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MSI Summit E13 Flip Evoの実機レビュー - 高級感あふれる「インクブラック」の高性能ビジネス2 in 1

MSI Summit E13 Flip Evo
MSIの13.4インチコンバーチブル2 in 1「Summit E13 Flip Evo」の実機レビューです。ゲーミングPCではおなじみのMSIですが、この製品はゲーミングPCではなく「ビジネスノート」と位置づけられています。しかし、外部GPUの搭載こそないものの、MSIらしい高いシステムスペックになっている上、美しい筐体デザインとペン入力が可能な2 in 1筐体を備えており、高性能PCにニーズのあるビジネスマンやクリエイターに向く製品です。

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なお、Summit E13 Flip Evoのレビューはこれで2回めとなります。前回は筐体色ピュアホワイトでCore i7を搭載、英語キーボードのモデルでしたが、今回は筐体色インクブラックでCore i5搭載、日本語キーボードのモデルです。

筐体色ピュアホワイトのほうの実機レビューはこちらです。
MSI Summit E13 Flip Evoの実機レビュー - 高い性能と上質なデザインを両立した13.4インチ・コンバーチブル2 in 1

なお、今回のレビュー機は前回のレビュー機と仕様に相違点が多いものの、使用感については共通する部分も少なくないため、「プリインストールアプリ」「ペン入力」については(前回と全く同じ内容になってしまうため)記載を省略させていただきました。Summit E13 Flip Evoの購入検討に際しては、前回と今回のレビューを合わせてご覧ください。

おすすめポイント
・ビジネスノートとしてはハイエンドなパフォーマンス
・上質で高級感のある筐体
・4,096段階の筆圧と傾き検知に対応するMSIペンが付属
・フレキシブルに変形できるコンバーチブル2 in 1
ここに注意
・ディスプレイがグレアタイプなので、「映り込み」が大きめ
・高負荷時の筐体発熱がCore i5モデルとCore i7モデルで異なる

販売店はこちら:
Summit E13特集:MSI公式ストア
MSI Summit E13 Flip Evo:PCショップアーク

1.Summit E13 Flip Evo スペック

スペック表

  Summit E13 Flip Evo
OS Windows 10 Home/Pro
CPU Intel Core i5-1135G7 / Core i7-1185G7
外部GPU なし
RAM(メモリ) 16GB/32GB
ストレージ 512GB/1TB M.2 NVMe SSD
光学ドライブ なし
ディスプレイ 13.4インチ(1,920×1,200)タッチ、sRGB
ネットワーク 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.2
入出力 USB Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB 3.2 Gen2、USB 3.2 Gen1、オーディオジャック、microSDカードリーダー
カメラ Webカメラ(92万画素)顔認証対応
バッテリー 70Whr/4,395mAh(最大18時間)
サイズ 300.2×222.25×14.9mm
重量 1.35 kg

バリエーションモデル

筐体色ピュアホワイト
・A11MT-061JP:Core i7/16GB/512GB/英語(前回のレビュー機)
・A11MT-012JP:Core i7/32GB/1TB/日本語
筐体色インクブラック
・A11MT-013JP:Core i5/16GB/512GB/日本語(今回のレビュー機)
・A11MT-015JP:Core i7/32GB/512GB/日本語
※左からCPU/RAM/SSD/キーボード仕様
※Core i5モデルのみOffice Home&Business 2019付属
※Core i5モデルのみHome版OS、他はPro版OS

ポイント

・第11世代(Tiger Lake)のIntel Core搭載
・RAM/ストレージとも大容量
・筆圧対応(4,096段階)のペン入力可。ペンも付属
・アルミ削り出し、洗練されたデザインのコンバーチブル2 in 1

2.Summit E13 Flip Evo 筐体

同梱物

MSI Summit E13 Flip Evo 同梱物
同梱物その1です。MSIのレビュー機はペーパー類が袋に入っていて密閉されていますので、中身を掲載できませんが、取扱説明書など一般的なものが入っています。ACアダプターは比較的コンパクトなサイズでACアダプター込みの実測重量は314 gでした。

MSI Summit E13 Flip Evo ペン
同梱物その2、スタイラスペンです。充電式でデジタイザーはMicrosoft Pen Protocol(MPP)方式、4,096段階の筆圧と傾き検知に対応し、本格的なイラストやマンガなどの制作にも使えるものです。ペン本体のほか、充電用のUSBケーブルと予備のペン先2本がついていました。なお、先日レビューした「ピュアホワイトのCore i7モデル」に付属するペンとは同じものと思われますが、筐体色に合わせ、こちらのペンは色がブラックになっていました。

MSI Summit E13 Flip Evo ペン
すみません、今回のレビュー機では写真撮影しませんでしたが、このペン(もしくは筐体側)、マグネットが内蔵されており、筐体の左側面にくっつけておくことができます。マグネットは結構強力ですが、さすがにこのまま持ち運んでしまうと脱落・紛失してしまう危険はあります。

MSI Summit E13 Flip Evo スリーブケース
同梱物その3、スリーブケースです。表面が起毛になっていて、MSIのロゴもゴールドなので、高級感もあります。ただし、クッション性はないので、キズつき防止効果はありますが、衝撃吸収能力は低いです。経験上、MSIとASUSのPC(奇しくも台湾本拠のメーカー)にはこのようなケースが付属していることが多く、個人的にはかなり重宝しそう、と感じます。

天板と底面

MSI Summit E13 Flip Evo 天板
天板です。インクブラックという筐体色の通り、「漆黒」という感じですね。MSIのビジネスライン用のロゴはゴールドで、高級感があります。筐体素材は「CNC加工のアルミ」で、塗装も凝ったものになっていて、手触りもなめらかです。

MSI Summit E13 Flip Evo 底面
底面です。中央やや上に大きめの通気口があり、前後にゴム足、左右にスピーカーグリルがあります。なお、筐体の開口は可能ですが、MSI製品はユーザーが筐体を開口すると保証が切れてしまいますので、RAMの増設やストレージの換装をする場合はMSI指定販売店に相談されることをおすすめします(MSI指定販売店が作業する場合、保証は切れません)。

側面

MSI Summit E13 Flip Evo 前面
前面です。こちらにはポート類やボタン類はありませんが、左右にごく小さい穴が2つ開いているのがわかると思います。これは「マイク穴」です。

Summit E13 Flip Evoの筐体色「インクブラック」は、側面がゴールド(どちらかと言うと赤銅色に近い)になっていて、豪華な印象です。豪華なインクブラックがいいのか、それとも純白が美しいピュアホワイトがいいのか、というのはお好みによりますね。

MSI Summit E13 Flip Evo 背面
背面です。コンバーチブル2 in 1筐体なので、ヒンジがやや目立ちます。また、中央に少し大きめの通気口があります。

MSI Summit E13 Flip Evo 右側面
右側面です。左からWebカメラのオン/オフスイッチ、USB Type-C、microSDカードリーダー、イヤホンジャックです。microSDカードリーダーはスマホのSIMスロットと同じ形式で、開口にはピンが必要です(ピンも付属します)。

MSI Summit E13 Flip Evo 左側面
左側面です。左からUSB Type-A、USB Type-C(Thunderbolt 4)× 2、LEDインジケーター(充電用)です。右側面に1つ、左側面に2つのUSB Type-Cポートがありますが、右側面のType-Cポートからは充電/給電ができません。右側の2つのType-Cポートはどちらも充電/給電ができます。

ディスプレイ

MSI Summit E13 Flip Evo ディスプレイ
正面からディスプレイを確認してみます。左右のベゼルが細く、下部ベゼルはやや太めです。最近は下部ベゼルも非常に細くなっている製品が増えましたが、下部ベゼルの太さというのは「使用時の目線の高さ」にも影響しますので、必ずしも細ければいい、とはいい切れません。このへんもお好み次第かと思いますが、少なくともデザインのバランスはよく取れていると思います。

また、このディスプレイはアスペクト比(画面の縦横比)が16:10なので、一般的なノートPC(アスペクト比16:10)よりもやや縦方向に長くなっています。

MSI Summit E13 Flip Evo ディスプレイ
タッチ対応し、ペン入力が可能ということもあり、グレア(光沢)タイプです。そのため、どうしても映り込みは大きめで、特に外出時には「置き場所に少々気を使う」ことになると思います。

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ディスプレイの発色・使用感

グレアタイプということもあり、発色は素晴らしいです。手持ちのモニターとの比較では「最も自然」と感じられました。手持ちのモニターの中にはこの製品よりも「色が濃い」と感じるものもありましたが、色が濃ければいい、というものでもないと思いますので、その意味ではこの製品のほうがより自然で優れていると感じました。また、黒も「しっかり黒い」ので、くっきりした画像・映像になっています。

ちなみにこのディスプレイ、メーカーのスペック表には「sRGB対応」という記載がありました。

一方で「映り込み」は少し気になるかもしれません。決まった場所で作業する場合は映り込みがなくなるように配置すればいいので特に問題はないと思いますが、出先で使う場合、背後に照明がある場合などでは少し気が散ってしまうと思います。

キーボード

MSI Summit E13 Flip Evo キーボード

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MSI Summit E13 Flip Evo キーボード

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前回のレビュー機はキーボードが英語配列でしたが、今回のレビュー機は日本語配列です。上の画像がバックライト消灯時、下がバックライト点灯時です。この製品はバックライトの輝度を3段階に調整できます。日中や少々薄暗い場面なども含め、キーの印字は割と見やすいですが、バックライトを点灯させると視認性が大きく高まります。私は視力が悪いので、試用中このバックライトは重宝しました。

キー配置はクセが小さい方だと思います。ただ、英語配列の名残りがあるといいますか、右側のEnterキー周辺のキーがくっついて配置されていたり、少し小さめだったり(特に方向キー)、といった指摘はできますね。あと、MSI製品は「Fnキーが右側(右下)だけにある」ものが多いのですが、この製品はちゃんと左下にあります。

MSI Summit E13 Flip Evo キーボード
キートップはフラット、キーピッチは手採寸で約19 mm、キーストロークはノートPCとしては標準的な深さです。

キーボードの使用感

前回のレビュー機は英語配列、今回は日本語配列でしたが、配列が異なる以外は使用感に差はありません。

キーピッチに余裕があり、打鍵はしやすいです。また打鍵音も静かな部類だと思います。画像を見ていただければわかると思いますが、この製品のタッチパッドは「相当に大型」です。タッチパッドを常用している人にはありがたい仕様ですが、タイピング時に手のひらなどが当たって誤動作しやすいのでは?ということも懸念されます。しかし、このタッチパッドは積極的に指で操作しない限り反応しないようになっていますので、操作中に手のひらがタッチパッドに触れても誤動作はありませんでした。

コンバーチブル2 in 1

MSI Summit E13 Flip Evo テントモード

MSI Summit E13 Flip Evo スタンドモード

MSI Summit E13 Flip Evo タブレットモード
Summit E13 Flip Evoはヒンジが360度開口するコンバーチブル2 in 1筐体です。一番上のテントモードや二番目のスタンドモードはゲームプレイ時や動画視聴時にキーボードが邪魔にならず、画面への没入感が高まるとされています。

一番下のタブレットモードは電車の中などでニュースや動画を観たりする際に便利ですし、ペン入力時にも重宝します。特に絵描きさんはクラムシェルノート(普通のノートPC)形態では本格的なイラスト制作はできないと想いますので、タブレットモードは必須と言えるでしょう。

スピーカーとバッテリー

スピーカーの使用感
MSI Summit E13 Flip Evo Nahimic

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MSIのノートPCにはNahimicという音響アプリが入っています。この画像のように比較的簡単な設定項目で高い音響効果が得られるようになっていますし、イコライザーで音域ごとに細かく設定することもできます。

Nahimicをオフにして音楽を聴いてみると、ハードウェアとしての素のスピーカー品質は悪くないと感じます。ただし、ヴォーカルの音域が強く、低音や高音がやや弱めなので、女性ヴォーカルなどを聴く場合には気持ちがいいのですが、ポップ系やロック系だと楽器の音のメリハリがやや弱く感じられます。

Nahimicをオンにするだけで一気にメリハリが上がり、元気のいい音質になります。なので、音楽鑑賞の場合はジャンルによってアプリを使い分けるのがいいのでは?と思います。

バッテリー駆動時間

ディスプレイの輝度を40%に、音量を30%に、キーボードバックライトをオン(最も輝度が低い状態)に設定し、MSI Centerのユーザーシナリオを「サイレント(パフォーマンスは4段階中の下から2番め、省電力性は上から2番め)」に設定してしばらく使ってみました。

「画像加工ソフトGIMPを使って簡単な画像加工を30分、ブラウザー上でYouTubeの動画視聴を15分、ブラウザー上でWebブラウジングを15分、テキストエディタで文章入力を15分」とトータルで1時間15分使用し、バッテリー消費は18%でした。単純計算だとバッテリー駆動時間は5時間半~6時間弱くらい、ということになります。

この数値は前回のレビュー(Core i7-1185G7搭載機)よりも少し短めです。ただ、バッテリー駆動時間はレビュー機のコンディションにもよりますし、本来はもっと長時間(10時間とか15時間とか)使ってみるべきものなので、実際のところ、前回と今回でバッテリー駆動時間に大きな差はないと判断していいと思います。

3.Summit E13 Flip Evo 性能テスト

性能テストに際し、付属の設定アプリ「MSI Center(詳細は前回のレビューをご参照ください)」のユーザーシナリオを「ハイパフォーマンス(最も高い性能が発揮できるシナリオ)」に設定しています。

MSI Summit E13 Flip Evo PC Mark

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スコアの目安(2021年水準)※あくまで「目安」です
GeForceなど外部GPU搭載機 5,000以上
高性能なビジネスノートパソコン 4,000以上
中位のノートパソコン 3,000以上
エントリーノートパソコン 2,000以下

表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。この製品の利用シーンを考えると、このPC Markが最も適切なテストだと思います。

前回レビューした「ピュアホワイトのCore i7モデル」のスコアが4,600でした。今回のレビュー機はCPUがCore i5-1135G7なのですが、「ほとんど互角」という結果になりました。レビュー機のコンディションという要因もありますので、この結果だけで断定はできませんが、それにしても今回のスコアはCore i5機としては非常に良好と言えます。

MSI Summit E13 Flip Evo 3D Mark
次にグラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。このスコアもCore i5搭載機としては非の打ち所のないものと言えます。前回のレビュー機は

Time Spy:1,831
FireStrike:5,216
Wild Life:12,204

というスコアで、Core i7-1185G7の貫禄を見せつけてくれましたが、今回のレビュー機はそれより低いとは言え「軽めのオンラインゲームならプレイ可能」なくらいの実力があると言えます。

MSI Summit E13 Flip Evo CINEBENCH R23
CPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。このスコアもCore i5搭載機としては高めと言え、期待以上の性能であると言えます。

MSI Summit E13 Flip Evo Crystal Disk Mark
ストレージの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。前回のレビュー機とほぼ同スコアで「めちゃめちゃ高速」です。MSIによれば「PCIe Gen 4」とのことで、ゲーミングノートの上位モデルよりも速い」と言っていいと思います。ここまで速いとビジネス利用ではあまり恩恵を感じられないかも…。まあ速いに越したことはないですけどね。

発熱とファン音

実はここ、前回のレビューとかなり大きな差がありました。「ピュアホワイトのCore i7-1185G7」では発熱量がかなり大きめに感じられ、長時間のゲームプレイを想定する場合、CPUと内蔵GPUの性能は足りているが、発熱による性能低下が懸念される、と評価しました。

しかし、今回のレビュー機は発熱が抑えられ、繰り返しベンチマークテストをしても「熱い」というレベルには至りませんでした。

…うーん、この結果、我ながらちょっと釈然としないものがあります。前回のレビュー機に搭載されていたCore i7-1185G7はTiger Lakeの省電力タイプのCore i7としては高性能な型番なので、発熱量が大きいであろうことは理解できます。また、Core i7よりもCore i5のほうが発熱量が小さいということもわかるような気がします。あるいは「レビュー機のコンディション」というのも関係があるかもしれません。

それらを踏まえて、正直に評価させていただくと、やはり「今回のレビュー機では発熱は気にしなくていい」という結果になってしまいます。

ファン音は前回のレビュー機と同じような感じで、音は小さいです。文書作成やWebブラウジング時には無音に近いレベルで、まったく音が気になりません。ベンチマークテスト中はファン音が聞こえるものの、音量は低めで耳障りではありませんでした。

4.Summit E13 Flip Evo レビューまとめ

MSI Summit E13 Flip EvoはMSI公式ストアやMSI指定販売店で販売中で、7月7日現在の価格は下記のとおりです。

筐体色ピュアホワイト
・A11MT-061JP:Core i7/16GB/512GB/英語:169,800円(MSI)
・A11MT-015JP:Core i7/32GB/1TB/日本語:219,800円(MSI)
筐体色インクブラック
・A11MT-013JP:Core i5/16GB/512GB/日本語:179,800円(アーク)
・A11MT-015JP:Core i7/32GB/512GB/日本語:199,800円(アーク)
※左からCPU/RAM/SSD/キーボードの仕様
※Core i5モデルのみOffice Home&Business 2019付属
※Core i5モデルのみHome版OS、他はPro版OS
※MSIはMSIストア、アークはPCショップアークでの価格
※税込み価格

今回のレビュー機はCore i5モデルで179,800円となっていますが、この価格はOffice Home&Businessを含み、スタイラスペンも同梱されますので、それを考慮するとかなり割安感があります。

前回Core i7モデル、今回Core i5モデルと、立て続けに実機レビューをさせていただきましたが、ベンチマークスコアを確認する限り、「Core i5モデルでも十分すぎる」実力があると思います。また、レビュー機のコンディションが影響している可能性はありますが、筐体の発熱という点についてもCore i5モデルのほうが安定していると感じました。

デザイン、サイズ、そして性能と、ビジネス2 in 1としては非常に高水準な製品だと思いますので、購入をおすすめできます。そうそう「色をどっちにするか」というのはこの製品の場合、結構重要と言えそうですね…。

5.関連リンク

Summit E13特集:MSI公式ストア
MSI Summit E13 Flip Evo:PCショップアーク

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