こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。サラリーマンの人は冬のボーナスで何を買うか決めましたか?私はThinkPad 8とAspire Switch 10をほぼ同時に購入してしまい、今年の買い物は強制終了となりました。さて、10インチクラスのタブレットと2 in 1は今年多くの製品が登場し、価格も性能も非常に大きなレンジになっています。低価格なものでは3~4万円台から、高価格なものだと軽く20万円を越えるものもありますね。
今回は「ハイエンド機」に絞って機種比較をしてみたいと思います。ちなみにエントリークラスと中上位クラスは11月に記事を書いていますので、下記リンクの記事をご覧ください。
Windows タブレット & 2 in 1 スペック比較 (2014年11月:10インチ版、エントリークラス)
Windows タブレット & 2 in 1 スペック比較 (2014年11月:10インチ版、中上位クラス)
目次
1.ノミネート機種
Dell Venue 11 Pro 7000
ディスプレイ: 10.8インチIPS液晶(1920×1080)
OS: Windows8.1 64bit、Windows8.1 Pro 64bit
CPU: Intel Core M 5Y10a/Core M vPro 5Y70
RAM: 4GB/8GB
ストレージ: 64GB/128GB/256GB
サイズ: 279.8×176.4×10.75mm
重量: 約733g
価格帯: 79,980円~90,980円(DELL直販価格・オプション・キーボード含まず)
備考: モニターサイズは10.6インチ。Core M プロセッサーを2種類から選べ、RAMやストレージのサイズも細かい選択が可能。純正キーボードが用意されているが別売りとなっていて、2 in 1として考える場合の価格帯はキーボード価格13,407円(モバイルタブレットキーボード)もしくは17,203円(薄型タブレットキーボード)を追加する必要がある。LTE対応モデルがあるのもうれしい。
機種紹介ページ: Venue 11 Pro 7000 - 新鋭CPU「Core M」を搭載した高性能Windowsタブレット
Microsoft Surface Pro 3
ディスプレイ: 12インチIPS液晶(2160×1440)
OS: Windows8.1 Pro 64bit
CPU: Intel Core i3-4020Y, i5-4300U, i7-4650U
RAM: 4GB/8GB
ストレージ: 64GB/128GB/256GB/512GB
サイズ: 292×201.3×9.1mm
重量: 約800g
価格帯: 99,144円~219,024円(Microsoftストア直販価格・オプション含まず)
備考: ハイエンド2 in 1では恐らく人気No.1。12インチながら800gの軽量タブレットにカラフルなタイプカバーの組み合わせはなんとなく頭よさそうに見える。CPUは最高でCore i7まで、RAMは8GBまで、ストレージはSSD512GBまで選択可能。ただし、Core iプロセッサーを使っているためファン付きとなる。なお、2014年12月31日までタイプカバー(14,018 円)が無料となるキャンペーン実施中。
機種紹介ページ: Microsoft Surface Pro 3 - いまさらながら機種紹介、ノートPCと考えるのが吉
NEC LaVie U
ディスプレイ: 11.6インチIPS液晶(1920×1080)
OS: Windows8.1 64bit
CPU: Intel Core M-5Y10 /Core M-5Y71
RAM: 4GB
ストレージ: 128GB
サイズ: 301.1×192.5×9.6mm(本体のみ)
301.4×215.7×26.4mm(キーボード込み)
重量: 約795~822g(本体のみ)/1.35kg~1.38kg(キーボード込み)
価格帯: 136,000円~156,889円(価格ドットコム最安価格・2014年12月7日現在)
備考:シンプルな2グレード構成で、価格差はCPUの型番による。ファンレスタイプ。キーボードが付属するので、オプションは基本的に不要。RAMとストレージは全モデル共通となっている。付属キーボードはタブレット本体とデザイン上一体感があり、接続すればノートPC同様に使える。
機種紹介ページ: NEC LaVie U - ハイスペック2 in 1登場!高性能タブレットはSurfaceだけじゃないよ
Panasonic Let’s Note RZ4
ディスプレイ: 10.1インチIPS液晶(1920×1200
OS: Windows8.1 64bit、Windows8.1 Pro 64bit
CPU: Intel Core M-5Y10 / Intel Core M-5Y70 vPro
RAM: 4GB/8GB
ストレージ: 128GB/256GB/512GB
サイズ: 250×180.8×19.5mm
重量: 約約745g~770g
価格帯: 175,824円~(直販サイト価格)
備考: ノミネート機種中唯一の10インチサイズ。2 in 1といいつつキーボードは分離しない。ただしキーボード込みでも745gと超軽量。バリエーションがCPUやRAM、ストレージの構成だけでなく筐体の色や天板の色で別れており非常に複雑なので、購入の際には量販店と直販サイトを良く確認しておく必要あり。
機種紹介ページ: Panasonic Let’s note RZ4 - 超軽量にして堅牢!秋冬2 in 1最高スペックかな
2.Core iシリーズとCore Mシリーズ
IntelのCore iシリーズ(i3、i5、i7)は同社のPC向けCPUとしては上位に位置するモデルで、ここ数年間、ハイスペックとされるPCには必ず搭載されています。ひとことで「Core i7」といっても数世代にわたってモデルが切り替えられていて、そのつど性能も向上し続けています。また同時期に存在するCore i7(i5とi3も)は単一の型番ということではなく、例えばCore i7-5960Xは8コアの超高性能CPUでPassmarkのベンチマークスコアは16,098、Surface Pro 3の上位機種に搭載されているCore i7-4650Uは2コアでPassmarkのベンチマークスコアは4,178となっていて、性能には大きな違いがあります。でもPCを自作するような人ならともかく、一般的には新しいPCを購入する際に、「Core i7搭載」ということを確認できるのならあまり深く考えなくてもいいとは思いますけどね。
一方のCore Mシリーズ(5Y10、5Y70 5Y71)は2014年にデビューした最新のモバイル用高性能CPUで、性能と携帯性のニーズを満たす、とされています。電力効率がよく、ノートPCや2 in 1にファンレスで搭載することが可能です。
今回のノミネート機種では、Surface Pro 3がCore i、それ以外の機種にはCore Mが搭載されています。ちなみにSurface Pro 3とLet’s Note RZ4はCPUファンがついていて、それ以外の機種にはファンがついていません。性能の方は、というと、
Core i7-4650U: 4,178
Core i5-4300U: 3,770
Core i3-4020Y: 2,254
Core M-5Y70 vPro: 2,679 ※サンプル数2
Core M-5Y10: 2,617 ※サンプル数1
注)2014年12月7日現在のPassmark公表スコア
Core iシリーズの各CPUは全てSurface Pro 3に搭載されているもの
LaVie Uに搭載されているCore M-5Y71はベンチマークスコアなし
Core Mの方はサンプル数が非常に少ないので、信頼度はいまひとつですが、CPUの性能を数値化するとこんな感じです。やはりCore i5やi7は性能という点では確実に上ですね。Core Mシリーズの定格クロックスピードは800MHz(5Y10)、1.1GHz(5Y70)、1.2GHz(5Y71)で、ターボブースト時に2GHzを越えるように設計されているので、安全運転中(意味わかりますよね)は体感的にもあまり高速とは感じられないようです。このことは価格ドットコムのLet’s Note RZ4のレビューなどに目を通すとわかります。一方で、このようなメディア記事もあります。
「Let’snote RZ4」で“Core M”の性能を試す (3/3):ITmedia PC USER
こちらのレビュー記事を見ると、Core MはCore i5と比較してそれほど遜色のないパフォーマンスとなっています。私はCore Mプロセッサーを試用したことがないので確実なことは言えません。申し訳ありません。しかし、メディアの記事や各種製品レビューをみて、
「絶対的なパフォーマンスならCore i5以上のCPU搭載のSurface Pro 3、省電力性や静粛性とそこそこのパフォーマンスならCore M」
と判断していいのではないか、と思います。「Atomマスター」である私の個人的な見解としては「モバイルなんだからCore Mでしょ。筐体があんまり熱くならないようだし、ファンもついてないことが多いし、バッテリーの持ちもいいし。」ということです。
3.サイズから考える
ハイエンドクラス、実はサイズ感がかなり異なります。SurfaceとLaVieはディスプレイサイズが12インチ級ですが、私はこれってかなり重要なことだと思います。もちろん10インチと12インチではノートPCとしての使いやすさは全然違います。12インチのほうが圧倒的に見やすくなる、ということです。でもウインタブとしての見解は「12インチをタブレットとして常用するのは無理」となります。もちろん一時的にタブレット形態でプレゼンをしたりというのは問題ないと思います。でもエンターテイメントマシンとしてリラックスした姿勢でタブレットとして気持よく使えるとは思えません。
8インチ: どこでも気持ちよく使えるお気軽サイズ
10インチ: タブレットとしても使えるけど、長時間はちょっと厳しいかな
12インチ: 大きさに圧倒されるレベル。しかも重いからタブレットとして使う気になれない
※あくまで主観です。あしからずご了承ください。
これは8インチのVivoTab Note 8と10インチのAspire Switch 10をしばらく使い、家電量販店でSurfaceとLaVieを手にとってみた者としての正直な感想です。従って、今回のノミネート機種で、本当の意味で2 in 1としての使い勝手を期待できるのはLet’s Noteと(ギリ)Venueまでかな、と思います。
4.デザインは?
ハイエンドクラス、それぞれに個性があります。タブレットとしてみると普通っぽいデザインなのはVenueとLaVieですね。8インチとか10インチのタブレットをそのまま大きくした感じです。Let’s Noteはヒンジ付きでキーボードが分離できない、要するにノートPCであって純粋なタブレットじゃないわけですが、キーボードを裏側にしてタブレット形態にした際には厚みが出てしまうものの、754gと超軽量、10インチサイズであることもあって、実はもっとも使いやすいと言えるでしょう。
見た目の「それっぽさ」ならSurfaceがトップです。「2 in 1」と聞いたら真っ先にイメージするのはカラフルなタイプカバーをつけたSurface、という人も多いと思います。ある意味Surfaceって2 in 1の代名詞になっている、と言っても過言じゃないですよね。
5.結論:このクラスはノートPCと考えるほうが…
このクラスではウインタブとしてのランキングはできません。はい、私Atomマスターなので…。これまで書いてきたとおり、このクラスの2 in 1は中上位クラスまでの2 in 1とは位置づけが異なる、と理解しておくべきでしょう。いい意味では「性能」ですね。ハイエンドクラスのサブノートPCと遜色のないパフォーマンスを期待できます。Core Mというプロセッサーをどう評価するかにもよりますが、CPUの性能には「速さ」だけでなく「省電力性」「耐発熱性」「静粛性」なども含まれると考えれば、むしろこのクラスの2 in 1はサブノートPCよりも性能が上、ということもできます。
悪い意味では「携帯性」が挙げられます。私の見解は上に書いたとおりです。10インチを越えるサイズで2 in 1を作りこんでも、タブレットとしての使い勝手はむしろ悪くなると思います。12インチサイズを片手でブンブン振り回すと危ないですよ。腕力はつくかもしれませんけどね。
ということで、このクラスの2 in 1については、タブレットよりの見方をするのではなく、「軽量なノートPC」としてとらえたほうが適切なんじゃないか、と思います。その場合、例えばSurfaceはキーボード込みで重さ1.1kg、Let’s Noteにいたってはわずか754gなので、サブノートPCより軽いと言えます。タブレットとしての利用頻度が高くなりそうな人はできるだけ小さく軽いモデルを選ぶことをおすすめします。