8インチのWindowsタブレットには基本的にMicrosoft Officeがバンドルされていますね。ブログメディアとかいろんなところでやれ使いにくいだの、8インチじゃ無理だの言われていますが、8インチタブレットユーザーとしてはそういう無責任な批評に惑わされることなく、(もう買っちゃったわけですから)今ある環境でどういうふうにタブレット+Officeを活用できるのかを前向きに考えたいものです。
以前、こんな記事を書いています。
8インチのWindows タブレットでExcelを使ってみた(1)-簡単な編集
書いていて面白い企画だったので、早く続きをやりたいと思っているのですが、その前にWordのほうも試してみたいと思いました。
今回挑戦してみたのは「テープ起こし」です。具体的には、「5分弱のインタビュー音源の内容をテキストに落とし込む」というもので、Wordが得意としている文書の装飾とか細かい編集ということでなく、比較的量の多い文字入力を快適にこなせるのか、ということを試す内容になっています。
1.テスト環境
夜の私鉄の電車(典型的な通勤電車)で着席した状態でタブレットを使用しました。
テープ起こしなので、ダイソーで買った100円(税抜き)のイヤフォンを使い、外付けのキーボードやマウスは使用せず、基本的にタブレットのみで作業を完結させています。
また、音源はOneDriveに保存し、Windows Media Player(以下WMP)で再生しました。WiFiは愛用している格安のWiMAXで、ご存じの人も多いと思いますが、「激遅」です。ただし、今回のテストでは音源の再生ができなくなるようなトラブルは発生しておらず、おおむね快適に再生できています。
2.事前確認
Wordを外付けキーボードなしで使う場合、当然ソフトウェアキーボードで入力することになりますが、明らかに縦持ちの方がタブレットを持ちながら入力するのが容易です。横持ちだと手の小さい人は画面中央付近のキーを押すのに苦労しますし、指の移動距離が大きいので、タブレットを持ちながらだとかなり疲れやすくなります。
しかし、縦持ちの場合、モダンUIお得意の画面分割ができません。テープ起こしの場合、Wordのほかに音源を再生するためのアプリを起動し、再生と一時停止、巻き戻しをしながら入力することになるので、横持ちで画面分割ができない、という時点でモダンUIでの作業は無理、ということになります。なので、デスクトップ画面のほうでWordとWMPを同時に立ち上げて作業しました。
3.実際の作業
こんな感じでWordとWMPを並べました。Windowsには複数のソフトウェアを並べて表示させる機能があるのですが、今回はタッチ操作で少しでも快適に作業するためにWMPを上に小さく、Wordを下に大きく表示させています。これはWindowsの機能で自動的にやったのではなく、TouchMousePointerを使ってサイズ調整しています。WMPはタッチ用インターフェースじゃありませんが、ボタン類が大きく表示されるので、ストレスなく使えました。
4.評価
作業に要した時間は45分間、入力した文字数は1,086字でした。テープ起こしなので、この情報だと入力スピードの検証にはなりませんが、同じ作業を自宅のノートPCでやったとしたら、経験的に30分弱でできたと思います(私はテープ起こしを生業としているわけではないので、作業時間にツッコミはご容赦!)ので、タブレットではおそらく通常の1.5倍~2倍弱くらいの所要時間だったと考えています。
通常の3倍だったらシャア・アズナブルなわけですが、いや3倍遅いんなら「逆シャア」か…さすがにそこまではかかっていません。
また、タブレットの使い勝手が悪い、ということではなく、地下鉄内の騒音とか駅のアナウンスのせいで音源を聞き直したりするなどの作業ロスも考慮する必要があります。
あと、感覚的な話になってしまいますが、入力は時間を追うごとに慣れてきてスピードアップすることができました。その反面、作業開始から30分を経過したあたりから腕が疲れてきて、少しずつ「つらい」感じになってしまいました。
結論として、単に入力するだけなら電車の中でも30分くらいはストレスなく作業でき、多少の慣れを必要とするものの、単純な入力ということならば、いったん慣れてしまえばPCとさして変わらない作業効率である、ということが言えると思います。ただし、文書の装飾とかの作業はしていないので、文書を完成させる、という観点ではさらにテストをしていく必要があると思っていて、次回以降継続して挑戦していきます。
サラリーマンにせよ学生にせよ、やらなきゃいけないことがあって、それを電車の中などの移動中に済ませることができるとしたら、こんなに有意義なことはないですよね!Windowsタブレットは「電車の中で一仕事」っていうある意味夢のようなことを可能にしてくれるポテンシャルがあると思います。本物のOfficeで作業をこなすこともできる、っていうのがiPadやAndroidタブに対しての大きなアドバンテージだと言えます。もちろん毎日必ず移動中に作業するならウルトラノートPCのほうがおすすめですけどね。