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ASUS ROG Phone 5sの実機レビュー - 妥協なきハイエンド・ゲーミングスマホ!カメラやオーディオの性能もすごい!

ASUS ROG Phone 5s レビュー
ASUSのゲーミングスマートフォン「ROG Phone 5s」の実機レビューです。2021年6月に国内投入された「ROG Phone 5」のマイナーチェンジモデルで、CPUがQualcomm Snapdragon 888からQualcomm Snapdragon 888+に変更されている点が大きな特徴です。ゲーミングスマートフォンとしてはもちろんのこと、ゲーム以外の機能も極めて高水準で、メインスマートフォンとして長く使っていけそうな製品です。

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1.スペック

スペック表

  ASUS ROG Phone 5sシリーズ
OS  Android 11 with ROG UI
CPU  Qualcomm Snapdragon 888+ 5G
RAM 5s:12/16GB
5s Pro:18GB
ストレージ  256/512GB
ディスプレイ  6.78インチAMOLED(2,448 x 1,080)
リフレッシュレート144Hz
タッチサンプリングレート360Hz
LTEバンド 5G:n2/n3/n5/n7/n12/n20/n28/n38/n40/
n66/n71/n77/n78/n79
FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18
/19/20/25/26/28/29/30/32/66/71
TD-LTE:B34/38/39/41/42/48
SIM nanoSIM × 2
ネットワーク 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.2
入出力  USB 3.1 Type-C、USB 2.0 Type-C、イヤホンジャック、POGOピン
カメラ  イン24MP/アウト64MP + 13MP + 5MP
バッテリー  6,000 mAh
サイズ  173 x 77 x 9.9 mm
重量  238 g

バリエーションモデル

ROG Phone 5s
・12GB + 256GB
・16GB + 512GB(今回のレビュー機)
ROG Phone 5s Pro
・18GB + 512GB

ポイント

・ハイエンドCPUのSnapdragon 888+を搭載、最新の3Dゲームも最高設定でプレイ可能
・最小構成でもRAM 12GB、最上位モデルはRAM 18GBと「デスクトップ」クラス
・リフレッシュレート144Hz表示を実現した6.78インチAMOLEDディスプレイ
・側面にタッチセンサー「Air Trigger 5」を搭載

コメント

OSはAndroid 11で、独自UIとして「ROG UI」が採用されています。同じくASUSが販売するZenfoneシリーズで採用されている「Zen UI」がベースで、UIは素のAndroidに近いものになっていますが、Zenfoneにも搭載されているゲーム支援機能「Game Genie」が強化されているほか、初回セットアップ時に付属パッケージと組み合わせた面白い操作チュートリアルが搭載されています(後述します)。

CPUはSnapdragon 888+です。次期ハイエンドCPUのQualcomm Snapdragon 8 Gen 1も発表済みですが、現時点で搭載端末がなく、出そろうのに2022年春くらいまではかかりそうなので「最新の」ハイエンドCPUと呼んで差し支えないでしょう。CPU、内蔵GPU(Adreno 650)ともに最高峰の性能で、「原神」も最高画質設定で快適にプレイすることが可能です。

Snapdragon 888シリーズに関しては発熱が激しく、以前実機レビューを行ったZenfone 8でも少し発熱が気になりましたが、ROG Phone 5sでは「GameCool 5冷却システム」が採用されているほか、別売(Proには標準付属)のAeroActive Cooler 5も用意され、しっかりと対策されています。

RAMはROG Phone 5sが12/16GB、5s Proが18GB、内蔵ストレージは256GB/512GB(Proは512GBのみ)という構成です。かのあゆがメインにしているGalaxy Fold SCV44もRAMは12GBという構成で、これでも現在のAndroid OS環境ではオーバースペックかな・・・と感じていたのですが、ROG Phone 5S ProではついにRAM 18GBという大容量RAMを搭載してしまいました。ストレージについてはMicroSDカードによる拡張には対応していませんが、下位構成でも256GBと大容量なので、拡張しなくても容量不足に陥ることはないでしょう。

ディスプレイは6.78インチサイズで、解像度はFHD+(2,448 × 1,080)です。ゲーミングスマートフォンということでゲームプレイ時に邪魔になるノッチは非採用となっています。リフレッシュレートは144Hz、タッチサンプリングレートは360Hzでタッチ反応速度も24msとなっているため、シビアな操作が要求されるFPSゲームやレースゲームも快適にプレイすることが可能です。パネルはAMOLED(有機EL)が使われており、美しい表示を実現しています。また強化ガラスには従来の製品よりも対傷性を高めた「コーニング・ゴリラガラス・ヴィクタス」が採用されています。

ワイヤレスネットワークは802.11a/b/g/n/ac/axとBluetooth 5.2に対応します。モバイルネットワークは4G、5Gともに国内主要4大キャリアの回線をフルサポートしています。発売時の紹介記事を用意していた時点ではauのIoT完了製品のリストに掲載されていなかったのですが、発売後にリスト掲載されているためau回線でも安心して利用できます。

バッテリーは3,000 + 3,000 mAhのデュアル構成で、合計6,000 mAhです。Qualcomm QuickCharge 5.0、およびUSB PDによる急速充電に対応しており、65W出力のACアダプターが付属しています。

筐体も快適なゲームプレイを楽しめるように考えられています。側面左右に超音波式タッチセンサー「Air Triggers」が搭載されているほか、10種類以上の動きに対応できる「モーションコントロール」にも対応します。さらに前述した冷却ファン「AeroActive Cooler 5」には物理ボタンが2つ装備されており、多ボタン操作も可能です。また上位モデルのProには背面に2つタッチパッドが搭載されています。

2.筐体と使用感

パッケージ
パッケージです。かのあゆがスマートフォンの実機レビューを行う場合パッケージの説明を省くことが多いのですが、今回は後述する「特殊な仕組み」もありますので、ご紹介したいと思います。パッケージにはアメコミっぽいキャラクターがデザインされています。このキャラは「アキラ」という名前のようです。後ほど登場するのでこの名前を覚えておいてください。

付属品
付属品はマニュアルなどのペーパー類、USB-Cケーブル、ACアダプター(65W出力対応)、左側面USBポート保護用予備キャップ、USB-Cポート保護キャップ、SIMピン、専用ケース、ROGブランドオリジナルステッカーです。USB保護キャップの予備が付属しているスマートフォンは個人的に初めて見ました・・・SIMピンもROGロゴをイメージしたものになっており、「凝ってるなあ」と思いました。「Pro」ではこれらに加え、さらに冷却ファン「AeroActive Cooler 5」が付属します(Pro以外はオプション扱い)。

ケース画像
今回実機レビューしている「ストームホワイト」にはTransparent Caseが付属していますが、「ファントムブラック」にはAero Caseが付属します。

前面
前面です。現在販売されているスマートフォンはパンチホールノッチを採用するものが主流となっていますが、ROG Phone 5Sではゲームプレイ時に邪魔になることもあり、ノッチはありません。

背面
背面です。前モデルとなるROG Phone 5のデザインを踏襲しており、ゲームプレイ時に点灯するLEDイルミネーションも健在です。今回レビューしている端末は「ストームホワイト」ですが、ほかに「ファントムブラック」が用意されています。

左側面
左側面にはSIMトレイとカバーが…。

左側面USB-Cポート
カバーを外したところです。ROG Phone 5sではUSB-Cケーブルで給電しながらゲームプレイを楽しめるように本体下部だけでなく、左側面にもUSB-Cポートが配置されています。また、USB-Cポートの横にあるコネクターはAeroActive Cooler 5装着用です。

右側面
右側面にはマイク、電源キー、ボリュームキーが配置されています。サイドフレームはよく見ると「ROG」ロゴがデザインされています。また、両サイドに突起のようなものがありますが、これが「Air Triggers」です。

上部
上部にはマイクがあります。

下部
下部にはマイク、USB-C、3.5 mmイヤホンジャックが配置されています。このように、ROG Phone 5sは「クアッドマイク」を採用しています。3.5 mmイヤホンジャックは近年他社ハイエンドモデルでも廃止されてしまう傾向にありますが、Bluetoothイヤホンだとどうしても遅延が発生してしまうこともあり、有線イヤホンを利用できるのはゲーミングスマートフォンとしてうれしいポイントの一つです。

システム

ホーム画面とプリインストールアプリ

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独自UI「ROG UI」はZenfoneで採用されている「ZenUI」とほぼ共通で、標準ランチャーも「ASUS Launcher」が採用されています。ただしプリインストールされているテーマはゲーミングスマホらしく「メカメカしい」ものになっています。

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プリインストールされているアプリはGoogle純正アプリ、ROG UI独自アプリ(ギャラリー、ASUS Data Transfer等)、Facebook、Netflix、Ne Player for ASUS(ハイレゾ音源対応ミュージックプレイヤー)のほか、日本版ROG Phone 5sには日本語入力ソフトとして「ATOK」がプリインストールされています。ATOKはかのあゆも愛用していますが、買い切り版が廃止されサブスクリプション制の「ATOK Passport」に移行しているため、単体で利用できるのはありがたい限りです(もちろんATOK Passportと連携させることも可能です)。なお、Twitterアプリはプリインストールされたものではありません。

また、ASUS公式サイトでも紹介されている「三国志 覇道」「櫻坂46・日向坂46 UNI’S ON AIR」もプリインストールされています。これらのゲームをプレイしないのであれば当然アンインストールも可能です。

チュートリアル

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ROG Phone 5sでは初回セットアップ時に「Air Trigger」などの機能を試せるインタラクティブデモが収録されています。デモの内容は読み込ませるパッケージによって変わる、「非常に凝った」ものになっています。

チュートリアル

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このチュートリアルで先ほどの「アキラ」が大活躍してくれます。チュートリアルとはいえグラフィックも凝っており、楽しくROG Phone 5sの機能を試すことができます。

ストレージ容量

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レビュー機は「RAM 16GB/ストレージ512GB」モデルとなります。下位構成のRAM 12GB/256GBですら十分という印象ですが、これだけ容量があればMicroSDカードの拡張ができないという点は弱点にすらならないでしょう。この点でもメイン端末として長く使っていくことができそうです。

工場出荷時のソフトウェア情報

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工場出荷時に搭載されているファームウェアに含まれているAndroidセキュリティパッチは「2021年8月5日」のものが適用されていました。

ディスプレイ

ROG Phone 5sはSamsung製AMOLED(有機EL)パネルを使用した6.78インチFHD+(2,448 × 1,080)ディスプレイを搭載しています。強化ガラスに「ゴリラガラス・ヴィクタス」を採用しており、耐傷性は強化されていますが、それでも「傷がつくときはつきます」。幸いPDA工房ですでにROG Phone 5s用フィルムが販売済みなので、心配であれば一緒に購入しておくとよいでしょう。

このディスプレイは最大144Hzという高速リフレッシュレート表示に対応しています。90Hz表示はミッドレンジスマートフォンでもよく見られるようになりましたが、それと比較してもヌルヌル感は半端ないという印象で、この表示に慣れてしまうと60Hz表示には戻れなくなってしまいそうだなぁ・・・というのが正直な感想です。発色性能は文句ないレベルで、余計なノッチも存在しないのでゲームはもちろんのこと、動画視聴も大画面で楽しむことができます。またタッチ反応速度も高速なのでシビアな操作にもバッチリ対応できます。

スピーカー

オーディオウィザード

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ROG Phone 5sはデュアルスピーカーを搭載しています。レビュー期間中ゲームプレイはもちろんのこと、ミュージックプレイヤーとしても使用していましたが、音質に関しては以前実機レビューをした、この製品よりもずっと大型のXiaomi Pad 5に劣らないものになっており、とても満足できるものでした。Zenfone 8と同じくオーディオチューニングは「Direc」とASUSが共同で行っており、「オーディオウィザード」アプリで好みのイコライザー設定に変更することも可能です。

3.5 mmイヤホンジャックを備えているだけでなく、「ESS」製DACを搭載しているのでデジタルオーディオプレイヤーとしてのポテンシャルも非常に高くなっています。「これは本当に素晴らしい!」です。

カメラ

カメラUI

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カメラのUIは以前実機レビューしたZenfone 8とほぼ共通です。AIによるシーン識別機能はもちろんのこと、夜景モードなど必要なものは一通りそろっています。

カメラサンプル1

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カメラサンプル2

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カメラサンプル3

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写真サンプル4

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ROG Phone 5sは「ゲームを快適にプレイするために生まれたスマートフォン」なので、カメラ性能にはそこまで力を入れていないのかな・・・と思っていたのですが、さすがはカメラ性能に定評のあるASUSだけあって、そんなことはありませんでした。明るい場所も暗い場所もシーンを選ばずきれいにとれるカメラになっており、これならメインスマートフォンとしてすべて任せられそうです。

3.性能テスト

AnTuTu Benchmark

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参考:
ASUS Zenfone 8(Snapdragon 888):785,280
Mi 11T(Dimensity 1200 Ultra):582,178
Xiaomi Pad 5(Snapdragon 860):566,309
Realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Xperia 1 SOV43(Snapdragon 855):511,163
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 780):500,573
Samsung Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):414,302
OnePlus Nord CE 5G(Snapdragon 750):384,505
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
POCO M4 Pro 5G(Dimensity 810):349,498
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
Samsung Galaxy Note FE(Exynos 8890):177,984
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AGM H3(Helio P22):84,184
geanee ADP-503G(MT6737M):46,316

近年ミッドレンジスマートフォンに搭載されているCPUも高性能化しました。2021年に実機レビューをしたPOCO M4 NFC 5GiiiF150 R2022OnePlus Nord CE 5Gでも十分快適に使えているのですが、それでもROG Phone 5sのスコアはガジェクラ(ウインタブ注:スマホマニアのこと)的には「スゲーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」というのが正直な感想です。

レビュー機と同じタイミングで先日購入したXperia 1(au版SOV43、Snapdragon 855搭載)でもAnTuTu Benchmarkを回してみたのですが、総合スコアは511,163点だったので、最新のSnapdragon 888+は実に30万点以上の差をつけていることになります。GPU性能も高く、これだけのスペックであれば「2年間以上は余裕で戦える」と思います。

ASUS ROG Phone 5sで原神をテストプレイ

実際に「原神」もプレイしてみました。これだけスペックが高ければ最高画質設定でフレームレート60 fps固定でも大丈夫だろうと思って設定してみましたが、スマートフォンに負荷がかかる設定であるにもかかわらず、動画撮影を行いながらのプレイでも60fpsで安定していました(Game Genieのツールバーからフレームレートを確認可能です)。

ただやはりSnapdragon 888/888+世代に関しては発熱しやすいのか、「素の」状態だとプレイしているうちにほんのりと熱を持ってきます。それでも支障を来すようなフレーム落ちはありませんが、「AeroActive Cooler 5」を装着して発熱がどこまで抑えられるのか試してみたいところです。

今回側面に超音波式のタッチボタン「Air Trigger」を攻撃、ジャンプボタンに割り当てて試してみたのですがこれが非常に快適で、慣れてしまうと元のタッチ操作には戻れなくなりそうです・・・

4.まとめ

ASUS ROG Phone 5sはASUS Storeで販売中で、価格は税込み104,800円から、となっています。レビュー機はRAM 16/512GBモデル(税込み124,800円)でしたが、正直RAM 12/256GBモデルでも十分なのでは?と思いました。上位モデルの「Pro」になるとRAMは18GBとなり、かのあゆ所有のゲーミングノートよりもさらに大きな容量になっています。

ROGブランドのスマートフォンを試用したのは今回が初となりますが、ゲーミングスマートフォンとして高性能なだけでなく、オーディオ性能もカメラ性能も一切妥協していない点がすばらしいと感じました。リフレッシュレート144Hzのディスプレイは本当にヌルヌル動くので一度体感すると元に戻れなくなってしまいそうです。

現在Androidスマートフォンでは最重量タイトルになるであろう「原神」も最高画質で快適にプレイでき、メイン端末としても最高の相棒になってくれそうなROG Phone 5sはスマホの性能に妥協したくない人には最適な一台と言えそうです。

5.関連リンク

ROG Phone 5s特設ページicon:ASUS Store

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