ASUSがSnadpragon Xを搭載するCopilot+ PC「Vivobook S 15 S5507QA」にバリエーションモデルを追加しました。既存モデルの価格が229,800円/249,800円であるのに対し、今回追加されたモデルは179,800円と購入しやすいものになっています。
Vivobook S 15 S5507QAについては既存モデルをウインタブで実機レビューをしています。今回追加されたモデルはCPUの型番、RAM/SSD容量が異なる以外は既存モデルと同じスペック、同じ筐体なので、この記事では変更点のみをご紹介します。製品の使用感や(CPUが違いますけど)パフォーマンスについてはこちらの実機レビュー記事をご参照下さい。
ASUS Vivobook S 15 S5507QA レビュー- ARM版Windowsのデメリットはほぼ解消、メリットだけが目立つニューモデル、Copilot+ PCおそるべし!
1.製品概要
スペック表
Vivobook S 15 S5507QA | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | Qualcomm Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
外部GPU | なし |
RAM | 16GB(LPDDR5X-8448、オンボード) |
ストレージ | 512GB (PCIe 4.0 x4接続、NVMe/M.2 ) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチOLED(2,880 × 1,620)120Hz |
ネットワーク | Wi-Fi 7(a/b/g/n/ac/ax/be)、Bluetooth5.3 |
入出力 | USB4 Type-C(映像出力、PD対応)× 2、USB3.2 Gen1 Type-A × 2、microSDカードリーダー、HDMI、オーディオジャック |
カメラ | Webカメラ(207万画素)顔認証対応 |
バッテリー | 70Wh(約18時間) |
サイズ | 352.6 × 226.9 ×14.7-15.9 mm |
重量 | 1.42 kg |
このスペック表は2024年9月5日に発売されたモデルについてのみ記載しています。
バリエーションモデル
既存モデル:
・S5507QA-HA321W:RAM 32GB/SSD 1TB
・S5507QA-HA161W:RAM 16GB/SSD 1TB
※Snapdragon X Elite X1E-78-100搭載
今回追加:
・S5507QA-PU165W:RAM16GB/SSD 512GB
※Snapdragon X Plus X1P-42-100搭載
コメント:
今回追加されたモデルはSnapdragon Xの型番が異なり、RAM/SSD容量も減らされています。
Snapdragon Xシリーズに「Elite」と「Plus」があるのをご存じの方は多いと思います。また、Elite/Plusそれぞれに複数型番があり、この9月にはPlusの型番が追加されました。
Vivobook S 15 S5507QAの既存モデルも含め、国内で販売されているSnapdragon X搭載のCopilot+ PCの多くは「X Elite X1E-78-100」を搭載しており、今回追加されたモデルは「X Plus X1P-42-100」を搭載しています。Snapdragon XシリーズはARM系のCPU(SoC)のため、既存のベンチマークソフトでx64のCPUと性能比較をするのは容易ではありませんが、AI処理チップNPUの性能は高く、全型番で45TOPSをマークします。この点は最下位グレードのX Plus X1P-42-100も変わりません。
異なるのはCPUのコア数やクロックスピード、GPUのTFLOPです。この表を見ると、コア数がX Elite X1E-78-100の「12」に対し「8」と少ないこと、またGPUのTFLOP数に大きな差があることから、使用感にも結構な差(体感差)があるのではないか、と思います。ただ、体感の話を言い出すと「事務仕事でCore i5とCore i7に大きな体感差はあるか?(ないと思います)」という話と同じになってしまうので、ここではなんとも言えないですけどね。
そんなわけで、今回追加されたモデルの価格が既存モデルよりもずっと購入しやすくなっている最大の要因は「Snapdragon Xの型番変更」にあると言え、他にRAMやSSDの容量が減らされていることも低価格の要素であると言えます。
Vivobook S 15 S5507QAのパソコンとしてのパッケージングは非常に優れています。既存モデルの実機レビューでは「高精細な有機ELディスプレイの発色品質は圧倒的」「15.6インチノートとは思えない薄型軽量筐体」「価格に見合う高級感のある筐体」と評価しており、それは今回追加されたSnapdragon X Plus搭載モデルでも変わりません。
また、ARM版Windows搭載機で最も懸念される「ARM64ネイティブではない既存アプリとの互換性」ですが、ウインタブが常用しているアプリのうち「Google日本語入力」のみ使えませんでした。あとベンチマークソフトの多くは動作しないか、動作しても「スコアが妥当なのかちょっと不安」という感じではありました。個人的には「Google日本語入力さえ我慢すれば、あとは普通に使える」と評価できますが、読者の方々が「ちょっと変わったアプリ」を常用されている場合、それらが正常に動作するかどうかはなんとも言えません。
2.価格など
ASUS Vivobook S 15 S5507QAはASUS Storeで販売中で、今回追加されたSnapdragon X Plusモデルの価格は179,800円です。いち早くCopilot+ PCとして発表されたSnapdragon X搭載機ですが、ここにきてIntelとAMDからもCopilot+ PCの要件を満たすCPU(Core Ultra 200Vシリーズ、Ryzen AI 300シリーズ)がリリースされており、そうなると「Snapdragon XシリーズがARM版Windowsである」点がネックと感じられなくもありません。
Snapdragon X搭載機、というかARM版Windows搭載機がこの先順調にシェアを拡大できるのか、注目したいですね。
3.関連リンク
Vivobook S 15 S5507QA(X Plus/16GB/512GB):ASUS Store
Vivobook S 15 S5507QA(X Elite/16GB/1TB):ASUS Store
Vivobook S 15 S5507QA(X Elite/32GB/1TB):ASUS Store
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。