こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。配送遅延が問題となったTeclast X98 Proの実機レビューです。配送遅延は通販サイト側の不手際によるもので、Teclast X98 Proの製品そのもののせいではありませんので、その実力を試すべく、しっかりレビューしていきます。
1.不具合情報
Teclast X98 Proには不具合情報があります。私の使用機は使い始めて日が浅く、今のところ不具合は出ていませんが、2ちゃんねるで話題になっています。2ちゃんねるは転載禁止なので、詳細は下記のリンクを参照してください。
【平板電脳】TECLASTタブレット Part9【台電科技】 [転載禁止]©2ch.net
2ちゃんねるの該当の掲示板にはPC上級者の人が多く、不具合箇所の推定もなされており、対処方法(BIOSアップデート)についても記載がありましたので、不具合が出ている方は確認してみてください。また、書いてあることが理解できない、という人はこの製品には手を出さないほうがいいと思います。2ちゃんねる住人の皆様、貴重な情報ありがとうございます。
2.スペック
では本題に。Teclast X98 Proがなぜこんなに人気が出ているのかということは、このスペックを確認してもらえればわかると思います。
OS: Windows 10 64ビット / Android 5.1
CPU: Intel Atom X5-Z8500
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 9.7インチIPS(2,048 × 1,536)
カメラ: イン2MP / アウト5MP
入出力: microUSB2.0、microHDMI、microSD
サイズ: 23.9 x 16.9 x 0.8 cm / 0.526 kg
価格: 29,575円(2015年10月27日現在のGEARBEST価格)
最新のCherryTrail世代のAtomをCPUとして搭載し、64ビットOSに4GBのRAM、そしてディスプレイは高解像で海外通販での価格は3万円を切る、という内容ですから、多少なりともWindowsタブレットのことを知っている人ならだれでも欲しくなるような製品だと思います。
3.開封
外箱はこんな感じでした。特に高級でもなく、安っぽくもなく、普通って感じですね。
これが同梱物です。上段はごく簡単なマニュアルで英語と中国語のものがついていました。あと、検査合格証ですね。左下は保証書ですが、特にお店のスタンプとかはありません。本体の右側にあるのがケーブル類で、ACアダプター、ACアダプター用のUSBケーブル、そしてUSB-microUSBの変換ケーブルですね。ACアダプターは中国国内用のものだったので、そのままでは日本で使えません。トラベル用の変換アダプターが必要です。他製品用を使いまわしても大丈夫だと思いますけどね。
筐体背面はシルバーで、確証はない(触ってみた感じだけだとわからないんですよね)ですが恐らくアルミ合金製だと思われます。なお、上の画像は保護シートが張ってある状態です。筐体の形状と見た目はiPadそっくりで、よく見ると前面にボタンがないのでiPadじゃないってようやくわかるくらいに似ています。ちなみに私はiPadを持っていません。iPadオーナーならすぐわかるんでしょうね、きっと。
側面には電源ボタンと音量上下ボタンがついていて、形状は普通のWindowsタブレットと同じです。ボタンはプラスティック製ですが、使用感は悪くありません。また、上の画像だとほとんどわからないのですが、microSDカードスロットも同じ側面にあります。
筐体底面にmicroHDMIポート、ヘッドフォンジャック、microUSBポートがついています。このサイズなんでUSBポートがもう一つくらいあってもいいんじゃないか、と思いました。
筐体は同じTeclastのX98 Airと全く同じだと思われます。以前実機レビューをした「Chuwi Hi8」と比較すると格段に質感は高く、日本メーカーの製品と比較してもそん色ないかな、と思います。もちろんiPadよりは安っぽく、プラスティッキーではありますが、価格を考えれば十分合格点をあげられると思います。
4.初期状態
システム情報です。CPUはAtom X5-Z8500、RAMは4GB、OSは64ビットであることが確認できます。当たり前ですけどね。
ストレージのほうはカタログスペックの64GBよりもかなり小さく、33.8GBとなっています。Androidのほうでもストレージを使っているので仕方ないですね。初期状態での空き容量(ただし日本語化した後です)は約18GBです。
アプリ一覧をサイズ順に並べてみました。何が言いたいかというと、プリインストールアプリはほとんどない、ということです。ちなみにChuwi Hi8ではOffice 365の1年間利用権がついていましたが、Teclast X98 ProではOffice 365は30日間の試用のみ可能となっています。
Android側はLolipop(Android 5.1)がインストールされています。
Android側に振られているストレージは20GBで、空き容量は17.98GBですね。AndroidのほうはアプリをmicroSDにもインストールできるので、これだけあれば十分でしょう。
Androidのほうは中国語で全然読めないアプリが割と多めにプリインストールされています。ブラウザーはUCブラウザーですね。私は簡体字中国語が全然理解できないのですぐにアンインストールします。
ここはウインタブなんであまり深く触れませんけど、Android 5.0ってすごく使いやすいですね。以前Nexus 7(2012)にインストールしたときはハードウェアスペックが低かったせいか異常にもっさりしていて使い物にならなかったんですけど、Teclastでの動作は軽快だし、デザインもインターフェースも非常に優れていると感じました。
ただし、やっぱパズドラは起動しませんでしたよ…。
WindowsとAndroidの切り替えは起動時のメニュー(上の画像です)、もしくは起動後のアイコンをタップすることによって行います。Chuwi Hi8と少しインターフェースが異なりますが、操作方法は非常に簡単です。OSの切り替えの都度再起動になるので、待ち時間は発生しますが通常の再起動プラスアルファの所要時間と考えていいです。
あと、電源を入れてみて、とにかくディスプレイの美しさには感動します。この製品がディスプレイに力を入れていることは知ってましたけど、本当に素晴らしいです。手持ちのタブレットとの比較画像を掲載すべく、何枚か写真撮影してみたのですが、いい写真がとれず、文章のみの説明となり、申し訳ないです。また、具体的にお伝えできないのが残念でもあります。
5.ベンチマーク
Teclast X98 ProはCPUがCherryTrailということで、特にグラフィック面での性能が気になるところですね。ということでオンラインゲームのベンチマークテストをしてみました。
(参考)
HP Stream 14-z000(AMD A4 Micro-6400T APU): 2,106
BungBungame Photon 2(AMD A6 Micro-6500T APU): 2,024
HP Pavilion x2 10-j000(Z3745D): 1,199
acer Aspire Switch(Z3735F): 1,101
Diginnos DG-D08IWB 32GB(Z3735F): 1,097
10P1100T-AT-FSM(Z3775D): 1,097
ThinkPad 8(Z3795): 1,086
マウスコンピューター WN801V2-Pro-BK : 1,030
Stream 11(Celeron N2840):1,018
Diginnos DG-D10IW2 32GB(Z3735F): 1013
※Photon 2のスコアは読者の方のご提供によるものです。
まずはウインタブでAtom機のデータがそろっているドラクエベンチからです。上の画像では1517となっていますが、複数回のテストをするとなぜか他機種よりもスコアのばらつきが大きいと感じました。一番いいときは1,800以上、一番悪くて1,500くらいです。これほどのばらつきはBayTrail機では経験したことがないので、やや安定性に不安が感じられます。ただし、スコアそのものはBayTrail機の1.5倍~2倍弱になっているのでパフォーマンスはいいですよね。
あと、気になるのがAMDのAPUを搭載しているPhoton 2との比較です。読者の方のテスト結果なのですが、ややPhoton 2のほうがいい結果になってますね。
(参考)
acer Aspire Switch 10(Z3735F):
最高品質 345、低品質 469
続いてドラゴンズドグマオンライン(DDON)のベンチマークです。こちらはかなり低いスコアとなり、快適に遊ぶのは厳しい(一応遊べます)結果ですが、BayTrailのAtom Z3735Fを搭載したAspire Swith 10に対してはダブルスコアとなりました。
Teclast X98 Pro、またCherryTrailのAtom X5-Z8500のグラフィック性能のイメージは何となくつかめたんじゃないでしょうか?
あと、動画を観たりWebブラウジングをしたりといったライトな使い方をする場合、Teclast X98 Proはもちろん快適なのですが、他のBayTrail機でも十分快適なので、特にコメントできるようなこともないというか、CherryTrailだからすごいとか64ビットだから速いとかの印象は受けませんでした。
6.使ってみて感じた不具合
Teclast X98 Proは「しょうもない」レベルの不具合は多くありません。一番気になるというか、不具合といっていいレベルに問題なのは「バッテリーがもたないこと」です。フル充電から連続使用で2時間強くらいしか使えません。給電しながら使っていても少しづつバッテリーが減っていきます。特にビジネス利用の際にはかなり問題になると思うので、購入を検討している人は十分注意してください。
次に、OSをWindowsからAndroidに切り替えて、またWindowsに戻すと時計が狂います。簡単に修正できるとはいえ、毎度毎度修正するのはかなりウザいです。上にリンクした2ちゃんねるの掲示板に修正方法が書いていましたので、しょっちゅうOSの切り替えをする人は参考にしてください。
あと、これはTeclast X98 Proの不具合ではなく、OSの不具合かもしれないんですが、日本語化した後、特定のアプリなどで文字化けが発生します。上のドラクエベンチの画像、タイトルバーが文字化けしていますよね。おそらくレジストリーのどこかをいじると直りそうな気がしますが、私の場合は特に実害もないのでほっといてます。
まだ使用期間が短いので、これ以外にも不具合があるかもしれませんが、今のところ快適に使えています。
7.現状の結論
記事の冒頭で触れましたが、Teclast X98 ProはGEARBESTで配送が遅延し、多くの人が長期間製品を入手できないという事態になっています。しかし、それは通販サイトの顧客対応、特に遅延理由の開示がきちんとなされなかったことが問題で、製品そのものの問題ではありません。
それを踏まえてこの製品を評価すると、やはり激安にして高性能なWindowsタブレットであり、Android OSのLolipopも素晴らしい出来だと思います。あくまで短期間の使用を通じての見解ですが、「買い」でいいでしょう。ただし、中国製品ということで逃げを打たせていただくと、この先に不具合が出る可能性もありますし、耐久性などは未知数なので、くれぐれもご自身の責任でご購入をお願いいたします。
それともう一つ、2ちゃんねるの掲示板で議論されているとおり、この製品にはストレージ品質に起因すると思われる不具合があります。この不具合に対応するBIOSアップデートファイルも提供されており、私も作業してみましたが、コマンドラインから手動でBIOSをアップデートするというものなので、恐怖感満点でした。さすがにこれから出荷される製品は大丈夫だと思いますが、コマンドラインで行うBIOSアップデートなんて、とても初心者の方にお勧めできる作業じゃありません。
Teclast X98 Proに限らず、中国タブレットを購入する場合、それなりの知識を要求するような作業が発生することもあるので、その点も覚悟が必要です。面白いですけどね。
8.関連リンク
9.7 inch Teclast X98 Pro:GEARBEST
海外通販でPC製品を購入する場合、英語でのやり取りになり、商習慣の違いによってトラブルになることがあります。十分ご注意ください。
コメント
文字化けは、システムロケールをすべて日本語に変更すると直りますよー
言語設定の奥深くにあったとおもいます。
こんにちは、コメントありがとうございます。Windows 10では言語の詳細設定にある「Windowsの表示言語の上書き」のところですね。日本語に直したら文字化けもなくなりました。ありがとうございました。
Android環境で小さい音量の音楽を聞いているとサウンド乱高下するんですがそちらでは問題ないでしょうか?
Windows環境では発生しないためAndroidOSの問題たと思っているんですが
こんにちは、コメントありがとうございます。HDMIのこととあわせ、テストしてみますね。私はあまりAndroidの方はちゃんと使っていないので、即答できずすみません。
ありがとうございます。
USBやBluetoothヘッドフォンだと問題ないんですが・・・
bios更新してみましたが症状変わらずでした。
まだまだ安定しないですね。
それにしてもNEXUS9がでたときはタブレットも4:3が主流になるかともいわれましたが、
なかなかそうはなりませんね。個人的には3:2でもよいのですが、Windowsの場合は
コストとか、OSの仕様・これまでのソフトウェアの資産がネックでしょうか。
個人的には8.9インチで出れば、即買いです。AppleをはじめmicroSDが使えない機種は
なんか自分たちのサービスを押しつけようという姿勢が傲慢に感じます。米国へのひが
みかもしれませんが。東芝のdynaPad N72の9インチ版がほしいです。かつてw100を
無理やり愛用していた自分としては。
こんにちは、コメントありがとうございます。Windowsユーザーはワイド画面(1,366 × 768)に慣れちゃってるので、むしろそっちのほうがいいような気がします。4:3って個人的にはあんまり好きじゃありません。dynaPadはいいですね、そしておっしゃるとおりもうひと回り小さければさらに日本人向けになるかも。比較的高価格な2 in 1はどうしてもSurface Proがベンチマークになっちゃうんだろうなあ。
4:3 Windows…ブラウン管時代の人は慣れ親しんでいるかも(DOS時代は16:10だっけ?)
私はタブレットなら3:2くらいが使いやすそうだと思うな
比較用
16:9
16:10
16:10.7(3:2)
16:12(4:3)
トシさん、こんにちは、コメントありがとうございます。一般的にワイド型のディスプレイのほうが評判悪いですね。なのでSurfaceのアスペクト比をありがたがる人も多いみたいです。以前、ワイド型のディスプレイは低価格なノートPCに使われることが多かったと記憶しています。私は特に考えもせず、ワイド型のを使っていて、それにすっかり慣れてしまった感があります。なんか4:3だと違和感ありまくりで…。
こんにちは。
win10をブートしたら、以後Androidを選べなくなったのですが、そういうことはありますか?
または、どこかにブートにOSを選べる設定はあるのでしょうか?
基本的なことだけどわからなくて(^_^.)。
こんにちは、コメントありがとうございます。それは起動時のOS選択画面が表示されないということですか?だとしたら私の手持ち製品では発生しないので、ちょっとわかりません。
早速のご返答ありがとうございます。
時系列で言いますと、
いつの間にか、 ブート時にOS選択画面が現れなくなったのです。
そして、win10しかブートせず。
また、タブレット画面にしていて、そこにいくら探してもAndroidはの切り替えアイコンが現れず。
そこで、ここに書き込みました。
しかし、一部は解決しました。
結果から言うと、Win10をタブレット画面からPC画面に戻したところ、Androidへリブートするアイコンが現れたのです。
これは盲点でした。
相変わらず、ブート時にOS選択画面は現れません。
何でだろ???
お騒がせしてすみません。
しかし、同じ症状のかたの役に立つように、記載しました。
誰かのお役に立ちますように。
それから、BIOSのupdateの記事があれば読みたいです(^^)
イマイチ解りにくくて(^_^;)
Alpair6p改さん、こんにちは、コメントありがとうございます。せっかく詳細にご説明いただいたのに、ブート画面にOS選択画面が現れない場合の対処方法は私にはわかりません。通常例のアイコン画面でないにせよ、OSを選択させるメニューは表示されると思うのですが、出ないとすると作らなくちゃ行かんわけですよね。それってもうお手上げです。あと、BIOSのアップデートはウインタブとしては記事を書けません。単に受け売りしかできない上、なにか質問されても答えられそうにないし、手順通りやってもまれに文鎮化したりすると思うので、責任取れないです。
返信ありがとうございます。
ブート時には、最後にシャットダウンしたOSが立ち上がります。使えるからまぁいいか、と思うようにします。BIOSはどこかのサイトさんを参考にしてみます。ありがとうございましたm(_ _)m