ASUS ROG Flow X13 GV302の実機レビューです。ディスプレイサイズ13.4インチ、最小重量1.32 kg、コンバーチブル2 in 1筐体と、世にも珍しいw 「ゲーミング・モバイルノート」ですね。GPDやONE-NETBOOK、AYANEOなどのゲーミングUMPCは別として、14インチを下回るディスプレイサイズのゲーミングPCは他社ではほとんど見られません。この記事では5月1日に販売がスタートしたばかりの最新モデルを見ていきます。
・13.4インチ・コンバーチブル2 in 1タイプの「モバイル・ゲーミングノート」
・Zen4のRyzen 9 7940HSにGeForce RTX40シリーズ搭載!
・Nebula Displayの発色品質が素晴らしい!リフレッシュレートも165Hz
・小型ガジェット好きならぜひ!
ここがイマイチ
・予想はしていたが、やはり高価…
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目次
1.ROG Flow X13 GV302 スペック
スペック表
ROG Flow X13 GV302 | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen 9 7940HS |
外部GPU | なし/NVIDIA GeForce RTX4050/RTX4060/RTX4070 ※GeForceはすべてLaptop GPU |
RAM | 16GB/32GB(LPDDR5-6400, オンボード) |
ストレージ | 512GB/1TB SSD(PCIe 4.0 ×4接続) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.4インチ(1,920×1,200)タッチ、120Hz 13.4インチ(2,560×1,600)タッチ、165Hz |
ネットワーク | Wi-Fi6E(a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB4 Type-C(映像出力、PD対応)、USB3.2 Gen2 Type-C (映像出力、PD対応)、USB3.2 Gen2 Type-A、HDMI、オーディオジャック、microSDカードリーダー、ROG XG Mobileインターフェース |
カメラ | Webカメラ(1080p)顔認証対応 |
バッテリー | 75Whr(約10.7時間) |
サイズ | 299.4 × 212.9 × 16.75~18.75 mm |
重量 | 1.32 – 1.35 kg |
バリエーションモデル
GV302XA:なし/16GB/512GB/1,920 × 1,200
GV302XU:RTX4050/16GB/1TB/2,560 × 1,600
GV302XV:RTX4060/16GB/1TB/2,560 × 1,600(レビュー機の構成)
GV302XI:RTX4070/32GB/1TB/2,560 × 1,600
※左からGPU/RAM/SSD/ディスプレイ
コメント
CPUは最新型番のRyzen 9 7940HS「のみ」が設定されています。Ryzen 5とかRyzen 7はありません。Ryzen 9 7940HSですが、Zen4アーキテクチャを採用し、内蔵GPUもRadeon 780Mを搭載していますので、ある意味「Ryzen 7000番台の中では真の新世代」です。
GPUは最下位グレードのみ外部GPU非搭載、それ以外はGeForce RTX40シリーズを搭載しています。ROG Flowシリーズには専用のGPU BOX「XG Mobile」が用意されていますが、このニューモデルではGPU BOXなしでも非常に高いパフォーマンスを発揮してくれると思います。
RAMとSSDも「ゲーミングPC」と呼ぶにふさわしい容量になっていますし、ディスプレイも上位モデルは2,560 × 1,600と高精細な上にリフレッシュレートも165Hzです。そして、ここはモバイルノート(モバイル2 in 1)らしいところなのですが、全モデルタッチ対応です。ゲーミングノートでディスプレイがタッチ対応するのは珍しく、この点もROG Flow X13 GV302の製品特性をよく物語っていると思います。
では、筐体の外観から見ていきます。
2.ROG Flow X13 GV302 外観と使用感
同梱物
まずはACアダプターから。モバイルノート用としては大きくて重く、ゲーミングノート用としては小型軽量です。出力は130W、電源ケーブル込みの実測重量は478 gでした。
天板・底面・側面
天板です。筐体は金属製と思われますが、少し「ヌメッ」とした感触なので、カーボンも使われているかもしれません。斜め方向に立体的なストライプが走り、ASUS製品らしく「角度をつけて見ると何か文字が浮かび上がる」デザインです(この製品にはREPUBLIC OF GAMERSと入っています)。
底面です。上部に通気口、下部左右にスピーカーグリルがあります。周囲のネジを外せば筐体の開口は可能と思われますが、この製品はRAMがオンボードなので増設・換装は難しく(というか、基本無理)、SSDについても仕様が開示されていません(海外版ではM.2 2230と開示されていました)し、筐体が一般的なゲーミングノートよりもかなり小さいので、SSDの増設・換装作業も容易ではないと思います。
前面と背面です。いずれもポート類、ボタン類はありません。
右側面です。画像左側に電源ボタンがあり、その横にUSB Type-Aポート、USB4 Type-Cポートがあります。
左側面です。画像左側にパッキンで覆われている部分がありますが、ここにUSB3.2 Gen2 Type-CポートとXG Mobile接続用のインターフェースが隠れています。その横に左からmicroSDカードリーダー、HDMI、オーディオジャックがあります。
パッキンを開けるとこんな感じ。有線接続でゲームプレイをする場合、2つのUSB Type-Cポートのうち1つで電源接続し、もう1つでLAN接続(アダプター要)するので、常にパッキンを開けることになります。
キーボード
キーボードです。キーピッチは手採寸で約19 mm、キーストロークはメーカー公称値で約1.7 mmと、ノートPCとしては標準サイズ、というかキーストロークはむしろ若干深めです。また、ゲーミングPCらしくN-Keyロールオーバーにも対応しています。バックライトも搭載しており、明るさを3段階に調整できます。なお、バックライト色はホワイトのみです。
パームレスト部分には斜め方向に立体的なストライプ処理がしてあり、右側にはROGロゴが浮き出ています。
それと、キーボード最上段に4つのキーがあります。このキーはデフォルトでは「音量下げ、音量上げ、マイクミュート、設定アプリArmoury Crate起動」が割り当てられていますが、Armoury Crate上で別な操作を割り当てることができる「ホットキー」です。
また、キーボードマクロの登録も可能です。
指のかかかりが良くなるように、キートップには0.2 mmのくぼみがあります。
レビュー期間中、ゲームをしたり、ウインタブの記事を執筆したりしましたが、13.4インチと小さいのキーボード操作がしにくい、ということは全く感じませんでした。キーストロークはノートPCとして少し深めになっていますので確実な打鍵感が得られましたし、文書作成時の打鍵音も静かでした(静音キーボードといってもいいくらいです)。
ディスプレイ
正面から見たところです。コンバーチブル2 in 1筐体ということもあり、下部ベゼルはやや太めながら、それ以外の3つのベゼルは細く、ゲームプレイ中の没入感を高めてくれそうです。
ディスプレイは2,560 × 1,600(アスペクト比16:10)と高精細、リフレッシュレート165Hz、応答速度3msと高速です。また、発色もよく、100%sRGB、100%DCI-P3と開示されています。ASUSはこの製品のディスプレイを「Nebula Display」と名付けており、Nebula Displayという名称は「一定以上の性能を持つディスプレイにだけ」使っているとのことです。
このディスプレイはタッチ対応し、4,096段階の筆圧に対応するASUS Pen(別売り)が使えます(Microsoft Pen Protocol 2.0のペンなら使えます)。
また、Armoury Crate上で色域(sRGB、DCI-P3など)を変更でき、ゲームジャンルに合わせた表示モードにすることもできます。さらに、別途機材が必要になりますが、キャリブレーションも可能です。
実際にしばらく使ってみて、発色の素晴らしさももちろんですが、輝度が非常に高いのが印象に残りました。夜間、室内灯の下で作業する際などはWindowsの設定で輝度を50%にしてもまだ明るすぎるくらいでしたね。
賛否が分かれそうなのが「グレア(光沢)」タイプである、という点です。グレアタイプは発色の面では有利ですが、どうしても映り込みが激しくなってしまいますので、設置場所に気を使ってやる必要があります。私の体感では「普通のグレアタイプ」というか、設置場所によってはそれなりに映り込みが気になりました。
筐体その他
コンバーチブル2 in 1筐体のため、テントモード、スタンドモード、タブレットモードにして使うこともできます。ゲームコントローラーを使う場合とか動画視聴の際にはテントモードやスタンドモードが便利ですし、この製品はディスプレイがタッチ対応しますので、タブレットモードでイラストやマンガの制作もしやすいと思います。
ROG Flow X13 GV502はドルビーアトモス、ドルビービジョンに対応しており、音響アプリはDolby Accessです。Dolby Accessはデフォルトでオンになっており、特に何もしなくともクリアな音質が楽しめます。
しばらく音楽鑑賞をしてみましたが、13.4インチのモバイルノートサイズの割に、非常に高音質です。重低音はさすがに厳しいものの、低音から高音までバランスよく鳴ります。このサイズのノートPCとしては最高水準なのではないかと思います。
Armoury CrateではマイクとスピーカーのAIノイズキャンセリングの設定も可能です。ROG Flow X13 GV302は本当に機能満載の製品なので、ディスプレイがタッチ対応するとか、ノイズキャンセリング機能があるとかは見落としがちですが、ゲームプレイ以外のこともしっかり考えられています。
3.ROG Flow X13 GV302 性能テスト
これまでも何枚かのスクリーンショットを掲載していますが、設定アプリ「Armoury Crate」は非常にたくさんの機能があり、ASUSのゲーミングPCには「なくてはならない存在」です。
Armoury Crateの機能は製品によって少しずつ異なりますが、「パフォーマンスの調整」について、ROG Flow X13 GV302の場合は「Turbo」「パフォーマンス」「サイレント」「Windows(Windowsの初期設定を使用)」「手動」の各モードを選べます。
また、「GPUモード」というのもありまして「Ultimate(常に最高性能。バッテリー消費とか関係ないから、というモード)」「スタンダード(GeForceと内蔵GPUを自動で切り替えてくれるモード。Windowsの標準設定)」「エコ(内蔵GPUのみで動作)」「最適化(スタンダードモードとエコモードを自動切替)」を選べます。
各種ベンチマークテストの実施に際し、電源接続の上、パフォーマンスモードを「Turbo」に、GPUモードを「Ultimate」にしています。
ベンチマークテスト
グラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。ゲーミングPCでは最も重要になるテストと言えます。
参考(ハイスペックゲーミングノート):
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX、RTX4090):22,052、38,273、15,196
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(i9-12900H、RTX3080Ti):12,849、28,768、7,999
Lenovo Legion 760(Ryzen 9 5900HX、RTX3080):12,070、26,488、7,622
ASUS ROG Strix G15 G513RW(Ryzen 9 6900HX、RTX3070Ti):11,088、26,107、6,904
MSI Katana GF66 12U(i7-12700H、RTX3070Ti):10,516、23,619、6,589
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):10,393、23,177、6,394
ASUS ROG Strix G15 G513RM(Ryzen 7 6800H、RTX3060):9,359、21,320、5,363
MSI Katana 15 B13V(i7-13620H、RTX4050):9,278、21,399、4,986
ASUS Vivobook Pro 15 OLED K6502VV(i9-13900H、RTX4060):9,013、20,391、4,833
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):8,981、21,434、5,488
MSI Bravo 15 C7V(Ryzen 7 7735HS、RTX4050):8,767、20,659、5,037
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,435、20,017、5,049
MSI Stealth 15M B12U(i7-1280P、RTX3060)):8,023、18,153、4,491
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):7,767、17,671、5,136
MSI Pulse GL66 11U(i7-11800H、RTX3060):6,974、15,408、4,088
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q):5,597、13,382、3,150
※左からTime Spy、Fire Strike、Port Royalのスコア
スコアのほう、旧世代GPU(RTX3060)をしのぐ結果になっていますが、比較対象になっているMSIのRTX4050搭載機よりもやや低く、RTX4060搭載のASUSのVivobook Proにも若干負けています。ただ、MSIの2機種については設定でGPUのオフセット(オーバークロック)ができましたし、Vivobook Proとの差についても測定数を増やせばほぼ同水準になると思います。
RTX4060を搭載するコンパクトノートとしては十分満足できる結果と言えるでしょう。
次に個別ゲーム「ファイナルファンタジー15」のベンチマーク結果です。
参考:
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX、RTX4090):19,307
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(i9-12900H、RTX3080Ti):11,839
MSI GP66 Leopard 11U(i7-11800H、RTX3080):11,658
ASUS ROG FLOW X13(Ryzen 9 5900HS、RTX3080):10,371
MSI Katana GF66 12U(i7-12700H、RTX3070Ti):9,451
ASUS ROG Strix G15 G513RM(Ryzen 7 6800H、RTX3060):9,349
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):9,063
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,946
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):8,879
MSI Katana 15 B13V(i7-13620H、RTX4050):8,846
ASUS Vivobook Pro 15 OLED K6502VV(i9-13900H、RTX4060):8,838
MSI Bravo 15 C7V(Ryzen 7 7735HS、RTX4050):8,557
MSI GE66 RAIDER(i7-10875H、RTX2070):8,230
MSI Stealth 15M B12U(i7-1280P、RTX3060)):7,513
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(i7-9750H、RTX2070):7,440
MSI Pulse GL66 11U(i7-11800H、RTX3060):7,138
マウス DAIV 6P-RT(i7-12700H、RTX3050Ti):5,328
MSI GF63 Thin 10U(i5-10500H、RTX3050):4,179
ここでもRTX3060よりも高いスコアをマークしています。ただ、やはりRTX4060搭載のVivobook Proよりも少し低い結果となりました。なお、このスコアは解像度を1,920 × 1,080に設定して測定したものです(過去データも全て1,920 × 1,080でのスコアです)
参考までにROG Flow X13 GV302の最高解像度に近い2,560 × 1,440にして測定したスコアも掲載しておきます。
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。どちらかというとビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。また、このテストではCPU性能の影響が大きいとされますが、テスト内容にグラフィック系のシミュレーションも含むため、外部GPUの性能も少なからず影響します。
参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX、RTX4090):9,187
ASUS Vivobook Pro 15 OLED K6502VV(i9-13900H、RTX4060):8,033
MSI Katana 15 B13V(i7-13620H、RTX4050):7,955
MSI Creator Z16P B12U(i9-12900H、RTX3080Ti)7,943
ASUS ROG Strix SCAR 17 G733ZX(i9-12900H、RTX3080Ti):7,773
ASUS ROG Zephyrus M16(i9-12900H、RTX3070Ti):7,720
DELL G15(i7-12700H、RTX3060):7,685
ASUS ROG Flow X16 GV601(Ryzen 7 6800HS、RTX3070Ti):6,881
GIGABYTE A7(Ryzen 9 5900HX、RTX3070):6,827
ASUS TUF Gaming A17 FA706QR(Ryzen 7 5800H、RTX3070):6,744
MSI Stealth 15M B12U(i7-1280P、RTX3060):6,675
MSI Bravo 15 C7V(Ryzen 7 7735HS、RTX4050):6,436
HP Pavilion 15-eh(Ryzen 7 5825U)5,954
VAIO SX12(2022)(i7-1260P):5,761
dynabook RZ/HV(i7-1260P):5,564
VAIO SX14(i7-1280P):5,452
ASUS Vivobook 15x OLED X1503ZA(i7-12700H):5,244
Lenovo ThinkPad X13(i7-1165G7):5,205
Lenovo IdeaPad Slim 550 14(Ryzen 5 5500U):5,076
ASUS Zenbook 17 Fold OLED UX9702(i7-1250U):5,074
DELL Inspiron 14 AMD(Ryzen 5 5625U):5,031
ここでも非常に高いスコアとなりました。ただ、まだレビュー実績がないので確たることは言えませんが、第13世代のIntel Coreプロセッサーと比較すると若干旗色が悪いようにも見えます。ただ、第13世代Intel搭載機はGPUの型番も異なりますし、もちろんこのスコアでもPC Markが想定するビジネスシーンでは文句なしの実力はありますけど。
続いてはCPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。このテストではGPU(GeForce)の搭載有無は影響を受けないとされています。
参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX):2,149、30,358
ASUS Vivobook Pro 15 OLED K6502VV(i9-13900H):2,002、16,897
MSI Creator Z16P B12U(i9-12900H):1,918、17,827
マウス DAIV 6P-RT(i7-12700H):1,814、12,873
dynabook AZ/HV(i7-1260P):1,809、8,940
ASUS Vivobook Pro 15X OLED K6501ZM(i7-12650H):1,806、14,632
MSI Katana 15 B13V(i7-13620H):1,802、11,620
MSI Katana GF66 12U(i7-12700H):1,800、15,593
MSI Modern 14 C12M(i7-1255U):1,797、8,791
VAIO SX14(i7-1280P):1,661、9,354
MSI Stealth 15M B12U(i7-1280P):1,659、13,793
VAIO SX12(2022)(i7-1260P):1,647、8,813
dynabook RZ/HV(i7-1260P):1,634、8,524
ASUS ROG Strix G15 G513RW(Ryzen 9 6900HX):1,580、14,830
MSI Bravo 15 C7V(Ryzen 7 7735HS、RTX4050):1,551、8,964
dynabook SZ/MV(i7-1255U):1,551、5,160
ASUS ROG Flow X16 GV601(Ryzen 7 6800HS):1,543、13,832
ASUS Vivobook 15 OLED K512EA(i7-1165G7):1,497、5,555
MSI GP66 Leopard 11U(i7-11800H):1,491、12,210
ASUS Vivobook Pro 15 OLED(Ryzen 7 5900HX):1,482、12,108
dynabook MZ/HS(i7-1165G7):1,477、5,526
ASUS M3700WY(Ryzen 7 5825U):1,454、9,046
MSI Bravo 15 B5(Ryzen 7 5800H):1,422、11,241
DELL Inspiron 14 AMD(Ryzen 5 5625U):1,364、8,013
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H):1,348、11,419
Lenovo IdeaPad Slim 550 14(Ryzen 5 5500U):1,170、6,973
ASUS ZenBook 14(i5-8265U):1,023、3,691
HP Pavilion x360(i5-7200U):790、1,740
ウインタブでZen4のRyzen搭載機をレビューするのは今回が初めてなので、実はCINEBENCHのスコアに最も関心がありました。結果のほう、非常に高いスコアと言えますが、やはり第13世代Intel Core i9よりも少し低めです。ここも測定できた製品の数が少ないので、確かなことは言えませんけどね。
SSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。PCIe4.0 ×4接続らしいスコアになっていると思います。実際のところ、これよりも良好なスコアをマークする製品もありますが、実用上はこれでもオーバースペックなんじゃないか、と思えるくらいに高速です。
ゲームプレイ
今回のレビューではゲームもやってみました。試したのはレースゲームの「Forza Horizon 5」「Wreckfest」そしてFPSゲーム「Gunfire Reborn」です。この3タイトルのうち、最もPC性能を要求するタイトルはForza Horizon 5ですが…
ベンチマークモードの結果、推奨されたグラフィック品質は「低」でした。しかし、実際に設定を「高」にして、解像度2,560 × 1,600、リフレッシュレート165Hzという、ROG Flow 13 GV302にとっての最高設定でプレイしてもレース中で70~80FPSくらいは出ていましたし、動作にも問題は感じられませんでした。個人的には高設定でも快適にプレイできると感じました。
よりPC負荷の小さいWreckfestとGunfire Rebornについては高画質でのプレイが可能です。WreckfestのほうはFPS表示に対応していませんでしたが、Gunfire Rebornでは200FPS以上となりました(ただし、ROG Flow X13 GV302のリフレッシュレートは165Hzなので、リアルに200FPSの描画ができていたわけではありません)。
ディスプレイは確かに小さいと感じました。でも、これは「わかっていた話」ですし、文句を言うところじゃないですね。キーボード操作は他のゲーミングノートPCと遜色なく、スコアが低かったのはマシンのせいではなくて自分の人間設定だったと思います。
発熱とファン音
ソフトウェア「HWInfo」でバックグラウンドでログを取りながらForza Horizon 5を30分ほどプレイしてみました。プレイ中のCPUの最高温度は78℃ほどで、この際の表面温度はキーボード面上部が51℃ほどでした。筐体サイズが小さいので発熱が心配されましたが、少なくとも今回のレビューではその心配は杞憂であったと思います。
また、ファン音も静かです。ゲームプレイ中にファン音はしますが、40dB台半ばくらい(45dB程度)と、一般的なゲーミングノートよりも静かでした。もちろんArmoury Crateのパフォーマンスモードを「サイレント」にした場合は、ファン音はほとんど聞こえません。
バッテリー駆動時間
ROG Flow X13 GV302はモバイルノートサイズの製品です。そのため、「ゲーミングPCとしてではなく、ビジネスモバイルノートとして使う前提」でバッテリー消費量を測定してみました。Armoury Crateのパフォーマンスモードを「サイレント」にし、GPUモードを「エコ」にして下記の操作をしてみました。なお、ディスプレイ輝度はほぼ50%(短時間のみ70%)、音量30%、バックライトを一番暗く(弱く)点灯させています。
・画像加工ソフト「GIMP」で簡単な画像加工を45分
・ブラウザー上でテキスト入力を20分
・YouTubeの動画視聴を20分
上記合計で85分使用し、バッテリー消費量は28%でした。単純計算だと1時間あたり20%弱のバッテリー消費となり、駆動時間は5時間強、となります。メーカー公称のバッテリー駆動時間は10.7時間で、さすがにそこまではいかないと思いますが、この製品はディスプレイ輝度が非常に高く、50%にしてもテキスト入力では少々明るすぎるくらいに感じられました。個人的には輝度30%くらいでも問題なく使えると思いますし、バックライトを非点灯にするなど、まだ「節約」の余地はあります。なので、プラス1時間くらい、駆動時間6時間くらいなら十分計算に入れられると思います。
4.ROG Flow X13 GV302 レビューまとめ
ASUS ROG Flow X13 GV302はASUS Storeで販売中で、5月7日現在の価格は下記のとおりです。
GV302XA:なし/16GB/512GB/1,920 × 1,200:199,800円
GV302XU:RTX4050/16GB/1TB/2,560 × 1,600:309,800円
GV302XV:RTX4060/16GB/1TB/2,560 × 1,600:319,800円
GV302XI:RTX4070/32GB/1TB/2,560 × 1,600:349,800円
※税込み価格
外部GPU非搭載のモデルを除き、すべて30万円オーバーになっています。CPUがRyzen 9 7940HSでGPUもGeForce RTX40シリーズと、最新でハイスペックな仕様になっていること、またSSDも1TBが中心でディスプレイ品質も非常に高いことを考慮すれば「やっぱり30万円以上にはなっちゃうよねー」とは思います。あと、この製品の場合「競合製品がほぼない」というのもありますしね。
この製品はROG Flowシリーズ専用の外付けGPU「XG Mobile」の接続が可能です。今回はXG Mobileを接続してのレビューではありませんでしたが、XG MobileはGeForce RTX4090 Laptop GPUを搭載していますので、接続すれば圧倒的なパフォーマンスを発揮してくれると思います。ただし、価格も税込み399,800円と圧倒的ですけど。
これは欲しいですね、個人的に。昨年来出張や旅行、果てはキャンプに車中泊と、PCを携えて出かける機会が増えていますので、どこでも最高水準のパフォーマンスを発揮できるROG Flow X13 GV302は魅力的ですし、ゲームとかGeForceのことを無視して考えても「13.4インチのコンバーチブル2 in 1でディスプレイがタッチ対応する」というパッケージングはやはり非常に魅力的です。
当初、冷却性能が少し懸念されるかな、と思っていましたが、少なくとも私の使い方では問題ありませんでした。あと、皆さん好きですよね?こういう小さいボディに機能満載・高性能なノートPC。
5.関連リンク
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