法令遵守でなんとかドローンを楽しみたい(その10)- 最廉価クラスのトイドローン「JJRC H83」を購入したのでレビュー、名機「H36」の後継機っぽいが……

法令遵守でなんとかドローンを楽しみたい(その10)
こんにちは、natsukiです。今回は、最近発売された最廉価クラスの手のひらサイズトイドローン「JJRC H83」を購入したので、レビューします。先に結論を言います。この製品、よっぽどいろいろ分かった人でないと購入はお勧めできません。公開されているスペックだけを見ると、一見、ドローンの操縦の練習、そしてFPVドローンへの改造素材として最適なように見えます。ただ、実際どうかは買ってみないと分からないところだらけなので、ええい、と買ってみたわけです。で、どうだったかというと……

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1.特徴 ― 名機「JJRC H36」「Eachine E010」の後継機!?

法令遵守でなんとかドローンを楽しみたい(その10)
この「JJRC H83」。スペックだけ見ると、すごく期待が高まるんです。なぜかというと、名機「JJRC H36」と、同等品の「Eachine E010」の後継機に見えるからです。

JJRC H36とEachine E010の特徴を確認しておきます。まずは、言わずもがな、圧倒的に安い! Amazonで2,000円台、海外通販で1,000円台安定です。

機能面では、Amazonで発売されているトイドローンにたいてい搭載されている「高度維持機能」がありません。これ、確かに初心者にとってはあった方が操縦しやすいんですが、ある程度習熟してくると、この機能がない方がいいんです。なまじ高度維持機能があると、勝手に姿勢制御をするため、機敏な動きやパワーを出せない。サイズがそこそこ大きくても、屋外なら風に逆らうのが困難です。FPV(ドローン視点)機に改造しても、勝手な姿勢制御で映像ガクガクになり、非常に飛びづらい。だから、ちゃんと操縦を鍛えたいなら、そして、FPV機に改造するなら、高度維持機能はない方がいいんです。

操縦電波に関しても、技適を取得済み。また、ロットによって差があるようなのですが、基本的に高度なマルチプロトコル操縦機で操作することが可能です。この件については、以下の記事をご覧ください。元の操縦機があまりにしょぼいので、買ったままのセットだと、その操作難易度の高さに投げてしまいそうになりますが、きちんとした操縦機で操作してやると、本体のポテンシャルは非常に高く、習熟次第で極めて精密な操作も可能です。

法令遵守でなんとかドローンを楽しみたい(その7)- FPVドローン用の操縦機は何を買えばいい?マルチプロトコルのJumper Tシリーズが圧倒的にお勧め

ともかく、こういった条件から、初めてのドローン、そして、改造してFPVデビューの定番として親しまれてきました。そんなJJRC H36に、後継機が発売されたと聞けば、これは興奮せずにはいられません。すわ!と、早速Aliexpresで注文した次第なわけです。

なお、現在、管見の限りではAliexpressとGearbestの他、楽天やAmazonにも出品があります。楽天やAmozonの場合、発送期間にかなり猶予を置いているものもあるので注意。

2.商品ページから分かるスペック

システム面

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システム面で最大の問題は、「Altitude Hold(高度機能維持) Version」と、高度維持機能のない「Regular Version」があることです。ところが、購入時の段階で販売されていたものは、どれもどちらのバージョンなのかの言及がありません。困ったものです。やっぱり、実機を買ってみるしかないですね。

ハード面

ハード面でのJJRC H36との違いは、見かけが厳つくなったこと(笑)。それから、バッテリー容量が倍の300mAhとなっています。JJRC H36のひとまわりパワーアップした「JJRC H67」でも、260mAhだったので、これは、パワー面での期待が持てます。というか、もっと言うと、この「JJRC H67」もしくは同等品の「Eachine E011」こそ、ミニサイズとしては十分なパワーと、比較的一般的なプロトコル(操縦のための電波の形式)を採用しているため、入門ドローンとして最適なものだったんです。が、残念ながらいずれも終売になって久しい。その地位を、はたしてこのJJRC H83は継いでくれるのかどうか!?

また、重要な要素であるモーターサイズについて、JJRC H83は、販売ページに情報がありません。これも、実機を買って確かめねば!となった理由です。

3.実機チェック

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届きました。8月入ってすぐくらいにAliexpressで購入したのですが、9月半ばになってようやく届きました。

同梱品

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同梱品一覧です。換えのプロペラが付いてくるのはいいですね。

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バッテリーは残念ながら、1本しか付いていません。これはとても残念すぎる。1フライトはせいぜい5分程度なので、換えのバッテリーがないと、まとまった時間遊べないんですよ。購入時は、バッテリー1つのものしかなかったのですが、現在は、販路によって複数付いているバージョンも手に入るようです。

よろしくないのは、バッテリーのコネクタ形状が、いわゆるワルケラプラグ(ドローンのバッテリーコネクタ形状の種類については、こちらの記事をご参照ください)であること。マジかよ、汎用的なJST 2.0mmじゃないのかよ!! まあ、これはFPV改造の点からは残念ですが、どのみち改造するなら、そのときにプラグも付け替えちゃえばいいだけです。

本体概観

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本体を見てみましょう。前機種Eachine E010(=JJRC H36)と並べてみます。プロペラサイズは同じ「31mm」なんですが、フレームサイズはひとまわり大きくなっています。

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はい、ここ重要。モーターサイズは、「0716」でした。これは朗報。「0615」サイズのJJRC H36やEachine E010よりパワフルな飛行が期待できます。モーターは、上側にもキャップのようなものが付いていて、ガッチリ固定されています。この構造はめずらしいですね。

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裏面です。基盤に「H83 普通」のシールが貼ってあります。「普通」というのは、「高度維持機能無し」の意味だと思われます。バッテリーホルダーの中央部に切れ込みがあるのは、HVバッテリーの使用がしやすいので、改造にはメリットです。

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HVリポバッテリーを使う場合は、こんな感じでダンパーをかませて装着します。画像は、既製品のダンパーを使っていますが、このくらいならスポンジテープなどを使って自作してもいいでしょう。なお、バッテリー用のコネクタを換装する必要もあります。

操縦機

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デフォルトの操縦機です。技適が通っていないので、国内では使えません。造りは、JJRC H36のものよりはマシな程度で、どのみち、この操縦機ではあまり精密な挙動は難しいでしょう。この手の操縦機は、ボタンに何の表記も無い場合も多いので、何のボタンか記号が付いているだけ親切っちゃあ親切です。

プロトコル

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そして、最も重要な点。プロトコルです。結論を言うと、マルチプロトコル操縦機「Jumper T8SG V2+」にてめぼしいプロトコルを試しましたが、どれもつながらず。どうやら、一般的に使われることの多いプロトコルではなく、独自のもののようです。

はい、ここで、製品としてはオシマイ。日本国内では合法的に飛ばすことができないので、どうしようもありません。

4.改造

悔しいので、改造して何が何でも合法で飛ばします。

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キャノピーを開けてFC基盤を見てみましょう。モーターは、コネクタ式ではなくハンダ付けで接続されています。サイズは……、Eachine E010のFCとほぼ同じサイズ。Eachine E011や、一般的な正方形のFCは装着できません。

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モーターのハンダを溶かして付け替え、フレームの一部を削って形を整え、ネジ穴の都合で前後を逆にしてEachine E010のFCをセットして、換装完了です。

うんうん、これならよく飛んでくれるぞ……

……って、あたりまえやんか。脳みそと心臓を取り替えて、それは、もはや元のドローンと言えるのか!? なんか、攻殻機動隊みたいな話になってきたぞ。

重量

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あ、改造前に重量を量るのを忘れてた。画像は、すべてバッテリー抜きで、Eachine E010は完全に素の状態。Eachine E011は、HVバッテリーとFPVカメラ給電用のコネクタを追加済み、これで約1g増。JJRC H83は、Eachine E010とFCを換装し、HVバッテリーとFPVカメラ給電用のコネクタを追加済み。FCは、サイズがほぼ同じなので、重量もほとんど変わらないはず、コネクタは合わせて約1g。なので、それぞれの素の重量は以下の通り。

Eachine E010:16.5g
Eachine E011:20.7g?
JJRC H83:22.7g?

Eachine E010とEachine E011の差は、モーターサイズの差に起因するところが大きい。Eachine E011とJJRC H83の差は、フレームの差と思われます。

5.まとめ

はい、残念ながら、この製品、ダメです。プロトコルが不明で、少なくとも一般的なものではないため、日本国内で合法的に飛ばすことができません。たとえそこを無視しても、操縦機の造りがチャチなため、発展性がありません。価格は、中華通販で1,500円前後。Aliexpressなら、例によってクーポン適用とかでさらに安くできたりするので、0716モーターと対応フレームの部品取りとしての価値があるかな?くらいですかね。

やはり、ややパワー不足のきらいがあるとはいえ、おすすめの入門機は、まだ当分のあいだ「JJRC H36」か「Eachine E010」でしょう。

こうしてみると、「JJRC H67」と「Eachine H011」は本当に名機だったとしみじみ思います。なんでそれらが終売になったかって? そりゃ、海外だったら、いちいち改造しなくっても、安価でFPVドローンが買えるからに決まってるじゃないですか。例えば、「X36S Ducted 65mm」って製品なんか、0615サイズのモーターとはいえ、デフォルトの操縦機がついていない代わりに「Flysky」もしくは「Frsky」という汎用的なプロトコルを選択可能で、カメラ、VTX付きで、セール時にはアバウト2,000円ですよ。ともかく、日本の場合は、ことごとく「系統図の確実に手に入るVTX」を装着しなくてはFPVができないという壁にぶち当たるわけです。だからこうやって、「FPV機の素体となる機体を探す」なんて涙ぐましいことをしなくてはいけない。しつこく主張しておきますが、インフラや健康その他人権を守るために規制は必要です。問題は、その規制の方法にまったく合理性がなく、規制を設ける目的とまったくかみ合っていないことです。電波法を含めた前近代的なシステムによって、いかに日本の技術開発が阻害され、善良なユーザーが抑圧される一方で悪意を防ぐことができない状況になっているか、その辺を、国防面という深刻な部分からからよく認識しているはずの河野氏が行政改革相になったので、まずは手腕に期待したいところです。あ、これはあくまで、これからのお手並み拝見という期待だけの話ですので、政治的な評価の是非や議論はおやめくださいね。

ともあれ、たまにはこういう「お勧めできません!」レビューもありなんじゃないかと思って書きました。分かる人にとっては、それなりに注目の製品だとも思うので、残念な結果ですが、参考にしていただければと思います。

6.関連リンク

「法令遵守でドローン」記事一覧
JJRC H83:Aliexpress内の「JJRC Official Store」
JJRC H83:Gearbest
楽天やAmazon、Aliexpressのその他の出品者については、メーカー公式ではないため、リンクの掲載は控えます。

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コメント

  1. momi-fpv より:

    確か「Buy yang」と言うプロトコルではバインドできたような気がします。

    スペルが間違ってたらごめんなさい。

    上記のような(上記に似たような文字)のプロトコルを試してみて下さい(^ ^)

    • natsuki より:

      ありがとうございます。Bayangですね。私もそいつを一番期待していましたが、ダメでした。ちなみに、Bayangレシーバー付きFCは10枚くらい使ってきました(うち2枚ロスト、1枚大破)。Bayang+Silverwareは、安くて扱いやすくて、練習に最適ですよね。
      Eachine H8(ロットによって独自プロトコルとBayangがある)みたいに、今後、ロットによって変えてくれませんかねぇ……