こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。トップ画像はTwitterで話題になった「全日本もう帰りたい協会」に触発されて作ったものですが、なぜこれがトップ画像なのかということについては記事を読んでいただければわかるかもしれません。
今回はマウスコンピューターの10インチWindowsタブレット「m-Tab iCE1000WN-BG(以下、本機といいます)」の実機レビューその2として、ソフトウェアやアプリの使い勝手はどうか、ということにフォーカスしてお送りします。
1.Celeron N2807のスペック
いつも参照しているPassmark公表のベンチマークテストの数値は下記のとおりです。参考として2013―2014年モデルの8インチタブレットに最もよく使われているIntel Atom Z3740の数値も併記します。
Celeron N2807 933 サンプル数11
Atom Z3740 1070 サンプル数168
数値が大きいほど高性能です。N2807はサンプル数が少なめですが、おおむね信用できると見ていいでしょう。でも「じゃN2807ってダメなCPUなの?」と考えるのは早計です。PCやタブレットの性能はCPUだけじゃ決まりません。本機のOSは64ビットということもありますし、せっかくの実機レビューなので、レビュアーである私がいつも使っているVivoTab Note 8(2013―2014モデルのインチタブレット)との比較でどう感じるか、という目線で考えてみたいと思います。
先に個人的な意見を言ってしまうと、本機はVivoTab Note 8に比べて性能が劣るとは思えません。逆にめっちゃサクサク、という感想も持てませんけど。
ともあれ、ソフトウェアとかゲームとか、いくつか試してみたので、その感想を書いていきますね。
2.御城プロジェクトで遊んでみた
昨年来Windowsタブレットが日本で大ヒットした要因として、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」の存在がありました。Flashを使ったブラウザゲームはiOSやAndroidで遊ぶことができず、外出先でいつも艦これを、という場合はWindowsタブレットを使う必要があったんですね。それから1年、まだまだ艦これは大人気ですが、後続のブラウザゲーム「御城プロジェクト~CASTLE DEFENSE~」がつい最近リリースされています。せっかくなので今回は城プロのほうで遊んでみました。
結論として本機で十分遊ぶことができます。キーボードとマウスも不要で、タブレット本体だけあれば大丈夫です。じゃ100点満点の挙動かといえば残念ながらそうではありません。
・起動時とか画面遷移時の読み込み時間はやや長く感じられます。感じ方に個人差はあると思いますが、ほとんどの人に受け入れられる程度の長さ(遅さ)だと思います。
・合戦時、「早送り」の機能があって、スピーディーな戦闘ができる仕組みになっていますが、早送りの速度が遅いです。ほとんどの人には我慢できるレベルですが、同じステージでレベル上げをするような場合はイラッと来る人もいると思います。
・しばらく放置してブラウザの他のタブでWebブラウジングをしたり、ストアアプリを使ったりしてから城プロのゲームに戻ると、しばらくのあいだ動作が非常に遅くなります。すぐ復旧するのですが、このあたりは本機の性能というかタスク制御上の問題なのかな、という気もします。
本機のテストにかかわらず、個人的に私物のVivoTabで毎日城プロをやってますが、VivoTabとの比較で言うと、別に速くも遅くもない、あんまり変わらん、という感じです。ただ、画面が10インチと大きいので、タブレットでのタッチ操作は確実にラクです。でもね、本機のテストの話じゃないんですけど、艦これにせよ城プロにせよ、外出先で使う場合、通信環境の方に大きく左右されます。私は非常に通信品質の悪いモバイルルーターを使っていて、タブレットの性能よりもルーターの通信速度のほうがボトルネックになっています。最新のLTEルーター(あるいはスマホでのテザリング)を使っていたとしても、トンネルの中とか地下鉄の中とか、通信に苦労する場面はかならずあるはずなので、そういう苦痛を味わってしまうと、多少挙動が遅いくらいは別に文句ないかな、と思えるでしょう。私はそうですw
3.Windowsストアアプリで遊んでみた
すいません、遊んでばかりですけど、今度はWindowsストアアプリ「アナと雪の女王 Free Fall」で遊んでみました。なんでゲームばっかりなのか、というと、ストアアプリの場合、仕事効率化ジャンルとかユーティリティー系アプリのほうが圧倒的に軽量なので、本機の性能を試す、ということであればゲームアプリのほうが適していると思ったからです。
こちらもまーったく問題ありません。完全に普通に遊べます。アプリの挙動に関してはテストする意味すらなかった、ということになりますが、ひとつだけご報告が…。
めっちゃ腕が疲れます。
このゲーム、片手てタブレットを持って、もう片方の手で氷の結晶を動かしていくわけですが、長時間遊ぶとタブレットを支えている方の手が疲れてしまいます。アナ雪だけでなく、片手でタブレットを持ち、片手で○○を操作する、という形態のゲームはすごく多いので、このあたりは注意というか覚悟が必要かもしれません。もちろん台の上にタブレットを置いて操作すれば全然問題ないのですがね。
4.画像加工をしてみた
私はフリーの画像加工ソフト「GIMP 2」を愛用していて、ウインタブの記事に使う画像もこのソフトで加工しています。といっても背景抜きとかリサイズとか枠線とか、そのくらいのことしかしていませんけどね。
で、本機とGIMP 2を使って、こんなことをしてみました。
この画像を
こんなふうに。
この作業は付属キーボードと外付けマウスを使って行ないました。具体的には
・モデルのサヤマ君の元画像の背景を抜く
・サヤマ君が暗いので少し明るく
・フリー画像を背景に使う
・文字を入れる
・リサイズする
という内容なのですが、この程度であればまったく問題ありませんでした。強いて言えば背景抜きの作業のとき、ほんの少しだけ考えこむような感じがありましたが、ほぼ気にならないと言っていいレベルです。もしこのような作業を本機を使ってやるように頼まれたら「はーい、わかりましたよお♪」と音符つきで答えると思います。
「じゃもっと複雑なのは?」と言われてしまいそうなのですが、「スキルがなくて確かめられません」としか言えません。
5.ひと通りストレスなく使えるよ!
ここまでのまとめです。
艦これや城プロ → 問題なく遊べます。ちょっと挙動が重くなるところもあるけど、普通の人なら我慢できるレベル。そんなことより出先で使うんなら通信環境のほうがボトルネックになると思うよ。
ストアアプリ → テストする意味がないくらいに問題なし。でも「片手でタブレットを持って、もう一方の手で操作する」使い方を長時間するのはつらい。腕力をつけてから出直してこいや。
フリーソフトで画像加工 → 軽度な作業ならストレスなし。高度な作業は試してないのでわからないけど、手頃な価格の10インチタブレットにあまり無茶なことはさせないように。
とりあえず、普及価格帯のPCに期待するレベルの使い方なら本機は十分使える性能は持っていると思います。ただ、64ビットOSを体感できたか、というと「全然わかりません」としか言いようがありません。RAMも2GBだし、64ビットの性能は引き出せていないと思います。別に64ビットであることはマイナス要素ではないので全く問題はありませんが、本機のパフォーマンスに関しては「気づかないレベル」です。
さあ、次回は「Officeを使う」ということで本機最後の実機レビューをしたいと思います。