Blackview A85 実機レビュー ー カスタムUIのDoke OSが使いやすいエントリースマホ、ワンランク上の性能で驚きの低価格！

Blackviewのニューモデル、「A85」を実機レビューです。5Gネットワークはサポートしないものの、画素数50MPのアウトカメラやリフレッシュレート90Hzをサポートするディスプレイを採用しながら購入しやすい価格帯を実現しています。

レビュー機はBlackviewよりサンプル提供していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。

1.Blackview A85 スペック

スペック表

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OSはAndroid 12ベースのDOKE OS 3.0です。XiaomiやOPPOといったメジャーなメーカーを除き、中国メーカーのスマートフォンでは基本的に素のAndroidに準じたソフトウェアを採用している場合がほとんどとなりますが、Blackviewでは便利な機能を追加したカスタムUIを採用しています。内容としては以前実機レビューをしたBlackview Tab 15とほぼ同等ですが、PCモードは利用することは出来ません。

CPUはUNISOC T606です。日本国内では採用例が少ない製品ですが、AnTuTu Benchmark v9でのベンチマークスコアは約22万点を計測します。「原神」クラスの重量級ゲームを高画質でプレイしたいのであればDimensity 8100やSnapdragon 870など上位CPUを搭載した製品をおすすめしますが、軽量な3Dゲームであれば設定を調整することでプレイできる性能を備えています。WEBブラウジングやメールのチェック、SNSの利用といった通常利用は快適に利用できるので、ゲームをあまりプレイしない方であれば十分メイン端末としても活躍させることが出来ます。

RAMは8GB、ストレージは128GBで、内蔵ストレージから最大6GBをRAMに割り当てることができる「メモリ拡張」も利用可能です（最大14GB）。MicroSDカードによるストレージ拡張もサポートしています。

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モバイルネットワークは3G、4Gのみサポートします。バンド1/3/8はサポートしているので、ソフトバンク、ワイモバイルであれば問題なく運用できますが、ドコモ回線（バンド19）やau回線（バンド18）ではプラチナバンドに対応していないため、場所によっては電波のつかみが弱くなるかもしれません。技適マークは筐体背面に貼られているシールに記載されているほか、電磁表示にも対応しています。

なお、レビュー機固有の不具合かと思われますが、ドコモSIM（ahamo）を挿入したところ、電波のつかみが不安定で正常にデータ通信が行えず、場合によってはリカバリモードで再起動してしまうなど不安定な挙動が見受けられました。

バッテリー容量は4,480 mAhで、18W出力の急速充電をサポートしています。

2.Blackview A85 筐体と使用感

付属品はマニュアル（日本語表記あり）、ガラスフィルム、TPUケース、SIMピン、USB-C to Aケーブル、ACアダプター（海外プラグ）です。新製品だと発売直後はガラスフィルムの入手が困難ということもあり、最初から付属しているのはありがたく感じられました。既に本体には保護フィルムが装着済みなので、傷が目立ってきたら貼り替えるといいでしょう。

前面です。低価格で販売されているスマートフォンでもパンチホールノッチを採用する端末が増えてきましたが、Blackview A85のノッチはティアドロップ型です。個人的にはパンチホールノッチを採用してほしかったところではありますが、左右ベゼルは比較的狭くなっており安っぽさは感じられません。

カメラバンプ部のデザインにXiaomi 12シリーズの影響が強く受けられる点は少し気になりましたが、おそらく樹脂素材ながらつや消し加工が施された背面は手触りも良く、安っぽさは感じられません。レビュー機の筐体色は「ディープ・シー・ブルー」です。その名の通り深海を思わせる色合いで全体的に落ち着いた印象です。

左側面はSIMトレイ、スマートキーが配置されています。SIMトレイはトリプルスロットとなっており、デュアルSIM運用時もMicroSDカードを追加できます。

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スマートキーは設定より「シングルクリック」「ダブルクリック」「長押し」することでスクリーンショットを撮影するなどの動作を設定できるほか、アプリ起動ボタンとして割り当てることも可能です。

右側面にはボリュームボタン、電源ボタンがあります。

上部には3.5 mmイヤホンジャックがあります。

下部にはマイク、USB-Cポート、スピーカーがあります。A85はモノラルスピーカー搭載です。

システム

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最近のBlackviewスマートフォン、タブレットではカスタムUIとしてDoke OSが搭載されています。標準ランチャーこそ素のAndroid OSに準じていますが、中身に関してはかなり手が加えられています。この記事を執筆している時点での最新バージョンはAndroid 12ベースの「Doke OS 3.0」です。

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プリインストールされているアプリはAndroid標準アプリ、Googleアプリのほか、Doke OS独自アプリ（「マルチテックメモ」「子供モード」など）、WPS Office、Asphalt Nitroなどのゲームです。ゲームアプリがかなり多めにインストールされていると感じました。

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マルチテックメモはその名の通りメモアプリです。テキスト入力のほか、手書きメモも作成可能です。思いついたアイディアなどをまとめる際に重宝します。

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子供モードではあらかじめ管理用パスワードを設定し、起動できるアプリを指定することで機能制限をかけることが可能です。端末を再起動しても管理用パスワードを入力しない限り通常モードに移行することはないので、小さなお子様用にも向きます。

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Doke OSでは画面を右にスワイプすることで呼び出せるランチャー「スマートウィンドウ」があります。わざわざホーム画面に戻らなくてもお気に入りのアプリを即座に起動できます。

Android 12ベースですが、通知領域もカスタマイズされているため、設定されている壁紙によってアイコンやウィジェットの色が変化する「ダイナミック・カラー」機能は利用できません。

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Blackview A85はRAMが8GB搭載されていますが、内蔵ストレージを領域に割り当てることで最大14GBまで増設することが出来ます。当然ユーザーが利用できるストレージ容量はその分減ってしまいますが、不要であれば仮想メモリ機能を無効化できます。

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工場出荷時のストレージ情報です。カスタムUIを採用していますがシステムが占有している容量は約9.4GBとコンパクトに収まっており、プリインストールされているアプリが使用している容量も104MB程度に収まっています。写真や動画データはMicroSDカードに保管できるようになっているので一般的な使い方であれば容量不足に困ることはないでしょう。

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システム情報です。レビュー時は発売前だったこともあってソフトウェアは開発途中のものである可能性があり、実際の製品では内容が異なる場合がありますが、初期搭載されているソフトウェアでは2022年10月1日のAndroidセキュリティアップデートが適用されていました。

ディスプレイ

ディスプレイは6.5インチで、解像度はHD+（1,612 × 720）です。エントリークラスのスマートフォンとしては標準的なスペックで、贅沢を言うのであればFHD+に対応してほしかったところではありますが、普段使いでは本当に近くまで見ないとドットが目立つと言うことはなく、画像なども十分美しい画質で表示できます。パネルはIPS液晶を採用しています。

リフレッシュレートは90Hz表示をサポートしており、デフォルトの設定では表示されるコンテンツに応じて自動的に60Hzと90Hzに切り替えてくれます。GPU性能が高くないのでゲームでリフレッシュレートの高さを生かせる場面は少ないかと思われますが、WEBブラウジングやSNSアプリの利用時にスムーズなスクロールを体感できます。

DRM Infoで確認したWideVineレベルはL3でした。先日実機レビューを行ったBlackview Tab 15ではL1に対応しており、Amazon Prime Videoアプリ（ベータ版）で HDコンテンツを再生することが可能だったので期待していたのですが、この点は少し残念に感じられました。

スピーカー

スピーカーはモノラル出力です。音楽やゲームを楽しむ・・・という意味においてはステレオスピーカーを採用してほしかったところではあるのですが、低価格スマートフォンでよく見られる音割れは見られず、予想以上に音圧を感じられました。

本格的に音楽を楽しむのであれば3.5 mmジャック経由で有線イヤホンを接続するか、Bluetooth経由でワイヤレスイヤホンを使用した方が良さそうですが、音楽や動画を気軽に端末単体で楽しむ分には十分な音質を確保しています。

カメラ

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標準カメラアプリは一部メニューや設定など日本語化されていない項目は存在するものの、癖のないUIです。「低速度撮影」「50MP撮影モード」「ナイトプロ」モードなどが用意されています。AIによるシーン識別機能もありますが、標準では無効化されており、他社スマートフォンとは異なり設定画面から有効化する必要があります。

撮影画面にAIモードを有効化するボタンが用意されていなかったので最初「AIシーン識別機能は用意されていないのか・・・」と思ってしまいました。

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Blackview A85のカメラはイン8MP、アウト50MP(メイン) + 8MP（超広角）という構成で、アウトカメラには画質に定評のあるSamsung製イメージセンサー「ISOSELL JN1」が搭載されています。カメラの性能はイメージセンサーや画素数ですべてが決まるわけではありませんが、明るい場所では美しい写真を撮影することが可能です。

ズームは最大4倍まで拡大可能で、劣化も抑えられています。

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ただ夜景撮影は苦手な印象で、「ナイトプロ」モードを有効化しても光が少ない場所では暗めになってしまっています。夜景撮影に関しては今後のアップデートで画質が向上することを期待したいところです。

3.Blackview A85 性能テスト

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参考：
Redmi Note 11 Pro(Helio G96)：336,280
POCO M4 Pro 4G（Helio G96）：311,030
Redmi Note 11S（Helio G96）：307,755
realme narzo 50（Helio G96）：287,043
Redmi Note 11（Snapdragon 680）：277,105
Blackview A95（MediaTek Helio P70）：227,817
DOOGEE S98（Helio G96）：277,159
CHUWI HiPad Plus（MT8183）：172,713
Samsung Galaxy Note FE（Exynos 8890）：177,984
Blackview BV6600 Pro（Helio P35）：102,808
OUKITEL C22（Helio A22）：99,664
AGM H3（Helio P22）：84,184
BlackView A55S（Helio A22）：78,630
geanee ADP-503G（MT6737M）：46,316

AnTuTu Benchmark v9の総合スコアは226,897点でした。Helio G96やSnapdragon 690と比較すると低めの数値ですが、WEBブラウジングやYouTubeでの動画視聴等といった通常利用ではストレスを感じることは一切なく、快適に利用することが出来ました。

「原神」などの重量級ゲームがプレイできないのは分かりきった話なのですが、それならば比較的軽めのタイトルであればプレイできるのではないかということで先日紹介記事を掲載した「The King Of Fighters ARENA」をBlackview A85でプレイしてみました。

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意外と軽量なのかグラフィック設定を最高にあげても練習モード、オンライン対戦ともにスムーズにプレイすることが出来ました。このクラスのタイトルであればBlackview A85でも十分プレイすることが出来そうです。

4.Blackview A85 まとめ

Blackview A85は現在AliExpress内Blackview Global Storeにて11月25日午後5時（日本時間）からセールが開催され、各種クーポン（製品ページをご参照ください）により103.99ドル（15,358円）で購入できます。5Gネットワークには対応していないものの、メイン端末としても十分運用できる性能を備えながらこの価格で購入出来るのはコストパフォーマンスに優れていると思います。

日本国内で販売されている2万円未満のSIMフリースマートフォンは（そもそも選択肢が限られていますが）CPU性能が低い製品が多いため、メイン端末としても使えるBlackview A85は安価な端末を探している方におすすめできると感じました。ちょっと残念なのは暗所でのカメラ性能ですが、カメラのチューニングは今後アップデートで改善される可能性もあるので期待しています。

5.関連リンク

Blackview A85：Blackview Global Store（AliExpress）