こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。ここのところ、ロボット掃除機のレビューをさせていただく機会が増えていますが、今回はロボット掃除機ではなく、普通の掃除機のレビューです。スティックタイプのコードレス掃除機「Dreame T20」という製品で、DreameはXiaomi系列のメーカーです。
このタイプの掃除機は、手軽で使いやすいイメージがありますが、「ちゃんとゴミを吸引できるのか」とか「すぐにバッテリー切れになるのではないか」などという不安もつきものですね。しかし、Dreame T20に関してはそれらの心配は無用です。非常にパワフルで多機能、バッテリーも思いのほか長持ちします。
なお、この製品はDreameよりサンプル提供をしていただきました。貴重なレビュー機会をいただいたこと、この場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
目次
1.Dreame T20 スペック
Dreame T20 | |
定格電圧 | 25.2V |
定格効率 | 450W |
バッテリー容量 | 3000mAh |
本体重量 | 1.67kg |
充電時間 | 4時間 |
モーター | Dreame Space 4.0 ハイスピードモーター |
稼働時間 | 70分 |
吸込効率 | 最大150AW |
吸引力 | 最大25000Pa |
捕集システム | 自浄サイクロン |
ダストカップ容量 | 0.6L |
ポイント
・サイクロン式掃除機
・コードレスで25,000Paの強力な吸引力
・バッテリー駆動時間70分
・水拭き対応
・液晶ディスプレイ搭載
・豊富なアタッチメント
コメント
ウインタブでは以前「dodocool スティッククリーナー A8」という、スティックタイプのコードレス掃除機をレビューしたことがあります。コードレス掃除機としては(当時)結構強力な吸引力を備えていて、我が家でもしばらく使っていたのですが、
トラディショナルなコード付き掃除機(キャニスター式掃除機)と比較してしまうと、どうしても吸引力は弱く、なかなか「コードレス掃除機のみに絞って使う」ということができませんでした。とはいえ、本体をガラガラと引っ張りながら掃除をするのに比べると、スティックタイプのコードレス掃除機というのは使い勝手が非常にいいです。
Dreame T20をレビューするにあたり、「サイクロン式」「吸引力が25,000Paと強力」そして「豊富なアタッチメントが付属する」という点に特に注目しました。
でもね、ちょっと乱暴なことを言わせてもらうと、掃除機ですから方式とか数値なんてどうでもよくって、「ちゃんとゴミを取れるか」という点と「操作しやすいか」という点に尽きると思うんですよ。サイクロンだろうとなんだろうと、デザインが良かろうと悪かろうと、まともにゴミを吸い取れないのなら意味はありません。そして、使うたびにめっちゃ面倒な操作を強いられるのもゴメンです。Dreame T20は、掃除機としての基本的な能力が備わっているんでしょうか?結局「頑張ってるけど、昔ながらのコード式掃除機のほうがキレイに掃除できる」んでしょうか?
今回、レビュー記事を書いているのは私ですが、私の家族もアドバイサーとして使用感などのレビューを補助してくれています。
2.Dreame T20 筐体
同梱物です。非常に数が多くて、どこから説明していいのか途方に暮れてしまいます。なので、順を追って説明していきますね。まずは左上にある本体(メイン・ボディ)から。
本体だけ(この画像の状態)で、結構な重さがあります。実測値で1,711 gありました。レビューのために写真撮影をしていて、この重さが使用感にどう影響するのかが気がかりでしたね。
画像だけでおおよその構造はご理解いただけると思いますが、左側にサイクロンのユニットとゴミ収集ボックス(ダストカップ)、右側に「引き金」がついています。この引き金を引いている間だけ掃除機として動作します。これは直感的でわかりやすい。また、右下にある平べったいところにバッテリーが入っています。で、その平べったいところにあるボタンはバッテリー着脱用のものです(後述します)。
筐体素材は少なくとも外装は樹脂製、重量から考えて内部には金属の補強が入っているものと思われます。
前面にはロッド(棒)やホース、ブラシを接続するためのホールがあり、その下にゴミ収集ボックスの開閉レバーがあります。
開閉はワンタッチで、開口部が下側になりますので、集めたゴミは簡単に除去できます。
背面です。こちらが手前側になります。この製品のセールスポイントである液晶インジケーターがついています。
インジケーターの上部に「鍵マーク」のボタンがあります。このボタンは「連続運転ON/OFF」ボタンで、ここがONになっているときは「引き金を引くと動作開始、引き金を離しても動作継続、もう一度引き金を引くと停止」、OFFのときは「引き金を引いている間のみ動作」という挙動になります。
インジケーターの下部にある、もうひとつのボタンは運転モード切り替え用です。画像にあるようにボタンを押すごとに「エコモード」「ミドルモード」「ターボモード」に切り替わります。
なお、このインジケーターは単に運転モードの表示だけでなく、フィルター交換やシステムトラブル時の警告表示などもしてくれます(幸いにして試用中にトラブルは発生しませんでしたので、画像はありません)。
上面(画像左)と下面(画像右)です。上面にはメーカーロゴのほか、特にボタン類などはありません。
下面にはバッテリーが収納されていますが、その他にもう一つレバーがついていて、ダストカップとフィルター部分の着脱ができます。
これがダストカップを完全に分離したところです。左上にあるのがフィルターですね。フィルターの交換時期については説明書に記載がありませんでしたが、「3カ月に1回は掃除(水洗い)してください」ということが書かれていました。
バッテリーも着脱ができます。バッテリーがヘタってきて交換したくなるくらいに長く活用できれば言うことなしですが…。
次にパーツ部分をご説明します。赤くて長い棒がロッド(金属製延長管)、そのすぐ下、画像中央上が延長ホース、画像左下から順に水拭き用のモップ(水タンクもセットされています)、隙間用ブラシ、2 in 1ブラシ、ミニ電動ブラシ、ソフトローラーブラシヘッドです。それぞれのブラシについて、メーカーの説明はこうです。
ソフトローラーヘッドブラシ
大理石や床などの硬い表面の掃除に適しています
ミニ電動ブラシ
ソファや寝具などの織物に絡んでいるホコリ、ペットの毛、及び深層ゴミの掃除に適しています
2 in 1ブラシ
カーテン、キーボード、天井、車、コーヒーテーブルなどの表面のホコリを掃除するのに適しています
隙間用ブラシ
ドアや窓の隅、壁の隅、階段などの小さな隙間の掃除に適しています
本体とロッド、ホース、ブラシの接続は割とオーソドックスで、装着時は画像右にあるボタンがカチッと言うまで押し込むだけ、取り外し時はボタンを押しながら引き抜くだけです。
本体とブラシの取り付け方法は主に3種類。上の画像が「本体+ロッド+ブラシ」で、真ん中の画像が「本体+ホース+ブラシ」で、本体を片手で持ちつつ、反対側の手で微調整しながら掃除するもの、一番下が「本体+ブラシ」で最もコンパクトなサイズとなります。
どのような形態で使うかは人それぞれですが、一番長い形態は床掃除用、ホース付きの形態は隙間掃除用、そして本体にブラシを直付けする形態はソファーやテーブルの掃除用に向く、という感じでしょうか。
最後に壁用のホルダー(充電ドック)です。壁に穴を開ける必要があり、今回のレビューでは試していません。Dreame T90には本体にDC-INジャックがついていますが、このホルダーを使えば収納時に自動的に充電が可能です。
3.Dreame T20 筐体
一通りの機能を試してみましたので、まずはこちらの動画をご覧ください。
以下、私と家族がしばらく使ってみての感想を書かせていただきます。
吸引力について
タイムリーにも、ライターのひつじさんが「新生活の家電選び~白物家電を上手に選ぼう~【中編】」という記事を書いてくれていまして、それを参考にしながら書いています。
この製品の定格効率は450W、吸込効率は最大150AWとなっていますが、正直なところ用語の定義がよくわかりません。ただ、メーカー側で「パワーの限界を打ち破る」と言っていますので、スティックタイプのコードレス掃除機としてはかなりパワフルなほうだと思います。
実際、自宅でこれまで使っていたキャニスター式掃除機よりも吸引力が強い(ターボモード時)、というのが私の奥さんの感想です。自宅の掃除機は10年くらい使っていますので、性能は低いと思うのですが、コードレスタイプでありながら、これだけの評価になるというのは驚きですよね。また、彼女は毎日短時間Dreame T20を使っていますが、ほとんどの場合エコモード(最も吸引力が弱いモード)で十分、という評価です。
ターボモードが必要なのは隙間ブラシで窓枠を掃除したり、部屋の隅の奥まったところを掃除するときくらい、とのことで、基本全てエコモードで使っています。また、以前使っていたコードレス掃除機とは「比較にならないくらいの差」があるとのこと。スティックタイプのコードレス掃除機の吸引力としては満点をあげていいと思います。
操作性について
レビュー開始時に懸念していたのは「本体重量が1.7 kgあり、ロッド(赤い棒)を取り付けて使う場合はともかく、本体にブラシを直付けして使う場合には少々重すぎるのではないか、という点でした。
重さについては個人差がありますので、あくまで私の家族の感想にとどまりますが、「あまり重さは気になりません」。実際、私も自分でしばらく使ってみて、「ただ持つだけ」だと重く感じるんですけど、「掃除中」は不思議と重さを感じないんですね。ゴミを取るのに夢中になっているからかな?という気もしますが、本当のところはよくわかりません。
次に、本体とロッド、ブラシ、延長ホースの着脱ですが、ここは少し不満があります。レビュー機の個体要因の可能性が高いと思われますが、ロッド(赤い棒)と本体の着脱だけ、かなり渋いです。女性だと少し苦労するくらいですね。私の家族にいろいろヒアリングしてみて、この点が唯一低評価でした。
各種ブラシについて
動画にアップしたとおり、付属の「ソフトローラーヘッドブラシ」「ミニ電動ブラシ」「2 in 1ブラシ」「隙間用ブラシ」、そして「ソフトローラーヘッドブラシ+水拭き用モップ」を試してみました。
床面については基本的にソフトローラーヘッドブラシのみを使います。フローリング、カーペット、畳のいずれも操作感はよく、ゴミ収集能力も高いと感じました。掃除後にダストカップを見て「思ったより全然ゴミが取れてるじゃん!」とうれしくなります。
ミニ電動ブラシはクッションや布団など柔らかいところに、2 in 1ブラシはPCキーボードなどデリケートなところに使っています。いずれも操作性はよく、特にキーボード厨である私には2 in 1ブラシの恩恵は絶大だと感じました。2 in 1ブラシは毛先も柔らかく、傷つきなども気にしなくて良さそうです。
ダストカップについて
Dreame T20は「ダストカップ式」で紙フィルターはありません。ワンタッチでごみ捨てができますが、ゴミ捨て時にゴミが露出しますので、多少ホコリが舞います。なので、ゴミ箱の奥の方でダストカップを開いてやる必要があります。でも、この方式は手間いらずだし、コストも掛かりませんので、多くの人にはありがたいんじゃないでしょうか。
操作音について
当たり前ですが、「エコ<ミドル<ターボ」の順で騒音が大きくなります。「エコなら割と静かなほう、ミドルでもまあ許せる、しかしターボになると一気に大音量になる」という感じです。この後バッテリー駆動時間についてご説明しますが、バッテリーのテストのため、私の作業場所でしばらく電源をオンにしたまま放置しました。エコとミドルだと「部屋の端っこに置いておけば、気が散るけどなんとかPC作業は可能、しかしターボでのテスト中は別室に避難」という感じでした。
私の自宅の環境では、家族が毎日掃除をしてくれていることもあり、ほとんどエコモードだけで使いますので、その意味では特に不満はありません。ただし、ターボーモードを長く使うようなケースだと結構イラッとするかもしれません。
バッテリー駆動時間について
私の家族は掃除機とハンディワイパー(クイックルワイパー)を併用しているので、毎日の掃除機の使用時間は短めです。そのせいもあって「数日使ってもバッテリー切れにならなかったよ」と言ってました。なので、作業部屋で「本体だけ電源をオンにして放置する」テストをしてみました。
・エコモードで連続運転:
10分でバッテリー消費12%
・ミドルモードで連続運転:
10分でバッテリー消費29%
・ターボモードで連続運転:
4分でバッテリー消費35%
単純計算だと「エコモードで約83分、ミドルモードで約35分、ターボモードだと約11分」がバッテリー駆動時間となります。メーカーの公称値は「エコモードで70分」ということなので、ほぼ公称値通りの駆動時間は確保されていると言えるでしょう。ただし、ターボモードは燃費極悪ですw
4.Dreame T20 レビューまとめ
Dreame T20はAmazonや楽天などで販売中で、5月4日現在の価格は税込み34,980円です。ウインタブでは掃除機をご紹介する機会が少ないので、少し価格を調べてみましたが、このジャンル(スティックタイプのコードレス掃除機)の製品価格は「まさにピンキリ」で、34,980円というのはダイソン(Dyson)などのトップメーカーの上位モデルよりは低価格であるものの、ジャンル全体で見れば高価なほうですね。
記事中に、以前1万円クラスのコードレス掃除機のレビューをしたことがある、と書いていますが、その製品との比較では「圧倒的に上」です。高いだけのことはある、とお考えください。以前のレビューではキャニスター式の掃除機を退役させるという発想になりませんでしたが、このDreame T20があればキャニスター式掃除機とはさよならできそうです。
5.関連リンク
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