富士通が13.3インチのモバイルノート「LIFEBOOK CH」を発売します。「CHシリーズ」というのはウインタブで紹介記事を掲載したことがなく、かなり前(最終リリースが2015年)に「Floral Kiss」という、ちょっとファンシーな製品があったようです。なので、この製品は実質的に「新規」のノートPCと言っていいと思います。
1.スペック
LIFEBOOK CH(WC1/E3, WC2/E3) | |
OS | Windows 10 Home |
CPU | Intel Core i5-1135G7 |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB PCIe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ |
13.3インチIGZO(1,920 × 1,080) 13.3インチ有機EL(1,920 × 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB 3.2 Gen1、HDMI オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(92万画素)顔認証対応 |
バッテリー | 53Wh(13.4-16.8時間) |
サイズ | 307 × 207 × 15.8mm |
重量 | 988 g -1.11 kg |
この製品は家電量販店などで販売されるカタログモデル(CH75/E3、CH90/E3)と、富士通WEB MART専売となるカスタムメイドモデル(WC1/E3、WC2/E3)がありますが、この記事では注文時に構成のカスタマイズが可能なカスタムメイドモデルについてご紹介します。
「カスタマイズ可能」と言っても、先日ご紹介したLIFEBOOK UHほど細かいカスタマイズはできません。まずCPUは第11世代(Tiger Lake)のCore i5-1135G7のみが設定されています。Core i3やCore i7はありません。このCPUは内蔵GPUがIris Xeになっていますので、特にグラフィック性能は第10世代までのCore i5よりもかなり向上していると思われます。
RAMは8GB「のみ」で、オンボードなので増設や換装もできません。ストレージは選択肢が多く、256GB/512GB/1TBのPCIe SSDを選択できます。つまり、この製品は「OSのバージョンとCPUとRAMはカスタマイズ不可、ストレージ容量のみカスタマイズ可」ということです。
しかし、もう一つ、重要なカスタマイズ項目があります。ディスプレイです。これね、どっちに転んでも高品質、という感じで、13.3インチのFHD解像度というのは共通ですが、IGZOか有機ELが選べます。おそらく有機ELのほうがより優れた発色になるのだろうと思いますが、個人的にはIGZOでも十分すぎるくらい美しい画面が楽しめると思っています。ともかく、CHシリーズの最大のセールスポイントは「美しいディスプレイ」ということになるでしょう。
通信はWi-Fi6(ax規格)に対応しますが、LIFEBOOK UHのように5Gモデルは設定されていません。また、有線LANポートも装備されていません。入出力ポートもUHのように多彩ではなく、USBポートに関してはThunderbolt 4という高規格のType-C形状のものが2つとType-Aが1つあるものの、SDカードリーダーの装備はありません。また、電源供給ポートもType-C(Thunderbolt)が兼ねます。
サイズは13.3インチモバイルノートとしてはコンパクトな部類(ただし、他社の上位モデルと比較して、めちゃめちゃ小さいというわけではありません)で、重量もIGZO版(WC1/E3)は1キロを切っています。また有機EL版(WC2/E3)も1.11 kgですから、かなりの軽量PCであると言えます。
2.筐体
正面から見たところです。この製品のWebカメラはIR(顔認証対応)ですが、それにしては上部ベゼルも細くなっていますし、もちろん左右ベゼルもかなり細いので、とてもスタリッシュに見えます。
筐体色は「ベージュゴールド」「ダークシルバー」「モカブラウン」「カーキ」の4色ですが、カスタムメイドモデルでも「好きな色を選べる」わけではなく、IGZO版を選ぶと「ベージュゴールド」、有機EL版だと「ダークシルバー」に決まってしまいます。「モカブラウン」と「カーキ」がおもしろい色だなあと思うのですが、こちらはカタログモデルのみの設定です。
キーボードです。86キーJIS配列、キーピッチ19 mm / キーストローク約1.7 mmと開示されていて、ノートPC用キーボードとしてはフルサイズ、という仕様です。また、キートップは中央がくぼんでいる形状です。バックライトはありません。
側面と入出力ポートの配置です。スペック説明のところでも書きましたが、ポートの規格は高いんですけど、数はちょっと足りないかな、と思います。モバイルノートなので有線LANポートがないのは仕方ないとして、SD(microSD)カードリーダーは欲しかったですね。また給電に独立したDC-INではなくType-Cポートを使うという点も賛否がありそうです。
3.価格など
富士通LIFEBOOK CH(WC1/E3, WC2/E3)は11月中旬の発売予定で、10月20日現在、富士通WEB MARTでも販売は開始されていません。価格はカタログモデルのCH75/E3(IGZO/ストレージ256GB)が税込み170,280円、CH90/E3(有機EL/512GB SSD)が税込み192,280円と表示されていました。カタログモデルの場合、Office Home&Business 2019を含んでいますので、カスタムメイドモデルのほうが少し安く購入できると思います。また、カスタムメイドモデルの場合は「だいたい20%くらい」の割引で会員価格(会員登録は無料)が設定されると思いますので、Officeなしモデルであれば15万円くらいから購入ができるのではないか、と予想します。
同時に発表された世界最軽量ノートのLIFEBOOK UHとは、ディスプレイサイズが同じであるものの、製品特性はかなり異なると思います。ウインタブ読者的にはUHだろうなあ、と思いますが、PCとの付き合い方が比較的ライトで、きれいな画面で動画などを楽しみたい、という人にはこのCHが向くと思います。
4.関連リンク
LIFEBOOK CHシリーズ:富士通WEB MART
コメント
今回のCHは「HDMI入力」もありますよ。
もう先にコメントありますがHDMIポートは入力にも対応していますね。
あと、IGZO版が約100も軽いのはマグネシウム素材を使用しているかららしいです。
CHシリーズ、良い意味で富士通らしくないですね。新しい要素が満載。法人や家庭向けのような保守的な感じが無くて良いです。(変わらないことをダメという気もありませんが。ThinkPadもSHシリーズも好きですし)
特に個人的に重視しているフルスペックType-Cが両サイドにあるのが良いですね。
Type-Cのみの割り切った構成以外でこれがあるのはRazer Blade Stealthくらいしか知りません(ブランド厨なので中華メーカーやショップブランドを知らないだけかもしれませんが)。
これでどっちのポートなら何が使えるなんてアホなこと気にしなくて良いし、ケーブルの取り回しが断然自由になります。
UHでは省かれたIRやThunderbolt4(一部モデル)も搭載していますし、有機EL、Xeグラフィック、SSD512GB、HDMI入力もアピールポイントとして有効だと思います。
Lenovoにメス入れられた?でもそれでこんなモデルが出てくるとも思えない、ってくらい良い気がします。でもなんとなく、NECのLAVIE Pro Mobileと同じようなセンスの良さを感じます(変わり方は全く違いますが)。
今までだと、
ターゲットを絞ったコンシューマ向けは(バリエーション絞るのは良いとして)RAM4GBとかSSD128GBとかGPUが下位モデルとか、それはちょっと…みたいな部分なあったり、
シリーズごとに隔たりがあってNHで採用したHDMI入力を他シリーズに展開なんてしなかったり(今回の搭載がNHからの展開かは不明ですが)、
のようなイメージでしたが、全然違う感じがしますね。
強いて言うなら、色が落ち着き系全振りなのでサイドを抑えたピンクやグリーンがあっても良かったかなと思います。
もう少し調べたり、2in1派なので迷いますが、次の最有力候補が来た気がします。
興奮して長文、失礼しました。
Type-Cが2つあるのはとても良いけどType-Aがもう一つ欲しいね。
重量の違いはマグネシウムリチウムだったのかw
通常有機ELの方が軽くなるのに疑問に思ってた
Thunderbolt4両面はいいですね
日本の企業はintelのCPUが14nm世代だった頃
高価な外部TBコントローラーを実装する事には海外のように積極的でなかったけど
コントローラーが内蔵されたIceLake以降は手頃になったのか
むしろ積極的になりましたね