2月1日にLenovoが発表した「14モデルのThinkPad」のうち、今回は13.3インチノートおよび2 in 1の「L380 / L380 Yoga」を紹介したいと思います。この製品は年頭に米国で開催されたCES 2018で発表済みで、個人的には最も気になったものです。「Lシリーズ」というのはThinkPadシリーズの中で「メインストリームノート」という中堅クラスの位置づけになっており、従来は14インチと15.6インチの製品のみがラインナップされていたのですが、2018年モデルには13.3インチも追加されました。また、米国での最低価格が449ドル(約5.1万円)から、となっていて、「待望の普及価格帯モバイルThinkPadか?」と大きな期待を寄せていました。
1.スペック
L380とL380 Yogaはその名の通り「兄弟機種」です。L380がクラムシェルノート、L380 Yogaがコンバーチブル(キーボード非分離型)2 in 1となります。もちろん別筐体ではありますが、両者は全くの同サイズ(重量は異なります)です。
現在スペックが公表されているのは「販売代理店モデル」のみで、直販モデルは近日発売、という案内があるのみです。そのため、この記事に掲載するスペック表は法人モデル的な感じになっています。
OSはWindows 10 Proのみですが、直販モデルの発売時にはHome版も追加されると思います。CPUはL380がCeleron 3965U(Kabylake世代です)からスタートしてCore i5-8250Uと8350U(vPro対応)、L380 YogaはCore i5のみとなっています。現行のLシリーズ14インチ、L470の直販モデルを確認したところ、Celeron/Core i3/core i5/Core i7と、非常に柔軟にCPUを選択できるようになっていますので、L380とL380 Yogaについても直販モデルではCeleronからCore i7まで選択可能となる可能性が高いと思います。
RAMはL380のCeleronモデルのみ4GBで、あとはすべて8GBで固定、ストレージは256GB SSDのみです。公表されているスペック表には「RAMは最大32GB」という記載がありましたので、直販モデルでは4GBから32GB(あるいは注文時16GBまでか)までカスタマイズ可能になりそうです。もちろんストレージも選択肢があるはずです。
ディスプレイはYogaはIPS液晶のFHD解像度でタッチ対応、L380はTN液晶のHD解像度もしくはIPS液晶のFHD解像度でタッチ非対応のみとなっています。Yogaは2 in 1なのでタッチ対応のディスプレイが必須でしょうから、直販モデルでもディスプレイの選択肢はなさそうですね。また、L380のほうはIPS液晶が選べるようになっているので、個人利用の場合はIPS液晶を選ぶほうがいいと思います。
入出力ポートはかなり充実しています。13.3インチでUSBポートが合計4つというのは素晴らしいですね。また、LANについては筐体説明のところに画像を掲載しますが、専用のコネクターがついており、そのコネクターに別売りの変換ケーブルを接続して使う仕組みになっています(コネクター→変換ケーブル→LANポートRJ45)。
サイズのほうはちょっと微妙ですね。ThinkPadのエントリーモバイル、ThinkPad 13とサイズ比較してみます。
L380: 322 x 224.2 x 18.8 mm / 1.46 kg
L380 Yoga: 322 x 224.2 x 18.8 mm / 1.56 kg
13: 322.4 x 222.8 x 19.8 mm / 1.44 kg
Yogaは2 in 1なのでちょっと重くなっちゃいますね。でもL380と13はすごくよく似ています。ハッ!ひょっとして13シリーズってL380に吸収されるのでは…いやほんと…。
このサイズ感、13.3インチとしてはお世辞にも小さいとか軽いとかは言えません。もちろんThinkPadは強烈に頑丈に作られていますので、仕方ないと言えるかもしれませんし、人によっては「それでも重すぎ!」と感じるかもしれません。ちなみに私は1.44 kgのThinkPad 13を日々喜々として持ち歩いてます…。
2.筐体
上の画像がL380、下がL380 Yogaです。ヒンジ部分の造形が少し異なりますが、基本的には同じものと言えそうです。
側面を見てみます。この画像はL380 Yogaのほうですが、ポート類のレイアウトはL380も同じです。画像上が左側面で、USB Type-C × 2、USB 3.0、HDMIという配置になっています。左側のType-Cは給電/充電口も兼ねているようです。
画像下が右側面で、左から電源ボタン、オーディオジャック、microSDスロット、USB 3.0、そして上に書いたLANコネクターとなります。見た感じUSB Type-Cとも異なりますので、専用規格なのではないか、と思います。
電源ボタンが側面にある、というのは(Yogaのほうはいいとして)、クラムシェルノートとしては面白い配置ですね。あと、画像下の左端に赤いマーキングをした「何か」があります。これ、詳細は不明ですが、おそらくスタイラスペンのホルダーかな、と思います。ちなみにタッチ非対応モデルしか発表されていないL380のほうにもこの「何か」があるんですけど、L380のほうはダミーっぽく見えます。
こちらもYogaの画像です。Yogaは2 in 1なので、ヒンジが360度回転しますが、クラムシェルのL380のほうも180度までは開口できます。
サイズを確認したところで予想はできていましたが、ディスプレイのベゼルは結構太いです。また、底面を見るとバッテリーは着脱式ではありません。なんか本当にこの製品はThinkPad 13を吸収するという位置づけに思えてきました。だって、私の使っているThinkPad 13とそっくりの仕様なんです。
3.価格など
Lenovo ThinkPad L380 / L380 Yogaは2月2日時点で販売代理店モデルのみ発売されており、直販モデルは「近日発売」となっています。販売代理店モデルの価格はL380が113,000円(税込み122,040円)から、L380 Yogaが178,000円(税込み192,240円)から、となっています。
「そんなわけない」ですね。直販モデルの週末クーポン価格(Lenovoは定価で買ってはいけません)だとL380は7万円台くらいからスタートするだろうと思います。YogaのほうはCeleronモデルの設定があるのか不明ですが、あるとしたらやっぱり7万円台、あるいは8万円台くらいのスタートになるんじゃないでしょうか?
この製品は「メインストリームノート」という位置づけですが、ThinkPadシリーズとしては数少ないお値ごろモバイルノートとなるだろうと思います。直販モデルの発売が楽しみですね!