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Lenovo IdeaPad 5 2-in-1 Gen 9 14(AMD) レビュー - 10万円以下でRyzen 5 8645HS搭載、コスパ最高・実用第一のコンバーチブル

ideapad-5-2in1
こんにちは、natsukiです。「Lenovo IdeaPad 5 2-in-1 Gen 9 14(AMD)」を購入して使っているので、レビューをお届けします。この機種、コンバーチブルPC最安値帯で、普通のノートパソコンとしてみても間違いなく非常にハイコスパな構成なのに、ネットで探す限り実機レビューが非常に少ないんですよね。理由は明らかで、ほんのちょっと上の価格帯に、カスタマイズの自由度が高い押しも押されぬ名機Yogaシリーズがいるためでしょう。多分、多くの人がIdeaPad 5 2-in-1 Gen 9を買うよりも、もうちょっと出してYoga 7 2-in-1 Gen 9 14(AMD)買おうってなっちゃうのは容易に想像がつきます。だが、ちょっと待って欲しい。Lenovo Yoga770をメインマシンに使ってきて、その性能に十分に満足している私が、あえてこの機種を買うからにはそれなりの理由があります。IdeaPad 5 2-in-1にはIdeaPad 5 2-in-1なりの魅力があるんです。

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おすすめポイント
・最低構成でRyzen 5/RAM16GB/ROM512GBというオフィスワークどころか軽量なゲームすら可能なスペック
・上記スペックに専用ペンつきで、10万円以下のハイコスパ
・コンバーチブル形状
・コンバーチブルながら、USBを4つ備える拡張性(Yogaは3つ)
・指紋認証付き(Yogaはない)
ここは注意
・OLEDディスプレイにするなど、カスタマイズすると上位のYogaシリーズと価格差が縮まる
・14インチで重量1.6Kgと、ちょっと重い
販売サイトはこちら
IdeaPad 5 2-in-1 Gen 9 14型(AMD):Lenovo

1.スペック表

  IdeaPad 5 2-in-1 Gen 9 14(AMD)
OS Windows 11 Home/Pro
CPU AMD Ryzen 5 8645HS/Ryzen 7 8845HS
外部GPU なし
RAM(メモリ) 16GB(LPDDR5X-6400, オンボード)
ストレージ 512GB/1TB SSD(M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4)
光学ドライブ なし
ディスプレイ 14インチIPS(1,920 × 1,200)タッチ, 60Hz
14インチOLED(1,920 × 1,200)タッチ, 60Hz
ネットワーク Wi-Fi6/6E(a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.2
入出力 USB3.2 Gen2 Type-C(映像出力/PD対応)× 2、USB 3.2 Gen1 Type-A × 2、
HDMI、microSDカードスロット、3.5mmオーディオジャック
カメラ Webカメラ(1080p)
バッテリー 57Whr(動画再生約10.4時間)
サイズ 313 x 227 x 17.9 mm(最薄部)
重量 1.6kg(実測1627.8g)

「Lenovo Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14(AMD)」とのスペック比較

さて、どうしても比較対象になるワンランク上位グレードの「Lenovo Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14(AMD)」(以下、Yoga 7 2-in-1)と比較しつつ、特徴を見ていきます。

ハードにおいては、サイズはほぼ同じで、重量はIdeaPad 5 2-in-1がちょっとだけ重い。ただ、Yoga 7 2-in-1は、前世代機が約1.4 kgだったのが最新世代では1.49 kgとなったので、差は縮まりました。筐体材質はYoga 7 2-in-1が金属なのに対して、IdeaPad 5 2-in-1はプラスチックと、当然ながらYoga 7 2-in-1が上。一方で、ポートに関しては、IdeaPad 5 2-in-1の方がUSBを4つ備え、3つのYoga 7 2-in-1より多くなっています(ただしUSB Type-Cポートの規格はYoga 7 2-in-1のほうが上)。また、Ideapad 5 2-in-1は指紋認証を備えますが、Yoga 7 2-in-1にはありません。

CPUは、次の通り。
IdeaPad 5 2-in-1:AMD Ryzen 5 8645HS/Ryzen 7 8845HS
Yoga 7 2-in-1:AMD Ryzen 5 8640HS/Ryzen 7 8840HS
IdeaPad 5 2-in-1の方がTDPが高い型番を採用しているものの、実用レベルでの差はあまりないと見ていいでしょう。

「Lenovo Yoga 7 2-in-1 Gen 9 14(AMD)」との価格比較

さて、IdeaPad 5 2-in-1の最小構成に合わせて、Yoga 7 2-in-1との価格を、記事執筆現在で比較してみます。

IdeaPad 5 2-in-1:Ryzen 5 8645HS/RAM16GB/ROM512GB ― ¥92,816
Yoga 7 2-in-1:Ryzen 5 8640HS/RAM16GB/ROM512GB ― ¥115,370

なお、IdeaPad 5 2-in-1は、現在価格が最安値のはず、Yoga 7 2-in-1は、セール次第でもうちょっと安くなったときがありました。

ご覧のように、製品グレードとしては当然ながらIdeaPad 5 2-in-1の方がひとまわり安くなります。ちなみに、Yoga 7 2-in-1の最小構成はRAM8GBで、この場合セール次第でIdeaPad 5 2-in-1の最小構成と価格はあまり変わらないのですが、さすがにこのスペックでRAM8GBはアンバランスすぎるので度外視します。

結論を言ってしまうと、IdeaPad 5 2-in-1にもっとも価値があるのは、この最小構成です。というのは、IdeaPad 5 2-in-1は、CPUやディスプレイをカスタマイズしたときの差額が大きいんですよ。

CPUをRyzen 5からRyzen 7にグレードアップする場合は、次の通り。

IdeaPad 5 2-in-1: +¥13,970
Yoga 7 2-in-1: +¥10,670

なぜかIdeaPad 5 2-in-1の方が、アップグレード料金が高価なため、価格差が縮まってしまいます。

そしてディスプレイをOLED(有機ELディスプレイ)にすると、次の通り。

IdeaPad 5 2-in-1: +¥27,500
Yoga 7 2-in-1: +¥9,680

うーん、これは、実質的にメーカーから「ディスプレイにこだわるならYogaを買え」と言われているようなもんですね。

最小構成でも十分すぎるスペック

以上から、IdeaPad 5 2-in-1を買うなら、最小構成が一番おいしいと言えるでしょう。そして「最小構成で十分すぎるだろ」というのが本題になるわけです。

CPUのRyzen 5 8645HSは、あらためてみると、Ryzen第4世代で、AI処理チップ「NPU」を搭載。内蔵GPUはRadeon 760M。Ryzen 7以上が備えるRadeon 780Mの下位版とはいえ、もともと内蔵グラフィックカードに定評のあるRyzenだけに、それなりの性能が期待できます。ベンチマークは後ほど。RAMは16GBで、ストレージも512GBと普段使いに問題なし。つまり、10万円以下の一般的なノートパソコンとしても、かなりとんでもないコスパ。さらにここにコンバーチブル形状で、ペンも付属して付いてくる!10万円以下で、そこそこ高度な処理や、ゲームにイラスト作成などもある程度できる、ハイコスパかつオールマイティな機種というわけです。

2.製品本体

bundled-items

製品本体を見ていきましょう。同梱品です。この他、保証書やガイド、サービスの案内など紙類はかなりあります。

専用充電器にはアースもついています。本体の充電ポートは、独立ではなくUSB Type-Cなので、もちろん、サードパーティー製汎用充電アダプターも使えます。なお、手持ちの充電アダプターを試したところ、65W出力で十分です。ただ、UGREEN Nexode Pro 160Wから、100W出力からだと問題無く給電できたのが、140W出力だと給電できなかったので、やや相性はあるのかもしれません。

upper
天板です。非常にシンプル。材質は樹脂製で、特に不満はありませんが、高級感はないですね。

front
正面は何もありません。

back
コンバーチブルなので、後ろ側面も通気口のみ。

right
右側面です。左から、電源、microSDカードスロット、USB Type-A(USB3.2 Gen1)×2。コンバーチブル形状なので、電源ボタンは側面にあります。また、USB Type-Aが2つ。これが、実用上はなにげに便利。

横から見た印象として、ご覧のように、わりと厚めでゴツい感じがします、Yogaとの厚さの差は1mm強なんですが、デザインのせいか実際の数値以上に厚く見えますね。

left
左側面です。左から、HDMI、USB Type-C(USB3.2 Gen2、DisplayPort出力機能付き、Powerdelivery対応)×2、3.5mmオーディオジャック。USB Type-Cは、両方ともUSB3.2 Gen2規格で、片方がUSB4のYogaシリーズに劣りますが、映像出力も可能なので、一般的な使用では十分でしょう。なお、給電用の独立したポートはなく、電源供給はUSB Type-Cポートから行います。

bottom
底面です。一応、ネジはむき出しになっているものの、分解を前提とした構造にはなっていないので、自力でのRAMやストレージの換装は基本的にできません。

keyboard
キーボードは、クセのないオーソドックスなタイプ。スピーカーが左右に分かれて配置されているので、ステレオ感が強く出ます。

keyboard
キーボードの表面はフラットです。

pen
専用ペンです。サイドボタンを2つ備えます。電源が乾電池というのが惜しいところ。USB Type-Aに差し込めるアタッチメントがついてきます。

全体的なデザイン的としては、上述のように、無個性でコンバーチブルにしてはややゴツめの印象です。もちろんLenovo製だけあって、ビルドクォリティは十分です。ただ、樹脂製の材質からも、正直多くのコンバーチブルPCに見られるスマートな感じはなく、どちらかというと無骨な印象です。

weight
重量の実測は、1627.8g。14インチとしては重めの部類で、持ち運びにはあまり向きません。タブレット形状にはなるものの、手に持って使うことは厳しいでしょう。

3.使用感

システムと付属アプリ

システム面では特筆すべきことはなく、最低限必要なアプリが入っているという観です。独自の追加アプリとしては、保証やシステムアップデート、パフォーマンス調整などLenovoのサービスにアクセスする「Lenovo Vantage」、オーディオを調整するDolbyアプリ、McAfeeのセキュリティソフト体験版くらい。

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コンバーチブル形状

tent-mode
Ideapad 5 2-in-1はコンバーチブル形状で、画像のような「テントモード」や、完全に裏返した「タブレットモード」で使うこともできます。やや重めでUSBポートは4つあることから、本機に向く使い方の1つが、「テントモード」で様々な周辺機器の母艦として活用する使い方です。特に、キーボードや外部スピーカーにこだわりのある人にお勧め。詳しくは、下記記事などもご覧ください。もちろん、タブレットモードでペンをフル活用することも可能。1台で「オールマイティに活躍できる」、これこそコンバーチブルPCの魅力です。

コンバーチブルPCのすゝめ - その魅力と各社のラインナップのまとめ

ディスプレイ

ディスプレイは、先述のようにカスタマイズで有機EL(OLED)にもできますが、値上げ幅が大きすぎてあまりお勧めできません。もちろん、私が購入したのも液晶ディスプレイの方です。コンバーチブルのため、ツヤツヤのグレアディスプレイであることにはご注意ください。では、有機ELのYoga770と比べてみましょう。

前提として、撮影による変化があることはご了承ください。まず、単純な明るさが、液晶のIdeapad 5 2-in-1の方がやや暗く、だいたい-10%程度で同等に見えます。下の撮影も、Ideapad 5 2-in-1のディスプレイの明るさを100%、Yoga770を90%で行っています。左側がIdeapad 5 2-in-1、右側がYoga770です。

disp
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こうして横に並べて見ると、当然ながら有機ELの優位は明らかです。写真では、むしろ右側の有機ELのYoga770の方がつぶれて写っている部分もありますが(特に赤が顕著)、これは、カメラのセンサーが、彩度の薄い左側のIdeapad 5 2-in-1の方を基準にしてしまうためです。肉眼で見ると、発色の濃さ、それからコントラストの表現には明らかな差があります。コントラストについては、上の画像でも、特に雲の表現に注目していただくと分かりやすいかと思います。

もっとも、単体で使用する分には、別段気になるようなこともありません。クリエイティブな作業など、発色やコントラスト性能を要求するなら、やはり有機ELを検討すべきですが、一方で、そういう部分にこだわりがなければ、問題無く使える品質、という評価でよいと思います。

ペン

clipstudiopaint
画像は、ClipStudio Paintで、手ぶれ補正を切ったGペンと手ぶれ補正デフォルトのままのGペンで、物理的な定規をあてて、素早くとゆっくりの描線速度を変えて斜線を引いたものです。うーん、そこそこジッター(ぶれ)が出ますね。素早く線を引いても、ある程度出ます。ジッターの影響が少ない筆系のブラシを使うのであればよいですが、線画主体だと気になると思います。入門や、他でイラストを書いてこちらで修正したりくらい、あるいは筆系ブラシを多用する使用であれば、まあ使える。線画主体で本格的にガリガリ使い込むには力不足、といったところです。

また、ペン先の引っかかり感が「キュッキュッ」と独特で、速いスピードで線を重ねるのに向きません。メモを書き込む程度ならいいですが、イラストなどに使うなら、保護フィルムを貼って、ペンの摩擦感を模索した方がよいでしょう。

スピーカー

スピーカーは、左右に離れて配置されているので、ステレオ感は十分。さすがDolby Atoms採用で、中音域がクリアで聴き疲れしない無難に悪くない音質です。もちろん、低音や音の解像度など、細かいことを言いだすと不足はありますが、ノートパソコンのスピーカーとしてなら、十分な品質です。

4.性能テスト

性能テストにあたっては、電源に接続し、Windowsの設定、Lenovo Vantageの設定ともに、デフォルトから動かしていません。また、テントモード・タブレットモードでは、おそらく電池保ち改善のために処理能力を抑える挙動があるので(使用感を損なうほどではありません)、通常のノートパソコン形状で行っています。

pcmark
PC Mark10のスコアです。表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテストで、CPU性能の影響が大きいとされますが、テスト内容にグラフィック系のシミュレーションも含むため、GPUの性能も少なからず影響します。

参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX、RTX4090):9,187
HP Victus 16(i7-13700HX、RTX4070):8,057
ASUS ROG Zephyrus G14 GA403(Ryzen 7 8845HS、RTX4060):7,946
GEEKOM NUC AE7(Ryzen 9 7940HS):7,521
Beelink SER8(Ryzen 7 8845HS):7,446
MSI Prestige 16 AI Studio B1V(Ultra 7 155H、RTX4060):7,298
HP Elitebook 635 Aero G11(Ryzen 7 8840U):6,949
HP EliteBook 860 G11(Ultra 7 155H):6,849
Lenovo Legion Go(Ryzen Z1 Extreme):6,691
ASUS ROG Ally(Ryzen Z1 Extreme):6,654
GEEKOM XT13 Pro(Core i9-13900H):6,542
MSI Claw A1M(Ultra 5 135H):6,485
HP EliteBook 830 G11(Ultra 7 155U):6,392
ASUS Zenbook S 13 OLED UX5304MA(Ultra 7 155U) :6,163
Lenovo Yoga 7 Gen 8(Ryzen 5 7535U):6,021
HP Pavilion 15-eh(Ryzen 7 5825U):5,954
DELL Inspiron 14 5430(Core i7-1360P):5,929
DELL Inspiron 14 5435(Ryzen 7 7730U):5,915
HP Dragonfly G4(Core i7-1355U):5,774
HP EliteBook 840 G11(Ultra 5 125U):5,741
DELL Inspiron 13 5330(Core i5-1340P):5,677
VAIO F14(Core i7-1355U):5,553
MSI Prestige 13 Evo A12M(Core i7-1280P):5,500

Ryzen 5という「格」からすれば、素晴らしいスコアと言ってよいでしょう。内訳を見ると、RyzenなのでDigital Content Creationが高いのかなと思いきや、むしろEssentialやProductivityの方で健闘しています。

cinebench_r23
お次は、CPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。このテストではGeForceなどの独立したGPUの搭載有無は影響を受けないとされています。なお、比較対象にSnapdragon X Elite搭載機も含まれていますが、CINEBENCH R23はARM64ネイティブのソフトウェアではなく、エミュレーション動作となりますので、単純比較はできません。

過去データの一例:
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX):2,149、30,358
MSI Vector GP78 HX 13V(i9-13980HX):2,112、29,156
GEEKOM XT13 Pro(Core i9-13900H):2,000、11,821
MSI Creator Z16P B12U(i9-12900H):1,918、17,827
Lenovo LOQ 16IRH8(i7-13620H):1,857、14,383
MSI Prestige 16 AI Studio (Core Ultra 7 155H): 1,827、 16,421
GEEKOM AE7(Ryzen 9 7940HS):1,781、15,706
MSI Prestige 13 AI Evo A1M(Core Ultra 7 155H):1,752、12,184
HP Spectre x360 14-eu(Core Ultra 7 155H):1,751、11,738
ASUS Zenbook S 13 OLED(Core Ultra 7 155U):1,704、8,870
dynabook GZ/HV(Core i7-1260P):1,655、7,586
ASUS Vivobook S 15 S5507QA(Snapdragon X Elite):1,119、11,960
Lenovo Yoga Slim 7x Gen 9(Snapdragon X Elite):1,105、9,620
ASUS ZenBook 14(Core i5-8265U):1,023、3,691
※左からシングルコア、マルチコアのスコア

Ryzen 5でありながら、格上のCore Ultra 7 155H搭載機にもう一歩と迫るスコアで、これも十分。ただ、「マルチコアに強いRyzen」というイメージからは、ややマルチコアのスコアが伸び悩んだ感はあります。

cinebench_2024
最新のCINEBENCH2024のスコアです。このソフトウェアにはARM64ネイティブバージョンもあり、単純に比較していいかは何とも言えませんが、一応Snapdragon X Elite搭載機との比較も可能です。

過去データの一例:
GEEKOM XT13 Pro(Core i9-13900H):117、687
ASUS Vivobook S 15 S5507QA(Snapdragon X Elite):108、1,038
Lenovo Yoga Slim 7x Gen 9(Snapdragon X Elite):107、962
GEEKOM AE7(Ryzen 9 7940HS):106、914
MSI Prestige 16 AI Studio (Core Ultra 7 155H): 105、964
ASUS Zenbook S 13 OLED(Core Ultra 7 155U):101、533
※左からシングルコア、マルチコアのスコア

こちらも、他のサンプルが格上であることを考えれば十分なスコアながら、ややマルチコアに伸び悩みが見られます。

3dmark
グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。このテストでは、当然ながらGPU性能がスコアに大きく反映され、高性能な内蔵GPUや独立したGPUを搭載している方が有利です。

参考1(Core Ultra搭載機)
MSI Prestige 16 AI Studio B1V(Core Ultra 7 155H):3,959、8,363、29,843
HP Spectre x360 14-eu(Core Ultra 7 155H):3,924、8,338、24,476
MSI Claw A1M(Core Ultra 5 135H):3,454、7,235、24,791
HP EliteBook 860 G11(Core Ultra 7 155H):3,388、6,785、23,662
HP EliteBook 830 G11(Core Ultra 7 155U):2,319、5,162、19,024
ASUS Zenbook S 13 OLED UX5304MA(Ultra 7 155U):2,280、5,121、19,020
HP EliteBook 840 G11(Ultra 5 125U):2,081、4,826、19,421
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア
※Prestige 16は外部GPUを動作させずに測定したもの

参考2(外部GPU非搭載のノートPC・ミニPC)
GEEKOM NUC AE7(Ryzen 9 7940HS):3,362、7,776、29,076
Beelink SER8(Ryzen 7 8845HS):3,330、7,908、29,873
HP Elitebook 635 Aero G11(Ryzen 7 8840U):2,943、7,206、27,471
GEEKOM Mini IT13(Core i9-13900H):1,947、5,428、19,991
GEEKOM XT13 Pro(Core i9-13900H):1,946、5,440、19,477
dynabook GZ/HW(Core i7-1360P):1,786、4,991、16,779
HP Dragonfly G4(Core i7-1355U):1,760、4,859、16,891
Lenovo ThinkPad X13 Gen 4(Core i7-1355U):1,658、4,709、14,122
Lenovo ThinkBook 15 Gen 5 (AMD) (Ryzen 5 7530U)1,281、3,137、13,730
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア

順当なスコアと言えます。同じRyzenの格上Ryzen 7 8845HS/Ryzen 7 8840Uよりはひとまわり下。Intel Coreシリーズと比べると、Core Ultra 7 155UとCore Ultra 7 155Hの間くらいの性能です。Yoga770もおおむね同じくらいのランクのスコアになるので、「原神」くらいなら、画質を調整すれば十分プレイ可能なはずです。

CDM
データ転送速度を測るCrystalDiskMarkのスコアです。普段使いにまったく問題ない十分な速度と言えるでしょう

5.まとめと価格

Lenovo Ideapad 5 2-in-1 Gen9 14(AMD)は、10万円以下で、驚愕のコストパフォーマンスを誇るコンバーチブルPCです。コンバーチブル形状で、はじめからペンも付属するため、多様な使用環境に応えてくれます。やや重めの重量と、充実したポートから、どちらかというと、据え置きで使用するのに向いているでしょう。実際、私が本機を購入したのは、PIPO X15の後継機としての、「1家に1台オールマイティPC」という役割で、その期待に十分以上に応えています。「なんでもできる」って、大切なことだと思うんですよ。もっとも、約1.6Kgは、ときどき持ち出したり、移動が車メインであまり長く手で持たない、などなら問題ない重さでしょう。

価格は、記事執筆現在、Lenovo直販サイトで、最小構成が¥92,816です。この最小構成でかまわないというのは、はじめに述べたとおりです。この構成に、何らかのプラスをしたい場合は(CPUをランクアップ、ディスプレイを有機ELに、重量をもう少し軽く、USB4が欲しい……など)、上位製品のYogaシリーズが選択肢に上がってくると思います。処理能力も含めて、「できることの幅」があれば十分ならIdeapad 5 2-in-1、こだわりを追求するならYogaシリーズ、という考え方でおおむね間違わないと思います。あれもこれもと、欲張り出すとキリがないので、多くの人はこれで十分なんじゃないかと思っています。似た特性を持つYogaシリーズの影に隠れがちですが、どうしてどうして、もっと注目されてよい製品だと思います。

6.関連リンク

IdeaPad 5 2-in-1 Gen 9 14型(AMD):Lenovo

執筆者:natsuki
ウインタブをきっかけに、海外通販で奇天烈なガジェットを漁ることにハマる。趣味は旅行(自然も史跡も)、アマチュアオーケストラなど。自分の知識欲も満たせるので、楽しんで記事を書いています。興味を持ったもの、面白いと思ったものを、読者の皆さんと共有できれば幸いです。
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