こんにちはtakumiです。前回の記事を寄稿し程なくして、ウィンタブさんから「ゲーミングノートの購入に関する記事を書いてくれないか」というお誘いがありまして、今回私個人が持っている考えを文章化させていただくことになりました。なお、記事の中で所々PCゲームに関する専門的な内容が出てくるかと思います。出来るだけ初心者の方にもわかりやすく解説するよう心がけますが、もし「ココが分からない」という部分がございましたら、コメント欄か私のTwitterに遠慮なくご意見をお寄せください。宜しくお願いします。
記事は全部で3回を予定しており、今回はゲーミングノートを選ぶポイントをご紹介致します。
1.ゲーミングノートを選ぶ前に
ゲーム目的なら可能な限りノートPCを選ぶべきではない
モバイル端末を専門的に取り扱うこちらのサイトでこんな事を言うのもどうかと思いますが、「PCでゲームをやりたい」という理由だけでゲーミングノートを買おうとしているならば、可能な限りノートPCを避け、デスクトップタイプのPCを買うべきだと私は考えます。最近のゲーミングノートは性能も上がっており、デスクトップタイプと遜色ないレベルになってきましたが、それでも私がデスクトップタイプをオススメする理由は3つあります。
●製品の寿命
3Dグラフィックスの処理能力の進化は著しく、ゲームで主流のNVIDIA製のグラフィックチップセットは2年おきに新製品が登場し、その性能は現行品を一気に過去の物にしてしまうレベルです。今流行りのゲームの推奨レベルを仮に上回ったとしても、新たに新作ゲームがリリースされてそれをプレイしたいと思った時、そのタイトルをプレイするためには必然的にノートの場合「買い替え」しか選択肢がなくなってしまいます。少なくとも10万円オーバーのものを年々買い換えることは大体の方には出来ないことでしょう。
デスクトップタイプなら、ビデオカードだけを買い換えることでマシンのレベルを簡単に上げることが出来ます。CPUの進化はGPU程ではなく、新作ゲームでCPUの処理性能がゲームのグラフィックス処理能力の足を引っ張ることになることはほとんど無く、それは早くて5年位から出始めます。つまり、デスクトップに関しては買い替えの頻度はノートのそれよりも少ないということです(ビデオカードの買い替えを私みたいに頻繁にしているなら相対的なコストに差は出ないかもしれませんが)。
●拡張、メンテナンス性
デスクトップPCなら購入後も、ビデオカードの他、記憶媒体(SSD、HDD)やUSBカード、10GB対応LANアダプターなど自分好みのカスタマイズが出来ますが、ノートの場合は記憶媒体以外は基本的に出来ません。また、ホコリが通気口に溜まった場合もデスクトップよりノートの方が内部密度は高い訳ですから、内部の清掃にはより気を使わなければいけません。特にゲームをプレイする場合、ノートの冷却性能はデスクトップよりも幾分か低い訳ですから、メンテナンスを怠るとマシンに支障が出てしまいます。こちらのサイトでレビュアーとしてご活動されているかのあゆさんも、過去に2回NVIDIA製GPU搭載のノートが原因不明の故障により再起不能となってしまう事態に見舞われています。
●コスト
「当たり前」の話をしてしまいますが、同性能という条件下で比較した場合、ノートよりもデスクトップの方が価格が安いです。また、同じ型番のチップセットが乗っていても、ノート向けのチップセットは発熱や消費電力を抑えるため性能が下方調整されています。ノートならばディスプレイやキーボード(特に最近のはゲーミングモデルだとゲーミングギア専門のメーカーが監修したメカニカルタイプが多め)が付属しているという部分がありますが、仮にもっと高性能なディスプレイやキーボードを用意すると言った場合、それらはただの無駄でしかありません。
特にディスプレイに関しては、最近の上位ゲーミングモデルなら144Hzや120Hzと言った高リフレッシュレートのディスプレイを搭載したモデルも存在しますが、応答速度が7msや5msと低いです。私であれば、多少お金を出してでも240Hzや180Hzといった更に高いリフレッシュレートや0.5ms、1msといった高い応答速度ど兼ね備えた外部ディスプレイを用意するかもしれません。リフレッシュレートは主にFPSで重要視される要素なので、他ジャンルのゲームに関してはさほど重要視しなくても問題ありませんが、応答速度に関しては全てのゲームジャンルに関係してくる要素なので、貴方のプレイヤースキルしだいではこの問題は目に付いてくるかもしれません。
「ゲーミングノートあれば出先でもゲームが出来るでしょ?」という意見もあるでしょうが、そこの部分も私は少し疑問を感じます。というのも、最近は都内であれば池袋の「LFS池袋」をはじめ、新大久保の「E Sports Cafe」、秋葉原の「アイカフェゲームゾーン」、また福岡には新たに開設された「SGLAN」といったゲームを遊ぶ専門施設も存在します。また、国内大手のネットカフェ「快活CLUB」では、全国の店舗で順次、「Intel Core i7 7700 + GTX 1080 + DDR4・16GB + SSD 1TB」というハイスペックゲーミングPCが設置されています。ネットカフェという環境上、ボイスチャット利用は難しいですが、それでもゲームを遊ぶ分にはかなり快適だと思います。勿論、これらの施設は利用料(平均して3時間1000円位)が掛かりますので、利用料よりも出先でゲームを遊べばゲーミングノートを買った方がお得であるという考え方も出来ます。
ゲームという用途のみで考えた場合、私はやはりデスクトップタイプのゲーミングPCをオススメします。それ以外の理由、例えばLANパーティーなど特別な場所でゲームを遊びたい、ゲーム以外にCADや動画編集なども合わせて外出先でしたいなどといった人であればゲーミングノートはオススメできるのではないかと思います。特にウインタブの読者の皆様は、「たくさんあるPC利用目的の一部がゲームである」という人が多いかもしれませんね。
2.製品選びのポイント
困ったら店員に相談しよう
一部の人にはこれは難しいかもしれませんが、全国にあるツクモやドスパラ、GOODWILLやアプライドなどの店舗には、ゲーミングPCの知識を有するスタッフが在籍しています(一部の取扱店舗であれば、ビックカメラやヨドバシカメラにも知識を持つスタッフがいるかもしれません)。もしやりたいゲームのスペックが分かっているのであれば、それを元にご自身に合ったゲーミングPC を見積もりしてもらうのが最も良いかと思います。
やるゲームを決めよう
やりたいゲームが違ってくれば、要求されるPCの性能も当然違ってきます。現段階で最高性能のパーツを搭載したPCを買うのが理想ですが、やはり価格は跳ね上がってしまいます。巨額の出費をものともしない富豪で無いのなら、PCの性能に折り合いを付けなければいけません。まずはじめに考えることは「どのゲームをやりたいか」です。
世界最大のPCゲームプラットフォーム「Steam」には、ゲームの販売ページの下部にそのゲームを遊ぶ性能の目安が書かれています。例えば、人気ゲームの「PUBG」では、要求スペックはRAMが8GB、グラフィックスチップはGTX960≒GTX1050のVRAM2GBとなっており、推奨スペックはRAMが16GB、グラフィックスチップはGTX1060のVRAM3GBとなっています。つまり、「PUBG」を「とりあえず」遊びたいなら、RAM8G+GTX1050(2GB)のモデルを選択し、「しっかり」遊びたいのならRAM16GB+GTX1060(3GB以上)のモデルを選べばいいということです。
今度は人気の格闘ゲーム、「ストリートファイター5(以下スト5)」で確認してみましょう。要求スペックは先程のPUBGよりもかなり低いですね。一方推奨スペックはPUBGの要求スペックとほぼ一致しています。つまり、「PUBG」が快適に遊べるなら、「スト5」も当然快適に動くということです。
ちなみに、「PUBG」は最近のゲームでもかなり重量級で、「PUBG」が快適に遊べるなら、他のゲームもほぼ確実に快適に遊べると思います。
GPU性能の目安
イマイチよく分からない、という人のために、NVIDIA製GPUのおおよその性能を表しておきます。
エントリーモデル: MX150、GTX1050
古め、軽いインディーゲームが快適に動く(LoL、Dota2、ロケットリーグなど)
ミドルモデル: GTX1050Ti(4GB)、GTX1060(3GB)
大体のゲームが動く 比較的軽めのゲームなら快適に動く(オーバーウォッチ、Fortnite、スト5など)
ハイエンドモデル: GTX1060(6GB)、GTX1070、GTX1080
大体のゲームが快適に動く(PUBG、レインボーシックスシージ、バトルフィールド1など)
今回はこの辺で区切りたいと思います。次回はメーカー製PCの利点やBTOカスタマイズのポイントを解説します。
3.関連リンク
はじめてのゲーミングノート(第2回)- RAMとストレージは経験上このくらい積んでおいたほうがいいと思うよ(読者投稿:takumiさん)
はじめてのゲーミングノート(第3回)- ゲーマーによる「ゲーミングノート5選」を発表します!(読者投稿:takumiさん)