こんにちは、ゆないとです。今回は先日紹介した超薄型デスクトップDAC「Khadas Tone 2 Pro」が正式に発売されたので、改めて紹介したいと思います。
この製品は12月16日から発売されており、それに併せて詳細な技術仕様が公開されました。今回は改めてその特徴に触れていきたいと思います。
1.スペック
【本体】
■カラー:ブラック、レッド、ブルー
■素材(ボディ・ボリュームノブ):航空機グレード アルミニウム
■素材(ボトムカバー):ABS、ポリカーボネート
■素材(フットパッド):シリコン
■DACチップ:ESS ES9038Q2M
■オペアンプ:OPA1612 ×4
■USBプロセッサ:XMOS XU216
■対応OS:Windows 7, 8, 10 / MacOS / Linux / Android /iPad OS & iOS
■サイズ:17.0mm x 88.0mm x 61.5mm/68.0mm(with RCA)
■重量:100g
【DAC性能(バランスRCA)】
■THD+N特性:0.000126%(-118dB)
■ノイズ:3.5uVrms
■ダイナミックノイズリダクション:121dB
■クロストーク:200kΩ: >120dB
■出力:200kΩ: 4.0Vrms
■周波数特性:20Hz-20kHz, ±0.15dB
【DAC性能(RCAシングルエンド)】
■THD+N特性:0.000158%(-116dB)
■ノイズ:2.0uVrms
■ダイナミックノイズリダクション:119dB
■クロストーク:100kΩ: >118dB
■出力:100kΩ: 2.0Vrms
■周波数特性:20Hz-20kHz, ±0.15dB
【ヘッドフォンアンプ性能(4.4mmバランス)】
■出力インピーダンス:2.4Ω
■THD+N特性:300Ω: 0.000158%(-116dB)
■THD+N特性:1kHz, 150Ω: 0.000158%(-116dB)
■THD+N特性:1kHz, 32Ω: 0.000282%(-111dB)
■ノイズ:117dB
■周波数特性:20Hz-20kHz, ±0.15dB
【ヘッドフォンアンプ性能(3.5mmシングルエンド)】
■出力インピーダンス:1.2Ω
■THD+N特性:1kHz, 150Ω: 0.000200%(-114dB)
■THD+N特性:1kHz, 32Ω: 0.000282%(-111dB)
■ノイズ:69dB
■周波数特性:20Hz-20kHz, ±0.15dB
【DACサンプリングレート】
PCM 384kHz / 32bit、DSD512 ネイティブ再生
上記は一部を抜粋しております。より詳細なデータについては、HiFiGOのページをご覧ください。
本体は3色リリースされ、黒、赤、青のカラーがラインナップされています。筐体は航空機グレードのアルミニウムとABS樹脂とポリカーボネートで構成されています。DACチップにはESS製の「ES9038Q2M」が採用されています。据え置き機器に搭載されるモデルですが、この製品のような小型のボディで採用される例は少ないと思います。
バランスRCAと4.4mmはそれぞれ、0.000126%(-118dB)と0.000158%(-116dB)という超低歪みと言える数値で、さらにノイズについては4.2uVrms未満の低ノイズを実現しています。見通しの良い広いサウンドステージと少ないノイズで音楽が楽しめそうです。
4.4mmバランスと3.5mmシングルエンドでは、出力インピーダンスがそれぞれ2.4Ωと1.2Ωという数字で、感度の良い敏感なイヤホンまたはヘッドフォンも安心して使えます。
2.特徴
最新のバランスRCAプラグを搭載しています。一番外側の層にアース、中間の層に負、中央のプローブが正という3層構成です。この製品はクレジットカードに近いサイズという小さなボディですが、これは最新のRCAプラグを搭載することにより実現できています。
素材に航空機グレードのアルミニウムを採用しているため、Bluetoothなどは通信の強度が減衰してしまいます。そのため、本体にある2つのUSB Type-Cのうち「I2S」の方のポートに外付けのBluetoothモジュールが接続できるよう開発が進んでいるようで(画像はプロトタイプモデルです)、近い将来リリースされるとのことです。
■モジュール名称:BT Magic
■Bluetoothチップ:Qualcomm QCC5125
■コーデック:AptX HD, LDAC
ボリュームノブにも音量調整だけではない特徴があります。通常の回転操作だけではなく、横に向けて”押す”という操作も組み合わせることで、様々なアクションが可能です。これにより本当に「小さな据え置きDAC」として使えそうです。
筐体がアルミニウムであることを活かし、USBプロセッサであるXMOS XU216にはサーマルパッドを装着することで発生した熱を直接筐体に伝えるという設計にしており、本体自体がヒートシンクとして機能するようになっています。小さいからこそこういった工夫も必要なのでしょう。
3. 価格など
Khadas Tone 2 Proは12月16日発売、12月29日出荷開始です。1月2日までは179.99ドル(約18,623円)で、それ以降は希望小売価格の199.99ドル(約20,687円)になります。
この製品、どういった人に刺さるのかなと改めて考えたのですが、当然ながら一番は「オーディオ好きな人」でしょう。「ESS ES9038Q2M」を搭載しつつ、カードサイズのとても小さな筐体にRCA端子、4.4mmバランス、3.5mmシングルエンドを搭載し、多くの製品に対応できる持ち運び可能なDACです。USB Type-Cがあるので、PCのオーディオを良くするのはもちろん、AndroidスマホやiOSにも対応できます。
今の環境をもう一段拡張したいな、というニーズに合うのではないでしょうか。私もPCの音質を向上させたいと常々思っていました。大きな据え置きタイプでは面積を取るので候補に入れにくいなあ、と考えていたところ、この製品であれば気軽に使えると感じます。
また、オーディオに多少興味があるが詳しくは知らない、といった人に使ってみてもらいたい製品でもあります。カードサイズということで持ち運びもできるので、外出先でスマホにこれを挟んで有線イヤホンで楽しんでもらうことが可能です。
ひとまずは詳細なスペックも判明し、出荷を待つだけですので、実際の使い勝手が気になるところですね。
4. 関連リンク
Pre order Khadas Tone2 pro:HiFiGo(販売ページ)
Khadas Tone 2 Pro:HiFiGOブログ(スペック詳細)
Khadas Tone 2 Pro:HiFiGOブログ(各種要素)
Khadas Tone 2 Pro - カードサイズにESS製ES9038Q2Mチップを搭載するUSB DAC!これがあればPCやスマホでも高音質が楽しめます。:ウインタブ紹介記事