こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はThinkPadシリーズのニューモデル、14インチモバイルノートの「T490s」の実機レビューです。ライターのひつじさんの言葉を借りると「Lenovo祭りじゃ!」ということで、ここのところウインタブではたくさんのLenovo製品を実機レビューしています。特にThinkPadシリーズの場合「ThinkPadを買うのは決めているんだけど、どの型番にしようかな?」とお迷いの人も多いと思います。直近でレビューしたThinkPad及びIdeaPadについては下記をご参照下さい。
Lenovo ThinkPad X1 Extreme レビュー - 抜群の使いやすさにゲーミングノートの性能!さすがはThinkPadシリーズのフラッグシップ!(実機レビュー)
※2018年モデルですが、筐体は2019年モデルと同じです
ThinkPad X1 Tablet レビュー - シリーズで唯一のデタッチャブル2 in 1。でも「しっかりThinkPad」です(実機レビュー:かのあゆ)
Lenovo ThinkPad T490 レビュー - モバイルできる!GeForceも積める!性能優先の14インチならこれ!(実機レビュー)
Lenovo ThinkPad E490 レビュー - 14インチのハイ・コストパフォーマンス機。性能と価格を両立するならコレ!(実機レビュー:ゆないと)
Lenovo IdeaPad C340 (15) レビュー - どのパソコンにしようかな?と迷っているならこれ!高品質で価格破壊な15.6インチコンバーチブル2 in 1(実機レビュー)
Lenovo IdeaPad S540(15) レビュー - ビジネスにもエンターテインメントにも使える、高バランスな15.6インチ(実機レビュー:ひつじ)
さて、今回レビューするT490sですが、スタンダードノート系のTシリーズにあって、スリムで軽量なモバイルノートという位置づけになっています。また、ThinkPadの上位モデルにして14インチモバイルノートということで、「フラッグシップモバイル」であるX1 Carbonに立ち位置が非常に近い製品でもあります。ただ、X1 Carbonの2019年モデルはウインタブでもまだ実機レビューができていませんので、このレビューでは「14インチモバイルノートとしてどうなの?」という、絶対的(相対的ではない、という意味です)な視点でレビューしたいと思います。
1.スペック
ThinkPadシリーズ全般に言えることとして、注文時に非常に細かく構成のカスタマイズができる、というのがあります。このT490sも例外ではありません。OSはHome版とPro版を選べ、CPUはWhiskey LakeのCore i5-8265UとCore i7-8565Uに加え、vPro(法人など組織でPCの一元管理をするのに役立つ機能です。個人にはあまり関係がありません)対応のCore i5-8365U/Core i7-8665Uも選べます。
RAMは8月8日現在だと8GBもしくは16GBのみ選択可能です。最大32GBとなっていますが、これは後日追加される、との説明になっていました。T490sはスリムサイズであるためか、RAMはオンボード(マザーボードに直付けされていて、ユーザーが簡単に増設したり換装したりできない)です。とりあえず8GBにしておいてあとで16GBに増設する、というのがほぼ不可能なので、購入する際は余裕を持ったRAM容量にしましょう。
ストレージはM.2 SSDで最小128GBから最大で1TBまで選択可能です。それと、ディスプレイですが、実に4種類の選択肢があります。
すべて14インチのIPS液晶
1,920 × 1,080、非タッチ、250nit
1,920 × 1,080、タッチ、300nit
1,920 × 1,080、非タッチ、400nit(省電力パネル)
2,560 × 1,080、非タッチ、500nit
ここでいう「nit」というのは明るさの尺度で、一般的には250nit~300nitくらいです。400nitとか500nitになると、体感的にはっきりと明るく感じます。また、この製品ではタッチパネルも選択可能なので、スマホ世代の若い人はタッチパネルを選ぶと使いやすいかもしれません。ちなみに私も最近ではタッチパネルのノートPCのほうが何かと使いやすく感じます。
通信ではWi-Fiのほか、LTEモジュールの追加も可能です。また入出力ポートはThunderbolt 3も含め、USBが合計で4つ、HDMIも備えますが、SDカードリーダーはmicro規格となり、有線LANもアダプター経由での接続となります。LANアダプターは標準で付属しますが、レスオプション(付属させないという選択肢。定価ベースで4,320円安くなります)も可能です。
注目のサイズですが、はっきり言って14インチとしてはそんなに小さいほうではありません。ただし、重量が1.24 kgから、ということなので、持ち歩きが苦になるようなサイズ感ではないです。参考までにX1 Carbonと比較してみましょう。
T490s:328.8 x 226.15 x 16.7mm / 1.24 kg
X1 Carbon:323 × 217 × 14.95 mm / 1.09 kg
このように、サイズに関しては結構な差があります。個人的には「できればX1 Carbonのサイズがいいんだけど、T490sでも1.24 kgだし全然許容範囲」だと思います。私が毎日持ち歩いている13.3インチノートは1.5 kg弱ありますので、それを思えばT490sのサイズ感には全く不満はないですね。
レビュー機のシステム構成です。Core i7-8565U/RAM16GB/512GB SSDという構成で、「プレミアムモデルのRAMを16GBにしたもの」でした。なお、ディスプレイは「1,920 × 1,080、非タッチ、400nit(省電力パネル)」かつ「LTEモジュールあり」でした。
2.筐体
同梱物です。なお、レビュー機は新品ではなく、貸出機のため、ペーパー類の同梱物はこの限りではない可能性があります。ただ、基本的にすぐ使うのは左下のセットアップガイドくらいでしょう。その他には電源ケーブルとLANコネクター(PC本体に専用コネクターがあり、LAN(RJ45)ポートに変換できる)がついていました。
ACアダプターの重量は電源ケーブル込みで296 gと「思ったほど軽くはない」です。
天板です。説明のしようもなくThinkPadです。樹脂製でややしっとりとした手触りになっています。高級感がある、というのとは違うと思いますが、質感そのものは悪くないですね。また、左上にThinkPadロゴがありますが、通電時は「i」の上の点が赤く発光します。これはThinkPadシリーズ共通の特徴でもあります。
右側面です。画像の左端のほうにあるスジみたいなのはスマートカードリーダーで、基本的にはオプション扱いとなります。通気口を挟んでUSB、セキュリティロックスロットがあります。
前面には何もありません。この製品は前面を斜めにカットしていて(天板側が長く、キーボード側が短い)、ヒンジ開口が容易な設計になっています。
左側面です。画像左から、USB Type-C(これは給電/充電ポートも兼ねています)、USB Type-C(これがThunderbolt 3)、LAN拡張コネクターで、この3つを使って純正のドッキングステーションを接続することもできます。続いてUSB(Type-A)、HDMI、オーディオジャックがあります。このようにポート類は左側面に多く配置されていますが、右側面にもUSB(Type-A)ポートがありますので、使い勝手は悪くないです。
背面にはSIMスロット兼microSDカードリーダーがあります。下の画像を見ていただくとわかりますが、形状はスマホのSIMスロットによく似ています。この製品はデュアルSIMには対応しませんので、SIMカードとmicroSDカードを同時に挿入することができる、ということになります。なおSIMスロットの開閉にはイジェクトピンが必要ですが、レビュー機には同梱されていませんでした。別にクリップなどでも開閉ができますので特に困りませんが、手元にスマホ用のイジェクトピンがある、という人は捨てずにとっておきましょう。
底面です。上部(開口部側)の左右にスリットのようなものが見えますが、これがスピーカーです。また、ユーザーがメンテナンスできる開口部(ハッチ)はなく、バッテリーも着脱式ではありません。
キーボードです。ここもまた説明に困るといいますか、「普通にThinkPad」です。アルファベットキーのキーピッチは手採寸で約19 mm、キーストロークは一般的なノートPCよりも少し深めです。
キーボードにはバックライトがつき、明るさを2段階に調整できます。キートップは中央部分が凹んでいて、一般的なノートPCのキーボードよりもかなり立体的な形状をしています。また、他のThinkPadシリーズと同様、英語配列を選ぶこともできます。
ヒンジを開口してみました。正面から見ると、筐体がスリムであることがわかる一方、今どきの上級モバイルノートの割にベゼルが「そんなに細くない」ことがわかります。ただこれThinkPadですし、並外れて頑丈な筐体になっていますので、ここはガマンしときましょう。このへんがX1 Carbonとの差、と言えなくもないです。
T490sに限らず、クラムシェルノート形態のThinkPadは全機種ヒンジが180度開口します。小さなテーブルで打ち合わせをする際などに、反対側に座っている人に画面を見せるのに便利なんですよね。
一通り筐体をチェックしてみました。私は日頃から「ThinkPad推し」を公言し、私物のノートPCもThinkPadなので、正直そんなに新鮮味は感じませんでした。要するにThinkPadって見た目は全部一緒なんですよね…。しかし、筐体のスリムさは実感できましたし、軽さにも納得できました。ThinkPadユーザーとしては、へんてこなデザインや使いにくいデザインにされるくらいなら変わってほしくはないし、でも「できればもうちょっと小さくて軽くなってほしい」とは思いますよね?その意味でT490sは既存のThinkPadユーザーも納得の筐体になっていると思います。ではこれまでThinkPadを使ったことがない、という人は?
それはこのあと…。
3.使用感
キーボード
ThinkPadシリーズを何代にもわたって使い続けている人も少なくないと思いますが、その理由として「このキーボード品質に惚れ込んでいるのだ!」というのがあると思います。
上にも書きましたが、アルファベットキーのキーピッチは手採寸で約19 mm、キーストロークは一般的なモバイルノートよりはやや深めで、もちろんThinkPadとしては標準的なものになっていました。手持ちのThinkPad 13と比較すると少しキータッチが重い感じがしますが、ここのところ立て続けにレビューしてきたThinkPad X1 Extreme(2018)やThinkPad T490とほぼ変わらない重さなので、最近のThinkPadとしてはこれが普通なのだろうと思います。もちろん重すぎて手が疲れる、ということはありません。
使い勝手については文句ありません。ThinkPadシリーズのキーボードは基本的にみな同じレイアウト(テンキーの有無、という差異はありますが…)なので、ThinkPadユーザーである私が戸惑うということは一切ありません。しかし、ThinkPadユーザー以外の人が戸惑う箇所というのも若干あります。
よく指摘されるのが左下のFnキーとCtrlキーの位置が逆、という点ですが、これはThink Vantageという設定アプリによって位置を入れ替えることができます。
逆にThinkPadを初めて使う人でも歓迎するであろう装備がトラックポイント(赤いデベソ)です。キーボードの中央にある赤いスティックでマウスポインターを動かすわけですが、これ、タッチパッドがあまり好きではない私には「マウス以外で唯一使い物になるポインティングデバイス」と感じます。日頃タッチパッドを駆使しているような人にはあまり関係ないかもしれませんが、私のようにタッチパッド操作がイマイチ好きになれない人にはぜひ試していただきたい装備です。マウスいらずになるかもしれませんよ。
さて、T490sの使用感ですが、上に書いたとおり打鍵はやや重め、ストロークも深めですが、「重すぎる、深すぎる」ということはなく、気持ちよく確実に打鍵ができます。また、打鍵音も小さめで、パチパチとは言いません。どちらかと言うと「ボソボソ」という感じの打鍵音になりますが、少し気を使えば静かな場所でも使えるくらいです。
ThinkPadの大きな魅力の一つがキーボード品質だと言えますが、この製品のキーボードはThinkPadとしては普通、でも一般的なノートPC基準だと「極上の使いやすさ」と言えるでしょう。
ディスプレイ
いつものように、ブラウザーのEdgeを開き、Bingで「花」を画像検索して検索結果を手持ちのモバイルノート(ThinkPad 13、13.3インチIPS液晶、FHD解像度)と比較してみました。
T490sのディスプレイはFHD(非タッチ、250nit)、FHD(タッチ、300nit)、FHD省電力(非タッチ、400nit)、WQHD(非タッチ、500nit)の4種類から選ぶことができますが、レビュー機には400nitの省電力パネルが搭載されていました。このパネルのみノングレアとなります。
最近400nitのディスプレイをレビューする機会が増えているのですが、非常に明るく、私のように視力の低い人にはありがたいと思われます。手持ちのThinkPad 13とは比較になりません。
また、発色も素晴らしく、以前レビューしたWQHDパネルのように少し赤みが強いとかのクセも感じられませんでした。黒もしっかり黒いので、メリハリもあり、花の画像が華やかに見えます。このディスプレイは標準のFHDパネルから定価ベースで8,640円(セールだと5,000円ほどです)で追加できますのでおすすめです。ただし、なぜかこのパネルはLTE(WWAN)とセットオプションになっていますので、LTEを追加する人しか選べないんですよね。それと、FHDタッチパネルも同価格なので、タッチパネルにしたい人は悩んでしまうかもしれませんね。
スピーカー
この製品のスピーカーは底面左右にあり、ステレオスピーカーとなっています。配置がいいので、ステレオ感はしっかり出ます。音質のほうは「並み」ですね。特に素性のいいハードウェアではないと思います。
Dolby Audio Premiumというアプリが入っていて、基本的には「オン/オフ」操作だけで機能しますが、パーソナライズメニューでイコライザーによる調整もできます。このアプリは非常に出来が良く、音質の改善に大きく寄与していますので、それを考慮したトータルでのスピーカー品質はそんなに悪くはありません。ただ、音質はクリアとはいいがたいですし、音楽を聴いていると全体的に薄い膜がかかっているように思われます。
少し厳しいことを書くと、T490sはThinkPadでも上位モデルなので、その割にはちょっと物足りないですね。音質にうるさい人には少し不満に感じられるかもしれません。
バッテリー
今回は少し細切れではありますが、トータルで数時間を使って試してみました。ディスプレイ輝度を50%にしてブラウザーのEdgeを開き、断続的にYouTubeで音楽を流し(ボリューム30%程度)ながらGimpで画像加工をしたり、テキストエディターで文章を書いたり、といった「自分の部屋で使いそうなこと」をやりましたが、平均して1時間に12%ほどのバッテリー消費でした。おそらくバッテリー稼働時間は8時間程度になるものと思います。
省電力ディスプレイを使った場合の公称値23.95時間というのは悪い冗談としても、どうやら省電力ディスプレイというのはそこそこいい仕事をしてくれているようです。少し気を使う必要があるかもしれませんが、この製品であれば終日(皆さん8時間労働ですよね?…これも悪い冗談か…)はバッテリー稼働でしのげると思います。
4.性能テスト
参考:
HP ENVY x360 15(Ryzen 5 3500U) : 11,792
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 10,020
HP ENVY X360 13(Ryzen 7 3700U): 9,723
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 9,643
DELL Inspiron 13 7370(Core i7-8550U): 9,058
Lenovo IdeaPad C340 (15)(Core i5-8265U): 8,910
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 8,909
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 8,923
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 8,727
DELL XPS 13(9380)(Core i7-8565U): 8,676
DELL Inspiron 15 5000 2in1(Core i7-8565U):8,641
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 8,606
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 8,409
HP Spectre x360(Core i7-7500U): 8,385
Lenovo IdeaPad S540(15)(Core i5-8265U): 8,374
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 8,207
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U): 8,186
Lenovo ideapad 520(Core i5-8250U): 8,129
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 8,106
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 8,055
参考:
HP ENVY x360 15(Ryzen 5 3500U) : 6,797
HP ENVY X360 13(Ryzen 7 3700U): 4,925
iiyama Style 17FH054 i7(Core i7-8750H): 4,821
HP ENVY 13 x360(Ryzen 3 2300U): 4,757
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 4,720
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 4,706
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,605
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 4,571
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): 4,559
DELL XPS 13(9380)(Core i7-8565U): 4,487
Lenovo IdeaPad S540(15)(Core i5-8265U): 4,350
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 4,337
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 4,238
DELL Inspiron 13 7370(Core i7-8550U): 4,234
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 4,210
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 4,199
Lenovo IdeaPad C340 (15)(Core i5-8265U): 4,195
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 4,165
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 4,128
ドスパラ Altair F-13(Core i5-7200U): 4,115
富士通 LIFEBOOK WU2/C3(Core i7-8565U): 4,003
HP Spectre x360(Core i7-7500U): 4,003
参考:
HP ENVY x360 15(Ryzen 3500U) : 5,076
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 4,465
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 4,385
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,375
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 4,365
DELL Inspiron 13 7370(Core i7-8550U): 4,247
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): 4,154
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 4,079
DELL XPS 13(9380)(Core i7-8565U): 3,987
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 3,985
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 3,951
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 3,940
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 3,935
HP Spectre 13(2017)(Core i7-8550U): 3,921
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 3,890
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,858
富士通 LIFEBOOK WU2/C3(Core i7-8565U): 3,665
Lenovo ideapad 520(Core i5-8250U): 3,596
iiyama Style 17FH054 i7(Core i7-8750H): 3,554
HP ENVY 13(Core i7-8550U): 3,487
DELL Inspiron 15 5000 2in1(Core i7-8565U):3,359
Lenovo IdeaPad C340 (15)(Core i5-8265U): 3,282
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 3,192
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y): 3,012
オンラインゲーム「ドラゴンクエスト X ベンチマーク(ドラクエ)」と「ドラゴンズドグマオンライン ベンチマーク(DDON)」のスコアから。多少ばらつきがあるものの、Whiskey LakeのCore i7-8565搭載機としては水準以上のスコアになっていると思います。実機レビューでベンチマークテストをする際、たまにとんでもないスコアになっちゃうことがありまして、そういうときはレビュー機を再起動してみたり、いろんな設定を確認したりして再テストするのですが、T490sは「全部一発」で、期待通りのスコアが出ました。それが普通といえば普通なんですけど、「やっぱ挙動が安定しているよなあ」と少し感心しました。
参考:
HP ENVY x360 15(Ryzen 3500U) : 2,269、7,922
HP ENVY X360 13(Ryzen 7 3700U): 1,513、6,808
HP ENVY 13 X360(Ryzen 3 2300U): 1,513、5,396
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 1,211、4,871
DELL XPS 13(9380)(Core i7-8565U): 1,189、4,586
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 1,178、4,574
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 1,161、4,719
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 1,157、4,652
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 1,136、4,524
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8250U): 1,126、4,746
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 1,116、4,367
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 1,114、4,389
富士通 LIFEBOOK WU2/C3(Core i7-8565U): 1,111、4,325
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 1,097、4,471
Lenovo IdeaPad C340 (15)(Core i5-8265U): 1,085、4,370
DELL Inspiron 15 5000 2in1(Core i7-8565U):1,084、4,421
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 1,084、4,282
iiyama Style 17FH054 i7(Core i7-8750H): 1,082、4,559
※左からFireStrike、SkyDiverのスコア
3D Markです。やはりCore i7-8565U搭載機としては「並よりもちょっと上」くらいのスコアでまとまりました。正直なところ、サプライズはないですね。まったくもって期待通りのスコアだと思います。
参考:
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 5,401
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 5,328
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,122
MSI GF75 Thin(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 5,009
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 4,976
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 4,906
ドスパラ GALLERIA GCF2070GF-E(Core i7-8750H、RTX2070): 4,893
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 4,545
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 4,290
iiyama STYLE-17FH054-i7(Core i7-8750H) : 4,281
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,223
Lenovo ThinkPad T490(Core i7-8565U、MX250): 4,158
Lenovo IdeaPad C340 (15)(Core i5-8265U): 4,066
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 3,909
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8350U): 3,778
HP Spectre 13(Core i5-8265U): 3,766
HP ENVY X360 13(Ryzen 7 3700U): 3,728
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
ドスパラ Critea VF-HEKS(Core i7-8550U、MX150): 3,704
HP ENVY x360 15(Ryzen 3500U): 3,617
DELL Inspiron 17 5000(5770)(Core i7-8550U、Radeon 530): 3,607
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 3,546
HP ENVY 13(Core i7-8550U):3,534
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 3,518
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 3,492
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 3,491
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 3,399
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U): 3,353
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 3,350
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 3,341
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 3,199
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y): 3,108
続いてはゲーム用のベンチマークテストではなく、表計算とか画像加工もシミュレートするPCの総合性能テスト、PC Markのスコアです。このテストでは外部GPUの搭載有無というのはあまり大きく影響せず、CPU性能である程度スコアが決まってきます。個人的には「Core i7搭載機なら3千点台の後半くらい、できれば4千点はほしいなあ」くらいに思っていますが、やっぱ「期待通り」といいますか、並よりもちょっと上くらいで落ち着きました。ということで、性能テストの総括として「期待通りあるいは期待よりちょっと上で大きなサプライズなし」と言えます。いや別に「つまんない」とかは言ってないですから。
最近測定し始めているSSDの速度測定、Crystal Disk Markのスコアです。全体的に文句なしの水準で、特にWriteが高速に感じられます。ビジネスマシンとしては十分すぎるくらいのスコアでしょう。
発熱について
同じTシリーズのT490の発熱が少し大きめに感じられましたので、このT490sでも気をつけて発熱を確認しました。とはいっても、ウインタブの実機レビューで発熱が心配になるようなケースはオンラインゲームのベンチマークテストだけなんですけどね。
結論として、筐体が熱い!と感じるほどの発熱量はありませんでした。T490よりも発熱は小さいです。ただし、この製品は右側面に通気口がありまして、通気口から出てくる風(排気)は結構な温度です。やけどをするとかではないですけど、少々不快に感じました。T490もほぼ同じレイアウトなんですが、T490のときは排気はそんなに気にならず、筐体の発熱のほうが気になったんですけどね。マウスを持つ右手がこの通気口近くになることがあると思いますので、PC負荷の大きい作業をする際は少しだけ気にかけるほうがいいかもしれません。
5.まとめ
Lenovo ThinkPad T490sはLenovo直販サイトで販売中で、8月8日現在の価格は税込み136,188円から、となっています。また、ThinkPadシリーズは週末に値引き幅が拡大し、週末の価格だと税込みで132,000円程度から、になるはずです。直近の週末価格では「37%OFF」でした。
レビューを終えてみて、性能テストのところで書いたとおり「期待通りあるいは期待よりちょっと上で大きなサプライズなし」というのがThinkPadユーザーでもある私の総合評価です。これは決して悪い意味ではありません。ThinkPadユーザーがThinkPadのモデルチェンジの際、一番心配なのが「悪い方向に変わってないよね?」ということだと思います。その意味では、「ThinkPadユーザーがサプライズなしと言っている」というのが最も安心できる評価だと言えるでしょう。しかし、いい方向でも「期待通り」です。筐体のサイズ感ですね。この製品はモバイルノートで、ThinkPadとして変わらない品質を備えつつ、重量を1.24 kgに抑え込んでいる、というのは素晴らしいことです。この性能でこの軽さ、そして変わらぬThinkPad筐体品質、ということであれば、本当に文句はありません。
最後に、ThinkPad X1 Carbonとの価格を比較してみたいと思います。「Core i5-8265U/RAM8GB/256GB SSD/FHDディスプレイ・400nit/LTE対応」という基準にしてみます。
T490s: 149,088円
X1 Carbon: 182,477円
※8月8日0:00現在の税込価格(ナイトクーポン適用のもの)
同じ構成にした場合の価格は3万円強X1 Carbonのほうが高価です。そしてこの3万円強の差の要因は「筐体サイズと筐体素材」ですね。ここから先は私が判断すべきことではなく、読者のみなさんが判断されるべきことでしょう。X1 Carbonのことを意識せず、純粋にT490sというモバイルノートを評価するとしたら「強く買い」でいいと思います。
6.関連リンク
ThinkPad T490s:Lenovo直販サイト