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デスクトップ向けRyzen 5000・4000シリーズの追加モデルが正式発表!- ただし、まだ未発表のモデルの噂もあります

デスクトップ向けRyzen 5000・4000シリーズの追加モデル
こんにちは、近郊ラピッドです。以前ご紹介したRyzen 5000シリーズの追加モデルが、AMDから正式に発表されました。Ryzen 5000シリーズの追加モデルは、既に発表されていたRyzen 7 5800X3Dを除くと、Ryzen 7 5700X・Ryzen 5 5600・5500の3モデルとなっています。

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また、Ryzen 4000シリーズも3モデル追加されています。OEM市場限定だったRyzen 5 4600Gが自作PC市場向けに販売が開始され、更にRenoir-Xと呼ばれていたモデルの内、2モデルが追加される形となっています。なお、この記事はデスクトップ向けCPUの記事です。ご注意ください。また、後述する未発表モデルの件に関しては、AMD社や関係各社に問い合わせる事の無いようにお願いいたします。

1.発表モデルの概要と考察

Ryzen 5000シリーズ

デスクトップ向けRyzen 5000・4000シリーズの追加モデル
この3モデルはスペックどころか価格までリーク情報と同じでした。また、以前の記事には記載していませんでしたが、この3モデルは4月4日に投入されるというリーク情報もありましたので、投入時期もリーク情報通りだったということになります。

リーク情報ではZen 3ベースCPU・VermeerとZen 3ベースAPU・CezanneのiGPU(内蔵グラフィックス)無効化版が混在するという話でしたが、実際に発表された情報からしても混在しているのは明らかとなっています。

5500はPCIeが3.0までの対応でキャッシュも少ないため、明らかにZen 3 APU・Cezanneベースとなっています。一方で5600と5700XはPCIe 4.0対応でキャッシュも多くなっているため、Zen 3 CPU・Vermeerベースとなっていることが分かります。

Ryzen 4000 シリーズ

デスクトップ向けRyzen 5000・4000シリーズの追加モデル
今回はRyzen 5000シリーズだけでなく、Zen 2ベースAPU・Renoirをベースとした製品も追加されています。OEM限定だったRyzen 5 4600Gが自作PC市場向けにも販売されることになり、更にiGPUの無効化された製品も2モデル追加されました。

ちなみに、RenoirのiGPUが無効化されたモデルは、以前のリーク情報では「Renoir-X」と呼ばれていました。既に2022年1月の時点から存在すると言われていましたが、今回の発表でRenoir-Xが本当に存在する事が明らかとなりました。

Ryzen 4000シリーズもスペックや価格、登場時期までVIDEOCARDZ.comのリーク情報そのままでした。

考察

今回投入されるRyzen 5000・4000シリーズの製品は比較的価格が抑えられており、特に4000シリーズはかなり安くなっています。ただ、既にAlder LakeやZen 3 CPUが販売中であることを考えると、Zen 2ベースの製品はこの程度まで価格を下げないと競争力に欠けるのかもしれません。

Ryzen 5 4600Gは内蔵グラフィックスで十分な場合にはお買い得なAPUだと言えます。6コア12スレッド、しかも比較的強力な内蔵グラフィックスが搭載されているにもかかわらず、154ドルで販売されるという点が強みとなりそうです。

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ただし、Zen 2ベースのため、シングルスレッド性能はあまり高くはありません。外部GPUを搭載することを検討されている場合はZen 3ベースのRyzen 5 5500を購入する方がお買い得だと思います。

一方で、Ryzen 5 4500やRyzen 3 4100は内蔵グラフィックスがありません。そのため外部GPU搭載のPCを自作したい方向けの製品となっています。ただ、Zen 2ベース製品のため、2022年となっては少し控えめな性能となっています。価格を考えると、この辺りは割り切る必要がありそうです。

Ryzen 5000シリーズの3モデルは、いずれも比較的安価であり、Ryzen 5000シリーズの中でも人気を集めるモデルになるのではないかと思います。個人的にはRyzen 7 5700Xが一番お買い得のように感じます。TDP 65WでZen 3ベースの8コア16スレッドというスペックは多くの方にとって丁度良いのではないかと思います。安価なマザーボードと組み合わせて、コストパフォーマンスの良いPCを自作することができます。

競合のIntelのCore i5-12600KFやCore i7-12700Fも競争力がありますが、安価なマザーボードの選択肢の多いRyzen 7 5700Xも競争力があるため、人気が出そうです。

一方で、Ryzen 5 5600やRyzen 5 5500は、200ドル未満と安価になっていますが、Intelもこの価格帯はCore i5-12400F(日本では税込22,380円程度、米国BestBuyでは2022年3月現在179.99ドル)等、競争力のある製品を投入しています。

この価格帯は元々Intelの競争力が高く、また近年のIntel Coreの弱点であるピーク時の消費電力の高さも抑えられていて扱いやすくなっている製品が多くなっています。また、この価格帯のCPUは電源回路の強化された高価なマザーボードを必要としていないため、マザーボードの価格が高い印象のあるAlder Lakeでも比較的安価なマザーボードを選択することができます(それでもRyzen用の安価なマザーボードに比べれば高いですが、少しずつ価格は下がりつつあります)。

そのため、Ryzen 5 5600は、これから新規にパーツを揃えて自作PCを作る方よりも、既にRyzenのシステムやRyzen 5000シリーズ対応マザーボードを持っている方に向いていると言えます。一方で、Ryzen 5 5500はキャッシュの少ないCezanneベースになっている代わりに159ドルとCore i5-12400Fよりも安価な価格帯となっているため、かなり手頃になっています。そのため安価なBTO PCや自作PCに使いやすいCPUとなっていると言えます。

2.未発表モデルがまだ存在するとの噂も

今回はRyzen 7 5800X3Dを除いて合計6モデルが発表されましたが、リーク情報によるとまだ未発表のモデルがあるようです。

まだ未発表のモデル コード名
Ryzen 7 5700 Cezanne
Ryzen 3 5100 Cezanne
Ryzen 7 4700 Renoir-X

引用元:
AMD preparing the last batch of new Ryzen CPUs for AM4 socket:VIDEOCARDZ.com

この3つのモデルも2022年4月に発売されるとされており、いずれも安価なモデルになると思われます。5700や4700は8コア16スレッド、5100は4コア8スレッドになるとされています。ただし、リーク情報のため、これらのCPUが本当に存在するかどうかは不明です。また、すべてiGPUの無効化されたモデルになっていると思われます。APUベースのためTDPは65Wになるでしょう。

もし発売されるとすれば、安価な8コアCPUが登場することとなり、今まで以上に8コアCPUなどのコア数の多いデスクトップ向けCPUが普及する事になりそうです。ただし上記の製品は全てAPUベースのCPUで、キャッシュが削減されているためゲーム性能は少し控えめにはなりそうです。

3.終わりに

今回は、AMDの発表したRyzenの追加モデルと、まだ未発表のモデルの噂についてご紹介しました。高価なモデルの多かったRyzen 5000シリーズですが、「春のキャンペーン」による値引き販売や追加モデルの発表によって入手しやすくなってきました。

現在、IntelもAMDも競争力のある製品を投入しており、今年の後半にはRaptor LakeやZen 4 CPUも登場する予定となっています。そのため、個人的には今後もCPU市場からは目が離せない状況が続きそうだ、と感じています。

4.関連リンク

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