レノボがモバイルワークステーション「ThinkPad P16v Gen 2 (Intel)」を発売しました。ウインタブでは毎週末にレノボのセール情報記事を掲載しており、ThinkPadシリーズについてもよく記事にしています(私がメインモバイルPCとして使っているのもThinkPad)が、Pシリーズについてはほとんど取り上げていません。Pシリーズだけは他のThinkPadシリーズとはちょっと位置づけが違っていて、「ワークステーション」なんですよね。Wikipediaによればワークステーションとは「組版、科学技術計算、CAD、グラフィックデザイン、事務処理などに特化した業務用の高性能なコンピュータ」で「一般的なパーソナルコンピュータ (PC) と比べて費用対効果よりも最高性能や安定性・信頼性が必要な用途に供される」という説明になっています。また、あくまでウインタブの見解ですが、GPUにはNVIDIA GeForceではなくNVIDIA RTX(旧Quadro)を搭載し、SSDはRAID構成が可能なものが多いです。
「ThinkPad P16」という名称の製品には「P16」「P16v」「P16s」があり、P16がハイエンド、P16vが中位クラス、P16sがエントリーと整理できます。P16とP16sについてはまだ2024年モデルが発売されておらず、今回P16vのみが2024年モデルになりました。
販売サイトはこちらです
ThinkPad P16v Gen 2 (Intel Core Ultra):Lenovo
1.スペック
スペック表
ThinkPad P16v Gen 2 | |
OS | Windows 11 Home / Pro |
CPU | Intel Core Ultra 7 155H/Core Ultra 7 165H Core Ultra 9 185H |
外部GPU | なし/NVIDIA RTX500/RTX1000/RTX2000RTX3000 ※Ada 世代 Laptop GPU |
RAM | 16GB/32GB/48GB/64GB/96GB (DDR5-5600MHz) |
ストレージ | 512GB/1TB/2TB SSD(M.2 2280 PCIe-NVMe Gen4) 2nd SSD(512GB/1TB/2TB)搭載可 RAID0, RAID1の設定可 |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | (1,920 x 1,200)300nit (1,920 x 1,200)300nit、タッチ (1,920 x 1,200)400nit、100%sRGB (3,840 x 2,400) 800 nit, HDR400, 100%DCI-P3 ※すべて16インチIPS液晶、非光沢 |
ネットワーク | WIFI 6E、Bluetooth 5.2(WWAN) |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB3.2 Gen1 Type-A、HDMI、オーディオジャック、LAN(RJ45)、NanoSIMスロット(WWAN選択時) |
カメラ | 1080p/5.0MP ※5MPカメラは顔認証対応 |
バッテリー | 90 Wh(動画再生 約16時間) |
サイズ | 365 x 262 x 24.66mm |
重量 | 2.22 kg~ |
コメント
ThinkPad P16v Gen 2は注文時に広範な構成カスタマイズが可能です。CPUはIntel Core UltraのH型番で、Core Ultra 9やvPro対応のCore Ultra 7 165Hも選べます。GPUは冒頭にも書いた通り、GeForceではなくNVIDIA RTXシリーズです。ゲームプレイにも使えますが、CADなどの業務用アプリの利用に適していますので、個人利用でPCゲームを楽しむ目的であればGeForce搭載PCの方をおすすめします。
また、P16v Gen 2に搭載されているRTXシリーズは最新の「Ada世代」なので、旧世代のものよりも数段性能が向上しています。
RAMとストレージ構成も普通のPCとは異なり、RAMは最大で96GBまで搭載可能、SSDは2つ搭載でき、RAID0(ストライピング、複数のSSDにデータを分散して記録するので超高速)もしくはRAID1(ミラーリング、複数のSSDに同じデータを記録するので、記録容量は半分になるが耐障害性が高い)を指定することもできます。
ディスプレイは4種類から選択でき、タッチ対応のものや4K解像度の設定もあります。
2.筐体
ちょっと見た感じ、他のThinkPadシリーズと全然変わらないように思われますが、P16v Gen 2はゴツいです。同じ16インチの2024年モデル、ThinkPad T16 Gen 3とサイズを比較してみます。
P16v Gen 2:365 x 262 x 24.66mm / 2.22 kg~
T16 Gen 3:359.7 x 250.8 x 19.64mm / 1.63 kg~
このように、タテ・ヨコ・厚さともP16vのほうが一回り大きく、重量もかなり重いことがわかります。
キーボードです。ここはまあ、普通のThinkPadですね。「フルサイズ・キーボード (6列)、110キー (テンキー、Fnキー、PgUpキー、PgDnキー、Windowsキー)、JIS配列、TrackPoint、ThinkPadクリックパッド、バックライト・キーボード」と開示されています。この画像では英語配列になっていますが、カスタマイズ画面で日本語配列と英語配列を選べます。
側面・背面と入出力ポートの配置です。P16v Gen 3は背面にもポートが配置されています。USBポートは合計で3つ、うち2つがThunderbolt 4、HDMIにSDカードリーダー、そして有線LANと充実した構成です。でもUSBポートはもう1つくらいあっても良かったかな…。
3.価格など
Lenovo ThinkPad P16v Gen 2 (Intel)はレノボ直販サイトで販売中で、5月11日現在の価格は251,680円からです。ただ、最低価格だとNVIDIA RTX非搭載ですし、RAM16GB/512GB SSDという構成なので、もう少しワークステーションっぽくカスタマイズしてくと「軽く30万円越え」にはなりますね。
個人利用なら基本GeForce搭載機でしょうけど、リモートワークで負荷の高い業務アプリを使う、またデータをセキュアに保つ、というニーズのある人にはいい製品だと思います。