株式会社天空が8インチUMPC「GPD Pocket3」の予約販売をスタートさせました。天空はGPD社の国内正規代理店なので、天空扱いのGPD製品はすべて「日本正規品」となります。ウインタブではGPD社こそ「UMPCの復活」の立役者だと思っていますし、このPocket3も従来モデルのいいところをうまく取り込んだ素晴らしい製品と思っています。
なお、この製品については以前紹介記事を掲載していますので、この記事では主に日本正規品のバリエーションモデルや価格についてご説明します。製品詳細については下記の記事もご参照下さい。
GPD Pocket 3 - 考え抜かれた筐体構造と高いパフォーマンスの8インチUMPC、クラウドファンディング開始です!
1.GPD Pocket 3 概要
スペック表
GPD Pocket 3 | |
OS | Windows 10 Home(Windows 11無償アップグレード可) |
CPU | Intel Pentium Silver N6000/Core i7-1195G7 |
外部GPU | なし |
RAM(メモリ) | 8GB/16GB(デュアルチャネル) |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD PCIe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 8インチ(1,920 x 1,200)タッチ |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4)※1、USB 3.1 Gen2 × 2、HDMI、LAN(RJ45)、オーディオジャック ※1:PentiumモデルはUSB 3.2 Gen2 Type-C ※2:別売りでI/Oモジュールあり |
カメラ | Webカメラ(2MP) |
バッテリー | 38.5Wh |
サイズ | 198 × 137 × 20 mm |
重量 | 725 g |
バリエーションモデル
・Pro版:Pentium/8GB/512GB:86,000円
・Ultimate版:Core i7/16GB/1TB:146,200円(131,580円)
・専用モジュール(KVM及びRC-232C):12,500円
※Ultimate版のカッコ内の価格は先行予約価格
モジュールについて
GPD Pocket3には3種類のモジュールがあります。このうち「USB拡張モジュール」は標準で付属し、USB 3.2 Gen1 Tyape-Aを装備しています(上記スペック表のポート構成には含まれていません)。また、「シリアルポート拡張モジュール」はRS-232ポートを備え、「KVMモジュール」はHDMI-INポート+USB INポートを備えていてKVM操作が可能になります。シリアルポート拡張モジュールとKVMモジュールは「セットで別売り」となります。
コメント
天空の製品ページにGPD Pocket3の開発背景が説明されていました。その説明によれば、「過去に開発されたGPD Pocket2、GPD MicroPC、GPD P2 Maxの特徴的な機能を全て備えた最高のハンドヘルドポータブルPCを作りたい」という思いがあった、とのことです。そして、それだけではなく、様々な新機能を搭載しています。
筐体はGPD MicroPCに似ている印象がありますが、MicroPCでは対応していなかった「横回転(Y軸の回転)」に対応します。もちろんGPD Pocket2やGPD P2 Maxが搭載していたタッチ対応ディスプレイも引き継がれています。
なので、このようにタブレットモードにして4,096段階の筆圧に対応するペン入力(Microsoft Pen Protocol 2.0)も可能です。なお、GPD Pocket3専用のペン、というのはいまのところ用意されていないようで、Surfaceペンなど、Microsoft Pen Protocol 2.0に対応するサードパーティ製のペンを使用することになります。
Webカメラも搭載しています(GPD Pocket2とGPD MicroPCにはありませんでした)。このご時勢、UMPCでもWebカメラは欲しいですよね?ただし、サイズが小さいので仕方ないですが、ウインタブ的には位置は嫌い(この位置だとWebミーティングの際に自分の顔のアングルが悪くなりますから…)。
キーボードレイアウトもGPD MicroPCによく似ています。マウスクリックボタンを左上に、タッチパッドを右上に配置した個性的な形状です。また、GPD MicroPCが6インチという極小サイズだったのに対し、GPD Pocket3は8インチサイズなので、タイピングもしやすくなっていると思います。キーピッチは16 mmということなので、狭いことは狭いんですけどね。なお、このキーボードにはバックライトもついています。
ポート構成もUMPCとは思えないくらい充実しています。ここでもGPD MicroPCに装備されていたシリアルポートが「別売りのモジュール」という形で継承され、さらにKVMモジュールも用意されますので、エンジニアの人の業務用PCとしても便利に使えそうですね(いや、私エンジニアじゃないんでよくわかりませんけど…)。
最後になりますが、バリエーション展開は面白いですよね!モバイルノート用としてはハイエンドなCore i7-1195G7と、Jasper LakeのPentium Silver N6000の2種類。「中間がない」という感じです。外部モニターなど、様々な周辺機器を接続して使ったり、オンラインゲーム環境を持ち歩きたいならCore i7(Ultimate)でしょうし、持ち出し用のサブ機として使いたいならPentium(Pro)でしょうし、中間グレードがないぶん、逆に選びやすいかもしれません。
2.GPD Pocket3 価格など
GPD Pocket3は天空が運営するGPD Directで2022年1月に発売され、11月25日から先行予約がスタートしています。上にも記載しましたが、価格は下記の通り。
・Pro版:Pentium/8GB/512GB:86,000円
・Ultimate版:Core i7/16GB/1TB:146,200円(131,580円)
・専用モジュール(KVM及びRC-232C):12,500円
※Ultimate版のカッコ内の価格は先行予約価格
この価格はもちろんクラウドファンディング価格よりも高価ですが、そもそも「(いろんな意味で)クラウドファンディングはクラウドファンディング」ですし、天空が国内での製品保証をし、(詳細はわかりませんが)技適など国内規制に合わせるサポートなどもしているであろうことを考慮すれば、ごく妥当な価格差であると思います(お世辞ではなく、本当にそう思っています)。
中国メーカーのUMPCが市場に登場し始めてある程度の年数が経過しましたので、「(UMPCのニーズのある人の間で)一巡した」ような印象もありますが、GPD PocketシリーズやGPD MicroPCユーザーはもちろん、お手持ちのUMPCの買い替えを考えている人も多いと思います。「かつてのGPD製UMPCのいいとこ取り」をしたとも言えるGPD Pocket3に大注目!という人も多いんじゃないでしょうか。
3.関連リンク
GPD Pocket3:GPD Direct 製品紹介
GPD Pocket 3:GPD Direct 予約販売ページ