ゲーミングPCでおなじみのMSIが「ビジネスノート」のPS(プレステージ)シリーズの14インチモバイルノート「PS42 Modern」にモデルを追加しました。「PS42-8RA-052JP」という型番で、ウインタブで以前実機レビューした「PS42 MODERN 8RC」とは「GPU違い」となります。
1.スペック
この製品、というかPS42シリーズは1.19 kgの薄型軽量ノートでありながら(一部モデルを除き)外部GPU「GeForce」を搭載します。モバイルノートでGeForceを搭載する例はASUSなどでも見られますが、市場全体を見ると「希少」な存在と言えます。
CPUはWhiskey LakeのCore i7-8565Uです。既存のPS42シリーズだとKaby Lake R(Core i5-8250U/i7-8550U)を搭載していたのに対し、モデルが新しいぶん、CPUの型番も最新のものとなりました。また、外部GPUには「GeForce MX250」を搭載します。既存のGeForce MX150の後継モデルと思われますが、詳しい情報はなく、パフォーマンスの方も未知数です(ただし、MX150よりは性能アップしているでしょう)。
このCPUとGPUの組み合わせであればオンラインゲームもプレイ可能だと思われますが、CPUは省電力タイプ(型番末尾U)ですし、GeForceもGTXとかRTXではありませんので、基本的にゲーム用、という感じではありません。MSIの言う通り「ビジネスノート」という位置づけだと考えるほうが妥当だと思います。
RAMは8GBで、MSI指定販売店でのみ最大16GBまで増設可能、ストレージは512GBのM.2 SSDで、空きスロットについては言及がありませんので、増設はできないものと思われます(指定販売店であれば換装は可能です)。
ディスプレイは14インチでFHD解像度です。形式は開示されていませんが、PS42 Modern 8RC(GeForce GTX1050搭載)の実機レビュー経験に照らすと、IPS相当の液晶が使われているはずです。
入出力ポートはモバイルノートとして数が多いですね。Type-Cポートを2つ含みUSBが合計で4つあります。また、フル規格のSDカードリーダーも備えています。
サイズは文句なしと言っていいでしょう。14インチサイズながらタテ・ヨコサイズは小さめにまとめられていますし、重量1.19 kgというのもモバイルノートとして十分に軽いです。「GeForceって軽いんですね」とボケをかましてみたり…。
軽量コンパクトな筐体にGeForce、ということで少し心配なのが冷却性能ですが、しっかりMSIお得意の「Cooler Boost」システムが搭載されています。この製品に搭載されているのは「Cooler Boost 3」で、画像を見るとファンが2基、ヒートパイプ3本という構成になっています。
2.筐体
筐体に関しては従来モデルと同一と思われますので、詳しくはこちらの実機レビュー記事をご参照ください。ここでは簡単に説明します。
外部GPU搭載機とは言え、一般的なモバイルノートと考えても筐体はコンパクトで、正面から見るとナローベゼルになっているのがわかります。ベセル幅は最薄部で5.7 mmとのこと。
天板です。MSI製ですがゲーミングノートではないのでシルバーの上品なデザインが採用されています。筐体素材はアルミ合金で、ヘアライン加工が施されています。
キーボードです。ただ、この画像だと英語配列になっているので…
こちらを見ていただいたほうがいいと思います。従来モデルの画像で、日本語配列、バックライト(ホワイトのみ)も装備しています。キーピッチ、キーストロークとも十分で、打鍵のしやすいものですが、「左下にFnキーがない」という点だけ気になりました。
入出力ポートです。ゲーミングPCではない、という前提で言うと十分な種類と数が装備されています。ゲーム用だと映像系のポートをあと一つ、とか有線LANポートが欲しい、とかにはなるかもしれないですが、薄型モバイルノートなんで…。
3.価格など
MSI PS42 Modern(PS42-8RA-052JP)は3月15日の発売予定で、PCショップアークではすでに予約注文を受け付けており、3月8日現在の価格は税込み129,384円となっています。またアークはMSI指定販売店になっていますので、RAMとストレージのカスタマイズも可能です。
この製品の比較対象になるのは、同じMSIの従来モデル「8RCシリーズ(GTX1050搭載)」だろうと思います。GeForce MX250のパフォーマンスについてはまだ良くわかっていませんが、常識的にGPU性能としてはGTXのほうが上でしょうね。一方で8RCよりもこの製品のほうがCPUの型番は新しく、公称値で1時間程度ですがバッテリー稼働時間も長くなっています。そして、PCショップアークの価格を見るとやはり8RCよりも1万円以上安いです。
「ゲームをやりたい!」という要望がないのであれば、ニューモデル8RAのほうが購入しやすい価格になっていますし、よりビジネス向けなのでは?と思います。
コメント
構成的に電源は100W未満で、PD規格内に収まるように思えますので、専用電源というのは非常に残念な限りですね
いくら本体が軽くとも、専用の電源というだけで実重量と体積が嵩むので、モバイルノートとしては不利ですからね
たまに汎用性が高いType-C電源を許さないという職場もありますが……
こんにちは。ずーっと前の低価格タブレットをメインに紹介していた頃から賛否が分かれる話ですね。この製品もMSIに頼んでいろいろいじってみたいです。