液晶も高品質で、写真や動画も美しい画質で楽しむことができます。リフレッシュレートは最大120Hzで、標準では状況に応じてリフレッシュレートを最適なものに自動調整する「スマート」に設定されています。

ゲームはもちろんのこと、WEBブラウジングやSNSでもよりなめらかにスクロールできます。ただ120Hzに固定してしまうとその分消費電力も増えるのでリフレッシュレート設定は「スマート」のままにしておくことをおすすめいたします。

スピーカー

スピーカーはXiaomi製スマートフォン・タブレットやdynabook(旧東芝)製ノートPCでもおなじみHarman/Kardonチューニングです。…ただし、残念ながらモノラル出力です。

音質は素晴らしく、原音を忠実に再現できていると感じられたものの、やはりステレオスピーカーを搭載する他機種と聞き比べると物足りなさを感じてしまいます。2万円台の端末でもステレオスピーカーを搭載するものが増えていることもあり、A96も「できれば頑張ってほしかった」ところです。Harman/Kardonというブランドで期待すると少しがっかりするかもしれません。

カメラ

カメラはイン16MP、アウト48MP(メイン) + 8MP(超広角) + 2MP(マクロ)です。A95では「トリプルレンズに見せかけたシングルレンズ」でしたが、A96ではちゃんとトリプルレンズです。

標準カメラアプリUI

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標準カメラアプリです。「マクロ」が「大きい」と誤訳されていることを除けば標準的なUIで、他社スマートフォンから乗り換えても違和感なく使い出すことができると思います。

カメラサンプル

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A96で実際に写真撮影をして真っ先に感じたのは「ついに中国メーカーのスマートフォンもここまで撮れるようになったのか…」ということです。Blackview含め、(XiaomiやHuawei、OPPOといった大手メーカーは除いて)中国メーカーのスマートフォンはカメラの画素数が高くてもチューニングが微妙だったのですが、A96ではクオリティの高い写真が撮影できます。

超広角撮影

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超広角レンズは若干ぼやけ気味になりますが、SNSでシェアする分には十分すぎる画質です。

デジタルズーム

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デジタルズームは最大4倍まで拡大できます。

48MP撮影モード

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48MP撮影モードもあり、拡大した際のディテールが向上しますがその分ファイルサイズも大きくなるので普段は通常モードで十分です。

飯テロサンプル

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昨年投稿した食レポ記事でもご紹介した丸亀製麺の「タル鶏天ぶっかけうどん」を撮影してみました。若干ぼやけ気味になってしまっていますが、目に見たままの色合いを忠実に再現していておいしそうに撮れていると思います・・・撮影した写真を眺めていたらおなかが減ってきてしまいました。

ナイトモード

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夜景も「ナイトモード」を使うことで明るい写真を撮影できます。ノイズも少なく、全体的にきれいに撮れています。カメラ性能が高く、いい意味で予想を裏切ってくれました。

3.Blackview A96性能テスト

AnTuTu v9

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参考:
Redmi Note 11 Pro(Helio G96):336,280
POCO M4 Pro 4G(Helio G96):311,030
Redmi Note 11S(Helio G96):307,755
realme narzo 50(Helio G96):287,043
Redmi Note 11(Snapdragon 680):277,105
Blackview OSCAL C70(UNISOC T606):230,995)
Blackview A95(MediaTek Helio P70):227,817
DOOGEE S98(Helio G96):277,159
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
Samsung Galaxy Note FE(Exynos 8890):177,984
Blackview BV6600 Pro(Helio P35):102,808
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AGM H3(Helio P22):84,184
BlackView A55S(Helio A22):78,630
geanee ADP-503G(MT6737M):46,316

ベンチマークはサンプル数が多いAnTuTu Benchmark v9と最新バージョンのAnTuTu Benchmark v10で計測しました。AnTuTu Benchmark v9では総合スコア369,419点を計測しています。国内で正規導入されている5G対応ミッドレンジスマートフォンでよく採用されているSnapdragon 695が約38万点なので比較すると若干低めのスコアですが、実利用での体感差はほぼないでしょう。誤差の範囲と言ってしまってもよさそうです。

AuTuTu v10

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最新バージョンのAnTuTu Benchmark v10では411,110点というスコアを計測しています。v9と異なり全体的に総合スコアが高めに計測され、システム要件を満たしていない関係でGPUベンチマークは「AnTuTu 3D Bench Lite」で計測されるため、ハイエンド端末と単純にスコアを比較することは出来なくなっています。

WEBを検索したところSnapdragon 695は約43万点程度を計測するようなので概ね同等の性能と考えて良さそうです。使っていてストレスを感じる場面はほぼありませんし、ベンチマークスコア150万点超え!と言っても「それってオーバースペック」という気がしますので、これくらいの性能がちょうどいいのではないかと個人的には思います。

この価格帯の端末にハイエンドクラスの性能を求めること自体間違っていますし、そういう性能を求めている人はそもそもA96を選択肢に入れることもないでしょう。

4.Blackview A96まとめ

Blackview A96はAliExpress内Blackview Official Storeに製品ページがあり、9月18日午後4時(日本時間)よりワールドプレミア(セール)が開催されます。セール価格はRAM8GBモデルが159.99ドル(1ドル150円として約24,000円)、RAM12GBモデルが169.99ドル(同じく約25,500円)と予告されています。

コンパクト・タフネススマホのN6000や先日実機レビューしたばかりのA200 Proもそうですが、近年Blackviewの品質は大幅に向上していて、このA96も満足度の高い一台に仕上がっていました。

内蔵スピーカーがせっかくHarman/Kardon監修なのにモノラル出力である点は残念でしたが、ちょうどいい性能にきれいに撮影できるカメラ、リフレッシュレート120Hzに対応するディスプレイを備えていてメイン端末として活躍させたいと思えるほど気に入りました。技適もありますし、かつての「安かろう悪かろうな中華スマホ」ではなく初心者にもおすすめできる完成度の高い端末です。

5.関連リンク

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コメント

  1. 匿名 より:

    Blackviewは数年前の日本のキャリアから初めてスマホが出るあたりくらいのXiaomiみたいな勢いを感じますね。

    スペック、値段、デザイン、細かい部分でのチューニング(記事にもあるカメラ周りのチューニングやWidevineなど)
    など(XiaomiやOPPOを除いた)中国メーカーの中では頭ひとつ以上飛び抜けている気がします。

  2. かのあゆ より:

    >>匿名さん
    本当にBlackviewはここ1年でビルドクオリティが急激に上がりましたよね。昨年実機レビューしたA95の時点ではDoke OSもまだ荒削りな部分が多い上にアウトカメラがダミーレンズ仕様で微妙な部分が多かったのですが、N6000にせよA96にせよ今年のBlackview端末はいい意味で中華スマホらしくなったなぁとちょっと感動してしまいました・・・