こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。以前読者レビュアーをつとめていただいた「ムネヤス」さんが、最新タブレットを購入され、レビューを投稿してくれました。10.1インチサイズでワコムのデジタイザーを搭載する「LIVA TE10EA3」なのですが、この製品は現状ウインタブでは実機レビューをすることができない上、イラストを描かれる方の目線でレビューしていただいており、読者のみなさんには大変有益な情報になると思います。ムネヤスさん、ご投稿ありがとうございました!
1.はじめに
ウインタブを御覧の皆様、お久しぶりです、以前「Jumper EZPad 5SEのレビュー」をさせていただきましたムネヤスです。現在も「Jumper EZPad 5SE」は元気に動いているのですが、やはり新製品も気になる常日頃。しかもそれがワコムデジタイザ付きとなると試さない訳にはいきません。
というわけで4月22日発売の新製品「LIVA TE10EA3」を好奇心から購入しましたので、ウインタブ様に場を借りましてレビューしてみたいと思います。ちなみに「LIVA TE10EA3」にはストレージの容量差で2バージョンあり、自分が購入したのは128GBの方になります。
2.筐体及び同梱物など
箱です。防塵防沫を謳い文句にするだけあって(?)ディスプレイに水。ストレージ容量については裏側にシールで記載があります。
同梱物は本体(スタイラス内蔵)、キーボード兼カバー、ACアダプター(USB Type-C接続)、USB Type-A(メス)- USB Type-C(オス)変換ケーブル、キーボード充電用ケーブル、クイックガイド、です。
ウインタブ様のプレビューの通り、左側面、ポート類はカバーで保護されています。右側面には何もありません。上面には電源ボタンとペンスロット。本体側面は黒ですが背面はダークグレー、ともにプラスチック。高級感はありませんが金属筐体は冬に冷たいので自分はプラスチック筐体は好きです。
またディスプレイには一応最初から保護フィルム的なものが貼られていますがツルツルの光沢仕様。ホコリを噛んで気泡もあるので張替えは必須でしょう。
キーボードはやはり特殊な配置です。右側の Shift や Ctrl キーなどが無く、また妙なところに「¥キー」が。あとトラックパッドの左右のクリックボタンがペコペコ軽い感じで頼りないです。
ただこのキーボード、Bluetooth接続であり、それが購入理由の1つだったりします。物理接続ではないので配置が自由で、絵を描く際に本体の手前にも横にも置けるという、ショートカットキーを多用する絵描きにとってありがたい仕様なのです。
しかし吸盤…立てたままタッチ操作などをしているとプチプチと外れてくる音がします。絵を描くときには寝かせているのでいいんですけど。
3.ペンについてそこそこ詳しく
本体右上に収納されているペンです。かなりキツく収まっているので、ひっくり返しても落ちる心配はありません。が、ご覧の通り細いです。1cm未満の厚さの本体に収納しているので仕方ないですが、今回描いている途中で折れないか心配でした。もちろん折れませんでしたけど…。
太さは「Jumper EZPad 5SE」のペンと同じくらいです。実際ペンスロットに「Jumper EZPad 5SE」のペンがちょうどいい感じに入ります。5SEの方が短く、抜けなくなるので奥まで押し込まないように注意してください(笑。
モノとしてはワコムが他メーカーに提供する、おなじみ「feel IT technologies」です。試してみたところ「Jumper EZPad 5SE」や、「Digitizer STYLUS PEN for IBM LENOVO」「WACOM Bamboo Smart for Samsung Galaxy Note CS310UK」のペンも使えました。ただし…やはりペンの性能には大きく差があります。
「LIVA TE10EA3」のペン、筆圧の変化に柔軟に対応してくれます。細いのにすっごーい!そして以前のEMR(電磁誘導方式)ペンでは画面端でペン先からカーソルがズレるのが定番でしたが「LIVA TE10EA3」はズレがとても少ないです。
右上の小さな「閉じるボタン」も余裕で押せます。他のペンについても座標調整をすることでより精度を上げることができます。ただ、まだワコムからドライバは提供されていないようなので、とりあえずリンクだけ…。
Wacom feel IT Technologies搭載モバイル端末用筆圧対応ドライバについて:ワコム FAQ
なのでペンの座標調整はコントロールパネルの「タブレットPC設定」から行うしかありません。
その「結果」は実際に描いたイラストを見て判断していただきたいと思います。
4.SAI 2 で描きました
前回の「Jumper EZPad 5SE」同様、atomに「Clip Studio Paint」はキツイと思われるので最初から「SAI 2」で行きます。また前回はペンを追加購入しましたが、今回は標準添付のペンのみで描いています。
ラフから仕上げまでカンバスサイズ固定の「B5(JIS)、350dpi、2,508 x 3,541 pixel」で作画しています。流石にA4はキツイかなと思ったのでB5を選んだのですが、操作は終始軽快でモタつくことはありませんでした。レイヤー数の節約もしたとはいえ、これは素晴らしい。途中いくつかレイヤーの結合もしていますが最終的にPSDに残してあるのは以下の通りです。ファイルサイズは87MBでメモリ使用量にも余裕があります。
5.その他少々
バッテリー100%充電から47%に減るまで、画面の明るさ75%でおよそ2時間45分。0%まで使い切るのは怖いので、連続使用5~6時間といった感じでしょうか。モバイル液タブとしては十分すぎるでしょう。
また気になった点としては、充電中に本体コネクタ周辺が熱くなります。作画中は本体右下周辺が熱くなります。触れない温度ではありませんが、夏は気になるレベルです。扇風機で風を本体に当てながら描きたい感じですね。
6.最後に
おすすめポイントとしては、スタイラスペンとキーボードが標準添付で必要なものが一通り揃っている点。キーボードがBluetooth接続で配置が自由である点。何よりディスプレイの解像度が 1,920 x 1,200(WUXGA)と、通常のFHDに比べて縦に120ドット広い点。ブラシオプションやレイヤーがより多く表示できます。
あと輸入の手間や心配がないのもいいですね。その分値段も、同程度のスペックの中華タブに比べて倍な感じですが…。32GB版で約45,000円、128GB版が約60,000円…ポイント還元で安くなるお店もあるので価格.comなど見ていただくとして。
モバイルお絵描き用サブマシンに、または本格的な絵描きPC一式揃える予算はないけどデジ絵が描きたい人に。そしてもちろん新しモノ好きの人に。おすすめなデバイスではないでしょうか?ペンの性能、良いですよ!
7.関連リンク
TE10EA3:リンクスインターナショナル 製品紹介
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