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dynabook MZ/HSの実機レビュー - モバイル利用も据え置き利用も大切にしたい人におすすめの14インチ「ホームモバイルノート」

dynabook MZ/HS レビュー
Dynabookの14インチノート「MZ/HS」の実機レビューです。この製品は家電量販店などで販売されている(店頭モデル)「dynabook Mシリーズ」のWeb販売モデルとなります。Mシリーズは「ホームモバイルノート」と位置づけられ「家じゅうどこでも楽しめる」製品です。14インチで重量1.47 kgと、モバイルノートとしてはやや大きいサイズですが、このくらいであれば「家じゅう」だけでなく、外出先に持ち出して使っても問題なさそうですね。なお、Web販売モデルのMZ/HSについては、OSがPro版のみになっているなど、Mシリーズよりもやや「ビジネスより」の仕上がりになっています。

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ここがおすすめ
・モバイルでも据え置きでも使いやすいサイズ感
・充実した入出力ポート構成
・第11世代CPU搭載による高いパフォーマンス
ここはイマイチ
・ディスプレイの輝度・発色がやや低め
・内蔵スピーカーの音質は音楽向けとしてはやや低性能
販売サイトはこちら
dynabook MZシリーズ モデル選択・購入ページicon:Dynabook Direct

1.dynabook MZ/HS スペック

スペック表

  dynabook MZ/HS
OS Windows 10 Pro
CPU Intel Core i3-1115G4/Core i5-1135G7/Core i7-1165G7
外部GPU なし
RAM 8GB/16GB(最大32GB)
ストレージ 256GB/512GB/1TB PCIe SSD
光学ドライブ なし
ディスプレイ 14インチ(1,366×768)
14インチ(1,920 × 1,080)
ネットワーク 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1
入出力 USB 4 Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB 3.1 Gen1 × 2、HDMI、LAN(RJ45)、microSDカードリーダー、オーディオジャック
カメラ Webカメラ(92万画素)顔認証対応
バッテリー 稼働時間 15.0-15.5時間
サイズ 323.6 × 220.6 × 19.9 mm
重量 1.47 kg

バリエーションモデル

・Core i3/8GB/256GB/HD
・Core i5/8GB/256GB/FHD
・Core i5/16GB/512GB/FHD
・Core i7/8GB/512GB/FHD
・Core i7/16GB/512GB/FHD(レビュー機の構成)
・Core i7/16GB/1TB/FHD

コメント

OSはWindows 10 Proのみで、店頭モデルのMシリーズとは異なり、Home版の設定はありません。なお、Dynabookでは「Windows 11 アップグレード対象予定機種一覧」を開示していて、このMZ/HSもアップグレード対象になっています。詳細は下記をご覧ください。
Windows 11 アップグレード対象予定機種一覧(個人向け/キャンパスモデル):Dynabook

CPUは第11世代(Tiger Lake)のCore i3/Core i5/Core i7を選べますが、上の「バリエーションモデル」のところを見ていただくとわかる通り、Core i3モデルはRAMとストレージの組み合わせが8GB/256GBのみとなり、ディスプレイもHD(1,366 × 768)解像度になってしまいます。

そのディスプレイですが、14インチでHDとFHD(1,920 × 1,080)があります。FHDのほうは「広視野角」という記載があり、実機も確認して「ほぼ間違いなくIPS相当の液晶」と判断できますが、HDのほうはTN液晶と思われます。この点から個人購入用としてCore i3モデルはあまりおすすめできません(個人利用の場合、ディスプレイ品質ってすごく重要ですよね)。

通信周りではWi-Fi 6に対応し、入出力ポートも14インチとしてはかなり充実しています。DynabookのPCは「ポートを省略しない」ですね。

サイズは14インチノートとしては標準的くらいです。めちゃめちゃ小さいという感じではありません。また重量も1.47 kgと、モバイルノートとして見れば微妙に重いですね。このあたりのサイズ感が「ホームモバイルノート」と称するゆえんでしょう。

2.dynabook MZ/HS 筐体

同梱物

dynabook MZ/HS 同梱物
同梱物です。ペーパー類はやや多めですが、スタートアップガイドなど、PC操作に慣れていない人にも優しいと思いました。また、クリーニングクロス(メガネ拭きを大きくしたもの)がついているのもありがたいところです。ACアダプターはコンパクトサイズで実測重量は電源ケーブル込みで257 gでした。

前面と底面

dynabook MZ/HS 天板
天板です。MZ/HSにはカラーバリエーションがなく「オニキスブルー」のみとなります。黒に近い濃紺で、使う人を選ばない色味だと思います。

dynabook MZ/HS 底面
底面です。DynabookのノートPCにはメンテナンスハッチがついていることが多いですが、MZ/HSにもありますね。ここを開口してRAMの増設・換装ができますが、基本的にどのモデルもデュアルチャネル(RAMスロットを2つ使用)なので、RAMスロットはふさがっています。なので、増設ではなく、換装のみ可能です。

なお、ハッチを開口しようとしたのですが、レビュー機のハッチが非常に渋く(固く)、無理をすると壊れそうな気がしました(おそらく個体差だと思います)ので、今回は開口していません。すみません。

また、この画像の上部が開口部(手前側)で、左右にステレオスピーカーがついているのがわかります。なお、このスピーカーは一部のDynabook製品のようにHarman/Kardon製ではありません。

スピーカーの使用感

実用品としては何ら問題ありませんし、しっかりステレオ感も出ていますが、音楽を聴くと全体的にこもり気味で高音があまり気持ちよく鳴らない、という感じです。かといって、PCのスピーカーなので低音が強いというわけもなく、平板な音質でメリハリがありません。

dynabook MZ/HS Realtek Audio Console

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Realtek Audio Consoleというアプリが入っていて、イコライザーで細かく音質を調整できますが、いろいろ試してみても「これだ」という音にはなりませんでした。DynabookのPCは上位モデルでHarman/Kardonチューニングのスピーカーが採用されていますが、MZ/HSにはそれもありません。まあ「ノートPCのスピーカー」の域を出ていないですね。スピーカー品質については「普通」より高い評価にはなりません。

側面

dynabook MZ/HS 右側面
右側面です。画像左からmicroSDカードリーダー、USB Type-A、有線LANポートです。14インチノートで有線LANポートを備えている製品は少ないのですが、MZ/HSにはしっかり装備されています。このご時勢、外出先にPCを持ち出す機会が少なめだと思います。そうなると有線LANポートは重宝します。(自宅のWi-Fiの通信速度が遅いので)試用にあたって有線LANポートが使えるのは大変助かりました。

dynabook MZ/HS 左側面
左側面です。左からDC-IN、USB Type-C(Thunderbolt 4)× 2、HDMI、USB Type-A、イヤホンジャックです。イヤホンジャックの右側にはLEDインジケーターが2つあります。

MZ/HSは、Thunderbolt 4が2つと高規格のポートを装備しているのが魅力です。有線LANポートもそうですが、14インチノートとしてはポート類はかなり充実しているほうだと思います。

dynabook MZ/HS 前面
前面にはポート類、ボタン類はありません。

dynabook MZ/HS 背面
背面にも何もないです。

キーボード

dynabook MZ/HS キーボード

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キーボードです。「86キー(JIS配列準拠)、キーピッチ:18.8mm、キーストローク:1.4mm」と開示されています。

dynabook MZ/HS キーボード
キートップはフラットでバックライトはありません。

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キーボードの使用感

キーピッチ、キーストロークともノートPCとしては標準的なサイズになっていて、キー配列も素直ですし、打鍵感もよく、気持ちよく使えました。短期間の試用でちょっと気になったのは右下の方向キーがかなり小さい、ということくらいでしょうか。また、キーボードバックライトがない、というのも人によっては少し不満に感じられるかもしれません。

ただし、Dynabookのキーボードは印字がはっきりしていて、アルファベットがキートップ中央に配置されていますので、バックライトがなくとも暗くてキーが視認できない、ということを心配しなくてもいいと思います。私は試用中、少し薄暗いところでも作業してみましたが、ディスプレイの光があればキートップの印字が見えない、ということはありませんでした。

ディスプレイ

dynabook MZ/HS ディスプレイ
正面から見たところです。ベゼル幅は細めですが、2021年の現在、ノートPCとしては標準的くらいのベゼル幅だと思います。筐体が濃色でベゼル幅も筐体色と同じなので、引き締まって見えますね。

dynabook MZ/HS ディスプレイ
このディスプレイは視野角が広く、角度をつけて見ても白っぽくなりませんので、ほぼ確実にIPS液晶だと思います。なお、Dynabookの一部モデルに採用されている「IGZOパネル」ではありません。

また、この画像はちょっと意地悪に「できるだけ映り込みが激しくなるように」して撮影しましたが、映り込みは小さめです。

ディスプレイの使用感

ディスプレイはDynabookの上位モデルに採用されているIGZOと比較すると若干発色性能が劣ると思います。

ビジネス用としては発色に全く問題はなく、十分にきれいだと思いますし、ノングレアタイプなので作業中に映り込みが気になるということもありません(ただし、光源を背にするなど、映り込みが激しくなりそうなところで使えばさすがに映り込みはします)。

ただし、繊細な色の識別が必要なケースでは少し気になるところもあります。まず、ディスプレイ輝度がやや低めです。ノングレア液晶ということもあって、明るさという点ではもともと不利な構造ではありますが、今どきの上位クラスのPCは輝度を最大まで上げると「まぶしい」と感じるくらいの輝度にはなっていますので、それらとの比較では少し暗めである、と言えます。

また、発色についても手持ちのディスプレイ何台かと比較すると、原色がやや淡く感じられます。Office系ソフトなどビジネス利用の際には気にする必要はないと思いますが、イラスト制作や動画・画像の編集などをする機会が多いという人だと少し気になるかもしれません。

筐体その他

dynabook MZ/HS ヒンジ開口
MZ/HSはヒンジが180度(水平位置)まで開口します。

dynabook MZ/HS 画面回転ユーティリティー

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また、「画面回転ユーティリティ」というアプリが入っていて、キーボードショートカットで簡単に画面を反転させることができますので、ミーティング中に向かい側に座っている人と画面共有しやすいです。これ、ビジネスノートとしてはなにげに重要な機能だと思います。

バッテリー駆動時間

バッテリー駆動時間についてはレビュー機のコンディションなどで変動しやすく、必ずしもMZ/HSすべての個体が同じ挙動になるとは言えませんので、参考程度にご覧ください。

1時間ほどかけて、バッテリー消費をチェックしてみました。

・ディスプレイ輝度100%で画像加工を約25分
・YouTubeで音楽鑑賞(ボリュームは40%から50%程度)を約25分
・テキスト入力とWebでの調べ物を約15分

バッテリーもちは悪くありません。上記の使い方で、だいたい1時間で13%程度のバッテリー消費となりましたので、単純計算だと7時間半ほどのバッテリー駆動時間になります。外出先で打ち合わせをおりまぜてPC作業、という使い方であれば終日バッテリー駆動が可能だと思います。

Dynabookに限らず、国内販売されているノートPCのバッテリー駆動時間は「メーカー公称値の半分くらいが目安」だと思っています。これはメーカーが採用しているJEITAの測定規格が時流に沿っていないのが理由だと思います。この製品のバッテリー駆動時間の公称値は15~15.5時間となっていますので、実際の駆動時間は「まあ、その半分ね」と理解していいでしょう。

3.dynabook MZ/HS 性能テスト

dynabook MZ/HS dynabook セッティング

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MZ/HSには設定アプリ「dynabookセッティング」がインストールされています。このアプリは「PCをシャットダウンした状態でもUSBポートから他のデバイスに給電できる機能」とか「PCがシャットダウン、あるいはスリープした状態でヒンジを開口するとPCがオン状態にできる機能」など、「便利機能」がメインなのですが、「パフォーマンスを優先するかバッテリー駆動時間を優先するか」という設定もありましたので、性能テストにあたって「パフォーマンス優先」にしました。

dynabook MZ/HS PC Mark

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スコアの目安(2021年水準)※あくまで「目安」です
GeForceなど外部GPU搭載機 5,000以上
高性能なビジネスノートパソコン 4,000以上
中位のノートパソコン 3,000以上
エントリーノートパソコン 2,000以下

表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。モバイルノートやスタンダードノートの性能測定では最も重視すべきベンチマークテストと言えます。

レビュー機はCore i7-1165G7搭載なので、当然スコアは高くなりますが、それにしても4,967というのは素晴らしいですね。外部GPU搭載機に迫る(あるいは一部の外部GPU搭載機よりも高い)水準です。

ビジネスシーン、あるいは学習用としてoffice系のソフトウェア(ExcelやWordなど)や動画編集(あまり凝っていないもの)、画像加工をする分には十分すぎるくらいの性能と言えるでしょう。

dynabook MZ/HS 3D Mark
続いてグラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。ゲーミングノートの性能テストでは最も重要なものになりますが、モバイルノートやビジネスノートではPC Markのほうが参考になると思います。

スコアのほう、Core i7-1165G7搭載機としては標準的な水準だと思います。第11世代(Tiger Lake)のCore i7(Core i5も)は内蔵GPUがIntel Iris Xeなのですが、グラフィック性能は本当に高いですね。もちろん外部GPU搭載機には遠く及びませんが、第10世代以前のIntel UHD Graphics搭載機よりも大幅にスコアアップしています。

dynabook MZ/HS CINEBENCH R23
CPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。このスコアもCore i7-1165G7搭載機としてはやや高めとなりました。ただし、このテストの場合、多少スコアが変動してもビジネスや学習であまり大きな体感差はないと思います。

dynabook MZ/HS Crystal Disk Mark
最後にSSDの速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。このスコアもかなり高めです。ビジネスや学習で遅いと感じることはないでしょう。個人的には「この半分くらいのスコアでも体感差はない」ですねw

4.dynabook MZ/HS レビューまとめ

dynabook MZ/HSはDynabookの直販サイト「Dynabook Direct」で販売中で、9月27日現在の価格は100,980円(税込み、送料無料)から、となっています。レビュー機の構成(Core i7/RAM16GB/512GB/FHDディスプレイ)だとOfficeなしモデルが150,480円、Office付属モデルが169,180円です。なお、この価格は9月29日までのタイムセール価格で、「会員価格」です。Dynabook Directは会員登録(無料)をするだけで一気に割引が大きくなりますので、購入にあたっては必ず会員登録をするようにしてください。

MZ/HSは「ホームモバイルノート」という位置づけになっていて、実際にそのとおりの使い方にも向きますが、ポート構成などビジネス利用に適した装備・機能も備わっています。ウインタブでは日頃「モバイルノート(毎日のように出先に持ち出す)」と「スタンダードノート(自宅や事務所などで据え置き型として使う)」をきっちり分けるような論調で記事を書いていますが、現実はそんな単純なものではなく「出先に持ち出す日もあるし、自宅や事務所でじっくり使う日もある」という人が多いと思います。

この製品は「どっちも大切にしたい」人向けのノートPCですね。レビュー機がCore i7/RAM16GBという上位構成だったこともあり、パフォーマンスは非常に高いと思いましたし、入出力ポート構成は「スタンダードノート」に劣らず、しかし15.6インチスタンダードノートよりもずっとコンパクトで軽量です。また、「日本の大手メーカーらしい細かい気配りが感じられるが価格は日本の大手メーカーだから割高ということもない」です。

5.関連リンク(Dynabook Direct)

Dynabook Directでは一部のサイト向けに「クローズドサイト」を開設しています。多くの場合、クローズドサイトから購入するほうが安くなりますが、一般顧客(会員・非会員)向けに「タイムセール」を開催することもあり、タイムセール対象の製品はクローズドサイトよりも安くなることがあります。

そのため、少し面倒ですが「クローズドサイト」と「通常のサイト」を双方確認して購入検討されることをおすすめします。この記事の公開時点(9月27日)ですと、レビュー機MZ/HSは多くのバリエーションモデルで「タイムセール価格」のほうが安くなっています。

・通常の販売サイト(タイムセール価格含む)はこちらです
dynabook MZシリーズ モデル選択・購入ページicon:Dynabook Direct

・クローズドサイトはこちらです
【特定サイト限定】クローズドサイト
ID :dyna204cls
パスワード:T8Y7GRSV
クローズドサイト開設期間:2021年9月30日(木)17:00まで

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