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APEMAN LC650の実機レビュー - 物理解像度FHDで手頃な価格のプロジェクター。良い製品だったので紹介します

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どうも、ひつじです。以前プロジェクターをレビューしましたが欲深いもので「もう少し大画面にしたいよなあ」とか「もう少し静かなプロジェクターがいいな」なんて考え出すとダメですね。買ってしまいました。新しい機器。

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とは言え、「2万で物理解像度FHDのプロジェクターが入手できる」という前提を崩したくはないので予算は2万円。その中で色々検討をした結果がAPEMANのLC650でした。(どうでもいいけど購入数日で4,000円価格が下がったのは恨んでますw)

私はこの会社自体を知っていたというのが購入決定に大きく作用したため後で知ったのですが、某掲示板などでも「おススメできる格安プロジェクター」の候補にはしばしば上がっているようです。

結論として「割と当たり」な機種だと判断したのでサラッと紹介させてください。

1.スペック

投影方式:LCD
光源:LED
物理解像度:1,920×1,080
入力解像度:4K
照度:6,600ルーメン
コントラスト比:5,000:1
入出力:HDMI、AVコンボジット(※3.5mm3軸端子で対応)、USB×2、オーディオ出力端子(ステレオミニプラグ)
サイズ:265×220×87mm
重量:2,925g
その他:デジタル補正による4軸台形補正対応(±25度)

照度そのものはおおよそ3,000ルーメンくらい、が実体だとは思います。またHDRには非対応です。とは言えそれ以外のスペックは価格以上のものがあると言って良いと思います。特に4K入力に対応している点は非常に優秀ですね。

入出力端子はもう少し多い方が正直嬉しかったのですが、筐体の大きさが小さいのでここはトレードオフかな、といったところ。

また、この価格帯としては珍しく上下左右どちらの台形補正にも対応しています。上下の補正に対応している機種は多いのですが、左右は珍しいですね。正面以外でも投影できるのはありがたいポイントです。一方で光学的な補正ではないこと、レンズシフトはさすがに搭載していないことから正面以外から投影するのであれば画質への妥協は多少必要です。

サイズ感は非常に良好で、重量も含めて「思ったより小さくて軽い」という感想を持たれる方が多いのではないでしょうか。プロジェクターは設置する際の制約が大きいので、融通が少しでも効くならばその方がありがたいんですよね。ここは嬉しいポイント。

投影比率は正確な記載がありませんが、おおよそ2mで85インチ程度、といったところ。また、カタログスペックとは関係ありませんが光学系部品は密閉されています。(内部に埃があるかどうか、はまた別の話)

欠点を伝えるとすれば「スタンド固定用のネジ穴が無い」ということでしょう。天吊り用のものはあるのですが、小型プロジェクター用三脚等を活用するのであれば設置台の併用が必要です。また、プロジェクター本体にairplayやスクリーンミラーリング機能などが無いため、今時な使い方をするならHDMI1端子、というのはちょっと厳しいかなとも思います。

2.筐体

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まずは外箱。会社名、製品写真、製品名等がきっちり印刷されています。これだけで既に印象が良いですね…。

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続いて付属品です。マニュアルに加え、電源コード、コンボジット端子とミニ端子の変換ケーブル、HDMIケーブル、リモコンが付属します。

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この製品は本体に搭載されているボタンが電源のみ。基本的に操作はリモコンに依存します。紛失はご法度ですね…。

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本体正面。右側にレンズがついています。レンズのフォーカスはカメラのようにレンズの周りのダイヤルを回せば調整可能です。

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左側には排気口がついています。

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右側には吸気口。もちろん左右共に塞がないようにしましょう。

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本体後ろ側。メガネタイプの電源端子と、HDMIとUSB端子が2つ、コンボジット端子出力が可能なピンジャックと音声出力用のピンジャックがあります。なおUSB端子はメモリーを挿してデータ等を読み込むのが主とした使い方ですが、給電はプロジェクターの電源がOFFでも続けられるので、ChromecastやFireTV Stickなどのドングルを使用する場合には便利です。

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天板はアルミ製で質の良いものになっています。ダイヤモンドカットも施されており価格以上のデザイン性を有していると言って良いでしょう。

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本体裏側には天吊り用のネジ穴と、本体の投影角度を調整するパーツがついています。

本体が小さくて軽いので据え置きタイプのプロジェクターとしては可搬性や設置性に優れていると言ってよいでしょう。また、ボタンなども少なくすっきりしたデザインも好印象。低価格帯のプロジェクターとしては満足の行く筐体に仕上がっていると思います。

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また、以前レビューしましたminisforumのPCなんかも相性抜群です。親子みたいでかわいいんですよね。

3.使用感

ソフトウェア

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画質調整は「色温度」に加え、「コントラスト」「明るさ」「カラー(色の濃さ)」「シャープネス」の設定が可能です。グレーアウトされている「色調」は私がチェックする範囲では操作できませんでした。

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USBメモリーからのデータ読み込みはテキストの文字化けはあるものの、他は特に問題なく使用出来そうなものでした。(恐らく以前レビューしたRigal RD-819と内部ソフトはほぼ同じ)

なお、USBメモリーはFAT32形式でフォーマットされている必要があるようですね。

レンズ

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ガラスレンズを採用しているとは思うのですが、この点は価格相応です。正直RD-819の方が良かったかなと。4隅はやや照度が落ちるのと、拡大率が大きいからなのかもしれませんが歪みも多少発生します。ただ目くじらを立てなければ気になるレベルではありません。

リモコン

思った以上に下方向からの反応が良いですね。赤外線を用いたリモコンだとは思いますが本体側の受信範囲が結構広いように思います。現在プロジェクタースタンドの支柱にNatureRemoを取り付けて電源のON・OFF操作をしているのですが、プロジェクター台によって本体の赤外線受信部は隠れているであろうにもかかわらず動作は全く問題なし。不思議です。

なお、HDMIのCECには非対応です。

音質

スピーカーは実用品の範囲。ただ2万円クラスだとこの「実用品の範囲」でも納得感は十分あります。可能であれば別途スピーカーを用意したいところですが「内容は聴きとれる」し、「スピーカーが無くてもひとまず我慢できる」レベルではあります。音量そのものは結構大きいので、10名程度で使用するような会議室で映像を投影したい、というレベルであれば事足りると思います。

画質

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ここが一番大事なのかなと。物理解像度でFHDを有しているだけあって、精細な映りです。また、4K入力対応というのも良いですね。FHDであったとしても元ソースが高解像度だとより美しい映りだと感じます。また、補正に伴う画質低下もそれほど気になりません。「言われなければ分からない」レベルかと思います。

例によってスクリーンは無い視聴環境(壁紙がブルーグレーなのも同じ)ですが、この環境での画質設定に関して言えば黒潰れと白飛びのどちらかを常に選択しなければいけない歯がゆさはあります。ただこの価格帯であれば期待以上の表現は出来ているように思います。

色の表現そのものは設定を煮詰めれば大手メーカーのプロジェクターと比較してもそう相違ないクラスに持っていくことは出来る素性を持っています。もし他にモニターやテレビなどがあれば、それをベンチマークに細かく設定をしてみてもいいでしょう。

参考までに私である程度調整をしたSONYのKJ-49X9000Fと比較した画像(右下がKJ-49X9000F)をいくつか掲載しておきます。壁紙の色からプロジェクターがやや不利ですが、それでもやや緑被り、赤の発色がやや弱いことを除けば「比較しないと違和感が出ない」レベルの色調性能を発揮しています。
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暗部表現についても一応比較しています。以下は1枚目と2枚目がKD-49X9000F、3枚目がLC650です。看板の右側に建物が映っていますが、LC650も何とか表現が出来ています。1枚目がカメラ設定をデフォルトのまま撮影したのに対し、2枚目はプロジェクターの照度とテレビの映りが近くなる形で撮影したものです。プロジェクターの照度基準で見れば「そもそもあまり見えない」箇所ではあるので一応描写が出来ている、という風に考えれば及第点かなと。

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なお、明るさについては設定で数値を上げるとかなり白浮きします。
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写真はカーテンを開けた状態の日中で撮影したものです。仮に白浮きを我慢して数値を上げても、画像を見れば分かるようにさすがに外光の入る環境で使うのは難しいですね。窓を閉めた室内であればライトを付けていても何とか視聴が可能、といったところです。

この写りであればスクリーンを用意してもいいかな、と思うレベルです。遅延が気になると言ったこともありませんし、ゲーム用に使用することも可能でしょう。

その他

動作音は扇風機の「やや強」位でしょうか。ただファン口径の関係上多少高めの音ではありますね。スピーカーで音を流したりノイズキャンセリングヘッドホンを使用する視聴であれば気になるレベルではありません。プロジェクターとしては静かな部類なのだと思います。ただこれはファンの回転数を下げている可能性もあります。

Amazonのレビュー等で一部耐久性を懸念する書き込みがありますが、設置場所や照度設定も含め「温度的な無理をさせない」ことは必要かもしれません。今のところ耐久性に係る不審な様子はありませんが万が一何かあればこの記事に後日付記しようかと思います。

4.まとめ

APEMAN LC650はAmazonで購入が可能です。12月18日現在、価格が16,999円。更に3,000円OFFとなるクーポンも配布されていますから、ほぼ14,000円で購入が可能です。物理解像度FHD、入力可能な解像度が4KのプロジェクターとしてはBanggoodの製品も真っ青なレベルで破格です。

画質面では大手メーカー品と比較しても肉薄できるくらいの質を備えています。また、静音性、音質、筐体の質のいずれも目立った欠点はなく、4軸台形補正機能まで備えている等、性能面でもかなりハイレベルだと言っていいでしょう。光学部品も密閉されており、保証も3年をうたっています。耐久性さえあれば長期使用にも十分耐えられる内容です。

最近はPoppin’ Aladin等をはじめプロジェクター界隈が賑わいを見せていますが低価格で高画質なものが欲しい、ということであれば私が調べる限り「ほぼ筆頭候補」と言っていいんじゃないかな、と思っています。

年末年始に映画鑑賞やゲーム三昧な日々を過ごされたい方は1台いかがでしょうか。おススメです。

5.関連リンク

APEMAN LC650 : Amazon

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