ALLDOCUBEの最新タブレット「iPlay 60 mini Pro」の実機レビューです。日本でも人気となったHelio G99搭載の8インチタブレット「iPlay 50 mini Pro」の後継機種で、iPlay 50 mini Pro同様に人気モデルとなることが間違いなさそうな製品です。
ここがおすすめ
・Helio G99搭載の高性能な小型タブレット
・Android 14ベースの独自UI、ALLDOCUBE OS 3.0を搭載
・片手でつかめるサイズ感が素晴らしい!
・動画視聴時にステレオ感が出る、理想的なスピーカー配置
・ディスプレイ解像度が高く、発色も鮮やか
ここはイマイチ
・8インチ級タブレットとして、競合製品よりもやや高価
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ALLDOCUBE iPlay60 mini Pro:楽天
1.製品概要
スペック表
ALLDOCUBE iPlay 60 mini Pro | |
OS | ALLDOCUBE OS 3.0(Android 14) |
SoC | MediaTek Helio G99 |
RAM | 8GB(拡張機能により最大16GB) |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 8.4インチIPS(1,920 × 1,200) |
LTEバンド | FDD:B1/2/3/5/7/8/20/28AB/66 TDD:B38/39/40/41 |
SIM形式 | Nano SIM×2(SIM2はmicroSDと排他) |
ネットワーク | 802.11 b/g/n/ac、Bluetooth 5.2 |
入出力 | USB Type-C、microSDカードリーダー |
カメラ | イン5MP/アウト13MP |
バッテリー | 3.8V/6,050mAh |
サイズ | 202.7×126×7.9mm |
重量 | 310 g |
コメント
スペック表の上では従来モデルiPlay 50 mini Proからの変更点はわずかです。
・OSがAndroid 13からAndoroid 14ベースの独自UI「ALLDOCUBE OS 3.0」に
・ストレージが従来モデルの128GB/256GBから128GBのみに
・バッテリー容量が5,000 mAhから6,000 mAhに
・18Wの急速充電にも対応します(18W用の充電器は別売り)。
また、ウインタブが使用しているスペック表のフォームには記載のない部分があちこち改善されています。
・6軸ジャイロセンサーを搭載
・スピーカー位置が変更され「横持ち時の左右に」
・筐体の工作精度の改善
SoC(Helio G99)やディスプレイ仕様が変更されていないため、派手さに欠ける、というのは否定できませんが、もともと従来モデルの時点で競合製品(8インチ級の低価格帯タブレット)よりも高いスペックを誇り、それが人気の源であった製品ですから、細かい部分が多数改善されているニューモデルにも十分期待はできると思います。
では、外観から見ていきます
2.外観と使用感
同梱物です。クイックガイドとACアダプター、USB Type-A - USB Type-Cのケーブル(主に充電用)、SIMピンが入っていました。ACアダプターは日本のコンセント形状に合うものですが、メーカー公称の18W急速充電に対応するものではなく、出力10Wのものでした。そのため、本来の充電能力である18Wでの充電をするためには別途急速充電器を用意する必要があります。
クイックガイドには日本語の説明もありましたが「各部名称の説明だけ」ですw ウインタブ読者には特に必要ない情報かと…。
電源を入れ、初期設定を済ませたところです。ただ、このホーム画面の壁紙だと映り込みが激しくなってしまいますので、以下の掲載画像では壁紙を交換しています(いずれの壁紙も製品に標準で入っていたものです)。
前面です。ベゼル幅はそれほど細くはありません。インカメラは縦持ち時の上部ベゼル中央についています。
また、あらかじめ保護フィルムが貼られていました。レビュー個体には気泡なども入っておらず、とてもキレイだと感じましたし、タッチ感度に影響があるようにも思われませんでした。のちのちPDA工房などのフィルムに交換する、という手もありますが、とりあえずはこのフィルムを使っていても問題ないと思います。
ディスプレイの品質
ALLDOCUBE iPlay 60 mini Proのディスプレイは8.4インチで解像度は1,920 × 1,200です。リフレッシュレートについては特に説明はなかったので60Hzですね。また、WidevineはL1で(動画サブスクの中では最も厳しいと思われる)NetflixでもL1になっていることを確認しました。直近でウインタブがレビューしてきた8インチ級のタブレットはみな1,340 × 800という解像度だったので、それらの製品よりもワンランク上の解像度になっています。
実際のところ、「高解像度の恩恵は明らか」でした。私は視力が悪いこともあって、1,340 × 800解像度の8インチタブレットでも特に不満を感じませんでしたが、両者を見比べてみるとその差ははっきりとわかります。iPlay 60 mini Proでは画面に近づいて見てもドットがほとんど気になりませんが、1,340 × 800解像度の場合はドット感が出ていて、粗さを感じてしまいます。
また、iPlay 60 mini Proは発色も非常に鮮やかで、この点も直近レビューした1,340 × 800解像度の製品よりも明らかに上です。素晴らしい品質のディスプレイだと思います。
私の感覚だと特に調整は不要でしたが、設定項目に「カラー」というものがあり、ナチュラル、ブースト、ビビッドと3つのプリセットがあり、他に自動調整も選べます。なので、多少の調整余地はあります(ただし、私の視力だと、プリセット間の発色に顕著な差は認められませんでした)。
背面です。筐体色は濃いグレーで、この手のガジェットでよく使われている「スペースグレー」に近い色だと思います。もちろん技適マークもついています。
カメラバンプ付近です。張り出しはそれほど大きくありませんが、傷つき防止のため別売りのケースを一緒に購入しておくほうがいいでしょう。
上下面です。上下それぞれにスピーカーグリルが配置されて、上面にはUSB Type-Cポートがあります。このスピーカー配置はウインタブがこれまでにレビューしてきた8インチタブレットとしては「画期的」です。低価格帯の8インチタブの場合、下面に2つのスピーカー、という配置がほとんどなので、横持ちで動画を視聴したり、ゲームをする際にはステレオ感も出ず、片側からしか音が聞こえないという、不満を感じる使用感でしたが、iPlay 60 mini Proの配置であればそのようなこともなく、横持ち時に自然なサウンドになります。
スピーカーの品質
音質のほう「製品価格から見て可もなく不可もなく」という感じです。割とクリアな音質ではあるのですが、サイズが小さいこともあって低音は薄っぺらく、中高音が強調される感じです。ただ、上に書いた通りスピーカーの配置はいいので、音の広がりのようなものは感じられますし、ステレオ感もしっかり出ますので、動画視聴は競合製品よりもはるかに快適です。
左右側面です。右側面には電源ボタンと音量ボタン、左側面にはSIM/microSDカードリーダーがあります。電源ボタンと音量ボタンについては「ごくオーソドックス」な配置です。
SIM/microSDスロットは、よくある「nanoSIM+nanoSIMもしくはnanoSIM+micoroSD」という仕様です。
先日レビューしたAvidPad S30と並べてみました。ウインタブではどちらも「8インチタブレット」と呼んでいますが、正確にはAvidPad S30のディスプレイサイズは8.68インチで、実は直近ウインタブでレビューをしたBlackview Tab 60やTeclast M50 miniも同様に8.68インチです。一方でiPlay 60 mini Proは8.4インチ。そのため、このように大きさは異なります。ちなみに両者のサイズは
iPlay 60 mini Pro:202.7×126×7.9 mm/310 g
AvidPad S30:213×125×8 mm/325 g
です。見た目の通り、長辺に結構な差がありますね。一方、短辺はiPlay 60 mini Proのほうがわずかに大きく、よく見ると左右のベゼル幅もiPlay 60 mini Proのほうが太いことがわかります。
メーカーによると、従来モデルから工作精度が上がった、とのことですが、残念ながらウインタブでは従来モデルをレビューしていないため、どの程度の改善なのかは実感できません。しかし、筐体の質感が良く剛性感もあり、直近でレビューした15,000円前後の8インチタブレットよりはワンランク上の筐体品質である、ということはできますね。
3.システム
ホーム画面です。画像下に「Dockバー」というのが表示され、アイコンの入れ替えも可能、そして一番右のアイコン(この画像では「設定」のアイコンが表示されています)は直近で使用したアプリが表示されるようになっています。
プリインストールアプリの一覧です。メーカー独自のものはほとんどなく、最上段に「テーマ」というアイコンがある程度でしょうか。また、中国タブによく見られる「FMラジオ」もありませんね。全体的にごくシンプルという感じです。
設定画面のUIはカスタマイズされています。ただし、「所詮はAndroid」なので、使い始めのうち多少戸惑うことはあっても、使いたい項目が見つからずに苦労する、ということもないでしょう。また、画像右側のメモリ拡張機能は初期状態では0GB(拡張なし)、最大で8GB(物理RAMとあわせて16GB)にすることができます。
「独自っぽい」のがここ、左のメニューにある「特徴」の項目です。独自じゃないものも含まれますが、ALLDOCUBE OS 3.0ならではの機能もあります。
スマートサイドバーはスマホなどで実装されている「エッジパネル(Galaxyシリーズ)」や「スマートウィンドウ(Blackview製品)」などと似た機能です。この画像では電卓・フォト、Filesが表示されていますが、アイコンの変更もできます。Assistive Touchは画面に「白丸(この画像では左端)」が表示され、この白丸は「戻る」ボタンとして機能します。
それと、アプリをウインドウ表示させることもできます。ただしこれ、ウインドウのサイズは変更できませんし(フル画面かこの画像のサイズのいずれか)、複数のフローティングウィンドウを並べて表示することもできません。フローティング表示にすると常にフォアグラウンドに表示されますので、これを画面の隅っこに置いて、YouTubeを視聴しながらChromeでWebサイト閲覧をする、ということはできます。正直なところ、この機能はまだ発展途上という感が大きく、今後のアップデートをまちたいところですね。
Androidで画面を上から下にスワイプすると通知画面が表示されますが、iPlay 60 mini Proでは画面の左側から中央付近でこれをすると「通知」が、画面右側でこれをすると「クイック設定メニュー」が表示されます。個人的には特に便利という気はしませんでしたが、知らないと焦る、というのはありましたねw
大手スマホメーカーのように独自機能盛りだくさん、というわけではありませんが、ALLDOCUBE OS3.0は同社としては初(だと思います)の独自UIですし、少なくとも「素のAndroidよりも使いにくい」ことはありませんので、今後さらに機能や使い勝手が改善されることを期待したいですね。
4.カメラ
ALLDOCUBE iPlay 60 mini Proのカメラはイン5MP/アウト13MPと、タブレット製品としては普通くらいの画素数で、スマホと比較してしまうと低画素数です。一方でカメラアプリは割と多機能で「RAW(.DNG)」での撮影も可能です(DNG形式はファイル容量が非常に大きくなり、この形式だと開くことができないアプリもありますので、iPlay 60 mini Proで使うのはおすすめできません)。
作例をいくつか掲載します。画像はWebサイト用に縮小していますが、元は13MPで撮影モードも「無指定」です。
もともとタブレット製品のカメラに大きな期待を寄せているとか、カメラが目的でタブレットを買う、という方はごく少数だと思います。なので、カメラの撮影画質についてそこまでシビアに見る必要もないでしょう。経験上中国タブの一部製品で「これは地雷」というか、とんでもない画質のカメラが散見されますが、この作例を見ていただければ「まあ、普通には撮れるのね」と思っていただけるんじゃないでしょうか。
5.性能テスト
Antutuベンチマークスコアは約40万点と、Helio G99搭載機としては「普通」くらいの数値になりました。競合製品(8インチサイズのもの、ただし価格はiPlay 60 mini Proのほうが数千円高いです)がUNISOC T606(Antutuスコア25万点前後)を搭載していることを考えると、「かなり高い」スコアだと言っていいでしょう。
Antutu 40万点程度だと、最新3Dゲームを高画質でプレイするのは厳しいですが、普段使いの様々な場面でUNISOC T606よりもレスポンスがよく、したがって使用感もよくなります。
実際に「オーディン:ヴァルハラ・ライジング」というゲームを試してみました(割と重いとされているゲームです)。高画質だと処理落ちする場面がやや多いと感じられ、中画質であれば割と快適に思われました。先日レビューしたRedmi Pad Pro(Snapdragon 7s Gen2搭載、Antutu約60万点)よりは動作が「苦しそう」ではあります。また、このゲームは「容量33GB」なので、ストレージ128GBのALLDOCUBE iPlay 60 mini Proではあまりプレイしたくないかな、というのもありますね。
Helio G99は中国タブの上位モデルによく搭載されており、「製品価格の割に高性能なSoC」と言えるのですが、ことゲームに関しては「重いゲームもサクサク動く」というほどではありません。もちろん多くのゲームは快適に楽しめますが、それよりも普段使いでの各種操作のレスポンスの良さとかを期待すべきだろうと思います。
6.レビューまとめ
ALLDOCUBE iPlay 60 mini Proは楽天とAmazonで販売中、楽天での価格は22,499円(製品ページにある5,500円OFFクーポンを使用した価格)、Amazonでは製品ページに6,000円OFFクーポンがあり、さらにクーポンコード「60minipro」を使うと21,549円で購入ができます(6月30日まで)。
記事中にも触れましたが、SoCにUNISOC T606を搭載し、ディスプレイが1,340 × 800解像度のAndroidタブレットの実売価格が15,000円前後なので、それよりは数千円高価、ということになります。個人的にはこの価格差は妥当なものかと思いますが、日本市場の場合はこのくらいの価格差でSoC性能が大きく上がり、ディスプレイ解像度も高くなるのであれば、iPlay 60 mini Proを選ぶ、という方が多いのではないかと思います。
レビュー機が手元に届いて1週間弱経ちますが、その間私は実機の検証をするだけでなく、毎日レビュー機でNetflixの動画を視聴しました。8インチタブレットの取り回しの良さは抜群ですし、この製品の場合はスピーカー位置も好ましいので、レビュー機材であるにもかかわらず、「手放せんわ、これ」という感じで愛用させてもらいました。おすすめのタブレットです。
7.動画レビュー
YouTubeにレビュー動画を公開しました。こちらもぜひご覧ください!
8.関連リンク
ALLDOCUBE iPlay60mini Pro:Amazon
クーポンコード「60minipro」で5%OFF(6月30日まで)
ALLDOCUBE iPlay60 mini Pro:楽天
コメント
お絵描き的な質問でわかりにくいかもですがiPlay 50 mini Proは疑似筆圧使えたけど60の方は使えますか?
縦持ちで左端から線を引くのと右端から線を引くので筆圧具合変わるかわかりますか?