CHUWI HeroBook レビュー - ちょっと変わったCPU「Atom x5-E8000」を搭載する激安14.1インチモバイルノートの実力やいかに?(実機レビュー)

CHUWI HeroBook
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は久々の「激安中華ノート」、CHUWI HeroBookの実機レビューです。この製品は日本のAmazonでも税込み26,500円(9月2日現在、CHUWI直営店の出品です)で購入ができるほか、中国通販サイトであれば200ドルを軽く切る価格になっているという「数年前の価格か?」と感じさせてくれるくらいの安値です。また、CPUにAtom x5-E8000という、ノートPCではほとんど採用例のない組み込み機器向けのものを搭載している、という点にも注目です。価格が価格なので、過度の期待は禁物ですが、さて、一体どのくらいのパフォーマンスを見せてくれるでしょうか?

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なお、この製品はメーカーであるCHUWIからサンプル提供していただきました。CHUWIにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。

1.スペック

CHUWI HeroBook スペック表
まず、スペックから確認します。OSはWindows 10 Home、CPUは上に書いたとおり、ノートPC用としてはまず見かけないAtom x5-E8000が搭載されます。RAMは4GB、ストレージは64GB eMMCなので、2019年の今となってはミニマムな容量と言えます。ただし、ストレージ32GBだと、Windowsの大型アップデートのことを考慮すれば「初心者にはおすすめしない」と言えますが、64GBというのは十分ではないにせよ、購入してすぐに「容量不足で詰む」ことはないと思います。

ディスプレイは14.1インチのIPS液晶でFHD解像度です。この価格帯の製品としては非常に素晴らしい、と言っていいでしょう。入出力ポートの方も充実しているとまでは言えませんが、USB 3.0が2つ、miniHDMIと、必要最低限のものは装備されています。やっぱType-Cは無理ですかね。

サイズに関しては、14.1インチサイズとしては決して小さくはないものの、上位クラスの14インチノートよりも少し(横幅で1センチ弱)大きいくらいなので、携帯性は悪くありません。それと、重量は実測値を掲載していますが、1.3キロ台なのでモバイルノートとしても悪くはないです。

CHUWI HeroBook システム構成
CHUWI HeroBook ストレージ構成
レビュー機のシステム構成です。CPUは「Braswell」という表示になってますね。そうすると性能の方にも少し期待が…、いや、やめておきましょう。RAMやストレージの構成はカタログスペック通りでした。

2.筐体

CHUWI HeroBook 同梱物
同梱物です。取扱説明書、保証書、検査合格証、検査レポート、充電に関する注意書きのペーパーが入っていました。日本語の表記もありましたが、基本的には「注意書き」が付されている程度で、取扱説明書の大部分は中国語と英語でした。ただ、特に気の利いた内容ではないので、どっちにせよ初心者の人の役に立つようなものとは言えません。なくても平気、な感じですね。その他にはACアダプター、電源ケーブル、M.2 SSD用のスペーサー(アダプター、画像中央下にある小さなチップのようなもの)が入っていました。

ACアダプターの重量は電源ケーブル込みで205 gと、まずまずの軽さです。

CHUWI HeroBook 天板
天板です。左上に薄くCHUWIのロゴが入っているだけのシンプルなもので、装飾はありません。見た感じ金属製ですが、実際の素材はプラスティックですね。当初あまり質感には期待していませんでしたが、最近のCHUWI製品らしく、安っぽさは感じませんでした。

CHUWI HeroBook 底面
底面です。この製品は背面にはスピーカーが配置されておらず、ユーザーがメンテナンスできるような開口部(ハッチ)もありません。しかし、画像右下に、ここ最近の中華ノートによく見られる「例のもの」がしっかりついてます。

CHUWI HeroBook M.2 スロット
これですね。M.2 スロット。精密ドライバー一本で簡単に開口でき、必要な配線も施されています。対応するSSDはSATAの2242サイズと2280サイズで、2242サイズを使う場合は同梱物のところで説明したスペーサー(アダプター)を使います。今回は実際にSSDを装着するテストはしていませんが、これならPC操作に慣れていない人でも簡単にSSDの増設ができると思います。

CHUWI HeroBook 右側面
右側面です。画像左からmicroSDカードリーダー、オーディオジャック、USB 3.0ポートがあります。このアングルから見ても、エッジ部分がキレイに丸みを帯びた、美しい筐体になっているのがわかると思います。CHUWIの仕上げはかなり水準が上がったと感じますね。この価格帯のPCとは思えません。

CHUWI HeroBook 前面
前面にはポート類はなく、ヒンジ開口用の「手がかり」もありません。

CHUWI HeroBook 側面拡大
しかし、(あえてそうしていると思いますが)上下面に小さな隙間が空いていて、ヒンジ開口は容易です。

CHUWI HeroBook 左側面
左側面です。画像左からUSB 2.0、DC-IN、miniHDMIがあります。

CHUWI HeroBook 背面
背面には特に何もありません。

CHUWI HeroBook キーボード
キーボードです。14.1インチサイズでこのレイアウトですから、キーピッチに不満はありません(キーピッチ実測値は左右に約19 mm、上下に約18~18.5 mmでした)。当然英語配列しか選べませんが、それを除けばレイアウトとしては悪くありません。人によってはタッチパッドがかなり大型であることが気になる、つまり打鍵時に干渉して誤動作を誘発するのではないか、と感じる人がいると思いますが、私が試用した限り、特に問題はありませんでした。

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CHUWI HeroBook キーボード拡大
キートップは(画像で見ると)中央部が少し凹んでいるように感じられますが、少なくとも打鍵してみた感じはフラットでした。キートップの素材感は低く、プラスティッキーな感じで、あまり気持ちのいいものとは言えません。まあ、このへんは仕方のないところでしょう。また、バックライトも装備されません。

CHUWI HeroBook 正面
正面から見たところです。ベゼル幅は、最新の高級ノートのようなわけには行きませんが、思いのほか細く、スタイリッシュに見えます。このくらいカッコよければ文句なしだと思いました。

CHUWI HeroBook ヒンジ開口
ヒンジの開口角度はそれほど大きいほうではありませんが、パーソナル用途として全く問題のない開口角度は確保されています。

一通り筐体をチェックしてみましたが、記事の冒頭に書いたとおり、この製品がそもそも激安ノートである、ということを考慮すれば満点をあげていいくらいの品質だと思います。さすがにアルミ筐体ではありませんが質感は十分に納得できるものですし、各部の仕上げも決して悪くはありません。筐体の剛性感は高いとまでは言えないものの、少しねじったくらいでミシミシ言うとか、そういう危うさもありませんでした。CHUWIの健闘は高く評価したいです。

3.使用感

キーボード

キーピッチは手採寸で左右に約19 mm、上下方向はそれよりも少しだけ狭く18~18.5 mmほどです。測定に多少の誤差はあるかもしれませんが、おおむねモバイルノートとしてはフルサイズといっていいくらいの余裕があります。キーストロークはモバイルノートとしては標準的な深さといっていいでしょう。

打鍵は問題なくできます。というか、打鍵する、という本来の目的に照らせば何の問題もありません。また、打鍵感も決して悪くはありません。しかし、打鍵音はひどいですね。キーボード面の強度が十分でないと思われ、「バシャッ」という不快な音がします。音量も大きめなので違和感を覚えるという人もいるかもしれません。少し音を抑えたい、ということで、割と強打しがちなスペースキーとかEnterキーとかを打鍵する際に、気持ち優しく打鍵してやると打鍵音も抑えられます。

低価格品なので、キーボードの気持ちよさという点にはあまり期待しないほうがいいかもしれないですね。実用品としては十分なものではあると思います。

ディスプレイ

カタログスペックの「IPS液晶、FHD解像度」に嘘はありません。角度を変えながらチェックしてみましたが、ちゃんとIPSだと思います。

ただし、発色はよくありません。いつものようにブラウザーのEdgeで「花」を画像検索し、他のディスプレイと比較してみましたが、全体的に色が薄い感じです。また、「真っ白」な背景でチェックしてみましたが、やや黄味がかっていて、この点でも評価を落としています。

私は視力が悪いので、こうやって他機種と並べて画質をチェックしているのですが、この製品のディスプレイに関しては、比べるまでもなく、「ちょっと劣るなあ」と感じました。

ただし、ビジネス用に使うとか、そんなに神経質にならずに動画を観るとか、Webで調べ物をするとかの場合であれば、特に不満なく使えると思います。この価格帯の製品なので、視野角の広いIPS液晶が搭載されているという点は評価してあげたいと思いますし、テキストとか数値入力がしにくい、みたいなことは決してありませんので、ウインタブとしてはまあ納得、という評価でいいです。

スピーカー

この製品のスピーカーは「スピーカー穴が見えない」タイプです。確認したところ、ヒンジの裏側についているようで、体感的には「キーボードから音が聞こえてくる」感じです。

様々な音源でテストしてみましたが、まず「ちゃんとステレオ」ですね。ステレオ感はそんなに強くありませんが、テスト用の音源ではしっかりステレオであることが確認できました。

音質は「実用品レベル」と考えてください。音楽鑑賞をして、低音が、とか高音が、とかいうようなものではなく、全体的に安っぽい音質です。しかし、これはやむを得ないでしょう。コストダウンが宿命づけられた製品でもありますので、あまり辛口なことは言いたくないですね。

バッテリー

ディスプレイ輝度を75%に設定し、ボリューム45%でYouTubeの動画を再生したり、Webで調べ物をしたり、テキストライティングをしたり、といった操作を1時間行って、バッテリー消費は18%でした。単純計算だと5時間強は使えることになります。

メーカーの公称値「最大9時間」というのは無理としても、5時間くらい使える、ということならモバイルノートとしての実用性も悪くないと思います。

その他

ベンチマークスコアについては後述しますが、ここでは「使ってみてどう感じたか」ということについて書きたいと思います。

まず、テキストエディターを使ってのテキストライティング(これが一番負荷の小さい操作だと思います)ですが、これは快適というか、まったく問題なく動作します。

次にブラウザーのEdgeを使ってのWebブラウジングですが、ここは「サイトによる」という感じですね。全体的に描画が少し遅れる傾向があります。また、YouTubeのようにトップページのコンテンツがかなり重い構造になっているサイトではやや長めの待ち時間が発生しました。

インターネットアクセスに関係することなので、複数の回線を使って試してみましたが、やはり描画が少しばかり遅い、ということは感じられました。なので、ソフトウェアによっては、また使用するWebサービスによっては多少もっさりした挙動になると思います。この傾向は動画系のコンテンツで比較的強めに現れます。我慢できない、というほどではありませんが、低スペック機であることは認識せざるを得ないでしょう。

ただし、OSの起動、アプリの起動についてはそれほどいら立つようなことはありませんでした。おそらくHDD搭載のノートPCよりは数段マシかと思います。

4.性能テスト

CHUWI HeroBook ドラクエベンチ
参考:
マウス m-Book C(Celeron N3450): 2,075
Jumper EZBook 3 Pro(Celeron N3450): 1,965
Jumper EZPad 6 Pro(Celeron N3450): 1,914
ドスパラ Diginnos Stick DG-STK4S(Atom X5-Z8500): 1,871
VOYO VBook A1(Celeron N3450): 1,867
Chuwi LapBook 12.3(Celeron N3450): 1,845
Onda Xiaoma 41(Celeron N3450): 1,842
Chuwi LapBook 14.1(Celeron N3450): 1,835
Ockel Sirius A Pro(Atom X7-Z8750): 1,823
ドスパラ Altair VH-AD3S(Celeron N3350):1,816
T-bao Tbook 4(Celeron N3450): 1,794
Jumper EZBook 3L Pro(Celeron N3450): 1,774
ドスパラ raytrektab DG-D08IWP(Atom X5-Z8350): 1,747
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL(Atom X5-Z8350): 1,732
YEPO 737A6(Celeron N3450): 1,696
Jumper EZpad 6 Plus (Celeron N3450) : 1,677
Jumper EZBook X4(Celeron N4100): 1,582
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3(Atom X5-Z8300): 1,570
Jumper EZBook 3(Celeron N3350): 1,540
Teclast F7 Plus(Celeron N4100): 1,537
Jumper EZPad 6(Atom X5-Z8300): 1,536
PIPO X12(Atom x5-Z8350): 1,513
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2SL(Atom X5-Z8350): 1,509
GOLE 1 Plus(Atom Z8350): 1,492
One Netbook One Mix(Atom X5-Z8350): 1,359

Atom x5-E8000の性能については未知数でしたが、ドラクエベンチをやってみた限り、Atom x5-Z8350(これまで幾多の低価格Windowsタブレットに搭載されてきた、ある意味エントリーCPUの名機)といい勝負くらいのスコアとなりました。このスコアは私が使用感のところで述べた「体感」に沿うものだと思います。タブレット製品とは異なり、サイズに余裕のあるキーボードを備えていて、操作者も「キーボード+マウス」で高速に各種指示を出せる環境なので、どうしても少しばかりもっさり感が出てしまいます。あと、時代の流れといいますか、低価格ノートのCPUもCeleron Nシリーズが主体になってしまったので、テスターである(Atomに慣れているはずの)私自身の感覚も変化してしまった感が否めません。

この製品を快適に使うには、「シングルタスクで、できるだけ軽量なアプリを使って、テキスト入力中心で」という感じになるでしょう。もちろん、動画再生であるとかWebブラウジングであるとか、現代のPC操作に必須なこともこなせますが、どうしても若干もっさりした挙動になってしまうと思います。

5.まとめ

CHUWI HeroBookは日本のAmazonで購入ができ、9月2日現在の価格は税込み26,500円となっています。また、中国通販サイトだと、Banggoodでの価格が179.99ドル(19,415円、クーポンコード BGCWHERO162 を使用)です。ひさびさの「2万円で買えるモバイルノート」です。

レビューを終えてみて、筐体品質に関しては文句なしの水準だと評価します。また、性能面、使用感については、やや低品質ながらIPS液晶、FHD解像度のディスプレイが装備されていることは評価できるものの、CPUの非力さをある程度実感した、と言わざるを得ません。私は以前、Atom x5-Z8350を搭載する2 in 1をしばらくメインマシンとして使っていたことがあり、その際は、「ライトな作業ならこれで全然OK!」と思っていたのですが、低価格ノートでもCeleron N4000とかN4100を搭載するものが主流となり、またWindows OS自体も度重なる大型アップデートによって肥大化しているんでしょう、2019年の現在だと、以前ほど快適に操作できるような感覚ではなくなってしまいました。

中華ノートも3万円以上するのが普通になってしまった現在、この製品の価格は非常に魅力的ではあります。また、ウインタブ読者であれば、「この製品に何を求めるのか(テキスト入力マシンとして使うとか、オフタイムに動画を見るくらいなら少しくらいもっさりしていても気にしないとか)」ということを見誤らなければ、十分にサブ機として使えるくらいの品質ではあると思います。逆にこれから初めてPCを購入するような初心者の人には勧めにくいですね。せっかく購入したノートPCが思うようにサクサク動いてくれず、失望させてしまう可能性もありますから。なので、「わかっている人が買う」前提であればおすすめ、というのが私の感想です。

6.関連リンク

CHUWI Herobook:Amazon
CHUWI HeroBook:Banggood
※Banggoodで購入する場合はクーポンコード「BGCWHERO162」をお使い下さい。

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