ASUSはゲーミングPCにも力を入れていて、製品ブランド「ROG(Republic of Gamers)」を展開しています。今回紹介する「FX503VD」はゲーミングノートですが「ROG」ブランドは使われていません。そのかわり、ASUSのニュースリリースには「カジュアルゲーミングノートPC」という文言が使われていました。つまり、スペックと価格を抑えたライトゲーマー、もしくはゲーミング初心者向けの製品ということです。
1.スペック
スペック表を確認すると、確かにいまどきのゲーミングノートとしてはエントリークラスになるのかもしれません。CPUはゲーミングノートとしては一般的なCore i7-7700HQで、このCPUはごくハイエンドなゲーミングノートを除けばエントリークラスからミドル、ハイクラスの製品に幅広く使われています。
外部GPUはGeForce GTX1050ですから、GTX10○○シリーズとしてはローエンドということになりますが、「コンマ何秒を争う」上級ゲーマーでなく、ライトゲーマーや初心者なら特に不満なくゲームを操作できるだけの性能はあります。私程度ならGTX1050だろうとGTX1070だろうと大して変わりません。GPU性能が問われる前にゲームオーバーになっちゃいますから。
RAMは8GBで、増設しての注文はできませんが、GTX1050のVRAM(ビデオRAM)が4GBありますので、ゲームをしていてRAM不足を感じるケースは多くないと思います。ストレージも注文時のカスタマイズはできないものの、最初からSSDとHDDのデュアル構成になっているので、当面は困らないと思います。
また、この製品は「ROGブランドではない」と書きましたが、内部構造がケチられているわけではなく、2つの冷却ファンでCPUとGPUを効率よく冷却する「デュアルクーリングシステム」が搭載されています。「長時間のゲームでも安心」とのこと。
ディスプレイは15.6インチでFHD(1,920 × 1,080)となっており、入出力ポートも3つのUSB、HDMI、そして有線LANポートが装備されます。ポートに関しては上位クラスのゲーミングノートよりも省略されている感があります(上位クラスのゲーミングノートは複数の映像出力ポートがついていることが多いです)が、この製品単体で使ったり、外部ディスプレイを1つ接続して使うぶんには問題ないでしょう。
2.筐体
「ゲーミング」を謳う製品ということもあり、サイズは特に絞り込まれてはいないですね。ディスプレイのベゼルも特に細くはありませんし、キーボード面も厚みがあります。筐体素材は不明ですが、ASUSはゲーミングノートをたくさん手がけていますので、剛性不足ということはないはずです。
天板はやや立体的な造形となっていますが、特に派手ということはありません。また、ヘアライン加工が施されていて、ASUSによれば「高級感がある」ということです。
キーボードは100キーの英語配列となります。バックライトは赤のみのようで、「W,A,S,D」キーの強調表示も可能のようです。バックライトの色でバレちゃいますね、この製品がゲーミングPCだってこと。
また、このキーボードはもちろん「Nキーロールオーバー(複数のキーの同時押し)」に対応していますし、方向キーを独立させたり、スペースキーを大きくするなど、ゲームを快適にするための配慮がなされています。
3.価格など
ASUS FX503VDはASUSの直販サイト「ASUS Shop」で1月19日に発売され、すでに予約注文を受け付けています。価格は134,800円(税込み145,584円)です。スペックから見てこの価格は高くはないと思いますが、ドスパラなどのBTOメーカー製品と比較すると若干高価かもしれません。
この製品のいいところは、ASUSのいう「カジュアルゲーミングノート」というコンセプトがピッタリで、オンラインゲームのエントリーユーザーがカスタマイズに頭を悩ませることなく、購入してすぐにゲームを楽しめ、当面不満を感じないですみそうなシステム構成になっているところだと思います。
また、キーボードのバックライトを除けば外見はそれほど派手ではなく、それでいて並のスタンダードノートとは一線を画する迫力が感じられるのも好印象です。非ゲーマーでも、スペックが高いノートPCを探している人にはいい選択肢になるのではないか、と思います。