MSIが14インチの高性能ビジネス・クリエイターノート「Modern 14」にバリエーションモデルを追加しました。ここからの話、少しだけややこしいのですが、どうかご了承ください。MSIの14インチノートには「Modern 14」と「Prestige 14」があり、どちらも薄型・高性能なモバイルノートなのですが、ModernとPresitigeには大きな相違点があります。
まず、Prestige 14ですが、全バリエーションモデルが外部GPUを使っていて、最上位モデルにはゲーミングPCにも採用されるGeForce GTX1650 Max-Qが搭載されます。一方で、Modern 14では外部GPU搭載モデルと非搭載モデルがあり、採用されている最も高性能なGPUはGeForce MX330で、GTXシリーズはありません。純粋に処理性能だけの話をすると「Modern 14よりもPrestige 14のほうが高性能だが、Modern 14の上位モデルとPrestige 14の下位モデルはスペック面でオーバーラップする」という感じでしょうか。それと、Prestige 14には4K解像度のディスプレイを選択できる余地があります。
それと、Modern 14とPrestige 14は基本的に別筐体「でした」。Modern 14が比較的トラディショナルなモバイルノートであるのに対し、Prestige 14はリフトアップヒンジを採用する、より新しさを感じさせるデザインとなっています。で、ここからがややこしいのですが、Modern 14に最近追加された「B4M(AMD Ryzen搭載)」と「B10R(Intel CPU搭載)」の2モデルは、筐体がPrestige 14とほぼ同じです。
つまり、今回ご紹介するModern 14 B4Mは名称こそModernですが、筐体はPrestige 14に非常に近く、CPUにRyzenを搭載する、ちょっと「異色のModern」です。なお、B4Mには一足先に発売されたRyzen 5版があり、また筐体と筐体色についてはつい先日実機レビューをしたModern 14 B10Mと同じなので、こちらの記事も合わせてご覧ください。
MSI Modern 14(AMD)- 第3世代Ryzen Mobile搭載!高性能14インチモバイルノート
MSI Modern 14 B10Rの実機レビュー - コンパクトなモバイルノートながらCore i7とGeForce MX330を搭載!精悍なブラックボディがステキ!
1.スペック
Modern-14-B4MW-011JP | |
OS | Windows 10 Pro |
CPU | AMD Ryzen 7 4700U |
外部GPU | なし |
RAM | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14インチ (1,920 x 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB 3.2 Gen1 Type-C、USB 2.0 × 2、HDMI、microSDカードリーダー、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(92万画素) |
バッテリー | 52Whr(4,600mAh) |
サイズ | 319 × 220.2 × 16.9 mm |
重量 | 1.3 kg |
Ryzen 5搭載モデルとの相違点は2つ、OSのバージョン(Ryzen 5モデルはHome版)とCPUの型番です。そのCPUですが、第3世代のRyzen 7 4700Uを搭載します。ウインタブではまだこのCPUを搭載するPCの実機レビューをしていませんが、Ryzen 5 4500UやRyzen 9 4900HSのレビュー経験はあり、「第3世代(4000番台)のRyzenの性能はすごい」ということは理解しているつもりです。あくまでもベンチマークスコアの話ですが、おそらくCore i7-10510Uよりも高いスコアをマークするのは間違いないでしょう。
外部GPUの搭載はありません。またRAMは16GB、ストレージは512GBと、MSIらしく大容量を搭載します。というか、Ryzen 7 4700Uの実力を考えるとRAMは16GBあったほうが安心かもしれません。
ディスプレイは14インチのFHD解像度で、IPSという説明はありませんでしたが、これまでのレビュー経験からこの製品のディスプレイはIPS相当のものが搭載されていると理解していいです。
Modern 14、通信まわりではもともとWi-Fi6(ax規格)には対応していなかったのですが、このニューモデルでもやはり対応はしていません。高性能モデルだけに早めに対応してもらいたかったですね。
サイズはRyzen 5版、および先日実機レビューをした「B10R」と同サイズ、同重量です。筐体色も同じなので同一筐体であると考えていいでしょう。MSIのModernおよびPrestigeシリーズはスペックが高い割にサイズ感が素晴らしいと言えます。
2.筐体
せっかくなので、実機レビューをした「B10R」の画像を使います。ご覧のようにベゼル幅が細く、見た感じは「華奢なモバイルノート」なんですよね。めっちゃ高性能なんですけど。
天板です。Modern 14 B4MとB10Rは筐体色が「オニキスブラック」となります。また、筐体素材について説明はありませんでしたが、実機を確認した限り金属製(アルミ合金だと思います)の天板が使われていました。ドラゴン・ロゴがMSIらしいですが、ゲーミングノートのように派手な印象はありません。
この筐体は「リフトアップヒンジ構造」になっています。また、リフトアップ量もかなり大きめで、ヒンジ開口時にはキーボード面に大きめな傾斜がつきます。
キーボードです。やや英語配列の雰囲気を残した日本語配列で、十分なキーピッチ(手採寸で約19 mm)とキーストローク(約1.5 mm)が確保されており、打鍵は非常にしやすいです。また、バックライトはホワイトの単色となります。
あと、MSIのノートPCですが、キーボードはさすがにSteelSeries製ではなく、したがってWindowsキーも普通に左側にあります。
こちらはB10Rではなく、B4Mの製品画像です。この製品、入出力ポートが「イマイチ」なところがありまして、2つあるUSB Type-Aポートがいずれも2.0規格なんです。また、搭載CPUの関係と思われますが、USB Type-Cも3.1(3.2)Gen 2ではなく、Gen 1にとどまります。ALTモード(ディスプレイ出力などが可能になります)にも非対応です。
3.価格など
MSI Modern 14 B4MのRyzen 7モデルは8月5日の発売予定で、PCショップアークではすでに予約販売を受付中、7月31日現在の価格は税込み119,800円です。また、先行販売されているRyzen 5版はMSIストアで販売中で、こちらは税込み98,000円です。
やはりModern 14は「ビジネスクリエイターノート」という位置づけがピッタリ来るんでしょうね。高いPC性能、高い可搬性、そして美しく精悍なデザインの、ビジネスマンのニーズにもよく合う製品だと思います。
4.関連リンク
Modern-14-B4MW-011JP(Ryzen 7):PCショップアーク
Modern-14-B4MW-012JP:MSIストア