GMKがミニPC「NucBox7」を発売します。GMKと言えば超小型のミニPC「NucBox」が話題となりましたが、その後も次々と個性的なミニPCをリリースしています。今回ご紹介するNucBox7は(NucBoxよりも一回り大きいですが)非常にコンパクトなサイズで、エントリークラスとしてはCPU性能も高い「使えるスペック」の製品です。
1.GMK NucBox7 スペック
スペック表
GMK NucBox7 | |
OS | Windows 11 Pro |
CPU | Intel Pentium Silver N6005 |
GPU | なし |
RAM | 8GB/16GB(DDR4) |
ストレージ | 256GB/512GB M.2 SATA SSD (最大1TB) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | なし |
ネットワーク | Wi-Fi6(ax)対応、Bluetooth 5.2 |
入出力 | USB Type-C(給電用)、USB3.2 Gen2 Type-A × 2、USB3.2 Gen1 Type-A、HDMI × 3 、LAN(RJ45)× 2、オーディオジャック |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 87 × 87 × 39.5 mm |
重量 | 不明 |
バリエーションモデル
上記スペック表ではRAM8GBおよびストレージ256GBという記載も入れてありますが、10月23日現在GMK公式ストアで予約注文を受け付けているのはRAM16GB/512GB SSDモデルのみです。
コメント
OSはPro版、CPUのPentium Silver N6005はJasper Lake世代のノートPC用の型番で、エントリークラスとしては高い性能になっています。
こちらがPassmarkが公表しているベンチマークスコアです。ウインタブで数多く実機レビューをしていて、「比較的ライトな用途であれば十分使える」と評価しているCeleron N4120(N4100)よりもずっと高いスコアをマークしていますので、Officeソフトを使っての日常業務とか動画視聴、そんなに込み入っていない画像加工くらいなら問題なく動作すると思います。ウインタブの記事執筆(Webでの調べ物、ブラウザー上でのテキスト入力、簡単な画像加工など)程度であれば間違いなく余裕でこなせます。
RAMは8GB/16GBですが、上でご説明した通り10月23日現在だと16GBのみが予約販売中です。製品ページの画像などを確認してみたところ、おそらく「オンボード」ですね。増設や換装はできないと思います。
SSDも256GB/512GBが設定されているようですが、RAMと同様に、10月23日現在512GBのみ注文可能です。「M.2 2242 SATA」と形式が明記されており、画像のようにより大容量のSSDに換装することができます。
サイズを「手のひらサイズの超小型PC」NucBoxと比較してみましょう。あと、参考までに先日紹介記事を掲載したMinisforum UM590の数値も書いておきます。
NucBox7:87 × 87 × 39.5 mm / 重量不明
NucBox:62 × 62 × 42 mm / 125 g
Minisforum UM590:127 × 128 × 47mm / 約600 g
さすがにNucBoxよりは大きいですが、ミニPCとしてもかなりのコンパクトサイズではあります。
こんな感じですね。個人的にはMinisforum UM590のサイズ感でも特に困らんだろうと思いますが、ミニPCをバッグに入れて持ち運ぶような使い方をする人にはNucBox7のサイズはありがたいと感じられるでしょう。
さらに、NucBox7はUSB Type-Cポートを充電に使用し、PD充電器やモバイルバッテリーからの給電も可能です。ただし、製品ページに「Type-C 12V/3A(36W)」という記載がありましたので、出力の小さい(18Wなど)モバイルバッテリーからの給電は難しいかもしれません。
2.GMK NucBox7 筐体
入出力ポートの構成です。USBポートが合計で4つありますが、Type-Cは給電用で、ハブを使えばUSBポートとして機能するのかどうかは不明です。3つのType-Aポートのうち2つはGen2規格なので、高速なデータ伝送ができます。
この製品はLANポートが2つ、HDMIポートが3つもある、というのがセールスポイントです。最大3画面に映像出力が可能です。
ファンレスで運用されることもあるJasper Lake世代のCPUを搭載していますが、NucBox7には冷却ファンもしっかり装備されています。
筐体下部にはLEDライトも搭載されており、BIOSでライトの色を変更できます。…色を変えるのにいちいちBIOS(UEFI)をいじらなくてはならない、というのもどうかと思いますけど…。
3.GMK NucBox7 価格など
GMK NucBox7はGMK公式ストアで予約販売中で、10月23日現在の価格は299.79ドル(約44,500円)です。GMK製品は日本のAmazonでも販売されていますので、遠くないうちにAmazonでも購入できるようになると思われますし、後日セール対象になればもう少し安く買えそうです。
円安なので少々高く感じられてしまいますが、200ドル台で購入できるエントリークラスのミニPCとして、システムスペックやサイズ感に魅力があります。また、USBポートの数も十分とは言えないものの、規格は高く、Bluetooth機器やハブなどを使えば実用面でも支障は少ないでしょうね。
コメント
このサイズでこのスペックは嬉しいですね。
記事でも触れられていますがType-Cは給電用でUSBや映像は流せないところだけが残念です。
そこさえクリアしていればType-C接続のスタイラス対応モバイルモニターと使えるので即買いだったんですが…
HDMIを一つ削って関連コンポーネントと実装面積を削るより、USBやDisplayPort Alt.対応の方がコストがかかるのでしょうかね?
Tigerlake世代はコントローラーも内蔵されている気がしましたが。
もしくは圧倒的に普及してしまっているHDMIの方が喜ぶ人が多いのでしょうか。
こんにちは。周辺機器のレビューをしていて、私も同様の意見です。現状でも映像出力に対応しない製品は多いので(ミニPCだけでなくノートPCも)、購入の際によく確かめるほうがいいと思っています。