こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。コロナウイルスの件、なかなか事態がいい方向に向かってくれず、とても心配です。感染対策のため、2月以降はメーカーさんの展示会なども開催されていないようで、私が出席させていただく機会もなく、おそらくこの先しばらくは自宅周辺にとどまる毎日になると思います。私にはあまり関係ないのですが、テレワークを導入している企業も少なくないようですね。個人的に「通勤時間」というのを全否定するつもりはありません。仕事帰りに寄り道するのが楽しかった、という思い出もありますし。しかし、「時間の無駄」と言えなくもないので、コロナの件が一段落した後も、段階的・部分的にでもテレワークが増えればいいのに、と思っています。同僚や友人の顔を見る機会がなくなってしまうのもイヤですけどね。
今回、「たまたま」なんですが、テレワークに向く会議用スピーカーをレビューさせていただきます。「eMeet OfficeCore M220 Lite」という製品で、基本的な機能に関しては普通のBluetooth/有線両対応スピーカーなんですけど、音楽用ではなく、「人の声を的確に拾い、鳴らす」ことを重視した製品です。また、会議中に使うことを意識した便利機能も搭載されています。
1.スペック
対応機器: スマホ/タブレット/パソコン
接続方式: Bluetooth/USB/AUX
バージョン: Bluetooth 4.2
集音範囲: 360°
電池容量: 3.6V/2600mAh
持続時間: 12時間通話
受電仕様: DC5V/1A
サイズ: 125 × 125 × 35 mm /300 g(実測値287 g)
記事の冒頭に「人の声を的確に拾い、鳴らす」ための製品である、と書きました。
この種の製品は以前から存在していますので、ご存知の人も多いと思いますが、こんな利用イメージです。会議中にテーブルの上に置いて使う感じですね。例えばこの画像が「東京事務所」だとすると「大阪事務所」でも全く同じような景色になっていて、東京と大阪で電話会議ができる、ということです。
この場合、スピーカー音質が「どうでもいい」というわけではありませんが、それよりもむしろ「会議に出席している人の声をもれなく拾う」ことと「会議に出席している人全員が聞き取れるような音量であること」が重要になります。そのため、この製品は4箇所にマイクを備えていて、スペック表にあるように「集音範囲360度」を実現しています。会議室の中のどの席に座っていても、自分の声が確実に拾われるということですね。
また、この製品は「2個セット」です。ここは非常に重要なポイントで、上の設例だと東京事務所に1個、大阪事務所に1個でもいいですし、やや大きめの会議室なら2個をカスケード接続してパワーアップ(音声出力と集音機能を強化できるという意味です)することができます。
接続に関してはBluetooth接続のほか、USB有線、USB無線、AUX接続が可能です。本体がバッテリー稼働なので、バッテリー切れに関しては充電/給電するしか方法がありませんが、重要な会議の際にはBluetoothではなく、有線接続を選べますので、接続が不安定になったり途切れたりすることは心配しなくてよさそうです。
では、筐体説明から始めていきます。
2.筐体
特に意味はないのですが外箱から。豪華なものでもなく、派手でもありませんが、内容物が効率的かつ安全に梱包されていて「職場向き」のデザインです。
同梱物です。上に書いたように、この製品は「2個セット」です。本体が2個(画像中央でケースに入った丸い物体です)ありますので、ケーブル類も基本的には2セットあります。画像右上の3つは「Bluetooth用USBドングル(Bluetooth非対応のデバイスのUSBポートに挿します)」「AUXケーブル(スマホやPCのイヤホンジャックに接続します)」「USB(Type-Aオス)-microUSB(オス)ケーブル」ですが、その下にビニール袋がありますよね。この袋の中に3つのパーツ(ケーブルとドングル)がもう1組入っています。
画像中央下にあるのが2個のスピーカーをカスケード接続する際に使用するケーブルです。これを使うと、2個のスピーカーを最大でおよそ1 mくらい離して置くことができます。ケーブルがカールしていて、本体重量が300 g弱なので、それ以上に離そうとすると本体が引っ張られてしまいます。
ペーパー類はBluetoothドングルの取扱説明書(英語のみ)と日本語にも対応する取扱説明書の2つ。ちなみにBluetoothドングルは操作不要で自動的に接続されました。つまり、PCのUSBポートにこのドングルを差し込めばすぐに使えました。手動接続もできますし、ドングル無しでPCやスマホのBluetooth機能を使っての接続もできます。ただ、ドングルを使うといちいちデバイス側でペアリングしなくていいので、かなり便利だと感じました。
ケースを拡大表示してみます。素材はネオプレーン(ウエットスーツなどに使われている素材ですが、ウエットスーツほど密度が高くありません)で、ある程度のクッション機能が期待できます。ただし薄いので、傷つき防止については期待できますが、落下など強い衝撃を与える気にはなりません。
上から見たところです。すごくわかりやすいといいますか、操作系は上面中央に集められていて、その周囲がスピーカー、というレイアウトになっています。筐体素材はプラスティック製ですが、非常にしっかりしたものになっています。また、スピーカーグリルの部分のみ金属製です。高級とか安っぽいとかではなく、カチッとしたつくりですね。
底面です。こちらには何もありません。滑り止めのゴム足もないですね。上に書いたように、カールコードで2個を接続することを考慮すると、もう少し「踏ん張りの効く」構造でも良かったかなと思います。また、この製品は技適取得済みで、技適マークと認証番号が記載されていました。…じゃないと会社では使えないですよね…。
横から見るとこんな感じ。側面の右側にマイク穴が見えます。この製品は側面に4つのマイク穴があります。また、ポート類がパッキンで覆われているのがわかります。
パッキンを外したところです。画像左からセキュリティロックスロット、AUX端子、イヤホンジャック/カスケード接続用端子、microUSBポートです。なお、この製品の充電はmicroUSBポートから行います。
パソコンに接続してみました。手持ちのASUS ZenBook 14はもちろんBluetooth機能がありますが、ここではPCのBluetooth機能を使わず、Bluetoothドングルで接続しています。
次にスマホと並べてみます。2個のスピーカーをカスケード接続して並べてみました。サイズ感として、それほど大きいとは感じませんが、スマホ用のBluetoothスピーカー(音楽用)とは形状が異なり、それよりはやや大きめと感じられます。
この製品、周囲にLEDがついていて、必要に応じて光ります。この画像はボリューム調整をしているところで、「時計の4時」くらいの位置までLEDが光ってますよね?これはボリュームの大きさを表示しています。ボリュームをMAXにすると周囲すべてが点灯します。この画像の位置だと「だいたいボリューム30%くらい」ですかね。
こちらはバッテリー残量を表示させたときのLEDです。残量が100%だと周囲すべてが緑に点灯します。この画像だと「だいたい残量80%」というところでしょうか。また、残量が5%以下になるとLEDは赤になり、その5分後に自動的に電源オフとなります。
一通り筐体を見てみましたが、価格相応というか、しっかりした作りになっていると感じました。「会社用」としても全然おかしくないレベル。また、付属品、特にBluetoothドングルはかなり品質がよく、ストレスなく接続ができたというのに好感が持てます。
3.使用感
接続
これまで説明してきたとおり、この製品はBleutooth、Bluetoothドングル、USB、AUX接続が可能です。PCとの接続ということならBluetoothドングルもしくはUSB接続がもっとも手軽と感じます。一方スマホの場合はBluetooth接続もしくはAUX接続のいずれかが現実的ですが、最近はイヤホンジャックのないスマホも多いので、やはりBluetooth接続が主体となるでしょう。
AUX接続の場合、一部の機能が使えません。この製品には「ボタン一つでスマホの音声アシスタント(iOSのSiriやAndroidのGoogleアシスタントなど)を呼び出せる」機能がありますが、これはAUX接続の場合は無理でした。接続の安定性を取るのならUSBもしくはAUXの有線接続がいいと思いますし、パーソナル用途であればBluetooth接続のほうがよさそうですね。
音楽用として
この製品は「スピーカー」ですから、PCやスマホに接続して音楽用として使うこともできます。でも音楽用としての音質は「特によくありません」。まあ、これは仕方ないんですけどね。この製品をスマホにBluetooth接続して、音楽を聴いてみましたが、音量を下げて作業中のBGM用として使う場合は特に不満はありませんでした。スマホの内蔵スピーカーよりはマシかな、と思いますが、正直なところ「音楽用としてこのスピーカーを買うメリットはない」と思います。3,000円くらいで売っているBluetoothスピーカーの方がよっぽどいい音を聴かせてくれるはずです。
また、ボリュームの方も、会議用だから大音量になるのでは?と思いましたが、実際そこまで大きくはなりません。これも市販の音楽用Bluetoothスピーカーの方が大きな音を出せると思います。
なので、音楽用として使うなとは言いませんが、あくまで「電話会議用が主、音楽用は従」と考えるべきでしょう。
会議用として
現状私はビジネス会議に出席する予定がありませんので、家族と一緒に音質をチェックしてみました。会議用のテーブルではなく食卓テーブル(4人用)を使い、家族に座ってもらい、随時座る場所を変えながら電話をしてみました。
いわゆる電話(音声通信)でもアプリ電話(LINEやSkypeなど)でも音質は良好です。ただし、スピーカー側の受話ボタン(電話を取るときに押すボタンは)アプリ電話では使えませんでした(すべてのアプリ電話は試していませんが、LINEでは無理でした)。
マイクの集音性能を確認するために、家族にあちこち場所を変えてもらって話をしてみましたが、音声の強さ(大きさ)は一定していて、非常に安定した通話ができました。また、音量のほうも音楽を聴くときよりもずっと大きく、音声がはっきりと聞き取れます。このスピーカーが「通話」音質がメインになるようにチューニングしている、ということだと思います。
ただし、これは蛇足ですが、電話の音声というのはモノラルなので、臨場感のようなものは全くありません。ただ「クリアに聞こえる」のみで、話者がスピーカーの右側に座っているとか左側に座っているとかは当然わかりません。指向性のようなものは一切なく、テーブルのどこに座っていても安定して、同じ調子で声が聞こえる、ということです。
結論として、このスピーカーは(音声回線かアプリ通話かによらず)いわゆる電話会議では非常に高い安定性、信頼性があるものと評価します。
4.まとめ
eMeet OfficeCore M220 LiteはAmazonで販売中で、3月23日現在の価格は税込み42,999円となっています。この製品は個人として音楽を楽しむという性質のものではなく、電話会議という実用面に特化した製品と言えます。また2個セットというのも重要で「1つしかいらんがな」という人には無駄なところもあると思いますし、逆に複数の事業所がある企業にとっては、お買い得感があります。
コロナウイルスはなかなか下火になってくれませんね。もちろん早く収束して欲しいですが、この騒動をきっかけに盛り上がった「テレワーク」の風土は下火にならず、リアルワーク(通勤してオフィスで仕事をすること)とうまく共存できるようになるといいですよね。その意味では、そろそろこの種のデバイスを企業あるいは個人事業でも用意しておくほうがいいだろうと思います。
5.関連リンク
eMeet M220 Lite(2台セット):Amazon