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ASUS ROG Zephyrus M16(2022)の実機レビュー - Alder LakeのCore i9を搭載、高いディスプレイ品質はクリエイターにも向きます。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603
ASUSが2月17日に発表・発売したゲーミングノート「ROG Zephyrus M16 GU603ZW(2022年モデル)」の実機レビューです。従来モデルと外観はほぼ変わりませんが、CPUとGPUの型番が変更され、大幅な性能向上を果たしています。また、薄型でディスプレイの発色品質も高く、ゲーマーだけでなくクリエイターのニーズにも応えることができる製品です。

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なお、この製品のレビューと同時期に、同じくASUSのハイエンド・ゲーミングノート「ROG Strix SCAR 17 G733ZX」の実機レビューも実施していますので、こちらもあわせてご覧ください。
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZXの実機レビュー - いま手に入る最高性能のゲーミングノート。性能もすごいし完成度も半端ないです

ここがおすすめ
・Alder LakeのCore i9-12900Hを搭載
・16インチで高精細、高い発色品質のディスプレイ
・薄型でナローベゼルの美しいデザイン
・6スピーカー搭載の高い音質
ここはイマイチ
・RTX3060モデルはRAM/ストレージに少し容量不足感あり
・上位モデルはさすがにお高い…。
販売サイトはこちら
ROG Zephyrus M16 GU603ZW(RTX3070Ti)icon:ASUS
ROG Zephyrus M16 GU603ZM(RTX3060)icon:ASUS

1.ROG Zephyrus M16 スペック

  ROG Zephyrus M16(2022)
OS Windows 11 Home
CPU Intel Core i9-12900H
外部GPU NVIDIA GeForce RTX3060/RTX3070Ti
(すべて”Laptop”)
RAM 16GB/32GB(DDR5-4800)
ストレージ 512GB/2TB SSD(PCIe 4.0 ×4)
光学ドライブ なし
ディスプレイ 16インチ (2,560 x 1,600) 165Hz
ネットワーク 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.1
入出力 USB Type-C(Thunderbolt 4)、USB 3.2 Gen2 Type-C、USB 3.2 Gen2 × 2、オーディオジャック、HDMI、LAN(RJ45)、microSDカードリーダー
カメラ Webカメラ(92万画素)顔認証対応
バッテリー 駆動時間 最大10.8-11.7時間
サイズ 355 x 243.5 x 19.9-22.3 mm
重量 2.05 kg

バリエーションモデル

・GU603ZM-I9R3060E:RTX3060/16GB/512GB/2,560×1,600
・GU603ZW-I9R3070TIE:RTX3070Ti/32GB/2TB/2,560×1,600
※左からGPU/RAM/ストレージ/ディスプレイ

特徴

ゲーミングノートのスペック表で真っ先に目が行くのがCPUとGPUの型番だと思います。ROG Zephyrus M16のCPUは第12世代(Alder Lake-H)のCore i9-12900Hで、現時点で販売されているノートPC用のCPUとしては最高性能の型番です。CPUグリスにはThermal Grizzlyの液体金属グリスを採用しており、冷却面にも不安はありません。

また、GPUはROG Strix SCAR 17に搭載されているGeForce RTX3080Tiの設定はなく、GeForce RTX3070Ti/RTX3060の2種類となります。いずれも決して力不足の型番ではありませんが、このあたりはROG Strix SCAR 17との「ゲーミングノートとしての性格の違い」が出ていると言えます。

「性格の違い」が顕著なのがディスプレイの仕様ですね。ROG Zephyrus M16は16インチで解像度2,560 × 1,600と、通常よりもワンランク高精細なものが搭載されていますし、100%DCI-P3にPANTONE認証と、クリエイターのニーズに応えることのできる発色品質になっています。一方でリフレッシュレートは165Hzと、ROG Strix SCAR 17の360Hzよりも控えめです(360Hzというのがすごすぎるのであって、165Hzでも十分高速だと思いますけどね)。

また、筐体のデザインにも特徴があります。ROG Strix SCARが天板ロゴ、側面、背面にカラフルなイルミネーションを装備しているのに対し、ROG Zephyrus M16は、装飾もありますがそれほど派手ではなく、スリムでスクエアなデザインに仕上がっています。

では、筐体から見ていきましょう!

2.ROG Zephyrus M16 筐体と使用感

同梱物

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 同梱物
同梱物です。ASUSのPCには厚めの取扱説明書が付属しますが、ROD Zephyrus M16にはROG用のマニュアルもついていました。ACアダプターはゲーミングPCらしく大型で、電源ケーブル込みの実測重量は723 gでした。

天板と底面

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 天板
天板です。左上から右下に向けて「デザインの境目」があり、右上のほうには小さなドットがたくさんあります。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 天板
すみません、上の画像と天板の向きが逆になってしまったのですが、蛍光灯の下に置いてみたところです。この製品の天板のドット部分は光の反射によって美しい「レインボーの模様」が浮き上がるようになっています。なお、一部のROG PCに搭載されている「AniMeMatrix」のように「電気的に光る」ものではなく、「外光を反射して模様を浮き上がらせる」仕組みなので、ユーザー側でこの「模様」をコントロールすることはできません。

筐体素材は天板が金属、他の部分は樹脂だと思います。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 底面
底面です。通気口のパターンが意味ありげに見えますが、それが何であるのかはわかりません。また、この画像の下側が手前(開口部)になりますが、底面左右に2つ、そのすぐ下(前側面)に2つのスピーカーグリルが見えます。後述しますが、この製品はなんと「6スピーカー」搭載です。

側面

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 前面
前面です。こちらにはポート類、ボタン類はありません。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 背面
背面です。Core i9とGeForce搭載のハイスペックマシンということで通気口が目立ちますが、この面にはポート類やボタン類はありません。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 背面
しかし、この製品はリフトアップヒンジ構造(後述します)を採用しているため、背面には保護材がついています。ゲーミングノートでリフトアップヒンジ、というのはちょっと珍しいかも。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 右側面
右側面です。こちらにも大きな通気口がありますが、その右側に(画像左から)DC-INジャック、HDMI、有線LAN、USB Type-A、USB Type-C(Thunderbolt 4)、USB Type-C、イヤホンジャックがあります。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 左側面
左側面です。画像左からUSB Type-A、microSDカードリーダーがあります。この製品では右側面にポートが多く配置されていますが、左側面にもUSB Type-Aポートがありますので、使い勝手は悪くないと思います。ただ、個人的には有線LANポートとDC-INジャックは背面に配置するか、側面であればもっと後ろより(背面寄り)に配置してくれるほうが使いやすかったかな、とは思います。

キーボードと使用感

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 キーボード

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ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 キーボード

キーボードです。メーカーの開示では「86キー日本語キーボード (RGB イルミネートキーボード)」となっており、16インチサイズながらテンキーはありません。ここは賛否がわかれるところですが、テンキーレスの場合、ホームポジションが筐体のほぼ中央になりますので、ゲームプレイやテキスト入力がしやすくなります。一方でテンキーがある場合は数値入力がしやすくなる半面、アルファベットキーが左にオフセットされますので、テキスト入力のしやすさという点では少し劣ります。ROG Zephyrus M16はゲーミングノート、またクリエイターノートという性格のPCなので、個人的にはテンキーレスで正解だったのでは?と思います。

キーピッチは手採寸で約19mm、キーストロークはノートPCとして標準的位の深さでした。また、キーボード面の両側にスピーカーが搭載されています。経験上、この位置にスピーカーを配置すると音質が良くなると思っています。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 キーボード

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バックライトを点灯させたところです。ROG Zephyrus M16のキーボードは「RGB イルミネート」と開示されていますが、「1ゾーン」です。つまりキーボード面の左側を赤に、右側を青に、とか、個々のキーを好きな色にする(Per-Key RGB)といったことはできません。あくまでキーボード面全体を単色で光らせるのみです。ただし、イルミネーションには対応し、色の変更も楽しめます。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 AURA Creator

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設定アプリ「AURA Creator」も入っていますが、上に書いたとおり、「全部のキーを一律に色を変える」ことや「あらかじめ設定されているイルミネーションを選ぶ」こと、またバックライト輝度の設定ができます。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 Armoury Crate

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次に配列ですが、この製品のキーボード面の最上部に4つの「ホットキー」があります。初期状態では「音量UP」「音量DOWN」「マイクのON/OFF」「設定アプリArmoury Crateの起動」が割り当てられていますが、設定アプリArmoury Crateで操作割り当てを変更できます。

それ以外の配列はおおむね素直なものになっていると思います。ただ、Fキーに割り当てられているファンクションが「ゲームより」になっていまして、パフォーマンスモードの切り替えやAURA Centerの起動などがワンタッチでできるものの、個人的に「ないと困る」Print Screen機能がありません。まあ、それ以外は特に不自由はなく、ごく使いやすい配列だと思うんですけどね。

ROG Zephyrus M16に限らず、ゲーミングノートのキーボードというのは非常に頑丈な作りになっていて、強打してもたわんだりしません。また、頑丈さの副産物だと思うのですが、打鍵音も非常に静かです。つまり、「キーボード面がたわんだりせず、音も静か」ということで、テキスト入力は「めちゃめちゃ快適」です。これまで多くのゲーミングノートをレビューしてきましたが、キーボードに関しては(メーカーがどこまで意図しているかわかりませんが)スタンダードノートやモバイルノートよりもゲーミングノートのほうが気持ちよくタイピングできます。

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「いかついゲーミングノートなのに、打鍵音が静かで打鍵感も気持ちがいい」というのはちょっと笑っちゃうかもしれませんが、多くのゲーミングノートはこのパターンなんですよね。バックライトが「単色でしか光らない」というのはゲーマーにはちょっと残念かもしれませんが、それ以外は素晴らしいキーボードです。

ディスプレイ

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 ディスプレイ
この製品のキーボードはリフレッシュレート165Hzでありながら、解像度も2,560 × 1,200と高くなっています。また、スペック説明のところにも記載しましたが、100%DCI-P3にPANTONE認証取得と、発色のほうもとても自然です。原色も鮮やかですし、(有機ELほどではないですが)黒もよく表現されているため、くっきりした画像・映像が楽しめます。解像度が高いため、表示領域を広くすることもできますので、ゲーム用途以外でも使いやすいディスプレイだと思います。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 ディスプレイ
ノングレア(非光沢)タイプのディスプレイなので、映り込みは気になりません。この画像は「できるだけ映り込みが激しくなるような位置」で撮影しましたが、映り込みはほとんどありませんでした。ただ、さすがに光の反射による影響はありますね。

…あ、そうそう、ROG Strix SCAR 17にはなかった「Webカメラ」はちゃんと搭載されています…。

筐体その他

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 リフトアップヒンジ
上でご説明したとおり、ROG Zephyrus M16はリフトアップヒンジ構造を採用していますので、ヒンジ開口時にはこの画像のように筐体後部が持ち上がり、キーボード面に適度な角度がつきます。タイピングがしやすくなるというメリットのほか、底面に空洞ができ、冷却効率が高まるとされています。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 ヒンジ最大開口
ヒンジは水平位置(180度)まで開口可能です。最近はビジネスノートでこのように180度開口が可能な製品が増えており、打ち合わせの際などに向かい側の人と画面を共有するのに便利です。

スピーカーの使用感

ROG Zephyrus M16は底面(と前側面)に4つ、キーボード面に2つ、合計で6つのスピーカーを搭載しています。また、Dolby AtmosとDolby Visionを統合したアプリ、Dolby Accessがインストールされています。

音質は素晴らしいです。キーボード面にスピーカーがあるというのも配置的には非常に好ましく、迫力のある音が楽しめます。同時にレビューしたROG Strix SCAR 17と比較すると筐体サイズが小さい分重厚感が弱め(低音がやや弱い)と感じられるものの、これはまあ、仕方ないところでしょう。比較対象が悪かった、ということで…。

PCの内蔵スピーカーとして、非常に高く評価できます。

発熱とファン音

ゲーミングノートとしてはスリムで美しいデザインのROG Zephyrus M16ですが、高負荷時にはそれなりにファン音はします。さすがに一般的なスタンダードノートよりも騒々しく、最大で63dbくらいにはなりました。他のゲーミングノートと比較してどうか、ということだと、同時期にレビューしたROC Strix SCAR 17よりもノイジーですね。ただ、SCARは大型筐体ですし、厚さもそれなりにありますので、比較対象としてはあまり適切ではありません。個人的にはゲーミングノートならこんなものか、と思います。また、ゲームプレイ以外の低負荷時はほとんどファン音はしません。

発熱について、ベンチマークテスト中など高負荷時にはCPU温度は75度くらいまで上昇しているのを確認しましたが、これは特に高い温度とは言えず、むしろ低めだと思います。また、負荷を落とすと瞬時に下がります。また、ゲームプレイ中、ベンチマークテスト中はキーボード面の上部にやや熱を感じますが、ゲーミングノートとしては標準くらいだと感じました。

3.ROG Zephyrus M16 性能テスト

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 Armoury Crate

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ASUSのPCには設定アプリ「My ASUS」がプリインストールされていますが、ゲーミングノートにはそれとは別の設定アプリ「Armoury Crate」も入っています。そのため「My ASUS」の機能は簡素化され、どちらかというと製品登録用や保証のアップグレード用という位置づけですね(これらはMyASUSからオンラインで完結できます)。MyASUSではこのほかバッテリーのモード(省電力設定やバッテリー保護機能など)ができる程度で、パフォーマンス面はArmoury Crate側で行います。

今回の性能テストにあたり、Armoury Crateのパフォーマンスモードを「Turbo(パフォーマンス最優先)」に設定しています。また、ROG Zephyrus M16は一般的なゲーミングノートよりもディスプレイの解像度が高く、それがベンチマークスコアに影響することもありますので、必要に応じて解像度を変更して測定しました。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 3D Mark(FHD)
参考(ハイエンドゲーミングノート):
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H、RTX3080Ti):12,849、28,768、7,999
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX、RTX3080):12,070、26,488、7,622
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H、RTX3080):11,730、24,606、7,513
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen9 5900HS、RTX3080):10,698、19,394、7,346
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H、RTX3070Ti):10,516、23,619、6,589
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):10,393、23,177、6,394
MSI GS66 Stealth(i9-10980HK、RTX3080):9,276、20,063、5,873
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):8,981、21,434、5,488
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,435、20,017、5,049
Lenovo Legion 750i(Core i7-10750H、RTX2080SUPER Max-Q):8,156、18,070
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):7,767、17,671、5,136
※左からTime Spy、FireStrike、Port Royalのスコア

グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。このテストはディスプレイ解像度を1,920 × 1,200に落として測定しました。また、一応Wild Lifeのスコアも測定しましたが、このテストは低スペック機で重視されるものなので、ここでは無視します。システム負荷はTime Spy > FireStrikeで、Port Royalはリアルタイムレイトレーシングの性能を確認するためのものです。

このテストは経験上、「GPUの型番に非常に忠実な結果」が出ます。レビュー機のGPUはGeForce RTX3070Tiですが、過去データと見比べていただくと、「RTX3070/3070Ti搭載機の中では最高、一部のテストではRTX3080搭載機を上回る」という結果になりました。同じRTX3070Tiを搭載するMSI Katana GF66 12Uとの比較では、CPUの型番の差が出たかな、という感じです。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 3D Mark(高解像)
なお、こちらが本来の解像度である2,560 × 1,600で測定したものです。3D Markというベンチマークテストは「ディスプレイ解像度をほとんど見ていない」ですね。確かに2,560 × 1600解像度にしたほうが若干スコアが落ちていますが、本当にこの程度の差にしかならないのであれば上位クラスのゲーミングノートは全部高精細なディスプレイを搭載してくるはずですから。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 FF15
ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 FF15
オンラインゲーム「ファイナルファンタジー15(FF15)」のベンチマークテストです。このテストでは明確に「ディスプレイ解像度を設定する」という手順があり、上の3D Markよりもはっきりと「解像度の違いによるパフォーマンスの差」が出ます。画像にもありますが、上が2,560 × 1,440、下が1,920 × 1,080の解像度に設定して測定した結果です。かなり大きな差が出ているのがわかると思います。

参考(ハイエンドゲーミングノート):
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H、RTX3080Ti):11,839
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H、RTX3080):11,658
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX、RTX3080):10,966
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen9 5900HS、RTX3080): 10,371
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H、RTX3070Ti):9,451
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):9,063
MSI GS66 Stealth(i9-10980HK、RTX3080): 9,004
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,946
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):8,879
Lenovo Legion 750i(i7-10750H、RTX2080SUPER Max-Q):8,431
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):8,230
MSI GP75 Leopard(i7-10750H、RTX2070):7,995
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):7,869
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(i7-9750H、RTX2070):7,440

個別のゲームタイトルなので、相性のようなものが出てしまうと思いますが、それでも1,920 × 1,080解像度ではRTX3080搭載機に迫る、というかほぼ互角の結果となりました。また、2,560 × 1,440解像度でもRTX3070搭載機にそれほど劣らないスコアが出ています。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 PC Mark

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参考(ハイエンドゲーミングノート):
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H、RTX3080Ti):7,773
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H、RTX3070Ti):7,417
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX、RTX3080):7,129
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-1800H、RTX3080):7,054
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):6,827
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):6,744
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen9 5900HS、RTX3080):6,544
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):6,447
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):6,225
Lenovo Legion Y740(17)(Core i7-9750H、RTX2080Max-Q):6,151
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):6,081
ASUS ROG Strix SCAR 15 G532LWS(i9-10980HK、RTX2070SUPER):6,023

表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。グラフィック性能に特化したテストの3D Markなどと比較するとCPU性能の差(影響)が大きめですが、テスト項目にグラフィック処理も含んでいますので、CPU性能だけでなく、外部GPUを搭載する製品のほうが高いスコアが出やすい傾向にあります。

スコアのほう、「Core i9-12900Hの貫禄」という感じですね。GPUにRTX3080Tiを搭載するROC Strix SCAR 17に若干及ばなかったものの、堂々の第2位です(ただし、ROG Strix SCAR 17は私のミスで試行回数が非常に少なく、本来であれば8,000点オーバーのスコアが出たと思います)。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 CINEBENCH R23
参考1(ハイエンドゲーミングノート):
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(Core i9-12900H、RTX3080Ti):1,916、19,344
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H):1,800、15,593
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H):1,491、12,210
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX):1,436、13,461
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX):1,408、11,280
ASUS Vivobook Pro 16X OLED(Ryzen 9 5900HX):1,425、12,034

参考2(ハイスペックなモバイルノート):
ASUS VivoBook 15 OLED(Core i7-1165G7):1,497、5,555
MSI Prestige 15 A11(Core i7-1185G7):1,226、4,119
Lenovo ThinkPad E15 Gen3(Ryzen 5 5500U):1,160、7,312
※左からシングルコア、マルチコアのスコア

CPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。このテストではGeForceの搭載有無は関係ありません。純粋に「Alder LakeのCore i9-12900Hの実力を見る」ためのものです。

スコアのほう、ROG Strix SCAR 17と同等のスコアが出てもおかしくないはずでしたが、それよりは若干低めとなりました。今になって「あと数回試行すべきだったかな」と思っています。ただし、このスコアでも十分納得できる水準だと思います。

ASUS ROG Zephyrus M16 GU603 Crystal Disk Mark
SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。「PCI Express 4.0 x4接続」の実力がいかんなく発揮されていると思います。このスコアも現行のPCとしては最高水準ですね。

各種ベンチマークスコアを測定しての感想ですが、特にPC MarkとCINEBENCH R23で顕著にAkder Lakeの威力が発揮されたと思います。Intel Coreは第11世代から第12世代で格段の性能向上を果たしたと言えます。特に高性能域のPCを必要とする、高負荷な作業を日常的にしている人なら「これから買うならAlder Lake」だと思います。グラフィック性能に関しては、GeForce RTX3070Tiの処理能力が前面に出る傾向がありますが、それでもAlder Lakeによるパフォーマンス向上の効果はしっかり見て取れると思います。

あと、ROG Zephyrus M16の「ディスプレイ解像度が高いことによるパフォーマンスへの影響」についてはFF15のベンチマークスコアがわかりやすい結果となりました。ただ、この製品の場合、2,560 × 1,600解像度のままでも十分快適にプレイができると思いますので、「よりキレイな画面を楽しむのか」「ガッツリとスコアを狙っていくのか」という選択ができる、ということだと思います。

4.ROG Zephyrus M16 レビューまとめ

ASUS ROG Zephyrus M16はASUS StoreでRTX3070Ti搭載モデルが販売中、RTX3060搭載モデルは4月下旬発売予定となっていて、3月4日現在の表示価格はRTX3070Ti搭載モデルが税込み349,800円、RTX3060搭載モデルが税込み269,800円です。

また、この製品は「30日間返品保証キャンペーン」の対象になっていますので、初期不良以外の理由、例えば「イマイチ気に入らない」といった場合でも購入から30日間であれば返品が可能です。さらに、30日経過後も継続して使用する場合は「あんしん保証プレミアム3年パック」がプレゼントされます。あんしん保証プレミアムは通常の製品保証ではカバーされない、ユーザーに責任のある故障であっても自己負担ゼロで修理してもらえる、「まさに安心」な拡張保証プランです。

この製品のレビューと同時期に「問答無用のハイエンド」ROG Strix SCAR 17 G733ZXの実機レビューも実施しました。スペックもパフォーマンスもStrix SCARのほうがワンランク上ではあるのですが、それって「大会出場レベル」での差かな、と思います。例えばStrix SCARのGPUはRTX3080Ti、このZephyrus M16の(レビュー機の)GPUはRTX3070Tiだったので、ベンチマークスコアはStrix SCARのほうが高かったわけですが、その差はそれほど劇的とは言えません。

また、Strix SCARのディスプレイは17.3インチでリフレッシュレートは360Hzと超高速ですが、Zephyrus M16は16インチでリフレッシュレートは165Hzです。でも、このリフレッシュレートの差によってゲームのスコアが大きく変わるような高い腕前を持つ人はそう多くはないんじゃないか、と思います。一方で解像度はZephyrus M16のほうがワンランク高く、発色性能も高くなっていますので、ゲームもクリエイティブワークも、そしてビジネスにも使えるPCということならZephyrus M16のほうがバランスがいいのではないか、と思います。

私はゲームは下手くそですし、視力や年齢の問題でリフレッシュレートの違いもよく認識できないので、Strix SCARは「宝の持ち腐れ」になってしまいそうです。Zephyrus M16のほうでも「自分にはオーバースペック」だとは思いますが、ディスプレイの品質がゲーム以外の用途にも向き、筐体も薄型で(Strix SCARよりは)おとなしめのデザインなので、その実力をフルに活かせるとは思わないものの、ぜひ手元に置きたい、と感じました。

Strix SCAR 17とZephyrus M16、どちらもASUS ROGシリーズのトップモデルと言えそうな高級ゲーミングノートで、とても魅力的な製品ですが、その性格は少し異なります。より純粋にゲーミング性能を追求するならStrix SCARを、ゲームはもちろんのこと、クリエイティブワークに、ビジネスに、と多目的に活用するならZephyrus M16を選択されるといいでしょう。

5.関連リンク(ASUS)

ROG Zephyrus M16 GU603ZW(RTX3070Ti)icon
ROG Zephyrus M16 GU603ZM(RTX3060)icon

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