こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は「60%サイズ」のメカニカルキーボード「Anne PRO Bluetooth メカニカルキーボード」の実機レビューです。先日の「Banggood 11周年セール」で購入しました。メカニカルキーボードは日本のAmazonなどでも安価に購入できるようになりましたから、あえて並行輸入品を購入する必要はない、といえばそうなのですが、この製品はサイズがコンパクトでデザインもよく、以前からかなり気になっていましたし、日頃お世話になっているBanggoodの創業記念セールということもあるので、ささやかながらBanggoodの売上に貢献しよう、という気持ちもありました。
1.概要
サイズ: 288 x 108 x 38 mm / 580 g(実測値同じ)
方式: Bluetooth/USB有線
スイッチ: メカニカル 青/赤/茶
キー: 英語配列 61キー
筐体色: 黒/青/白/黄
この製品はいわゆる「60%」と呼ばれる、テンキーレス、それだけではなく本来必要と思われるキーまで省略したコンパクトなメカニカルキーボードです。重量は580 gとやや重いものの、携帯性もある程度確保されており、「モバイルできるメカニカル」です。また、軸色も青、赤、茶の3色から選べます。ただし、スイッチはCherry MXではありません。PCとの接続はBluetoothとUSB有線接続の両方に対応しており、私のように「Bluetoothのキーボードはちょっと…」という人にも、「Bluetoothでメカニカルキーボードを使いたい」という人にも向きます。
2.筐体
同梱物です。マニュアル類は一切なく、キーボード本体、有線接続用のmicroUSB(オス)- USB(オス)のケーブル、キープラー(キーキャップを外すときに使います)、Bluetooth用の子機(USB子機ではありません。Bluetooth非搭載のPCに接続するときに使います)のみでした。マニュアルはBanggoodの製品ページにURLが掲載されており、そのURLにアクセスしてダウンロードします。
キー配列です。キーキャップはフルサイズ、キーピッチは測定していませんがデスクトップ用のキーボードとほぼ同じだと思います。筐体サイズが小さいので、キーが大きく見えますよね。
配置のほうは特殊ではありませんが、必要なキーがない、もしくはFnキーと同時押しというパターンが多いです。例えばDeleteキーは「Fn + /」、F1などのFキーも「Fn + 数字」の同時押しになります。後述しますが私がこのキーボードで「最大の難関」だと感じたのが「方向キーがない」ことです。方向キーもFnキーと同時押しで、例えば「→」は「Fn + L」となります。あと、私が多用する「PrtSc」は「Fn + \」です。
キートップは曲面になっていて少しざらついた加工がなされています。テキスト入力時の感覚というかサイズ感はデスクトップPC用のキーボードとほとんど変わりません。
左右の側面です。ポート類は何もありません。私は黄色を選びました(実は「買うなら黄色」とずっとまえから決めてました)が、ケース部分が黄色、キーは白という配色です。
上側面です。こちらには充電および有線接続の際に使用するmicroUSBポートがあります。ちなみに充電ランプのようなものはなく、バッテリー残量を目視で確認することが出来ません。キーボードなのでバッテリーはそれなりに長持ちすると思いますけど、何回か充電切れにしてみないと感覚はつかめないでしょう。
下側面です。こちらにはポート類はありません。この画像を見ればわかりますが、「高さ」があります。なので、テーブルとかデスクからキーボード面との段差は大きめになります。手持ちのFILCOのメカニカルキーボードとほぼ同じくらいの高さです。私は少し使ってみて慣れることが出来ましたが、人によってはパームレストが欲しくなるかもしれません。ちなみに私もFILCOのキーボードを使う際にはパームレストを使っています。
底面です。なんかポップな感じがするでしょ?私このデザインがすごく気に入ってしまったんです。真ん中にメーカー名である「obins」のロゴが大きく入っています。白い三角はゴム足です。筐体素材は硬質なプラスティックで、高級感はありませんが、この製品のデザインによく合っていると思いますし、しっかり感(剛性感)もあります。
サイズ感の説明のため、5.5インチのスマホ、そしてウインタブの常連メンバーとなった子と比較してみます。288 mmという長さは10インチタブレットよりも少し大きいくらいで、一般的な13.3インチのモバイルノートよりはずっと小さいサイズとなります。
手持ちのFILCOが赤軸なので、今回は青軸を選びました。もちろんスイッチはCherryではありませんけど、青軸らしく軽快でクリック感のあるものです。
3.設定など
この製品はAndroidとiOS用に設定アプリがあります。Androidの方はGeeogle Play非経由の、いわゆる「野良アプリ」、iOSの方はAppStoreに出品されています。アプリではバックライトの色やイルミネーションの設定、キーマッピングの変更(自由にできるわけではありません。Mac用のマッピングを含め、3種類から選ぶことになります)、マクロキーの設定が可能になっています。ただねえ、どうせならパソコンで使える設定アプリを用意してほしかったですね。私はマクロキーなどは使わないので、このアプリに頼ることもないと思いますけど。
ちなみに、バックライトの設定変更は「Fn + U」でも出来ますし、バックライトの明るさ調整は「Fn + Y」、バックライトのオン/オフは「Fn + R」で操作できます。画質が良くなくて申し訳ありませんが、一応バックライトの設定変更を動画にしてみましたのでご覧ください。
個人的にはキーボードのイルミネーション機能は全然必要とは思っていませんので、バックライト色を白く、明るさを暗めにして通常のバックライトとして使っています。
4.使用感
メカニカルキーボードとしての品質は高いと思います。私は日常的に赤軸のメカニカルキーボードを使っていて、雰囲気を変えたいと思ったのでこの製品では青軸を選んだので、他の青軸キーボードと比較してどうか、ということに関しては適切な評価ができません。
そんなわけで、どうしても個人的な感想になってしまうのですが、打鍵感は非常に素晴らしいです。押下圧はやや大きめ、つまり青軸としては少し重いほうだと思います。また、「青軸ってそんなもの」なんでしょうが、しっかり押下しないと正しく入力が出来ません。この辺はいつも使っているFILCOの赤軸よりは少しだけシビアかな、と思いました。
テキスト入力に関しては、コンパクトなサイズとは思えないほど快適で、サイズを理由としたミスタイプは皆無と言っていいくらいです。
やっぱりキーの数は少ないですね。どう考えても足りない。特に方向キーがFnキーと同時押し、というのは厳しいです。実はこの記事はレビュー機を使って書いてまして、それなりにこの製品に慣れてきてはいます。そして、方向キーについても慣れました。でも、慣れても入力速度は一般的なキーボードよりも遅いですね。方向キーが必要な場面(要するにテキスト入力時の「カーソル送り」ですね)になるとスピードダウンしちゃいます。慣れることによってストレスは軽減されますが、方向キーのところで「リズムが狂う」感覚はいまだに残っています。もう少し使い込んでいくとさらに快適になると信じていますが、個人的にはこの部分はまだ辛いままです。
打鍵音は青軸なんで覚悟が必要です。この製品はモバイル用にも使えるように、という意図で購入しましたが、使う場所を選ぶ、というのは間違いありません。参考までに打鍵の様子を動画にしてみました。演者は「スマホで1日に1.5GBの通信量を使い切る女」である上の娘です。もっともらしく打鍵していますが、単にランダムにキーを押しているだけです。
このように、「めちゃめちゃ気持ちいい」打鍵感が得られる代償として、打鍵音がかなり大きくなってしまう、というのはあります。ちなみにこの動画の演者は「このキーボード、すごく打ちやすいし、気持ちいいね。なんで?」と言ってました。
5.まとめ
Anne PRO Bluetooth メカニカルキーボードは中国の通販サイト「Banggood」で販売中で、9月24日現在の価格は79.99ドル(9,200円)です。はっきり言ってこの価格は日本のAmazonなどで購入できるメカニカルキーボードと比較しても決して安くはありません(もちろんFILCO、Razerといった高評価の有名メーカー品よりは安いです)。BluetoothとUSB有線の両方の接続方式に対応していることを考慮しても、やはりそんなに安いとは言えません。
私がこの製品を購入したのはサイズ感とデザイン、というのが大きな理由です。デザインについては非常に満足しています。また、サイズについても当初モバイル用と考えていたものの、デスクで使うと「めっちゃ省スペース」ということに気づきまして、「据え置きで使おうか」と思っています。
使用感のところで書いたとおり、キー数が不足しているのはいかんともしがたいです。ただ、それ以外の品質は満点をあげたいくらいに気に入ってしまいましたので、しばらくのあいだFILCOにはお休みしてもらって、省スペースな自宅用据え置きキーボードとして使ってみようかな、と思います。
6.関連リンク(Banggood)
Anne PRO Blue/Red/Brown Switch RGB Wireless Bluetooth Mechanical Gaming Keyboard
コメント
横から見た感じがバニラのモナカみたいでカワイイというかなんというか
食べたくなりますねw
alphaさん、こんにちは、コメントありがとうございます。はい、私も同じようなことを考えました。しかし、あれからしばらく使っているけど、やっぱり方向キーがFnと同時押しなのがつらいままです。
私が昨日発掘したMacintoshのキーボードに近いですね〜
Chloéさん、こんにちは、コメントありがとうございます。発掘、というのはレアモンなのかな?
私は仕事場のデスクトップ用キーボードとしてCenturyから発売されている日本語配列、60%キーボードのBlack Queen Silent Red軸を愛用しています。
http://www.century.co.jp/products/ck-63cmb-srjp1.html
この製品もレビューされている製品同様、カーソルキーが省略されておりFnキーとの同時押しです。
使いはじめて1ヶ月程度経過したころにはすっかり省略されたカーソルキーになれ、むしろラップトップPC使用時には通常のカーソルキーまで手を伸ばすのが億劫になり、キーマップの変更とAuto Hot KeyでBlack Queenと同じようにカーソルキーを入力できるように変更して使用しています。
60%キーボードを愛用している人が周りにいないのですごく親近感を感じます。
メイン使用とまでは難しいかもしれませんがAnne PROを末永く愛用してあげてください。
コウジさん、こんにちは、コメントありがとうございます。60%キーボードって、デスクで使うと省スペース性がすごいですよね!ただ、まだ私方向キーがFnキーと同時押しというのに慣れてません。