HPが15.6インチコンバーチブル2 in 1「ENVY x360 15-dr1000」を発売しました。と書くとウインタブ的にはえらく違和感があります。あるいは「あの黒いやつがもうモデルチェンジしたの?」とか。ENVY x360といえば、CPUにAMD Ryzenを搭載し、黒い筐体色、そして異常なまでにハイコスパなプレミアムPCです。でも、実はENVY x360にはCPUにIntelを搭載する「白いやつ(銀色のやつ)」もありまして、今回紹介するのはIntel版の「白いほう」です。
1.スペック
HPは10月に入って第10世代のCore iプロセッサー搭載ノートをリリースし始めていますが、このENVYもCPUは第10世代、Comet LakeのCore i5もしくはCore i7を搭載します。RAMとストレージの選択肢は下記の通りです。
Core i5/RAM8GB/256GB or 512GB SSD
Core i7/RAM8GB or 16GB/512GB or 1TB SSD
完全なBTOマシン(注文時に顧客が自由に構成をカスタマイズできる製品)ではありませんが、妥当といえるくらいの選択肢があります。
ディスプレイは15.6インチのIPS液晶・FHD解像度で、もちろんタッチ対応し、1,024段階の筆圧に対応するSpectreアクティブペンが同梱されます。AMD版のENVY x360 15と同様、コンバーチブル2 in 1筐体に大型のディスプレイ、Microsoft Pen Protocol(旧N-trig)方式のスタイラスペンが使えるということで、イラストやマンガなどの制作にも向くと思います。またディスプレイのガラスにはキズ付きに強いゴリラガラスが採用されています。
入出力ポートの構成はAMD版のENVYと同じで、数と種類は過不足ないと思います。またSDカードリーダーがmicro規格ではなくフル規格というのもうれしいところですね。
筐体サイズはAMD版のENVYと「ぴったり同じ」です。CPUのメーカーが異なりますのでマザーボードなど筐体内部の構造に相違点はあるはずですが、外観上は、「AMD版とは色違い」です。また、旧モデルとの比較では若干薄型化され、ディテールにも違いがありますので、キープコンセプトではあるものの「新筐体」となっています。
2.筐体
15.6インチサイズで横幅が360 mmを切っているというのは「ごく小さい」と言えます。正面から見るとベゼル幅も細く、ナチュラルシルバーの筐体色ということもあり、AMD版とは異なる上品さも感じられます。
筐体はアルミ製で表面には梨地加工(わずかにざらついた感触に仕上げることにより、手に馴染みやすくなる)が施されています。天板のHPロゴはプレミアムラインの製品専用のものが使われます。
キーボードです。この画像は英語配列ですが、日本仕様はバックライト付きの日本語配列です。画像だとわかりにくいのですが、パームレスト右に指紋センサーも装備されています。旧モデルでは指紋センサーは側面に合ったのですが、モデルチェンジで場所が変わりました。また、キーピッチは18.7 × 18.7 mm、キーストロークは1.5 mmと開示されています。
参考までにAMD版のキーボードを掲載します。おそらくIntel版もこれと同じレイアウトになるでしょう。
側面とポートの配置です。右側面の通気口のところがAMD版と異なります(この画像では通気口なしになっていますが、AMD版には通気口があります)が、それ以外は同じデザインです。「13」のプライバシースイッチはWebカメラを無効化し、「カメラの乗っ取り」を防ぐためのものです。最近大手メーカーでこのような手間をかけるケースが増えていますが、これで安心できる、という人がずいぶん多いようなんです。
参考までに…。コンバーチブル2 in 1筐体なので、タブレットモードやテントモード、スタンドモードに変形して使うことができます。この製品は高品質なペン入力ができますので、特にタブレットモードは重宝しそうです。
3.価格など
HP ENVY x360 15(dr1000、インテルCPU)はHP Directplusで販売中で、10月4日現在の価格は109,800円(税込み120,780円)から、となっています。なお、この製品の上位モデルは税抜で12万円を越えますので、ウインタブ限定クーポンの対象となり、7%の割引を受けられます(詳しくはこちらをご覧ください)。
この価格、決して「高い」というわけじゃないんですけど、AMD版が異常なくらいに安くなっています(税抜73,000円から)ので、どうしてもAMD版との比較になり、「ちょっと高いよなあ」と感じてしまいます。ただし、AMD版ではオプション扱いだったアクティブペン(税抜き8,000円)が同梱扱いになりますので、その分は考慮しておく必要があります。
多少の価格差があっても「やっぱりIntel」という人は多いでしょうし、「シルバーの筐体のほうが好き」という人もいるでしょう。高品質な大型コンバーチブル2 in 1にCPUの選択肢が増えた、というのは歓迎すべきことだと思います。