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11.6インチ・キーボード非分離・ディスプレイ360度回転型の2 in 1を比較してみる

HP Pavilion x360
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。昨年あたりから(本当はもっと前からありましたけど)11.6インチでキーボードが分離せず、ディスプレイを360度回転させることのできる2 in 1が目につくようになりました。正直言って私はまだこのジャンルの製品を試用した経験がなく、「気にはなるけどよくわからない」という程度の理解なのですが、2015年末からは中国タブレットでもこのジャンルの製品がいくつか登場していて、「よりどりみどり」の状態になっています。そこで、この記事では「エントリークラスの11.6インチ、キーボード非分離・ディスプレイ360度回転型2 in 1」について比較してみたいと思います。なお、このジャンルはLenovoが得意にしていて、ハイエンドな「ThinkPad Yogaシリーズ」なんかも存在するのですが、そこはやっぱりウインタブ、エントリークラス(5万円以下くらい)に注目していきます。なので、Panasonic Let’s Note RZ4とかも対象外っすね。そもそも10.1インチだし、スペックも段違いですから。

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※なお、この記事で「中国製品」と記載しているのは「中国製の並行輸入品」を指しています。acer、ASUS、Lenovo、HPはいずれも日本メーカーではありませんが、日本仕様の製品を発売しており、並行輸入品とは異なるため「日本で買える製品」という表現をしています。

1.比較対象機種

acer Aspire R 11

acer Aspire R11
OS: Windows 10 Home 64ビット
CPU: Intel Celeron N3050
RAM: 4GB(最大8GB)
ストレージ: 500GB HDD
ディスプレイ: 11.6インチ(1,366 × 768)
カメラ: インのみwebカメラ
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
入出力:  HDMI、USB × 2、SDスロット、LAN(RJ45)、オーディオジャック
バッテリー: 3,270 mAh
サイズ: 298 x 211 x 20.9 mm / 重量 1,580 g
実売価格: 47,792円:NTT-Xストア

紹介記事:acer Aspire R 11 - やっぱ今年のモバイルノートはディスプレイ360度可動タイプ

ASUS TransBook Flip TP200SA

ASUS TransBook TP200SA 筐体変形
OS: Windows 10 Home 64ビット
CPU: Intel Celeron N3050
RAM: 2GB
ストレージ: 64GB eMMC
ディスプレイ: 11.6インチIPS(1,366 × 768)
カメラ: インのみ 0.3MP
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
入出力:  microHDMI、USB type-C、USB3.0、USB2.0、microSDスロット、オーディオジャック
バッテリー: 9.8時間
サイズ: 297 x 201.3 x 18.45 mm / 重量 1,200 g
実売価格: 39,800円:ASUS OUTLET
※ASUS OUTLET製品は新品未開封ですが、箱破損品となります

紹介記事:ASUS TransBook Flip TP200SA - 11.6インチ、ディスプレイ360度可動型の2 in 1

Lenovo Flex 3

Lenovo Flex3 スタンドスタイル
OS: Windows 10 Home 64ビット
CPU: Intel Celeron N2840
RAM: 2GB
ストレージ: 500GB HDD
ディスプレイ: 11.6インチ(1,366 × 768)
カメラ: インのみ webカメラ
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
入出力:  HDMI、USB3.0、USB2.0 × 2、SDスロット、オーディオジャック、LAN(RJ45)
バッテリー: 2.9時間
サイズ: 299 x 209 x 21.8 mm / 重量 1,390 g
実売価格: 35,640円:Lenovo直販サイト
※2016年1月21日までの特別価格です

紹介記事:Lenovo Flex 3 - ディスプレイ360度可動ノートのベストコスパはこれか?

HP Pavilion 11-k000 X360

HP Pavilion x360 ミンティグリーン
OS: Windows 8.1 Update 64ビット
CPU: Intel Celeron N3050
RAM: 4GB
ストレージ: 500GB HDD(8GBフラッシュメモリ内蔵)
ディスプレイ: 11.6インチ(1,366 × 768)
カメラ: インのみ 0.92MP
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
入出力:  HDMI、USB3.0 × 2、USB2.0、SDスロット、オーディオジャック、LAN(RJ45)
バッテリー: 6時間15分
サイズ: 306 x 208 x 21.5-23 mm / 重量 1,460 g
実売価格: 44,383円:Amazon

紹介記事:HP Pavilion 11-k000 x360シリーズ - 360度可動ディスプレイのキーボード非分離型2 in 1

Vido W11 Pro 3

Vido W11 Pro3 筐体画像
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 11.6インチIPS(1,920 x 1,080)
ネットワーク:  802.11 b/g/n/、Bluetooth
カメラ: インのみ2MP
入出力: USB 3.0、USB 2.0、microHDMI、ヘッドフォンジャック、microSD
バッテリー: 9,000mAh、最大8時間
サイズ: 304 x 208 x 19.2 mm / 重量 1,450 g
実売価格:297.88ドル・37,581円:GEARBEST

紹介記事:Vido W11 Pro 3 - 11.6インチキーボード非分離型 2 in 1、質感高そうよ!

Onda oBOOK 11

ONDA oBOOK 11
OS: Windows 10 Home
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: 11.6インチIPS(1,920 × 1,080)
カメラ: インのみ2MP
ネットワーク: 802.11 b/g/n、Bluetooth 4.0
入出力:  MiniHDMI、MicroUSB 2.0、microUSB 3.0、microSD、オーディオ
バッテリー: 最大7時間
サイズ: 288 x 195 x 16 mm / 重量 1,190 g
実売価格:211.89ドル・26,733円:GEARBEST

紹介記事:Onda oBOOK 11 - 11.6インチ、キーボード非分離型2 in 1、CherryTrail、アンダー25,000円

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VOYO A1 PLUS Ultimate

VOYO A1 PLUS Ultimate
OS: Windows 10 Home 64ビット
CPU: Intel Atom X5-Z8300
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 11.6インチIPS(1,920 × 1,080)
カメラ: イン0.3MP / アウト2MP
ネットワーク: 802.11 b/g/n、Bluetooth 4.0
入出力:  MiniHDMI、MicroUSB 2.0 × 2、microSD、オーディオジャック
バッテリー: 10,000 mAh (6-8時間)
サイズ: 290 x 196 x 16 mm / 重量 1,200 g
実売価格:272.12ドル・34,331円:GEARBEST

紹介記事:VOYO A1 PLUS Ultimate - キーボード非分離型2 in 1もある中国タブレットの奥深さ

2.実売価格の差は日中で縮小!

acer Aspire R 11: 47,792円(NTT-Xストア)
HP Pavilion 11-k000: 44,383円(Amazon)
ASUS TransBook Flip TP200SA: 39,800円(ASUS OUTLET)
Vido W11 Pro 3: 37,581円(GEARBEST)
Lenovo Flex 3: 35,640円(Lenovo直販サイト)
VOYO A1 PLUS Ultimate: 34,331円(GEARBEST)
Onda oBOOK 11: 26,733円(GEARBEST)

エントリークラス、ということにしたので、最初に価格のお話から。今回の比較対象機種のうち、「日本で買える製品」は発売から少し時間が経過しており、中国製品はバリバリの新型がほとんどです。そのためかどうか、実売価格の差は決して大きくありません。中国製品には技適マークがないこと、初期不良や故障時の対応が面倒であること、海外通販を使うので買い物が快適にできない可能性があることなどを思えば、日本で購入できるacer、ASUS、Lenovo、HPの製品のほうが安心できるのでお買い得、ということがいえるでしょう。ただし、絶対的に安いのは中国製品であるONDA oBOOK 11で、CPU以外のスペックがやや見劣りする分、2万円台半ばと激安価格になっています。

3.CeleronかCherryTrailか?

acer Aspire R 11: Celeron N3050
HP Pavilion 11-k000: Celeron N3050
ASUS TransBook Flip TP200SA: Celeron N3050
Lenovo Flex 3: Celeron N2840
Vido W11 Pro 3: Atom x5-Z8300
VOYO A1 PLUS Ultimate: Atom x5-Z8300
Onda oBOOK 11: Atom x5-Z8300

日本で買える製品はすべてCPUがCeleron、中国製品はすべてCherryTrail世代のAtomをCPUに搭載しています。「どっちがいいのか?」というのは難しい質問です。一応Passmarkが公開しているベンチマークスコアだと

Celeron N3050: 882
Celeron N2840: 1,051
Atom x5-Z8300: 1,220

となり、Atom Z8300が最も高いスコアになるんですが、おそらく実際に使ってみての体感差は決して大きくないでしょう。また、「CeleronのほうがAtomより上」という印象を、特にベテランな人は持ちがちだと思いますが、それもまた正しくはない、ということがわかると思います。

厳密に判定すると中国勢のほうが高性能、という判定になります。しかし、私は他の記事でもよく書いているんですが、このくらいの差だと実用上ほとんど差はないだろうと思います。

4.ストレージはどっちがいい?

acer Aspire R 11: HDD 500GB
HP Pavilion 11-k000: HDD 500GB
Lenovo Flex 3: HDD 500GB
ASUS TransBook Flip TP200SA: eMMC 64GB
Vido W11 Pro 3: eMMC 64GB
VOYO A1 PLUS Ultimate: eMMC 64GB
Onda oBOOK 11: eMMC 32GB

今回の比較対象機種はストレージの構成にかなりのばらつきがある、というか二極化してますね。「HDDで500GB」と「eMMCで32GBもしくは64GB」です。記憶装置としての読み書きの速さはeMMCに軍配が上がると思いますし、構造でもeMMCのほうがシンプルなので耐久性も上です。特に外出時に持ち歩く製品の場合、eMMCのほうが優れている、と言っていいでしょう。一方、記憶容量、ということならHDDのほうがはるかに大容量です。見りゃわかりますよね、500GBっす。どちらに軍配を上げるかということは一概に言えません。個人的にはタブレットをはじめとするモバイルデバイスの場合、クラウドストレージを活用すべきだと思うので、物理的な構造がシンプルで読み書きが高速なeMMCのほうが好みです。

5.意外と重いのがこのジャンルの特徴

acer Aspire R 11: 1.58 kg
HP Pavilion 11-k000: 1.46 kg
Vido W11 Pro 3: 1.45 kg
Lenovo Flex 3: 1.39 kg
ASUS TransBook Flip TP200SA: 1.2 kg
VOYO A1 PLUS Ultimate: 1.2 kg
Onda oBOOK 11: 1.19 kg

ディスプレイを回転させればタブレットとしても使える、というのがこのジャンルの製品のセールスポイントなのですが、実は「思ったより重い」んです。もちろんこれはエントリークラスの製品に対象を絞っているせいもあります。しかし、11.6インチサイズでも1.5 kgある製品もありますね。最軽量でも1.2 kgはあります。2 in 1とはいえ、基本的な構造はノートPCと同じで、ヒンジが回転する、というだけなので、はっきり言ってタブレットとは言えず、ノートPCの一種、といったほうがいい製品です。

しかし、こういう製品を購入するのは、「モバイルマシンとして使いたいから」ですよね?それなら軽いほうがいいに決まってます。上に書いた「eMMCかHDDか」と関連するのですが、一般的にはHDDよりもeMMC搭載モデルのほうが軽量になります。まあ、フラッシュメモリとハードディスクを思い浮かべればどっちが軽いかは誰でもわかることですしね。

6.結論

どれが一番いいのかなんてことは安易に書くべきではないですが、ここはウインタブなので、個人としての意見を書きます。「ONDA oBOOK 11」を推します。その理由として、まず今回の比較対象機種のCPUの型番は機種選択にはあまり役立たないと思っています。自分の製品利用経験に照らして、これらのCPUの処理速度は体感的な差は小さいと感じるからです。

同様にRAMについても4GBのほうが望ましいとは思いますが、2GBであるということがさほど大きなハンデになるとも思いません。理屈上は64ビットのOSを使っているのならRAMは4GBであるべきですが、AtomというCPUと付き合っていて、4GBあってよかった、と思うような場面はほとんどないんです。例えばインストール型のオンラインゲームをAtom機で快適に遊ぶことは難しいのですが、それって64ビットだろうと32ビットだろうと同じことですし、RAM4GBだと軽快だけど2GBだと苦しい、とかそういう「惜しい」レベルじゃないんです。なので、割り切ってRAM2GB、という選択もありでしょう。

最後にストレージです。32GBというストレージ容量は、ノートPCとしては確かに厳しいのですが、Windows 10はバージョン1511(Threshold 2)になってからアプリを外部ストレージにインストールできるようになりましたので、かなり事情が変わってきたかな、と思います。もともと私はWindowsタブレットでストレージ32GBのタブレットを「やりくりしながら」使ってきた経験があるので、32GBでも十分いける、と思います。

ストレージ容量で一段落ちるONDAですが、その分価格が比較対象機種中群を抜いて安く、2万円台半ばで買えてしまいます。もちろんこの価格差がこの製品を推す最大の理由でもあります。

ただ、もう少しノートPC的な用途を意識してみると、日本で購入できるacer Aspire R11、Lenovo Flex 3、HP Pavilion 11の3機種は大容量のHDDを備え、LANポートも装備していることから、よりノートPC的な使い方ができます。実売価格もかなりこなれてきており、特にFlex 3は中国製品とそん色ない低価格です。もちろん日本で購入するわけですから購入後の保証やサポートもしっかり受けられますし、安心度が非常に高いと思われます。したがって、発売からやや時間が経過して値引き率が高くなっているこれら日本向け製品を購入するのもいいと思いますし、特にPC知識に自信のない初心者の方にはこちらのほうがおすすめ、と思います。

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