レノボがThinkPadシリーズのニューモデル「ThinkPad T16 Gen 2(AMD)」を発売しました。T16 Gen 2にはIntel版もあり、Intel版の紹介記事も未掲載だったため、この記事でIntel版およびAMD版をご紹介します。T16 Gen 2は16インチサイズのスタンダードノートで、モバイルワークステーションという位置づけの「ThinkPad Pシリーズ」を別とすればThinkPadスタンダーノートの最上位モデルです。
1.ThinkPad T16 Gen 2 スペック
スペック表
ThinkPad T16 Gen 2 | |
OS | Windows 11 Home / Pro |
CPU | Intel Core i5-1335U/Core i5-1345U/Core i7-1355U/Core i7-1365U AMD Ryzen 5 PRO 7540U/Ryzen 7 PRO 7840U |
外部GPU | なし |
RAM | Intel:16GB/24GB/32GB(DDR5-5600MHz) AMD:16GB/32GB(オンボード, LPDDR5X-6400MHz) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB SSD(M.2 2280 PCIe-NVMe Gen4) |
ディスプレイ | 16インチIPS(1,920×1,200)など 詳細は下記に記載 |
ネットワーク | Wi-Fi 6E(ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth5.2 |
入出力 | USB4 Type-C、USB3.2 Gen2 Type-C、USB3.2 Gen1 Type-A × 2、HDMI LAN(RJ45)、オーディオジャック、nanoSIMスロット(オプション) ※IntelのType-CポートはThunderbolt 4 × 2 |
カメラ | Webカメラ(720p/1080p/5MP 顔認証対応) |
バッテリー | 52.5Wh/86Wh |
サイズ | 361.9 × 255.5 × 20.5 mm |
重量 | Intel:1.68 kg~/AMD:1.71 kg~ |
サイズはすべて16インチ
・IPS(1,920×1,200)45%NTSC, 300 nit, 60Hz
・IPS(1,920×1,200)45%NTSC, 300 nit, 60Hz, タッチ
・IPS(1,920×1,200)100%sRGB, 400 nit, 60Hz, 省電力
・OLED(3,840×2,400)HDR500, 100%DCI-P3, 400 nit
OLEDディスプレイはAMD版のみ(2023年10月4日現在)
コメント
T16 Gen 2のIntel版とAMD版は筐体サイズが全く同じ、外観の違いも見受けられませんので、同一筐体と思われます。また、システム構成面もCPUの型番以外の相違点は小さいです。Intel版、AMD版とも注文時のカスタマイズが可能です。
Intel版のCPUは第13世代(Raptor Lake)の省電力タイプ(型番末尾U)、Core i5-1335U/Core i5-1345U/Core i7-1355U/Core i7-1365Uの4種類です。このうちCore i5-1345UとCore i7-1365Uは他社製品ではあまり見かけない型番ですが、法人などの組織でのPC管理に有効な「vPro Enterprise」に対応しており、個人利用の場合はあまり恩恵がありません。価格も高くなりますので、個人利用の場合はおなじみのCore i5-1335UもしくはCore i7-1355Uを選ばれるのがいいでしょう。
AMD版のCPUはZen4/RDNA3アーキテクチャのRyzen 5 PRO 7540U/Ryzen 7 PRO 7840Uです。特に「PROがつかない」Ryzen 7 7840Uは現在注目されているゲーミングUMPCジャンルの最新モデルでほぼ全製品が採用していますので、グラフィック性能を含めたパフォーマンスは非常に高いと言えます。
RAMの仕様はIntel版とAMD版で異なります。AMD版は「オンボード」で16GB/32GB、Intel版は「オンボード16GB + 1スロット」で、16GB/24GB(オンボード16GB+スロット8GB)/32GB(オンボード16GB+スロット16GB)を選べます。SSDは256GBから2TBまで幅広く選択できますが、レノボはSSDのオプション料金がかなり高いのでご注意ください。
ディスプレイの選択肢も多いです。ただし、この記事執筆現在だとIntel版では高精細な有機ELパネルは選べません。また、T16 Gen 2のディスプレイは標準構成だと45%NTSC(sRGBだとおおよそ60%強くらい)の発色品質です。45%NTSCというのは「ノートPCとしてはまあ普通」くらいですが、T16 Gen 2はそんなに安価な製品でもないので、標準のディスプレイだと発色品質に不満を感じる可能性があります。購入予算に余裕があれば100%sRGBのものをおすすめします。
2.ThinkPad T16 Gen 2 筐体
筐体はIntel版とAMD版で同サイズ、また旧モデルであるT16 Gen 1とも同サイズで、重量が若干(数十グラム)重くなりました。左右のベゼル幅は比較的細くなっていますね。
天板は他のThinkPadシリーズと共通のデザインです。最近はX1シリーズ/Xシリーズで上部に突起(コミュニケーションバーという名称です)がついたものがありますが、T16 Gen 2に関してはそれもなく、「いつものThinkPad」という感じです。
画像が見にくくてすみません、キーボードです。この画像では英語配列になっていますが、T16 Gen 2は日本語配列と英語配列、またバックライトの有無をカスタマイズできます。16インチサイズということもあり、テンキーもしっかり装備されていますし、他社の一部製品に見られるような「テンキー部分がやたらと小さい」ものではありません。
側面と入出力ポートの配置です。この画像はIntel版のもので、AMD版は配置は同じ、Thunderbolt 4ポートはなく、画像の「5」がUSB4 Type-C、「6」がUSB3.2 Gen2 Type-Cとなります。USBポートは合計で4つ、HDMIに有線LANポートと、スタンダードノートらしい、充実した構成だと思います。…SD(microSD)カードリーダーはあっても良かったかもしれないですけどね。
3.ThinkPad T16 Gen 2 価格など
Lenovo ThinkPad T16 Gen 2はレノボ直販サイトで販売中です。ThinkPadシリーズの傾向として「土日に割引率が高くなる」ということが言えますので、購入される場合は週末(土日)にされるといいでしょう。10月4日現在の価格はIntel版が212,344円から、AMD版が197,472円から、となっていますが、それぞれの最低価格のシステム構成を見るとAMD版のほうがお買い得と感じられます。
AMD版の197,472円のモデルは「Ryzen 7/RAM16GB/512GB SSD」という構成で、ディスプレイも100%sRGBのものが装備されていますので、個人的には「このままの構成で買ってしまってもOKでは?」と思いますね。
T16 Gen 2はキーボードにテンキーのつくスタンダードノートで、システムスペックも高いので、ご自宅や事務所などでじっくり作業をしたい、という人におすすめです。
4.関連リンク
ThinkPad T16 Gen 2 (第13世代Intel vPro):Lenovo
ThinkPad T16 Gen 2 AMD:Lenovo