先日、楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT V」を契約しました。私の場合、コロナの問題もあって自宅で過ごす時間が長く、したがってモバイルデータの通信量も低めな状況ですし、東京都の郊外に住んでいるため、まだしばらくの間5G通信も利用できそうにないのですが、ウインタブを運営している関係上、さすがに5Gが使えるデバイスとモバイル通信環境は確保しておきたい、と考えました。その後ドコモから「ahamo」という格安な通信プランも発表されましたので、Ahamoとの比較にも言及しつつ、Rakuten UN-LIMIT Vについて、自分の意思決定プロセスを交えながらご説明します。
1.タダで1年間使える!
ま、これですよね。4G・5Gがデータ(通信)使い放題で1年間無料、1年経過後は月額2,980円(税込み3,278円)、しかも専用アプリのRakuten Linkを使えば電話も無料です。私の場合、冒頭に書かせていただいたとおり、現状だと「データ使い放題」のニーズはありません。自宅で過ごす時間が長いので自宅のWi-Fiを使う機会が多いのと、通勤をしていないので通勤時間もありませんから。また、スマホとは別に仕事用にモバイルWi-Fi(データ通信用のWi-Fiルーター)も契約しているので、気分転換にカフェなどに行って作業する際はこちらを使っています。ただし、電話は必要です。電話の使用頻度はかなり低いのですが、名刺に携帯電話番号を印刷していて、週に何度かはスマホに着信があります。
ということで、データ通信量のほうはあまり気にしていませんが、「なにしろ1年間タダ」というのが効きました。また、
●契約事務手数料無料
●SIM交換・再発行手数料無料
●MNP転出手数料無料
●Raluten Linkアプリで国内通話無料
●契約解除料無料
というのも大きかったです。通常、MNO(ドコモ、ソフトバンク、au)かMVNO(いわゆる格安SIM)かに関わらず、新規契約、あるいはMNPによる転入の場合、契約事務手数料がかかります(税込み3,300円というのが多いと思います)が、楽天モバイルは契約事務手数料がかかりません。MNP手数料は有料ですが、これは楽天モバイルに支払うものではなく、転出元(もとのキャリア)に支払うものなので、楽天モバイルに「タダにしろ!」とは言えません。ちなみに私は旧FREETEL(現・楽天モバイルのMVNO)と契約していたので、MNP手数料はかかりませんでした。
SIM交換手数料が無料、というのはいまのところニーズはないのですが、この先eSIMに変更したいとか、逆にeSIM端末(Rakuten BIGがそうです)を買ったが、機種変更をしてnanoSIMが必要になる、というケースが想定されますので、「あったほうがうれしい」サービスではあります。
「国内通話無料」についてはIP電話アプリRakuten Linkを使用する前提です。IP電話なので通話品質が不安と感じる人もいて、ここは何とも言えませんが、少なくとも私が数回使用した限りだと特に支障は感じませんでした。電話をかける頻度が多い場合には心配かもしれませんが、仕事用に使わない場合、みなさんLINE電話などを使うケースが増えていると思いますので、その限りではあまり心配いらないでしょう。つまり、素直に「タダで電話できる」という理解でいいと思います。
それと「契約解除料無料」です。ただ、ここは私の理解不足もあったのですが、既存契約ではなく現状の契約条件だとドコモ、au、ソフトバンクも従来の「2年縛り」は廃止され、契約解除料も無料、あるいは1,000円という低額なものになっているため、特段楽天モバイルが優位、というわけではありません。
後述しますが、総務大臣がいろいろ吠えていて、ドコモからもahamoという格安プランが登場(サービス開始は2021年3月)し、他社もこれに追随するであろうことから、この先通信料金はさらに下がっていくと思います。なので、いま楽天モバイルにしておくと、通信品質を自分で見極めつつ、1年間の猶予が得られる、というのはありますね。
楽天モバイルの料金プランはこちらをご覧ください。
料金プラン:楽天モバイル
2.狭いエリアとパートナー回線
この画像はBusiness Insiderから引用しています。
3分でわかる、ドコモ“格安”新料金「ahamo」の月額2980円・20GBがすごい理由…注意点は?:Business Insider
やはり気になるのは「ahamo」ですね。Rakuten UN-LIMIT Vと同価格で、月間にドコモ回線のデータ通信20GBが使え、ドコモ回線の電話が1回あたり5分まで無料、表にはありませんが契約事務手数料・MNP転出手数料・契約期間の縛りなし・契約解除料が「無料」なので、Rakuten UN-LIMIT Vに全く遜色のないお得さです。
それと、ここでRakuten UN-LIMIT Vのウイークポイントが出ています。Rakuten UN-LIMIT Vは確かに「データ使い放題」なのですが、それはあくまで「楽天回線」を使用した場合に限られます。楽天回線のエリア外だとパートナー回線(auの回線)を使用することとなり、この場合は「月間5GBまで」に制限されます。
これ、私の自宅を含む東京西部の地図です。濃いピンクが楽天回線エリア、薄いピンクがパートナー回線エリアです。私の自宅はパートナー回線エリアになっていました。一応予定では2021年2月に楽天回線エリアになるということですが、話半分に「ゴールデンウイークくらいにはなんとか…」と思っています。
ちなみにこちらが私の故郷の地図。どうでもいいかもしれませんが私は地図中の「小樽駅と南小樽駅の中間くらい」のところで育ちました。なので現時点ですでに楽天回線エリアですね。これはちょっと意外…。ずっと小樽にいたほうが良かったかもしれん。
こちらは東京と神奈川の5Gエリア。めちゃめちゃ少ないです。私は世田谷の住所はよくわかりませんが、おそらく楽天の本社(二子玉川)の周辺で5G通信が可能と思われますので、5Gのテストをするために二子玉まで行く必要があります。
まあ、現状5Gは他社でもごく限定されたエリアでしか使えませんので、楽天モバイルだけダメ、ということは言えませんが、私の自宅に5Gが来るのは結構先の話で、当面は電車で検証しに行く、という感じになりますね。
ということで、データ通信に関しては、楽天回線のエリア内の人は「使い放題」、そうでない人は「いまのところ5GBまで」となる点に注意が必要です。ただ、この地図を見る限り、例えば「東京の中心部に通勤している人」だと、通勤時間内は楽天回線が使える可能性が高くなっていますので、その場合は5GB以上使えると思います。
それともう一つ、「容量超過後の通信速度」ですが、「1Mbps」です。以前よく見かけた「超過後は100kbps」じゃありません。1Mbpsであれば、そんなに快適でもないけど、そこそこは使えるくらいの速度です。楽天モバイルの説明だと、「YouTubeの普通画質(おそらく360pくらいを指していると思います)なら見られます」とのことでした。読み込み時間は多少かかると思いますが、Webサイトの閲覧も常識的なレベルで可能でしょうし、LINEのメッセージ交換やメールの送受信もできると思います。ここはAhamoなど、他社プランでも一緒ですね。
楽天モバイルのエリアについては、こちらをご確認ください。
通信エリア:楽天モバイル
3.対応スマホに注意!
Rakuten UN-LIMIT Vを契約するにあたり、「なんか5Gスマホを買わなくちゃ」となりました。冒頭に書かせていただきましたが、私の場合は5Gを試せる環境を確保したい、というのがそもそものニーズでしたから。
でね、「自腹で買うなら思い切ってXperia 1 Ⅱにしようか」と思ったんですよ。かなり高額ですけど、欲しかったんで…。でも、楽天モバイルの「対応製品リスト」にXperia 1 Ⅱはありませんでした。Xperia 1ならあるんですが、5G対応もしていませんしね。
次に、いつもお世話になっているASUSのZenFone 7にしようと思いました。「ああ、忘れてた、Xperiaより先にZenFoneじゃん!」とテンションを上げてみましたが、やはり楽天モバイルのリストにZenFone 7はなく、念のためASUSに直接問い合わせたところ、「現時点で楽天モバイルには対応していません」とのお返事。うーん、ZenFone 7もダメなのかあ…。
最終的に購入したのがこれ、Pixel 5です。「この製品は楽天モバイル公式スマートフォンです」と記載がありますので、大丈夫ですね。ただし、Pixel 5は「12月以降に5G対応予定」という説明がありました。
楽天モバイルではスマホの販売も行っていて、この春に話題となったRakuten Miniのほか、5GスマホではRakuten BIGもあります。また、OPPOやSHARPのAQUOSなども選べます。
楽天モバイルの取り扱いスマホはこちらをご覧ください。
端末一覧:楽天モバイル
手持ちのスマホで楽天モバイルが使えるかどうかについて、最も安心なのはPixel 5のように楽天モバイル自体が太鼓判を押している製品です。そして、日本の通信バンドの大魔神「バンド1」は楽天モバイルでは非対応です。詳しくはこちらをご覧ください。
5Gに関してはさらに面倒で、一応「n77」なら使えるはずですが、私自身まだ5Gデビューができていない状態ですし、「なぜASUSはZenFone 7が楽天モバイルで使えないと言ったのか」が説明できません。正直なところ、5Gに関してはキャリアが動作保証していないと怖い、というのが現時点のウインタブの見解です。
また、楽天モバイル契約に先立ち、ライターのかのあゆさんに「あのスマホは楽天で5G使える?このスマホは?」と質問してみたのですが、さすがのかのあゆさんも楽天モバイルに関しては歯切れが悪く、というか情報の蓄積が十分ではなく「いやあ、楽天モバイルで販売、あるいは動作保証されている製品でないと不安です」と答えるばかり。
そんなわけで、手持ちのスマホが楽天モバイルで使えるか、また、市販のSIMフリースマホが楽天モバイルで使えるか、という点についてはウインタブとしてもあまり確証のあることは言えません。対応製品リストにある機種で、動作保証されているものを選ぶしかない、ということになるでしょう。
ちなみにRakuten BIGはミッドハイレンジでディスプレイサイズも大きく、5Gスマホとしてはおすすめです。私はこの先LTE対応PCやタブレットの実機レビューが円滑にできるよう「SIMの挿し替えをする可能性があり、eSIMしか対応しない製品だと困る」ので購入を見送りましたが、私のような事情がない人であればRakuten BIGにしておくのが安心かと思います。ちなみに上にご説明したとおり、eSIMからnanoSIMへは無料で変更できますので、新しいスマホに買い換えるときでも困りません。
なお、余談ですが後日、実機レビュー用に格安SIMを別途1つ契約しました。
お手持ちのスマホが楽天モバイルに対応しているかどうかは、こちらからご確認ください。
動作確認済み端末:楽天モバイル
4.まとめ
今回は通信回線の品質については言及ができません。なぜなら「まだパートナー回線でしか使えていないから」です。パートナー回線だと特に不満を感じていないというか、上り・下りとも10~15Mbpsくらいは出ていますね。今のところ、私の用途では不満なく使えています。5Gの品質や今回購入したPixel 5のレビューはまた後日書きたいと思います。
楽天モバイルのメリットとデメリットをざっくりまとめると
メリット:
●1年間無料(これが最強)、1年後も税抜2,980円/月
●契約事務手数料無料・契約解除料無料・期間縛りなし
●楽天回線なら5Gも含めデータ使い放題
デメリット
●エリアが狭く、都市部以外はパートナー回線(上限5GB)
●スマホの機種選びに制約がある
●回線品質が不透明
ということになると思います。特に注意していただきたいのは「楽天回線エリア外で、毎月5GB以上のモバイルデータ通信をしている人」ですね。逆に楽天回線エリア内にお住まい、あるいは近日中にエリア内になることが見込まれる地域にお住まいの人であれば「1年間無料」を理由として契約する価値は大きいと思います。また、Ahamoなど他社の格安プランの状況をにらみつつ、無料期間内は様子見する、というのもいいでしょう。
まだ判断がつかない、という人なら、MNPをせずにRakuten UN-LIMIT Vを新規契約し、手持ちのサブスマホが楽天回線対応ならそれを使い、そうでなければRakuten Miniを購入(一括払いで17,000円、8,000ポイント還元)して試してみるのもいいかもしれません。「1年間無料」というのを有効活用しましょう。
5.関連リンク
Rakuten UN-LIMIT V:楽天モバイル
コメント
rakuten miniのバンド変更なんかがありましたからね
楽天は様子見でした
ahamoも他社が追従してきますし、まだ様子見で
一応申し込みはやっておくかな?といった感じですね
サブ回線として新規で契約して、いつ無くしても良いくらいの気持ちでないと危険すぎますね。
kakaku.comのRakuten Miniで荒れてますが…
1.決してメイン回線で使ってはいけません。楽天回線エリア(Band3)が増えてauのローミング(パートナー回線エリアBand18)が無くなると、逆に室内などで使えなくなる可能性が高くなります。(エリアが広がると接続品質が下がる)
2.サポートは無いものとして、自力でネットで調べて解決する自信/気構えがないと苛つくだけです。時間の無駄。
– 予めネットで情報をかき集めといて、聞きたいことの情報を1回めのチャットで全て書いておくと無駄なやり取りは発生しませんでした。
3.楽天回線が使えるかは、Bandの一致だけでは分からない。
– (FAQ4)Q.楽天回線に対応している端末には何があるでしょうか?
– https://ukkifaq.web.fc2.com/rakuten-mno-faq.html#faq4
使いたい機種が楽天回線で使えるか調べたうえで、繋がらなくてもいいと思ってから契約したほうが良いです。(Umidigi A5 Proはエンジニアモードで「LTE only」や「hVoLTE」などを設定する etc)
※ここのFAQは一読したほうがいいと思います。kakaku.comは愚痴が多いけど…非公式対応機でのAPNの設定は参考になります。
来年の3月くらいからMNPで抜けていく人が多くなると思われる(ahamoの開始や例年の新規・MNP商戦など)ので、そこまで契約は様子見したほうが良いともいます。
あせった楽天からお買い得なセールが有るかと。
1年たったユーザーをドコモのahamoが狙い撃ちしているのと楽天が1980円の5GBプランで維持するという戦いになると思います。
外で使えたらエリアだから家の中で使えるとは限らないですよ。楽天の周波数は1.8GHzなので窓際はともかくマンションのトイレとかだと厳しい気がします。エリア70%まではauのローミングあるけどそれ超えたらどんどんやめていくし。auとのローミング契約は1GB約500円だから皆に5GB使われたら赤字膨らむ一方だから早くローミング契約やめたいけどやめるとクレームが増えるという。
こんにちは、室内でつながらないという経験はWiMAXでしています。私はMNPしてしまいましたし、来年の春には楽天回線が自宅で使えるようになるので、テストできるのを楽しみにしています(無料なので気楽)。
通信制限後は3mですけど?
楽天モバイルは私は春頃に契約して使ってます。
その時は iPhone 7 Plus に刺して非公式プロファイルで使ってましたが、楽天モバイルのエリアがその当時の近隣では福岡市天神のごく一部でしかなく、5月にその近郊に出かける機会がありエリア図の隅っこを通過しましたが、楽天モバイルの電波を掴むことはできませんでした。
ふと、10月に入ってエリア図を確認してみると意外にも長崎市にも通話エリアが開設されていました。
ただし、なぜか「長崎駅前」や「浜の町」などの有名で人が多い地域ではなく、女神大橋がかかる以前は「長崎市の陸の孤島」とまで言われてた福田方面や、昔の交通の難所「日見峠」を越えてくだった長崎市中心部から車で20分程度離れた矢上地区になっていました(汗)
この時には、無料通話アプリ「Link」を使うために以前auで使ってた AQUOS R2 にSIMを差し替えていたので、そちらへ出かける度に試してみてはいますが R2 は非対応機種なのでエリア図の範囲内で何度「my楽天」アプリを更新しても楽天モバイルに切り替わりません・・・R2 Compact は対応なのに・・・(涙)
最近の不安は、福岡市とかで通話エリアがある程度広がったからとauとのローミング契約が切れて通話エリアが一気に後退することですね。
この状況はイー・モバイルの通話SIM契約してたときに「約定のローミング期限から延長はしない」ってことで全国一斉にdocomoの通話エリアから外されて私の行動エリアの多くで使えなくなった経験が・・・。
(当時は、まだ通話エリアでかなり劣ってた SoftBank の X-02T をメインにしてたから、イー・モバイルのdocomoのローミングはかなり重宝していた。)
まあ、今回は「全国一斉に終わり」ではない点は(田舎者には)救いがありますが。
自分は楽天モバイルに変更してます。
現在の楽天回線の最大の欠点はエリアの狭さですね。基地局の密度が低くて、楽天回線でカバーされているとされるエリア内に入っていてもAU回線に繋がります。
とはいえAU回線で使用していても問題ありません。1Mbpsはけっこう早いです。
(基地局の場所は(自分の住んでいるところにCellMapperの利用者がいれば) Cellular Tower and Signal Map のサイトでマップ表示できます)
使っていると通話が0円なのが意外と効いてきます。
以前は通話頻度が低いとはいえ30秒20円で通話していたので。
早く自宅で楽天回線が使えるようになってほしい。そうすればパソコンのWIFIとして使用できると思う。
都内中心部、完全にエリア内にて利用しています。
濃いピンクのエリアでも5Gについてはまともに対応していないの、現在は使い勝手の良い4G回線として使うほうが良いですね。
楽天エリア内なので1日10GBまで自由に使えるのは非常にメリットです。
回線速度も時間帯によっては25Mbps程度出ます。
ただし、いわゆる「パケ詰まり」が非常に多く突然インターネットが切断されるレベルでの疎通不可が発生したりします。
皆様がコメントしてくださってる通り周波数の問題と基地局整備の面でしょうか。
またping値もかなり不安定のため、web会議中によく声が途切れたりということがあります。
現状は不満点を上回るメリットがあるので継続して契約していますが、やはり回線の品質というのはなかなかに大事だと痛感はしています。
現状では、メイン回線を主要キャリアないしサブブランドで最安値に抑える形で契約し
サブ回線としてテザリングなどで利用する形がベスト、といったところでしょうか。